ワールドトリガー 〜鬼殺の剣士〜   作:シナプス・フィン

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今回は、紘太の過去を少し話します。


では、どうぞ。


第33話 ギーヴ襲撃

目的地に到着し、無事に景色と夕焼けを見ることができた一同。

そして、戦闘訓練を行おうとした時、紘太が皆を呼び止めた。

 

「どうしたんだ?急に」

「今回、リリスを追ってきた敵の正体を掴めた」

「何だと!?」

「急にいなくなったと思ったら敵を追いかけていたのか」

「それで敵は、どんな奴だったんだ?」

「エルガテスの追手で敵は、ギーヴと名乗っていた」

「ギーヴ?」

「2人は、何か知らないか?」

 

リリスとゼノは、お互いの顔を見るが・・・。

 

「いや、俺たちは、聞いたことがない」

「それともう一つ、敵は、レプリカと同じ形状のトリオン兵と一緒に行動していた」

「レプリカと同じ!?」

『恐らく、それは自律型トリオン兵と見て間違い無いだろう』

「敵の正体を知った以上、向こうもなりふり構わず攻撃をしてくる。

みんな気を付けろよ」

 

皆は、紘太の言葉で一段と気を引き締める。

 

 

 

 

 

紘太の事後報告を終えて解散し、修、遊真、ゼノ、そして宇佐美は、戦闘訓練をしていた。

傲慢な態度は、相変わらずだが修の欠点を指摘していく。

一方の紘太は、雨取とリリスの様子を少し距離を取り護衛をしていた。

 

「綺麗・・・。海って言うんだっけ?」

「エルガテスには、無いの?」

「周りは、砂漠だらけ・・・。一杯の水を奪い合うだけで命懸けで争い合うくらい」

「そうなんだ・・・」

「何処の国も物騒だな」

「ねぇ、コウタ」

「何だ?」

「コウタって、トリガーを使い始めてからずっと戦っていたの?」

 

リリスは、紘太に対して聞いて来て思わず驚いた。

 

「何でまた急に?」

「コウタは、私達に対して分け隔てなく接してくれる。

でも、戦っている時のコウタは、ちょっと怖かった・・・」

「・・・俺が戦場として戦っていたのは、10歳、5年前からだ」

「・・・え?」

「家族と一緒に出掛けていた時、強盗、盗みを働く輩がいてな。

その時、俺は初めて・・・。

 

 

 

 

 

人を斬った」

 

「「!?」」

 

紘太の話した衝撃の内容に2人は、驚きの表情を隠せないでいた。

 

「あの時は、無我夢中で刀を振ったけど冷静になったら人の命を奪っていた。

怖かったよ。刀一本振り下ろすだけで人の命を奪える自分の剣を・・・」

「・・・だったら、どうして今は平気なの?」

「事件の時から1年後位かな。その時の強盗事件に巻き込まれた女の人がいて当時は、まだ産まれていない子供がいたんだ。

その母親がお礼を言って来たんだ」

「・・・どんな気分だったの?」

「戸惑った。人を殺したのに何でお礼を言われたんだって。

その後に、子供がいたって教えてくれた。その時、爺ちゃんに言われたんだ」

 

 

ーーー確かに、お前のした事は到底許せることではない。

   だが、それでも救えた命もあるのだと言うことを忘れるな。

   その力を何に使うかは、お前次第だ。

 

 

「それ以来、刀を振るにはただ暴力であるわけにはいかない。

()()()()()()()()()。その理由がいるんだ」

 

2人は、しんみりとした表情で紘太を見ていた。

 

「悪いな。せっかくの雰囲気を台無しにして」

「ううん!気にしないで!!」

 

すると雨取が・・・。

 

「そういえばリリスちゃん。泳げる?」

「泳ぐって何?」

「泳げないと、リリスちゃん溺れちゃうよ?」

「溺れるって何!?面白そう!リリス溺れてみたい!」

「いや、それはアカンぞ。リリス」

「何で?」

「溺れるって言うのは、水の中で息ができない事なの。

とても苦しいんだよ」

「苦しいのは嫌だな・・・。チカ!リリスに泳ぐを教えて!

ゼノに泳ぐを教えてあげたい!」

 

そんなこんなで日が沈んできたので合宿所に戻った。

 

 

 

 

 

合宿所に戻ると修がバテていた。

リリスは、ゼノに泳ぐと言うのを教えようとしたがゼノはそれを拒否。

すると、宇佐美がキャンプファイアを提案してきた。

 

「キャンプファイヤーって何だ?」

「火を囲んでみんなで歌を歌ったり、お話ししたりするの」

「火を囲んで?」

 

遊真もキャンプファイヤーを経験したことがない為、理解していなかった。

と言うわけで、キャンプファイヤーをやる事になった。

日が沈み、焚き火の前でココアなどを持ち寄り体を暖めていた。

 

「・・・何の儀式だ。火を見て何が楽しい」

「まあ、儀式という点では、間違いではないけど」

「儀式である事が間違いない?」

「元々は、親睦を深めると言う名目で言われている。

内容は、様々だけど友情を誓うと言う意味での儀式とも言われている」

「友情か・・・。オレ様には、必要のない物だな」

「ま、他人を蹴落として誰かを守るような奴には、縁遠い事だろうな」

「・・・何が言いたい?」

「お前に、リリスを守り通せるのか?

たった2人で逃げて来たのにも関わらず、結局は人に頼らないといけない。

ただでさえ、俺達を道具としか見ていない奴が本当にリリスを守れると思っているのか?」

「貴様・・・!言わせておけば!!」

 

ゼノは、拳を紘太に向けて放つ。しかし・・・。

 

 

 

 

 

パシッ!!

 

紘太は、何事も無かったかのように片手で受け止めた。

 

「人間一人での力なんざたかが知れてる。たった一人で誰かを守るなんて口では、簡単に言える。

でもそれは、物凄く大変な事なんだ・・・。お前は、これから先、リリスを失う事なんてないと言い切れるのか?」

 

紘太の宿した瞳は、ゼノには、思わずすくんでしまった。

 

「ゼノ、やめて。折角、皆と仲良くなれたのに・・・」

「リリスには悪いが・・・お前に一つだけ言っておく。

もし、俺の仲間に危害を加えたらその時はただじゃ済まない」

 

紘太とゼノは、お互い睨み合う。

 

「・・・コウタが怒ってる。珍しいものが見れた」

「キャンプファイヤーで、ゼノやリリスちゃんと仲良くなれると思ったのに・・・」

「大炎上だな」

 

宇佐美は、がくりと肩を落とした。

 

「でも、紘太の言っている事は、分かる。

ゼノのやり方は、僕も納得できない」

「オサムも怒ってる。やっぱ面倒見の鬼だな」

「・・・茶化さないでくれ」

 

そんな話をしている時だった。

 

「修君!!」

 

雨取がかなり険しい表情をしながらこちらに来た。

 

 

 

 

 

木虎と雨取の話によると海の方から大型トリオン兵がこちらに来ている。

 

「街を攻撃するつもりか?」

「違うな。街を吹き飛ばすつもりだ。

オレならそうする」

「ゼノ様分かってるね」

「そんな!?街の人達は?」

「お構いなしだろうな・・・。向こうの目的は、リリスだ。

向こうもなりふり構ってはいられないだろう」

「奴らの目的は、オレ達の船だ」

「船?」

「オレたちが玄界(ミデン)に渡った時に使った奴だ」

「なるほどね・・・。奴らは、街ごと吹き飛ばすと同時にゼノの船を破壊しようって魂胆だな。

うまく破壊出来れば、ゼノとリリスは、この世界に止まらないといけないからな」

「それだけじゃない。奴らは、街の人に危害を加えれば俺たちが出てくることも分かっている」

「僕達を炙り出そうとしているのか・・・。

宇佐美先輩。爆発の規模はどれ位になりそうですか?」

 

宇佐美の計算では、爆発の規模は、イルガーの約67倍。

かなり広範囲と予測される。

 

「できるだけ早期決着が望ましいな・・・。

爆発の影響で津波が発生したら大変な事になる」

「理想は、沖合7キロに入る前にトリオン兵を仕留めたい」

「沖合7キロに到達する予測時間は?」

「今の速度で行けば、後1時間もないわ」

「千佳。もし危険だと思ったら僕達に構わず逃げるんだ」

「修君・・・」

 

雨取は、修を心配する声をあげた。

そして、敵を湾内に入れない為に、行動を開始した。

 

 

 

 

 

四塚市の港。

そこには、ゼノ、紘太、修、遊真、木虎が集まっていた。

 

「行くぞ、2人共!」

「おう!」

「了解だ!」

 

「「「トリガー・起動(オン)」」」

 

戦闘体に換装し、ゼノが出現させたトリオン兵に乗り、敵の元に向かった。

 

 

 




今回は、ここまでとなります。


誤字脱字ございましたら連絡下さい。
では、次回。

月の呼吸は、出しますか? 4/9 0:00まで

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