ワールドトリガー 〜鬼殺の剣士〜   作:シナプス・フィン

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今回は、オリジナル回となります。


では、どうぞ。


第43話 紘太の鍛錬と紘太がいない日常

紘太が特訓という名目で山籠りを始める数日前。

親しい人達に事情を説明していた。

まずは、太刀川隊の太刀川さんと出水さん。

そして、一緒にランク戦しに来ていた米屋さんと緑川。

 

「「山籠り?」」

 

「何でまた?」

「新しい技を覚えようと思って集中したいので」

「んなの、本部の訓練室でやれやいいじゃねぇか。何でわざわざ」

「忘れました?太刀川さん。俺の剣術」

 

「「「あぁ〜・・・」」」

 

「え?どう言う事?」

 

この中で唯一、緑川だけ分かっていなかった。

紘太は、緑川に呼吸剣術についての概要を簡単に説明した。

ついでにアンノウンだって事も話した。

 

「紘太先輩、アンノウンだったの!?」

「まあ、驚くだろうな」

「それで、どんな技を覚えるんだ?」

 

驚く緑川をスルーして出水は、技の概要を聞いてくる。

 

「出水、ネタバレは、良くないぞ。それは、次のお楽しみに取っておけば良い。

次戻って来たら一番に教えろ。そして俺と戦え」

「あ!太刀川さんずるい!!俺も戦いたいのに!!」

 

太刀川、緑川を筆頭にギャーギャー言ってくる戦闘狂(バトルジャンキー)共だった。

 

 

 

 

 

風間さんの場合。

 

「事情は分かったが防衛任務の方は大丈夫なのか?」

「シフトの中に3連休があるのでそこを利用しようかと。

場所は、警戒区域に比較的近い所に行きますので緊急事態の場合にでも直ぐに対応できるようにしますから」

「なら構わないが四塚市では、訓練はしなかったのか?」

「あっちは、里帰りってのとエルガテスの件もありましたので」

 

風間は、なるほどと納得しその日は、ランク戦10本勝負で終わらせた。

※因みに、別れ際に太刀川の居場所を聞かれ馬鹿正直に答えた。

後に首根っこを掴まれて引っ張られていく太刀川の姿を見たとか・・・。

 

 

 

 

 

双葉の場合。

 

「そう、ですか・・・」

「悪いな。面倒見れなくて」

「いえ、教えてもらっている身ですし。時間がある時には、こうして教えて貰っていますから」

 

紘太がいない間でも出来る鍛錬を教えた。

そして、その日の訓練は、成果を見る為、ランク戦10本勝負をし、9-1で紘太が勝ったが弟子の成長を見れて紘太は、満足するのだった。*1

褒美に白玉餡蜜をご馳走したら黒江は、ご満悦だった。

 

 

 

 

 

玉狛第一の場合。

 

「山籠りか・・・」

「随分と思い切ったな」

「でも、わざわざ山に行かなくても訓練室使えば良いのに」

「小南さん。それ、太刀川さんと同じ事を言われましたよ」

「話は、分かった。せっかくだから飯でも食って行け」

「では、いただきます」

 

木崎さん特製のオムライスは大変美味しかった。

 

 

 

 

 

修達の場合。

 

「山籠り?」

「何でまた?」

「呼吸剣技の中に突き技があってな。

そろそろ本格的に習得しようかなって」

「へぇ〜。突き技なんてあるのか。ちょっと見てみたいな」

「それはまたの機会で。それで数日の間は、訓練見れないからってのを伝えに来た」

「それは、残念。コウタと戦うのは、良い訓練になるから」

 

遊真は、ブー垂れるが理解はしてくれている。

そんでもって色々とアドバイスや、力加減を調整して修の相手をする紘太だった。

 

 

 

 

 

那須隊の場合。

 

「そっか・・・」

「玲。ちょっと寂しいって思ってるでしょ?」

「くまちゃん!!///」

「でも残念だな。綾瀬君は、もう那須隊のメンバーなのに」

「一応、部外者だからね?部隊の人員としては」

「でも、綾瀬のお陰でウチの隊の実力は、上がって来ているからとても感謝はしている」

「後、小夜ちゃんの男性恐怖症も」

「後々が心配ではありますがね・・・。あ、それと玲さん」

「何?」

「ちょっと頼みたい事が・・・」

「???」

 

その後、紘太の頼みを了承し合同訓練は、終了した。

 

 

 

 

 

本部長の場合。

 

「事情は、分かった。それで、次は、何をやるつもりなんだ?」

「羅刹に新しいデータを入れようと思ってちょっと系統の違う呼吸剣術を覚えようと」

「と言うことは、アレか?」

「アレです」

「香織さんに教えてもらったほうが良いのではないか?

使い手ではあるのだろう?」

「母に聞きましたけど、今は、完全に花の呼吸しか使えないみたいですよ。

かなり感覚が鈍ってるって話してましたし」

 

そんな話をしながら、忍田、沢村、紘太の3人は、同時に仕事を進めていくのだった。

因みに、報酬として良いとこのどら焼きをご馳走してくれた。

 

「・・・ボーダー隊員や関係者って和菓子好きな人多いんだな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の早朝。

三門市近くの山に到着した紘太は、早速訓練に取り掛かった。

内容は、至ってシンプル。ひたすら頂上から下山するだけ。

ただし条件としては、タイムアタックにして指定した時間内になるまで只管走る。

目標タイムは、30秒。

紘太がいる山の場所は、普通に歩いても5分以上も掛かる。

だが、紘太の場合、全集中の呼吸・常中を習得しての下山のタイムアタックは、最速で35秒。

残り5秒の壁が高いのだ。

しかし、ただ下山するだけでは、意味が無い。

祖父が残した(殺人兵器)が所狭しと並んでいる為、それを考慮して30秒を切らないといけない。

紘太が通り過ぎると時間差で配置が変わる赤外線センサーに触れると岩が落ちてくる。(序盤)

通り過ぎると落とし穴が大量にある。紘太は、その落とし穴に落ちないようにする。(中盤)

そして、最後も序盤と同じ様にセンサーが通り過ぎるとナイフが100本以上飛んでくる。(終盤)

これをひたすら繰り返す。

 

 

 

 

 

 

早朝からしているが未だに5秒の壁は、越えられない。

そして更に言うと、走る度にタイムが悪くなっていく。

紘太は、上手く行かないジレンマに陥っていた。

しかも、所々体に傷を負っているので更に体力を消費していく。

 

 

 

 

 

場所は、変わりボーダー本部。

そこでは、いつもと変わらない日常が過ごしていたのだが・・・。

 

「さて綾瀬と一勝負・・・。ってそういや、数日は居ないのか・・・」

「米屋先輩、綾瀬君がどうかしたんですか?」

「いや〜、この前、しばらく本部じゃなくて山で特訓するとか言ってよ」

「山籠りか?そう言えば、玲も似たような事言ってたな」

「奈良坂先輩も聞いたんですか?」

「玲が、よく綾瀬の事を楽しそうに話していたからな。

数日、本部に出ないって話していた時は、元気が無かったな」

 

三輪を除いた三輪隊は、特に米屋が紘太がいない事の違和感に慣れないでいた。

 

 

 

 

 

 

場所は、那須が通っている星輪女学院。その日の那須は、溜息が多かった。

クラスメイトの小南が那須の様子を心配していた為、声をかけた。

 

「どうかしたの?」

「あ、桐絵ちゃん。実は・・・」

 

紘太の名前は、伏せてしばらく会えないと言われて少し寂しいと話した。

 

「どうせなら、会いに行けばいいか呼びつければ良いじゃない。それか・・・」

 

 

 

 

 

ーーーその人が戻って来たらデートにでも誘えば?

 

小南が何気ない一言で思わず顔を赤くする。

そして、この事がきっかけかどうかは不明だが、那須に彼氏がいる疑惑が学校全体に広がったと記述しておく。

 

 

 

 

 

 

その日の学校が終わり、玉狛支部で話をしている一同。

紘太が訓練している日に修達がランク戦Round4をしていた。

結果は、3-2-1-2。玉狛は、1点しか取る事ができなかった。

修は、修なりに様々な人達に戦い方を伝授して貰ったが結果が伴わず意気消沈していた。

こんな時に紘太がいてくれたら何て声を掛けたのだろうと皆が思っていた。

 

「綾瀬がいないのか分からないですけど、何か落ち着きませんね」

「それにしても修、元気ないね・・・」

「アイツも、よく修の訓練相手をしてくれたからな」

「オサムも、コウタには申し訳ないと思っているかもな。

本人は、気にするなって言いそうだけど」

「紘太さんがよく言っていたよね。自分にできる事は、限られる。

だから限られる中で精一杯やるんだって」

 

雨取、修は、戦いの場数が圧倒的に少ない。

紘太は、戦場や戦う相手は、違えど戦場で実戦で戦った少年。

経験の差は、どうやっても埋まる事が出来ない。

だから、戦っていくしかないのだ。

 

「・・・修。紘太から連絡は?」

「メッセージなら来ました」

 

修は、その内容を見せた。内容は・・・。

 

「何何?『小手先の技を覚える事だけが全てじゃない。自分のやれる事を見直せ』どういう事かしら?」

「なるほどな・・・」

「そういう事か」

 

木崎、烏丸は、紘太のメッセージ内容を理解できた。

 

「とりまる先輩とレイジさんは、何か分かったの?」

「その答えを見つけるのが修のやるべき事だ。時間はないけどしっかり考える事だ」

 

そう言い木崎は、夕飯の支度を続けるのだった。

 

 

 

 

 

 

一方、そんなメッセージを送信した後、一人、測定機を見ていた。

そこには、33秒と書かれた数字を見つめていた。

 

「もう一息だな・・・。絶対にやり切ってやる・・・!」

 

紘太は、新たに気合を入れ直し自身の鍛錬に励むのだった。

 

 

 

*1
黒江が紘太に初めて黒星をつけた瞬間でもある




今回は、ここまでとなります。
次回からアニメで言う2nd seasonに入ります。


誤字脱字ございましたら連絡下さい。
では、次回。

月の呼吸は、出しますか? 4/9 0:00まで

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