ワールドトリガー 〜鬼殺の剣士〜   作:シナプス・フィン

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今回は、タイトル通りになります。


では、どうぞ。


第50話 ヒュース加入

修がヒュース加入の交渉に向かった2日後。

結論から言うとヒュースは、ボーダーに加入することが出来た。

ただし、入隊しても同じC級隊員1000ptからスタートすると言う事になった。

そして紘太は、嵐山隊に一言話し一緒に訓練室の様子を見ていた。その理由は・・・。

 

「ヒュース」

「・・・コウタか」

 

迅の頼みでヒュースの面倒を見て欲しいのとヒュース自身が頼んで来た。

それは、入隊日の前日にまで遡る。

 

 

 

 

 

「そっか。無事に許可が降りたのか。

しかし、千佳ちゃんが機関員として乗船しろと・・・」

 

雨取が機関員というのは、遠征艇を盤石な体勢にしたいと城戸司令は話していた。

そこで、トリオンの量が異常に多い雨取を遠征隊メンバーとして借り受けたいという話だ。

今回の遠征は、かなりの長期間になる為、トリオン量が異常に多い人物をメンバーに加えたいとの事。

同時にヒュースを入隊させるには、その条件を呑まなければこの話はなしだと言われたそうだ。

遠征に行くだけでなく、アフトクラトルに捕まった三門市民がいれば救助・奪還した後の搭乗スペースを確保するのに必要な事でもあると話していた。

付け加えると、遠征艇の規模を大きくすれば遠征に連れて行ける隊員も増やすことができると城戸司令は、話していた。

 

「尚更負ける訳にはいかなくなったじゃん」

「分かっている。だから、僕達は、もうこれ以上負ける訳にはいかない」

 

修もやる気の炎が瞳に宿っていた。

 

「コウタ」

 

すると、ヒュースが紘太を呼んだ。

 

「どうした?」

「オレと戦って欲しい」

 

「「「!?」」」

 

紘太と遊真以外は、驚きの表情を浮かべた。

 

「アンタ正気?!この人外と戦おうとするなんて何考えてるの!?」

 

紘太は、小南をデコピンで黙らせた。

あまりの痛さに悶絶しているのを無視し紘太は、話をする。

 

「戦って欲しい理由は、剣の感覚を取り戻したいからか?」

「!?・・・気づいてたのか?オレが剣を使っていた事に」

 

皆もヒュースの頼んだ理由を的確に当てた事に驚いていた。

 

「歩き方が、ヴィザの爺さんと似ていたからな。師匠もヴィザの爺さんだろ?」

「・・・ああ、そうだ」

「OK、了解した。宇佐美さん、攻撃手(アタッカー)用のトリガー出して下さい」

「了解!」

 

食事を終えた一同は、早速訓練室に向かいヒュースの訓練に付き合うのだった。

 

 

 

 

 

「やっぱりかなり鈍っているね」

「・・・正直、ここまでとは思わなかった」

 

紘太とヒュースは、訓練室で一戦交えていた。

使用した攻撃手(アタッカー)用トリガーは、弧月。紘太と同じだ。

そして戦った結果、当然、紘太が勝利した。

 

「お前から見て、今のオレの剣の腕は、玄界(ミデン)の組織の中では、どれ位の位置になる」

「そうだな・・・。正直な所、まだ動きが甘いところがあるから断言はできないけど・・・。

現段階から見ると上から数えた数字で言えば6〜7番目位と見るべきかな。

それなりにやり合えると思うけど勘を取り戻しても上位3位の攻撃手(アタッカー)と戦うのは、厳しいと思う」

「しかし、玄界(ミデン)のトリガーは、他のトリガーと組み合わせて使う節があるがそうではないのか?」

「合ってる。でも、ヒュースが入隊したら最初は、C級っていう一番低い階級からスタートになるから他のトリガーは、使えない。

B級にならないと他のは使えないからね」

「コウタは、使っていないようだが?」

「正直、基本的には、剣があればどうとでもなるからな」

「・・・ヴィザ翁を退けただけの事はあるか」

「後数本やったら今日は終わりだ。明日の入隊日に支障が出たら目も当てられないからな」

「分かった。もう一度頼む」

「おう、かかってこい」

 

ヒュースは、紘太に頼みもう一度扱いてもらうのだった。

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで入隊日。

ヒュースの容姿は、他の隊員から見ても目立っている。

他のC級隊員もヒュースを見ていた。

 

「(顔もそうだが、やっぱ目立つよな。アイツ・・・)」

 

紘太は、遠目でそう見ていた。

そして、紘太や修達がやったバムスターの仮想訓練をした結果、記録は、1.5秒だった。

 

「凄いな。歴代第3位だな」

「・・・3位だと?やり直す。もう一度だ」

 

ヒュースは、その記録を聞いた時、納得がいかずもう一度するのだった。

 

「(負けず嫌いだなぁ・・・)」

 

紘太は、苦笑いを浮かべるのだった。

 

 

 

 

 

その後、ランク戦のブースにやって来て嵐山がランク戦の説明をする事になった。

紘太が入隊した時と同じ様に4000点以上でB級に上がると言う説明をされたが・・・。

 

「今から個人ランク戦をするが、その流れでもう一つやって貰いたいことがある」

 

入隊した段階では、以前話した通り1000ptからのスタートで仮入隊の時に好成績を残せばポイントが上乗せされる。

紘太も仮入隊の時に好成績を取った為、ポイントが上乗せされ早い段階でB級に上がったのだ。

だが、今回入隊した隊員達は、臨時入隊だった為、仮入隊の期間は設けられなかった。

今回は、その代用で簡単な実力テストをする事になった。

皆がざわつく中、嵐山は、説明していく。

 

「これから5人ずつに分かれて仮想空間で戦って貰う。

自分以外は、全て敵。1人倒す事で120pt加点。

その後は、メンバーを変えて同じ様に1人につき4試合繰り返す」

 

この実力テストを行えば単純な計算で行けば1920pt入る事になる。

タイム測定の訓練の結果と今行う実力テストを合わせればトータルで2000pt入る計算になる。

 

「(上手く行けば3000ptになる訳だな・・・。まあ、ヒュースなら楽勝か)」

「倒した数だけB級昇格に近づく。各自工夫して頑張ってくれ」

 

そう言いグループ分けをしている中、紘太がこっそりとヒュースに近づく。

 

「この実力テストで全勝して来い。上手く行けば今日中に昇格できる」

「分かった」

 

紘太は、それだけ話しその場を離れた。

そして、グループ分けをし、いざ実力テストをした結果・・・。

 

 

 

 

 

他のC級隊員が宙を舞った。

 

「・・・うん、予想通り」

 

そしてヒュースは、仮想空間から出てきてポイントを確認すると3000ptと書かれていた。

 

「(これで残りは、1000か・・・)」

「迅には聞いていたが凄いな」

「ですね」

 

ヒュースは、それだけ確認すると紘太の元に向かった。

 

「後は、1000pt位か?」

「ああ」

「それじゃあ、さっさと終わらせるか」

 

紘太は、それだけ言ってランク戦ブースに向かい操作方法を教えた。

 

「このパネルで対戦相手を選ぶ。ポイントが高い人と戦えば大量にポイントが入る」

「なるほど、大体わかった。それと、オサム達の方はどうなってる?」

「4-3-3で勝った。内容をざっくりと見たけどやっぱり懸念通りもう一人のエースが欲しいね」

「そうか・・・。さっさと終わらせてくる」

「行ってらっしゃ〜い」

 

紘太は、ヒュースのランク戦をヒュースのいるブースで見届ける事にした。

そして・・・。

 

 

 

 

 

3人のC級隊員がまた新たに宙を舞うのだった・・・。

ヒュースの左手の甲には、4016ptと書かれていた。

 

「これで無事にB級昇格だ。修達と戦えるぞ」

 

 

ヒュースB級昇格決定

 

 

「もう昇格したの?」

「時枝さん。お疲れ様です」

「お疲れ様。綾瀬君が来ているのは聞いていたけど彼と知り合いなの?」

「コウタの師匠とオレの師匠が古い友人でな。それで知り合った」

 

そう。実の所、紘太の祖父とヴィザは、何年か前に戦った事があった。

紘太がヒュースにその話をしたが・・・。

 

【残念だが、ヴィザ翁からも詳しくは聞かされていない。

唯一勝てなかった剣士がウロコダキという男だけだと聞いている】

 

遊真にも確認してみた所、嘘はついていないと言っていた。

ここで、紘太が他の隊員達にヒュースの素性を聞かれた時の対応策でダミー情報を使う事にした。

内容は、紘太とヒュースの師匠が共通の知り合いだということ。

余程のことがない限り大丈夫だと思うが念の為ということで話を付けた。

ヒュースも今後の行動に支障を出すのは、よくないと考え紘太の意見に賛同した。

紘太は、ブースの外を見るとざわついているのを見た。

 

「どうやら戦ってみたい人がいるみたい。

弧月限定でpt移動なしなら相手してくるんじゃないかって言ってる。

中には、ランク戦で当たる相手もいたからやって損はないと思う」

「(確かに、コウタのいう通り玄界(ミデン)の実力を知るいい機会だ。

  コウタも毎度支部に来ている訳ではないから他の相手で剣の勘を取り戻すには、丁度いいか・・・)分かった。受けよう」

 

紘太の意見も聞き戦う事を了承したヒュース。

まず一番手は、東隊・小荒井。

 

第1戦 東隊・小荒井

5vs0 ヒュースの勝利

 

 

第2戦 柿崎隊・巴

5vs0 ヒュースの勝利

 

 

第3戦 香取隊・三浦

5vs0 ヒュースの勝利

 

 

「何だこいつ!?」

「めちゃくちゃ強いよ!」

「向こうの動きは、頭に入れました。一矢報いてきます!」

 

そして、笹森が気合を入れて模擬戦に臨んだが・・・。

 

 

第4戦 諏訪隊・笹森

5vs1 ヒュースの勝利

 

「よーし!一矢報いた!!」

「・・・本当に一矢だけだね」

 

小荒井は、喜ぶが笹森は、少しがっかりしていた。

 

「本当に強いですね・・・。

これ、こっちがフル装備でも勝負になるんじゃ・・・」

「いや、流石にそれは・・・」

 

そんなやりとりをしている中、二宮隊・辻がやって来た。

 

「あ!辻先輩ー!!」

「?」

 

小荒井に流されるかのようにヒュースと戦う事になった。

そしていざ戦ってみるとヒュースは、先程戦った4人と比べてかなり腕が立つ様に見えたが・・・。

 

 

第5戦 二宮隊・辻

5vs2 ヒュースの勝利

 

 

「マスタークラスでも2本か〜!」

「太刀筋が他の人と違う。実際に剣術をやっていたんじゃない。で、誰?」

 

笹森が事情を説明しようとした時、小荒井が誰かを見つけた。

 

 

 

 

 

 

「B級1位の部隊の前衛?」

「二宮隊の辻さん。8000pt以上のマスタークラス。

部隊という点では、ランク戦で戦うとなれば一番強敵になる可能性がある」

「なるほど・・・」

「ん?あ、新しい人が来たぞ」

「分かった。行ってくる」

 

ヒュースは、それだけ言ってもう一度ランク戦を再開した。

 

「えーっと今戦っているのは・・・。あ、さっき修と戦っていた部隊の人か」

 

紘太は、ヒュースが戦っている間に生駒隊の隊長、生駒について調べた。

そして、最終戦で戦っている姿を見たら旋空弧月で斬られたヒュースが映っていた。

 

「・・・へ?!」

 

紘太は、その光景を見て思わず驚きの表情をしてしまった。

 

 

第6戦 生駒隊・生駒

5vs4 生駒の反則によりヒュースの勝利

 

 

「誠に申し訳ない。いつもの癖でやってもーうた」

 

と言いながら舌を出して謝っていた。

ブースに戻ってきたヒュースも困惑した表情をしていた。

 

「・・・一応説明すると、さっきの伸びる斬撃が弧月専用オプショントリガー()()

「今のが・・・(複数のトリガーを併用した戦い方をするとなるとやはり苦戦を強いられるかもな・・・)」

 

そんな話をしている中、新たな対戦相手が現れた。

紘太は、その確認をすると瞳が鋭くなった。

 

「コウタ?」

「どうやら、攻撃手(アタッカー)No.1がお前さんに興味を持ったみたいだ」

「何?」

「行ってきな。そんでもって実力を間近で見て来い」

 

そしてヒュースは、いざ戦ってみるという事で紘太は、その様子を見ていた。

 

「アイツに実力を確かめさせるのは、いい機会だろう。それにしても・・・。

 

 

 

 

レポート終わらせたんですかね?()()()()()

 

紘太の目の前のモニターには、ヒュースが斬られる映像があった。

 

 

第7戦 太刀川隊・太刀川

1vs5 太刀川の勝利

 

 

ランク戦が終了しヒュースが戻ってきた。

 

「お帰り。戦ってみてどうだった?」

「・・・かなり強かった。アフトでもあれ程の剣士はそうそういない。攻撃手(アタッカー)No.1というだけの事はある。だが・・・」

「だが?」

 

ヒュースは、紘太に視線を移した。

 

「正直な所、お前の方が実力はあるとみている。

この前の鍛錬、お前は手を抜いていただろ?」

 

紘太は、苦笑いを浮かべながら話をする。

 

「あの時は、お前の勘を取り戻させる事だからな」

「とは言え、要らぬ気遣いは不要だ。次からは全力で来い」

「・・・なら、そうさせて貰う」

 

その後、小荒井と言った対戦したB級の隊員達がヒュースの元に現れた。

そして紘太は、太刀川と話していた。

 

「さっき戦った新人。お前が剣を教えたのか?」

「いいえ、師匠の知り合いだったそうです」

「なるほど。それならあの強さは納得だ」

 

そして、ヒュースの話が終わったのがこちらにやって来た。

 

「もう大丈夫?」

「ああ」

 

紘太は、太刀川に挨拶しその場を後にした。

 

「今の、B級の子でしょ?」

「さっきオレと話していた奴。今現状オレが唯一勝ち越せない奴だな」

「はあ?マジで?」

 

生駒は、思わず驚いた声を上げ近くにいた辻も目を見開いていた。

 

「それにしてもさっきのB級。どっかで見たような・・・」

「どこかですれ違ったとかじゃないですか?」

「かもしれへんな・・・」

 

生駒は、そう言いながら頭をガシガシ掻いた。*1

 

 

 

 

 

夜になりヒュースと紘太は、玉狛に戻っていた。

 

「お帰り、ヒュース君。入隊式どうだった?」

「もうB級に上がったって」

「コウタが要点を教えてくれて思いの外早く昇格出来た」

「流石だね〜。じゃあこっち来て!」

 

宇佐美に促され訓練室に入る。

そして、修達も中に入るとヒュースは、専用の隊服を着ていた。

 

「様になってるな」

「ほらほら。3人も来て来て!」

 

宇佐美は、テンションを上げながら換装する様に促した。

こうして新生・玉狛第二が結成されたのだった。

 

 

 

*1
ガロプラ戦の時に防衛網を通り過ぎた張本人という事に気づいてない。周囲も暗かったという事もある




今回は、ここまでとなります。


誤字脱字ございましたら連絡下さい。
では、次回。

月の呼吸は、出しますか? 4/9 0:00まで

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