一旦、幕間の話を出します。
では、本編です。どうぞ。
「ど、どう言うことだ・・・」
鬼怒田開発室長が、唖然とした声を上げていた。それもその筈。
トップチームを駆り出しブラックトリガーを奪取する筈だったが迅による妨害でそれは防がれた。
そして、問題なのは・・・。
「忍田本部長!何故玉狛に手を貸した!!そして何故アンノウンと接点がある!!
ボーダーを裏切る気か!!?」
そう、今回の事件は、本部長の指示で嵐山隊が迅に協力した。
その様子をモニターで見ていた上層部一同は、紘太がアンノウンの正体だと判明。
更に、忍田本部長と繋がりがあったと発覚。
最早、ブラックトリガー騒ぎではなくなりつつある。
「一つずつ話そう。
まず、アンノウンの正体だが彼は、私が昔通っていた剣術道場の師範のお孫さんだ。
彼も私と同じく剣を学んだ関係だ。そして、こちらが最も重要だ」
忍田本部長は、一区切りつけて鬼怒田を睨む。
「裏切る?論議を差し置いて強奪を強行したのはどちらだ?」
忍田本部長は、鬼怒田を睨んだ。
その鬼怒田は、その気迫に思わずたじろいだ。
「もう一度はっきりと言っておくが、私はブラックトリガーの強奪には反対だ。ましてや相手は有吾さんの子・・・。
これ以上刺客を差し向けるつもりなら、次は嵐山隊ではなくこの私が相手になるぞ。城戸派一党」
鬼怒田、根付は、何も言えなくなった。
「(忍田本部長はA級1位太刀川慶に剣を教えた師匠。ボーダー本部においてノーマルトリガー最強の男・・・。
怒らせたのはまずかったな・・・。やはり強硬策より懐柔策を・・・)」
などと思考を巡らせていた時だった。
「なるほど・・・。ならば仕方ない。次の刺客は、天羽を使う」
「・・・!?」
「な・・・?」
「天羽君を!?」
「(S級隊員 天羽月彦・・・。迅悠一と並ぶもう一人のブラックトリガー使い・・・。
素行にいろいろと問題はあるが単純な戦闘能力では迅 悠一をも凌ぐという。
城戸司令はとことんケンカするつもりだな・・・。
しかし、あのアンノウンに認定された少年。どこかで・・・)」
そんなやりとりをしている最中、部屋の自動ドアが開いた。
「どうもみなさんお揃いで。会議中にすみませんね」
何と、迅が入ってきた。
「貴様〜!よくも抜け抜けと!」
「まあまあ鬼怒田さん。血圧上がっちゃうよ」
「何のようだ?迅。宣戦布告でもしに来たか?」
「違うよ城戸さん。交渉と忠告に来た」
「何?」
「交渉と忠告だと?」
迅の言葉に城戸司令と鬼怒田は、疑問の声を上げた。
「色々と話したいことがあるけどまずは会って欲しい人がいるんだ」
「何?」
「いいぞ。入って〜」
するともう一度ドアが開くと現れたのは・・・。
紘太だった。
「貴様は、アンノウン!!」
「お初にお目にかかる。ボーダー上層部。
呼吸剣術継承者兼師範・綾瀬紘太だ。以後、お見知り置きを」
紘太は、何の躊躇いもなく挨拶をした。
「・・・呼吸剣術だと?」
「知っているんじゃないんですか?城戸司令。
紘太君は、鱗滝さんの孫だ」
「!?」
城戸司令は、思わず目を見開いた。
「鱗滝?一体誰のことだ?」
「我々にも説明をお願いしたいですねぇ」
「鱗滝幸之助。旧ボーダー時代のメンバー候補の一人だった人ですね?」
「・・・知っていたのかね?唐沢君」
「私は、アンノウン・・・綾瀬君をスカウトしに彼が住んでいると言われていた場所に向かったのですが・・・。
その時は、ご両親に門前払いされてしまいました」
意外なことを聞いた上層部は、驚いていた。
「正直、三門市に来ていたとは知りませんでした」
「両親に誰が来たのか聞いた時に、問い詰めたら唐沢さん。
しかも三門市に戻ることが条件でしたからね。
戻る条件として親を倒してからにしろと言われましたからね」
「そして、親御さんを納得させてこうして三門市に戻って来たということだね?」
唐沢の推測を聞いてそういうことだと会釈した。
「ま、俺の事は今はいいでしょう。それより、本題は迅さんの方でしょう」
「それで早速交渉なんだけど・・・。ウチの隊員・空閑遊真の入隊を認めて貰いたい」
「それを認めると?」
「勿論、タダでとは言わないよその代わりに・・・。
俺の風刃と紘太を本部に渡す」
「「「!!!???」」」
ただでさえ表情を変えない城戸司令も思わず目を細めた。
紘太は、忍田本部長との話を思い出していた。
【今回の争奪戦を利用して本部に入れるか打診してみようと思う】
【それ、大丈夫なんですか?色々と。真史さん・・・下手したら首飛びますよ?】
【こっちの心配はするな。それで紘太君には、慶を倒して貰いたい。
奴は、私を除いたボーダー正隊員の中でトップクラスの腕を持っている。
そいつを倒したら君に対しての
などと思い出していた。
「どういうことだ迅?風刃を渡すのはわかるが何故その男をいきなり本部に渡そうとする?」
「別に紘太をそっちで処分してくれって訳じゃない。
紘太を正隊員にして欲しい」
忍田本部長以外は、驚きの表情をしていた。
「紘太がアンノウンとして活動し続けると他の正隊員に狙われる。
場合によっては、紘太が命を落として命を奪った正隊員にトラウマを植え付ける可能性もある」
「・・・なるほど。お前は、アンノウンの安全確保のためにこの提案をしたのか?」
「正解。それに紘太は、太刀川さんを倒したからかなりの戦力になると思うよ。
それにトリガーを使っていないのにトリオン兵を倒しているし戦い方を知っている動きだ。
これ位の歳の子でこんなにいい人材がいるのにそれをミスミス逃すのもどうかと思うけどね」
「た、確かに・・・」
「それはそうだが・・・」
鬼怒田と根付は、言葉を詰まらせた。
しかし、この話は・・・。
「そんなことを私が許すと思って居るのか?」
「城戸さん。次に天羽を刺客に出すつもりでしょ?」
「・・・だったら何だ?」
「やめといた方がいいよ。
実際に戦闘になったら天羽が負ける未来が
「「「!!??」」」
「どういう事だ!?迅!!」
「天羽君が負けるというのかね!?」
「というより、俺や忍田本部長、ここにいるボーダー戦闘員は全員勝てないよ」
その言葉に絶句をする城戸派一党。
本部長は、そうかと納得した表情を浮かべていた。
「それに、紘太が居るだけで今度起きるであろう大規模進行に対抗できるし民間人とかの生存率もかなり上がるよ」
「それは本当かね!?」
「城戸さんやボーダーという一組織にも大きなメリットがあるはずだよ」
「いいだろう。空閑遊真とアンノウン・綾瀬紘太の入隊を許可しよう・・・」
こうして、ブラックトリガー争奪戦は幕を下ろしたのだった。
「ああ〜。緊張した〜・・・」
「全く、迅さんと言い真史さんと言い何でこう無茶しますかね?」
「未来ある若者を手助けしたいのも先輩の役目だよ。
忍田さんの兄弟子だったんだろ?なら、頑張りたくなるもんでしょ」
「それで自分が大変な目に遭うのはダメでしょ・・・。ん?」
紘太が何かに気づいた。
その視線の先には、太刀川と風間がいた。
「どうもお二人さん。揚げ煎食う?」
紘太は、ダメだこりゃという表情を浮かべていた。
「まったくお前は意味不明だな。なにあっさり風刃渡してんだ。
しかも、こいつを本部に所属させるとか本当に意味が分からん。
今すぐ取り返せ。そしてもう一度俺と勝負しろ」
「無茶言うね。太刀川さん」
「ブラックトリガー奪取の指令は解除された。風刃を手放す気があったのなら最初からそうすればよかっただろう。
わざわざ俺達と戦う必要もなかった。それに、アンノウンも正体がバレる事もなかったかも知れないはずだ」
「紘太に関しては、
その為には、戦力としての箔を付けるだけでなく繋がりがあることが必要だった。玉狛以外の人の繋がりが」
「繋がり?コイツ
「違うよ。三門市の出身で忍田さんの師匠の孫だって」
「マジか!?」
驚きの声を上げたのは太刀川だった。
風間も声には出さなかったが驚いた表情をしていた。
「俺も爺ちゃんに稽古をつけて貰っていたから真史さんとは同じ門下生って感じかな」
「お前の爺ちゃんそんなにスゲェのか!?」
「まあ、2年前に病気で亡くなったけどね」
その言葉を聞いた皆が思わず黙り込んだ。
「・・・すまない。無神経だった」
「いいですよ。もう過ぎたことですし。ここで誤魔化すのもアレですし」
「アンノウンの事については概ね理解できた。
だが、何故
「その新しく入った遊真ってのが結構ハードな人生送っててさ。俺達はあいつに
「・・・
「オレは、太刀川さんたちとバチバチ戦り合ってた頃が最高に楽しかった」
その言葉を聞いた時、太刀川と風間が何か思い出した表情を浮かべていた。
「ボーダーにはいくらでも
あいつは昔のオレに似てるからな。そのうち上にあがってくると思うから、そん時はよろしく」
「へえ・・・。そんなに出来る奴なのか。ちょっと楽しみだな」
太刀川は、不敵な笑みを浮かべていた。
「だが、迅。その
だとすればアンノウンはどう言う理由だ?」
「綾瀬紘太。俺は、忍田さんに直接スカウトされたから来たって所です」
「何!?忍田さんが直接スカウト!?」
「・・・・・・」
またしても驚きの表情をしている2人だった。
「俺は、爺ちゃんと過ごした
だから倒す。それだけです」
至極単純な理由に太刀川と風間は、呆気に取られた表情を浮かべていた。
「・・・フッ。なら、共に戦える日を楽しみにしているぞ」
「はい。えっと・・・」
「風間蒼也だ。歳は21だ」
「改めまして。綾瀬紘太です。よろしく、風間さん」
そう言い互いに固い握手をする2人だった。
「いや〜いい友情だね〜」
「俺は、お前と戦えるのなら文句はねぇよ」
などと様々な言い分はあるが紘太は、新たな仲間と共に
今回はここまでとなります。
ヒロインのアンケートですが、本日の0:00までとなっておりますので
投票していない方は、お急ぎ下さい。
結果は、小説のタグに改めて表示しますのと次回話に改めて発表しますので今しばらくお待ち下さい。
誤字脱字ございましたら連絡下さい。
では、また次回。
月の呼吸は、出しますか? 4/9 0:00まで
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