銀色の悪魔…2nd.Stage 作:SilviaSilvermoon
(-――――※ここからはNo Side(=作者ナレーション)で進行します―――――)
さつきの衝撃的な言葉を聞いて以降…事務所の椅子の腰かけたまま今後について考えていた。
池谷や樹、店長が目の前を通り過ぎても全然視界にも入っていない様子。
池谷「店長…あのお客さん…大丈夫ですかねえ?顔色悪いって言うか…似たような光景を見たような気が…えっと、なんでしたっけ?デジャヴでも見てるような…でしたっけ…?」
樹「さつきさんが急に神奈川から戻ってきたときとおんなじ顔色ですよねぇ…」
店長「まあ…知り合いとかの線が強いかもな…あるいはさつき君を探しにきたのは良いけど、さつき君と同じように…って事も考えられるし…で、さつき君にその話を聞いて落ち込んじゃってるんじゃないか?」
池谷、樹「…もしかしたらさつきさんの恋人だったりして…(ヒソヒソ)」
溜め息をついて話し始める。
さつき『あぁ…美奈子は恋人じゃない…従妹だ。俺が行方不明になってるって聞いて探してたらしい。で、最後に伊香保に行くって言ったのを知って、伊香保に来れば何かわかるかもって来てみたら俺と同じ様になったと言う…”新たな犠牲者”だな。』
3人は…頭を抱えて携帯を握りしめてる美奈子に声をかけられずにいる。
不意にさつきが美奈子の横に座り…
さつき『電話…どこにかけてもつながらないんじゃないか?俺は速攻で全滅してショックだったなぁ…結構立ち直るまでに時間…がかかるとは思うんだ。実体験してる者の意見として…な。
少なくとも、ここのメンバーは俺の事も本気で心配してくれたし、支えにもなってくれた。
美奈子の事も、ま、俺も含めてバックアップしてくさ。』
って声をかけると、美奈子は俺の肩におでこを着けるようにそっと泣いた。
池谷「樹…俺、何かこの2人のためにしてやれる事は何か無ぇ~のかな…悲しみが止まんねぇ~よ。」
樹「池谷先輩…俺も同じ気持ちっす。何かしてあげたいのに何もできないもどかしさって言うか…」
店長「う~ん…俺たちはさつき君の時と同じように声を掛け合って見守ってあげる…それしかできないだろうなぁ。」
…とりあえずさつきの家で過ごすことになった美奈子に
店長「ゆっくりして気持ちが落ち着いたらで良いんだからな。焦っちゃいけないよ?さつき君の時は1人だっけど、貴女にはさつき君って言う身内が居るからなぁ。…頼るのも悪くないと思うよ。」
その言葉に笑顔で頷く美奈子…そして小さく「はい。」と答えた。
(※――――――Side change Noside→さつきside―――――)
だいぶ美奈子の動揺も収まってき落ち着いたようなので、閉店時間を大幅に過ぎたスタンドに残ってても、店長や池谷君、樹に迷惑をかけてしまうので取り敢えずは、俺の家に連れていくことにした。
スタンドから走ること7,8分…家に到着。
美奈子「へぇ…こんな所に住んでるんだ。スタンドからも近いし良い物件だよね。」
さつき『じゃ…そのNOTEはこっちの納屋の方に入れちゃってよ。ここなら前面にシャッターがあるから防犯的にも隠すのにもいいだろう?』
美奈子「え?でも…S13は?」
さつき『ああ…それならこっちの・・・元々は野菜の洗い場だったらしいんだけど…こっちのプレハブの方に入れられるから。こっちは井戸水が出るから洗車もできるし。美奈子も通勤用の車買ったらここに入れておけばいい。取り敢えず車入れて中入って晩飯作ろうよ^^;;;腹減ったし。』
美奈子「あ、ああ…了解。(NOTEを納屋に入れてシャッターを閉める。)」
こちらも洗い場にS13を入れ、NOTEの前のシャッターを施錠し家に入る。
ガチャガチャ…玄関の鍵を開けて中へ。
美奈子「あれっ?意外…ちゃんと整理できてるじゃん。前の部屋って物であふれてごちゃごちゃしてたのに…」
さつき『まあ、工具とかスタッドレスタイヤとかは納屋か洗い場におけるしな…それにそんなに物もないから片付けは楽だしなあ。掃除機もマメにかけてるぞ?』
美奈子「(戸棚の中の食器類や冷蔵庫の中身を見て)おおぅ…ちゃんと自炊してる感じがする…」
さつき『まあな…外食って意外と高くつくじゃん?って事で今夜は一応ソース焼きそばにする予定だ。あ、そのふすま開けてみ。そこ使って無いから美奈子はこの部屋使いな。
俺は奥の部屋使ってるし。客用の布団もそっちに入ってるはずだ。』
美奈子「へえ~テレビと空のスツールはあるんだね…お客さん来た時に荷物置けるように?」
さつき『まあな。それに俺を探してトリップしてくるかも…って言う予測みたいなものはあったんだよ。ただ美奈子かどうかまでは分かんなかったけどね。表向きはスピードスターズの連中が泊まりに来ても困らないようにって言ってたけどな。
ちなみにテレビもスツールも市役所のリサイクル品でテレビが1500円でスツールが1000円だったのさ。』
美奈子「何?その爆安価格って…どんだけケチなのよ?^^;;;」
さつき『あのさぁ…そこは買い物上手って言ってほしいんだけど…』
(※―――――ここから美奈子sideで進行します―――――)
意外にも…と言っては失礼かもしれないがさつきの家はそれなりに掃除も出来ていて、押し入れには布団も完備されててちゃんとしていた。テレビもあるし、パソコンでネットも見れる。一夜明けて、あたしの方も切り替えができ始めていた。
生活の基盤はできてはいるので…職探ししてみる。
さつきが出勤した後…洗い物を終えてから早速ネットを開いて就職情報を見てみることに。
”履歴書無しで…週4~5回で…時給1000円以上”…っと。
条件を入力して検索をかけると…
出てきたのは…掃除、旅館の仲居さん、カラオケボックス、ケーキ屋さんに輸入雑貨の卸売りなど…2020年より求人は多め。
取り敢えずケーキ屋さんとカラオケボックスに電話し、アポを取り付けてその日のうちに面接へ。
取り敢えずケーキ屋さんは明日からでも良いと言う事なのでバイトしてみることに…
帰りにスタンドの前でバスを降り…暇そうにしてた店長とさつきの居る事務室入り口のドアを開けてこれまでの流れを説明してた。灯油の配達のついでにさつきに軽トラで送ってもらい、帰宅。
取り敢えず夕飯はあたしが作ることになった…
でも、時間があるのでとりあえずネットで足にできそうな車を見てみることに…。
ざっと見た感想は2020年の元の世界より全般的に値段は安めでそれなりに台数もありそうだった。
カチ…カチカチっ…(パソコンのマウスをクリックしてる音…)
美奈子「へぇ~86で70万、S13とかS14もノンターボなら40万位~で…DC2ならSiRで70万~でTypeRが130万~こっちで乗るならFR車欲しいしねえ…」
独り言を漏らしながら検索は続き…
ブォンッ!T字路を曲がってさつきが帰ってきた車のエンジン音でハッとして時計を見てドタバタとようやくオムライスづくりを始めた…
(※正直に話したら別に怒ってなくて良かった…)
明日からバイト頑張らなきゃ…はぁああ…初出勤のケーキ屋…緊張するぅうう!
出勤時刻に適当な時間のバスが無い事が判明し…朝、さつきを送ってS13を借りていく事に決めたあたしは、従業員用駐車場の1番目立たない所に車を止めた。
もうちょい手前にはブルーのシルエイティが…
(あれ?この車どこかで見た様な…)と思いつつ、店の裏口のインターホンを押した。ピンポ~ンッ呼び鈴を押すと中から反応が。
事務員さん「はい、どちら様でしょう?」中の事務所から女性の声で応答が…。
美奈子「あ、あのっ…今日からこちらでお世話になる小長井と申します。」
カメラに向かって深々とお辞儀してみせる。ガチャッ!っとロックの外れる音がして
事務員さん「どうぞ。入って右手に事務室があるので声をかけてください。」
と言われて
美奈子「あ、はい。承知しました。」と言いつつ中に入っていく。
ガチャッとドアを開けて…「失礼いたします…。」
深々とお辞儀をして向き直ると、目に飛び込んで来たのはお色気ムンムンの…
20代前半と思われる女性が周りの事務員さんに指示を飛ばしてる殺伐とした修羅場と化した様子だった。(あれ?この人どこかで見た様な気が…誰だっけ?)
?「駅前店にケーキの補充行ってる?あっ!〇〇さ~ん!バイパス店にアソートクッキーの箱入り4種類とも100箱づつ発送追加で!」
事務員さん「あっ、店舗でのアルバイト希望の方ですね?ごめんなさいね…ちょっと追加の注文が一気に来ちゃって騒がしくて…」
美奈子「あっ、いえいえ。でも繁盛なさってるって言うか…お忙しそうって言うか…^^;;;」
事務員さん「あはは^^;;;あの方が社長の娘さんで沙雪さん。高校を出て東京の短大に進学して…この3月で卒業して事務を手伝い始めたんですよ。」
あたし「そ、そ~なんですね…すっごいキャリアウーマン的な感じに見えますけど…(沙雪さんって確か…あっ!頭の字Dのキャラだったんじゃ…(若干あやふや^^;;;)。
えええ?ここの社長令嬢なんだね?)」
事務員さん「昔はあんな感じじゃなかったんですけどねえ…社長が去年過労で倒れてから突然手伝うようになって…今じゃあの勢いで…(頭痛いとでも言いたそうな顔をしてる)」
(まあ…親の会社だし、心配するのも解るけど…周りがあれじゃ委縮しちゃうよね。かと言ってバイト初日の人がどうこう出来る感じじゃないし…店舗に居たら殆ど会わないだろうし…スルーが1番妥当かな…)
店舗の担当者が来るまで…店舗での仕事内容の主なモノの説明と商品の種類などの説明を受けた。
事務員さん「小長井さんはラッピングとかの経験ってあります?」
あたし「昔…お花屋さんでバイトしてた時に少しやりましたけど…本格的には教わってないですね。」
(ここはラッピングのスキルも必要らしい。)
その後店舗の担当者(=配属になるお店の店長)が来てあたしはその店長の車でここから約3分の店舗へ。一通り説明を受け、制服に着替えた後店舗の掃除から始めた。外の通りの歩道部分を掃き掃除し、店内のショーケースや棚にホコリが無いかチェックして足りない物はきちんと補充…バックヤードの在庫が少なくなった物から担当者に報告…なかなかに忙しい。
そんなこんなでもう夕方のピークを越えると言う頃…いきなり店の駐車場にさっき見た
ブルーメタリックのシルエイティが。降りてきたのはそう、社長の娘…沙雪さんだ。
歩いてくる姿を見てしっかり思い出した。
碓氷峠のエンジェル…真子と沙雪の片割れ…あの沙雪さんだったと。
目鼻立ちがくっきりしてる彼女はものすごく目立つし…こう言っちゃなんだけども、
威圧感ある^^;;;ハンディーモップを持ちながら棚のお掃除に戻っていたあたしに…
店内に入って来て早々声をかけてきた。(ちょ、お嬢様マジで…圧がハンパ無いって^^;;;)
沙雪「ちょっと貴女…新人さんよねえ?」
美奈子「は、はい。今日からお世話になることになりました小長井美奈子と申します。
宜しくお願い致します。」
沙雪「ここの棚…何かもっと商品をアピールできるように変えてくれないかしら。
あなたのセンスに任せるから。何か言われたらあたしに言われてやってるって
言ってくれて構わないわ。」
美奈子「え?あたしのセンスでと言われましても…センスがあるかどうか…」
沙雪「そういうのはドリフトとかと同じで直感と練習量で決まるのよ?あのS13…
結構いじってるみたいだし、ドリフトやってるんでしょう?」
美奈子「あ、車は従兄のを借りてきたんですよ^^;;;まあ…ドリフトは昔、やってたので自信ありますけど…(ボソッ)」
沙雪「あら、そうなの?じゃあ、あたしの車で乗って見せてよ。秋名でも碓氷でも良いから。じゃ、棚の件もよろしく頼むわね?」
肩をポンポンっと叩いて出て行ってしまった。
取り敢えず店長に報告してみた…
店長も「お嬢が言うなら仕方ない小長井さん、悪いけどお客さんの目線で買いやすいように考えてみてくれる?」
と言われ、携帯でまず現状の写真を撮り事務所でコピー用紙を広げてレイアウトを考える事に。
しばらく悩んでコピー用紙に大まかな配置を書いて店長に一応見せてみた。
そしたら店長は「お嬢が良いって言ってるんだからそこは独断でやっちゃわないと俺たちが怒られるからね…」だって。どんだけお嬢(沙雪さん)が怖いのよ^^;;;
あたしはバイト帰りにさつきを拾うのと…心配してくれた皆に状況報告の為、スタンドに向かった。
ギュキャキャッ!ボォアッ!ボアアアアンッ!ギョリギョリギョリッ!
さつきと遜色ない感じの派手さ加減で飛ばしている。
池谷君と樹君がのぼりを手に持ちながら交差点を見つめているようだ…。交差点で
真横にしながら進入すると…あの2人の驚いた顔が…正直気持ちいい。
ロープを張るのに邪魔にならない所に車を止めて事務所へ。
美奈子「こんばんは~迎えに来ました。」
樹「美奈子さん、メッチャ派手っすね…運転。一瞬さつきさんかと思って二度見しちゃいましたよ。」
池谷「そりゃあ…美奈子さんだってTeam SILVER-MOONのメンバーでしょ?さつきさんの従妹だし…遺伝子的に運転センスは持っててもおかしくないだろう?でもあのコーナーを
曲がってくる角度のカウンター量がほぼゼロ…そこまでそっくりですよね。」
美奈子「まあ…前に銀/黒のAE86の2ドアに乗ってた頃は何か変てこりんなあだ名を
付けられて言われてたみたいだけどねえ…^^;;;(あんまり言う事は無いと思って
濁した。)」
そこにコンプレッサーの電源を落としてタンクの圧力を抜いて戻ってきたさつきが…
さつき『お、美奈子もう来てたんだ。もう少しで終わるからみんなとちょっとしゃべっててよ。』
樹「さつきさん、美奈子さんの神奈川での走り屋のあだ名って何だったんです?」
(ヲイヲイ、そこを掘り下げるのかよ…←美奈子心の声)
さつき「あっ?ん~あぁ…確か”漆黒の闇に浮かぶ銀色の幽霊(ゴースト)”
…だったっけ?」
池谷、樹「「ウゲッ!ガチなヤツじゃん^^;;;…すげぇ~わ、この2人。」」
美奈子「あ、話の腰を折ってごめんね。そう言えば…碓氷峠のImpactBlueって知ってるよねえ?」
池谷「ドキッ!」
樹「まあ…そりゃ、良く知ってるというか…真子さんと池谷先輩ラブラブだし…拓海と碓氷でバトルもしたし。」
美奈子「じゃ、話は早いわ。今度のバイト先の社長令嬢…沙雪さんだわ。」
さつき、池谷、樹『「「ヲイヲイ…/うっそぉお~ん!(←orz状態)/マジ…ですか?」」』
美奈子「ここからが問題なんだけどね…さつきのS13を駐車場に置いといたのに棚の入れ替えを指示された時に近付いて来てね。あのS13…結構弄ってるみたいだし、ドリフトやってるんでしょう?って。乗れなきゃあんな仕様にしないと言わんばかりに…」
美奈子「”あぁ、あの車は従兄のを借りてきたんですよ^^;;;まあ…ドリフトは昔やってたので自信ありますけど…(ボソッ)”って言ったら聞こえちゃったみたいでさ。『あら、そうなの?じゃあ、あたしの車で乗って見せてよ。秋名でも碓氷でも良いから。』って^^;;;ドツボにはまった感っぱね~っす。」
さつき『何で自分からドツボにはまってくかな…ホント、巻き込まれるね、お前って。(呆れ気味)』
樹「あ…もしかして、真子ちゃんの代わりを探してるんじゃ…だって真子ちゃんプロのドライバーになるんじゃなかったでしたっけ?」
美奈子「イヤイヤイヤ、ImpactBlueを引き継げって?重いわぁ~あたしFR車…このS13を運転するまでしばらく乗ってなかったからね?」
池谷「その割にはあの勢いでコーナーに突っ込んで来るなんて…普通は無理ですって。」
美奈子「さつきさあ…ちょっと帰り付き合ってくんない?秋名で試してみないと…不安しかないんだけど^^;;;」
樹「っしゃー!一緒についてってもいいですか?見てみたいっす美奈子さんの走り。」
池谷「それなら俺も…健二にも声かけて良いですかねえ?絶対刺激になると思うんですよ。」
美奈子「うわぉ^^;;;話がどんどん大きくなってってるぅ~」
結局、健二もその後合流して秋名に向かう事に…
さつき『そういえば美奈子ってここ初めてだったよなぁ?とりあえずグリップで探って…2,3本してから徐々にペース上げてった方が良いぞ。リズム的には…神奈川で言うと裏ヤビツの辺のリズムで道幅はもっと広い。道幅的には(箱根の)七曲位はあるかな。』
美奈子「ふむふむ。って事は溝落としも使う感じかな?じゃ…50%位から始めるわ。」
そういうとヒール&トゥで3速から2速に落として加速を始める。
(※―――――ここでside change美奈子→No side(作者ナレーション)――――)
池谷「マジかよ…ハイカム、ハイコンプ仕様だって言ったって…NAにターボがぶっちぎられるなんて…しかも、えぇええええ!美奈子さん…溝落とし使えるのか?すげぇわこりゃあああ…。」
樹「すっげぇ…美奈子さんもやっぱ”漆黒の闇に浮かぶ銀色の幽霊(ゴースト)”
…マジで凄すぎるよぉおおおお!初でこのペースって慣れたらどうなっちゃうんだよぉおおお!」
健二「まったくさつきさんと変わらない…この人達、常識の範疇をとっくに超えてる!!」
こんな状態で走り…取り敢えず上まで着いた。
ここでさつきが運転を代わり下りの走り方…の参考例(?)になれば…と横に美奈子を乗せてこの前コースレコードを出した走行ラインを走ることに。
美奈子的にその方がイメージしやすいって事で。
ズキャキャキャ…ボォオオオオオオンッ!ボォオオオオオオオオオオオ!ギョォオオオオオオオオオオオ~!スキール音とエンジン音を残して漆黒の闇に消えていったS13。
池谷「悪魔と幽霊か…どっちもすげぇや。」
ぼそっと呟いた声は秋名の山に消えていく。
すると反対側の道から1台やってきた。ただ暗くて誰が運転してるのか全く解らない。
?「あっ!スピードスターズのお兄さん達、おひさぁ~‼‼」
現れたのは沙雪…3人ともシルエイティに近づいていく。
樹「おおお!沙雪さん、お久しぶりっすねぇ^^元気でした?」
沙雪「き、君は相変わらず圧がすごいねぇ^^;;;あ、そうだ!聞きたい事があってさぁ。ここのコースで黒のS13走りに来てない?」
池谷「黒のS13?もしかしてNAのハイカム、ハイコンプ仕様の?」
沙雪「そう!多分あたしの見かけたS13と同じだと思う。その車のオーナーって女の子?」
池谷「いやいや。その車の持ち主はうちのスタンドの社員の子で女の子はその従妹…今日からケーキ屋さんでバイトするって言ってたけど、バスの時間が合わないって言ってS13借りに来てたよ。」
沙雪「ん~そっかぁ。じゃあ、あの話は嘘ではないのか。」
樹「多分探してるS13…オーナーさんの小長井さんと一緒に美奈子さん…初めてここのコース下見に行ってますよ。」
沙雪「じゃあ…待ってれば来るよね?どんな走りか後ろから見てみたくてさ。」
そんな話をしていたら美奈子の運転で上ってきたS13。
ブルーメタリックのシルエイティを見て慌てるようにして降りてきた美奈子は…
美奈子「え?え?沙雪さんが?何で?あたし練習しなきゃってここに来たの…知ってたんですか?(メッチャ驚いてる)」
沙雪「いやいやこの場で会ったのは偶然だよ。でも、あたしの言った事をちゃんと聞いてたら練習するかも…とは思ったんだけどね?」
美奈子「あ、棚の原案はできてるんで明日出社したらすぐに、模様替えしておきますね。」
沙雪「OK。じゃあそれは明日やってもらうとして現時点での貴女の実力…シルエイティに乗って見せてよ。」
美奈子「あのぅ…質問ですけど、それってImpactBlueの相方探しって訳じゃないんですよ…ね?」
黙して語らず…意味ありげな笑みの沙雪…(正直、この笑顔…かなり怖いんですけど^^;;;)
沙雪「とりあえず周りに走り屋が居てくれる方が嬉しいから取り敢えず小長井さん!運転して。あたし横乗るから。」
美奈子「まだ1往復しかしてないんで期待しないでくださいね…」
そんなやり取りをしてる中…3人(池谷、健二、樹)がこっそりじゃんけん…勝った池谷がさつきに何やら耳打ち…
さりげなくS13を折り返しスペースの出口近くに移動…助手席に池谷が乗り込んでる。
美奈子の運転でシルエイティが出て行く。2テンポ位間を開けてさつきのS13が後を追う…
あの時池谷が耳打ちしたのは…
池谷「美奈子さんがどんな運転するのか見てみたいんです。さつきさん、車…出してもらえませんか?」と言うもの。
さつきが池谷のリクエストに応えたのである。走り出してからさつきが口を開く。
さつき『まあ…さっき教えたラインに乗せられればそこそこのタイムは出せると思うんだけど…』
手にストップウォッチを持ってる池谷。S13の目の前で華麗にゼロ・カウンターで1コーナーをクリアしていくシルエイティ…
加速のタイミングもさつきのタイミングとほぼ同じ。
池谷「すげぇ…1度横に乗っただけでこのライン取りをコピーできちゃうんだ…」
さつき『あ、何で美奈子のヤツが”漆黒の闇に浮かぶ銀色の幽霊(ゴースト)”って呼ばれたかって言う語源にもなってるんだけど…1度見たらそのラインを自分のものにできる記憶能力とセンスがあるんだろうな。
だからピッタリ張り付いて離れない。ポジションを入れ替えても最速ラインをずっと同じようにトレースしていくから…集中力が切れた相手はミスって自滅しちゃうのさ。
どんなに頑張っても振り切れないし、ポジションを入れ替えたらスゥ~っと先に行って自分が何かミスった途端先に行っちゃうから目の前から消えてなくなる。
だから幽霊(ゴースト)って言われ始めたのさ。』
池谷「なるほどぉ~でもすごいですね。ラインのコピーと再現する能力に恐ろしいほどの集中力…アスリートの域ですね…小長井家の一族凄すぎ…」
さつき『あ?俺も入ってるの?俺は美奈子ほど天才肌じゃないよ。必死に走って考えて…みんなと何も変わりはないさ。経験値を次につなげるのが他の人よりちょこっとうまかった。それだけの事さ。』