アザルトリリィ Mechanized Heart   作:渚のグレイズ

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この作品は、アニメ版を基準に舞台版(漫画版)と小説版の要素を混ぜ込んだものとする予定ですが・・・・タグにそういうことも追加した方が良いかな?一応、原作改変のタグは付けてあるけど・・・・


第三話 契りー放課後レッスンー

梨璃ちゃんを探して三千里(心理的にそのくらいって意味ね)。

渡り廊下を歩いていると、近くの茂みに誰かがいる気配がした。誰かしら?

 

「────────────あ」

「……………お前」

 

頭と左目に包帯を巻いた金髪赤目の少女が、猫と戯れていた。

よく見れば、猫に餌を与えようとしているが、猫の方は警戒していて、なかなか食べてくれない様子。

 

 

でも、そんなことはどうでもいい。重要なことじゃない。

 

 

「えと・・・・その・・・・ごきげん、よう・・・・」

「─────────────────」

 

彼女のことは知ってる。

安藤鶴紗。

私にとって、生まれて初めての、友達。そして──────

 

「──────────────」

「あ!待って!!」

「…………………………」

 

立ち去ろうとした鶴紗ちゃんを、思わず呼び止めてしまった。どうしよう・・・・何を話せば・・・・・

 

「あの・・・・その・・・・けが、したの・・・・?」

「……………………お前には、関係ない」

 

それに、と言って鶴紗ちゃんが包帯を解く。その下に、怪我の痕は何処にもなかった。良かった、ちゃんと治ってた。

 

「こんなの、()()()()()()()()()()()・・・・()()()()()()()

「────────そうだけど、でも、心配で」

「いらない。どうせ、うわべだけのクセに・・・・!」

「っ!」

 

ああ…………()()()()()()()()()()()……………

 

私を睨む鶴紗ちゃんの瞳からは、猛烈な拒絶の意識を感じる。彼女はまだ、私を、許していないみたい…………

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()──────

 

 

 

 

 

「────────ごめん、なさい」

「───────────────」

 

立ち去ろうとする鶴紗ちゃんを、今度は呼び止めない。

 

「─────────────一柳なら、訓練場にいる」

「・・・・え」

 

最後に一言、それだけ言って、鶴紗ちゃんは、何処かへと去って行ってしまった。

 

 

―――――――――――†――――――――――

 

 

「あら紋瑪さん、ごきげんよう」

「あ、紋瑪さん!!先程ぶりですー!」

「・・・・あ」

 

鶴紗ちゃんに言われた通り訓練場に行くと、楓さんと二水ちゃんがいた。ということは、梨璃ちゃんも・・・・

 

「・・・・紋瑪さん?どうかいたしまして?」

「え・・・・・あー、いや、別に何も・・・・ところで、梨璃ちゃんは────」

 

 

がきぃん・・・!

 

 

私の問いは、訓練場に響く金属音でもって答えられた。

梨璃ちゃんは夢結様に稽古をつけてもらっている最中だったようだ。・・・・これ、ほんとに稽古?

CHARMを構えて棒立ちの梨璃ちゃんに、夢結様が一方的にCHARMをぶつけているだけな様な・・・・

一応、梨璃ちゃんのCHARMに当ててはいるみたいだから、稽古と言われれば、そうかもなんだけど・・・・・

 

「─────────なんというか、夢結様ったら容赦ないですねー」

「まったくですわ。素人相手に・・・!」

「それでもめげない梨璃ちゃん可愛いですねー、がんばれー」

「え、止めないんですか?」

 

二水ちゃんが意外そうに声を上げる。

 

「夢結様が梨璃ちゃんを傷付けようとしてるなら止めますよ。でも、一応あんなでも訓練の体は為しているんで」

「紋瑪さんは意外とスパルタ・・・・と」メモメモ

「ちょっと二水ちゃん?」

 

今なんか、不名誉なレッテルを貼られた気が・・・・

 

 

――――――――――♣♧♣―――――――――

 

 

「あいたたた・・・・」

「お労わしや梨璃さん。全身痣だらけになられて・・・・ほら、ここも、ここもー・・・・あ~ら、こんなところまで♪」

「そこはちがいます~~~!?」

 

今、私は楓さんに背中を流してもらっている。

紋瑪ちゃんは、今日はさっさと上がって行ってしまった。昨日あんな事があったんだし、のぼせないようにってことかな?

それにしては、なんだか様子が変だった気が・・・・

 

「・・・・って楓さん!?そこは自分で洗えますから~!!」

「お気になさらず梨璃さん!私がそうしたいからやっているだけですわ~♪」

「楓さん、紋瑪さんがいないからって暴走しないでください。紋瑪さんを呼びますよ?」

「くっ・・・!ちびっこのくせに生意気な・・・・」

 

 

―――――――――――†――――――――――

 

 

「私にはやっぱり解せませんわ。そこまでして夢結様に拘ることないんじゃありません?」

「楓さんだって最初は・・・・」

 

洗い終えて、湯船に浸かっていると、楓さんにそういう風に言われた。でも・・・・

 

「こんなところで挫けてなんていられないよ・・・だって私、まだ夢結様のこと、何にも知らないんだから」

 

決意を胸に、自分に誓いを立てる。と、その時、別方向から誰かがやって来て声をかけてきた。

 

「あなたが夢結様のシルトね」

「まさか本当にモノにしちゃうとはね」

「おめでとう、梨璃さん」

 

えーっと、この人達は・・・・?

 

「アールヴヘイムの皆さん!!!」

 

アールヴヘイムって言ったら、今朝のヒュージを倒したレギオンだったよね。

あ、よく見たらこの人昨日の・・・えっと、亜羅椰さん、と樟美さん・・・だっけ。あともう一人は・・・・どちら様?

 

「丁度良いですわ。教えて頂けません?夢結様のこと」

「夢結様?うーん・・・そうは言っても中等部は校舎違うしねえ」

 

楓さんからの問いかけに、緑髪の方(田中壱さん、というらしい。後から二水ちゃんに聞いた)が首をかしげる。

 

「でも夢結様と言ったら・・・・・アレよね」

「・・・・・・・・」

 

亜羅椰さんが気になることを言った。アレって?

 

「・・・・・・甲州撤退戦」

 

亜羅椰さんの言葉を繋ぐように、樟美さんが呟く。

甲州・・・・?

 

「聞いたことあります。二年前、ヒュージの大攻勢に遭って、甲州の大部分が陥落した戦いのことですね。百合ヶ丘からも幾つかのレギオンが参加したものの大きな被害を出して、威勢を誇った先代アールヴヘイムが分裂するきっかけにもなったんです。先輩方に伺っても、この件には口が重くて・・・・」

「度胸あるわね、あなた・・・」

 

緑髪の方が二水ちゃんに感心の声をあげた。

 

「当時中等部の三年生だった夢結様も、特別に参加していたと・・・」

「なら知ってるでしょ?夢結様は、そこでご自分のシュッツエンゲルを亡くしてるって」

「え・・・・・」

 

亜羅椰さんの一言に、私は、頭を叩かれたような衝撃を受けたのだった。

 

 




甲州撤退戦

紋瑪、梨璃、夢結にとって転機となった戦い。
“威勢を誇った”と二水に紹介されているが、初代アールヴヘイムはこれが初陣だった。
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