アザルトリリィ Mechanized Heart   作:渚のグレイズ

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某動画サイトで“仮面ライダーウィザード”が配信され始めたので視聴してたら、何故かウィザードに変身する紋瑪ちゃんを夢想した今日この頃の小生。



第三話 契りーレストア、襲来ー

「コード『ワタリガラス』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『おや?キミの方から連絡をくれるなんて、どういった風の吹きまわしかな?』

 

『単刀直入に聞こう。安藤鶴紗への実験は、未だ継続中なのか?』

 

『安藤鶴紗・・・・戦犯の娘がどうしたというのかね?』

 

『質問への返答以外の発言を、私は認めていない』

 

『おっと失敬。何分、キミとの会話は久しぶりでね・・・・で、安藤の娘への実験、だったかね?』

 

『そうだ。続いているのか?』

 

『ふむ・・・・そういった情報は無いね。ああ、だが・・・・別の実験で彼女を使用した、との情報は上がってきているね』

 

『別の実験とはなんだ?』

 

『それに関する情報は無いね。どうしても知りたければ、キミ自身の力で調べたまえ。出来るだろう?』

 

『職務放棄と見なす発言・・・・貴官の代わりは幾らでもいるのだぞ?』

 

『誤解しないで欲しいが、我々の持つ情報は飽くまでごく一部でしかない。せいぜい、キミが知りたい情報への糸口を見つけられるか否か程度のね。それをキミに渡すのが、我々の任務だ。それ以上は規定外だよ』

 

『──────────チッ』

 

『・・・・まあ、このままキミに不機嫌な状態でいられるのは、此方としても不本意だからね。G.E.H.E.N.A.のデータサーバーへのアクセスキーを送信しておこう。それで許してくれないかい?』

 

『─────────────良いだろう。後は此方で調べる』

 

『では、良い成果を』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――†――――――――――

 

 

翌日────

 

 

今日も今日とて梨璃ちゃんは夢結様に稽古という名のイジメを受けている。

 

「ふぁいとー♪ふぁいとー♪ふぁ⭐い⭐とー♪」

「気の抜ける応援じゃの・・・・」

 

今日はミリアムちゃんも見に来てる。周囲を見渡せば、昨日の先輩・・・確か梅様、だっけ?もいる。

それだけ梨璃ちゃんが、皆に注目されているということなんだろう。うむうむ、梨璃ちゃんが人気で私は嬉しいねぇ。

 

「紋瑪さんが見たこともない程のニッコニコ笑顔です!」

「どうせ、梨璃さんが注目の的となっていることに喜びを感じているだけですわ」

「あ、分かる~?分かっちゃいます~?」

「ええい!鬱陶しいから、その顔で近寄らないでくださいませ!」

 

暇だからと楓さんに絡みに行くと邪険にされた。ちぇー。

と、その時ふと梨璃ちゃんの方を見ると、CHARMが淡い輝きを放ち始めていた。

 

「───────ん、漸くね」

 

幾度も吹っ飛ばされて、漸く梨璃ちゃんのCHARMにマギが浸透し切ったようだ。これでもう吹っ飛ばされることはなくなった。

それどころか、夢結様の剣戟を梨璃ちゃんはCHARMで弾いてみせた。あの娘、天才かもしれない・・・!!

 

「夢結様がステップを崩されたとな!?」

「ようやくCHARMにマギが入りましたわね」

「これでやっと、只のイジメから訓練になるねー」

「只のイジメって・・・・」

 

しかし今日はここまでにするもよう。まあ、仕方ないね。

 

 

 

 

 

ヴーッ!ヴーッ!ヴーッ!

 

 

 

 

 

と、その時だった。

ヒュージ襲来を知らせる警報が鳴り響く。

 

「うわー・・・・よりによって今日来るかぁ・・・・」

「何がご不満ですの?」

「いや、だって、今日の当番って・・・・」

「・・・・ああ成程。これが梨璃さんの初陣となる訳ですわね」

「もう少し、訓練を積んでからにした方が良いと思うんですよねー、私は」

「仕方ありませんわ。リリィである以上、四の五の言ってられませんもの」

「そうなんですけどねー・・・・」

 

既に梨璃ちゃんは夢結様と共に訓練場から出て行った。

さて、私もぶー垂れてないで行くとしよう。

今日の当番は、レギオンに属してない私達フリーのリリィなんだから。

 

 

―――――――――――†――――――――――

 

 

楓さんと共に、迎撃ポイントへと降り立つ。二水ちゃんは今日は見学なので、校舎の屋上においてきた。

さてさて、ヒュージはまだ来てない様子・・・・今のうちに挨拶周りでも────

 

「あの・・・・緋坏さん」

「ん?あ、雨嘉さん・・・・と、どちら様?」

 

声をかけられたので振り返ると、雨嘉さんとどこかで見たことのあるリリィがいた。

 

「はじめまして、緋坏紋瑪さん・・・ですね?私は(くぉ) 神琳(しぇんりん)。雨嘉さんのルームメイトです」

「はじめまして、ごきげんよう。私の自己紹介は・・・・いりませんよね?会えて嬉しいですよー♪」

 

郭神琳

学校案内の表紙なんかも飾ったことのあるアイドルリリィ。

赤と金のオッドアイにブラウンの髪、そして整った凛々しい顔立ちを見れば、アイドルだなんだと呼ばれても不思議ではないと思えてくる。

 

「私もです。かの“南極戦役の生き残り”である緋坏鉱一郎氏のご息女と御一緒できるとは」

「え・・・・そうだったの?」

「いやー、まぁ・・・・ローターのおじ様や、百合ヶ丘(ここ)の理事長と代行先生程、有名人ではないですからね・・・・」

「御謙遜を。『キャバリアの緋坏』の異名は、私も存じ上げておりますよ」

「それだって、お父様の異名ですしー、私はまだまだ無名のぺーぺーですからねー。これからですよ、これから」

「そうですか・・・」

 

まさか、お父様のことを知っている人に会えるとはなぁ。

 

 

キャバリア

 

リリィの対ヒュージ戦闘用搭乗または騎乗兵器の総称で、()()()()()()()()()()()

南極戦役では、その雛型とも言える機体で陰ながら活躍したのだと、お父様はよく話してくださった。

 

「緋坏さんって、そんな有名人だったんだ・・・・」

「お父様が、ですよー」

「そのお父さんは・・・・今は?」

「────────────二年前、ヒュージの襲撃に遭って、そのまま・・・」

「・・・・・・・・ごめん」

「気にしないでくださいなー。心優しい友人のおかげで、吹っ切れましたので」

 

その友人(梨璃ちゃん)だが・・・・ちょっと遅いような・・・・・あ、来た。て、あれ?

 

「・・・・・・なんで楓さんが一緒にいるの」

「梨璃さんの居るところ、私有りですもの~♪当然ですわ!」

「そっすか。さて梨璃ちゃん、いよいよ実戦ですよ。心の準備は万端ですか?」

「う・・・うん!頑張る───」

「気張っているところ悪いけれど、貴女はここまでよ」

 

やる気満々の梨璃ちゃんに釘を刺すように、夢結様が遮った。

 

「え・・・・?」

「足手まといよ。ここで見てなさい」

 

それだけ梨璃ちゃんに言うと、夢結様は一人で行ってしまった。

 

「夢結様・・・・・」

「・・・・来いと言ったり、待てと言ったり」

「足手まといになるかもしれないからこそ、連れて行くべきだと思うんですけどねー・・・・やれやれ」

 

・・・・そろそろ上陸してくる頃合いか。

梨璃ちゃんには悪いけれど、私達も行かせてもらおう。

 

「楓さん、行きましょう」

「・・・・ごめんなさい梨璃さん、行ってきますわ」

「ううん!私の事は気にしないでください。お気をつけて!」

 

梨璃ちゃんに見送られ、私達も出撃する。

 

 

―――――――――――†――――――――――

 

 

今回のヒュージは、なんというか・・・・トゲ付きの甲羅でも背負ってるイメージ。

奴は浮遊機雷のようなモノをばら蒔いて攻撃してくる。ちょっとでも触れれば・・・・ドカン!

いくらリリィがマギの防御壁を纏っているといっても、至近距離であれの爆発を食らえば・・・・・その先は想像したくないなぁ。

それと、戦っているうちに気付いた。

 

「こいつ・・・・レストアード・・・・!?」

「レストア!?」

 

レストア───レストアード・ヒュージ、つまりは損傷を受けながらも生き延びたヒュージが、ヒュージネストに帰還し修復された個体。リリィから生き延びた経験がある分、通常の個体よりも数段手強いのだ。

しかし・・・・なんだろうか?

この、心臓が締め付けられるような感じの痛みは・・・・

 

「・・・・嫌な感じがする。楓さん、用心した方が良いです」

「レストアなら、尚更ですわね・・・・」

 

なんて言っていると、夢結様が機雷を利用して、ヒュージの外殻を爆破してみせた!

 

「なんて無茶苦茶な・・・・」

「──────────────」

 

 

爆煙の向こうに、複数の光が見える。

 

あの輝きを、私はよく知っている。

 

あれは──────────C()H()A()R()M()()()()()

 

「───────────────」

「紋瑪さん!?大丈夫ですか!?顔色が何時にも増して悪いですわよ!!」

「・・・・・よけいな・・・・・・おせわ・・・・・・です」

「とりあえず、一度引きますわよ!」

 

楓さんに背負われ、私は後ろへ下がった。

 




キャバリアの緋坏


紋瑪の父、緋坏鉱一郎の異名。
キャバリアの雛型とも言える機体“ガリアーノ”を駆り、南極戦役を生き抜いたことから付けられた。
ガリアーノの設計図は、後に公表されキャバリアとして量産された。
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