アザルトリリィ Mechanized Heart   作:渚のグレイズ

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うむむ・・・・こっちではライダーネタは控えるようにしていたけれど、やっぱり入れようかなぁ・・・・?


第三話 契りー月光の狂気ー

夢結様が・・・みんなが、戦っている。なのに私は、遠くから見ているだけ・・・・

 

「ふーん、レストアね」

「最近は出現率が上がっていると聞くのぅ」

「ふぁ!?百由様!と、ミリアムさん?どうしてここに・・・」

 

いつの間にか、隣に百由様とミリアムさんがいた。

 

「工廠科とはいえ、私達もリリィなの。これでも結構戦えるのよー?」

「今日は当番と違うがの」

 

そういえば、二水ちゃんがそんな事言ってたっけ・・・戦うアーセナルがどうたらこうたら。

 

「で、損傷を受けながらも生き延びたヒュージが、ネストに戻って修復された個体。私達はそれをレストアード──レストアと呼んでいるのよ。何度かの戦闘を生き抜いているから手強いの」

「はぁ・・・」

 

話している間にも戦闘は続いている。

夢結様がレストアヒュージの爆弾攻撃を掻い潜り、甲羅のトゲに一撃を加えようとしている。

 

「すごい・・・・」

「じゃが、ちょっと危なっかしぃのう」

「なまじテクニックが抜群だから、突っ込み過ぎるのよね」

 

けれど夢結様の一撃は、ヒュージの装甲を砕くことはできなかった。

一度は引いた夢結様だったけど、再び突撃。ヒュージがばら蒔いた爆弾を用いて、今度こそ、甲羅を破砕してみせたのだった。

やっぱり、すごい・・・!

と、爆煙の向こうから光が見えた。それも一つじゃない、幾つもの光が。

あれって・・・・CHARM?でもなんで・・・・

 

「マジか・・・」

「え・・・あの・・・どういうことですか?」

「──────CHARMはリリィにとって身体の一部。それを手放すとしたら・・・・」

「っ!?」

 

百由様の言わんとしている事に気付いて、背筋が凍った。つまり、あのヒュージは、あれだけの数のリリィを─────

 

瞬間、夢結様の様子が一変した。

艶やかな黒髪も、真っ白に染まって・・・・戦っている、というよりも、暴れている、というような感じで・・・・

 

「夢結様・・・!?」

「ルナティックトランサーじゃ・・・!」

「それって確か・・・・夢結様のレアスキル」

「ルナティックトランサーは、マギの力を暴走させ、ヒュージに近しいエネルギーを人の身に宿す、正に狂気と紙一重のレアスキルよ」

「じゃが、何故今発動したのじゃ?夢結様はアレを封印しておったと聞くが・・・」

「主を失ったCHARMの群れが、夢結に思い起こさせたのよ・・・・」

「それって・・・・」

「百由様丁度良いところに!お話中のところ、すみませんわ!」

「わっ!?楓さん─────って、紋瑪ちゃん!?」

 

そこに、顔色が真っ青になった紋瑪ちゃんを背負った楓さんが跳んできた。いったい何が・・・

 

「うわっちゃー。こっちもPTSD(トラウマ)かー・・・」

「言うとる場合じゃないぞ百由様!コアの出力が低下し始めておる・・・・このままじゃと不味いぞ!!」

「わかってるわよ!あー、こんな事ならちゃんとした工具持ってくれば良かった!!!」

 

紋瑪ちゃん・・・・

百由様とミリアムさんが紋瑪ちゃんの処置を行っている。

 

「・・・・アは、梨璃・・・ちゃん・・・・ひどい・・・顔・・・してます・・・よ・・・・?」

「顔色悪いのは貴女の方でしてよ!」

「大人しくしておれ!」

「紋瑪ちゃん・・・・!」

 

私には、何もできない。だから、せめて・・・・手を握っててあげようと思う。少しでも、安心させてあげたいから。

 

「────────────ふう」

「・・・・ん?なんじゃ?コアが安定し始めておる」

「─────────────────これって」

「・・・・んー。なんか、わからない、です・・・けど。身体、楽に、なりましたねー・・・」

「紋瑪ちゃん、大丈夫なの?」

「はい・・・・んー、たぶん、大丈夫、です」

「はぁ、まったく・・・・人騒がせも大概にしていただきたいですわね」

「いやー・・・ごめんなさい、です」

 

えっと、とりあえずなんとかなった・・・・のかな?

 

「のう、百由様・・・・これはいったい」

「・・・・なんだか、面白そうな事が起きたわね。とりあえず、あやっちはもう平気よ。あとは・・・・」

 

百由様の視線の先、そこでは、未だ夢結様が暴れ回っている。

 

「さっきの話の続きだけど・・・・夢結は、中等部時代に自分のシュッツエンゲルを亡くしているの」

「あ・・・・」

「・・・・・川添美鈴様、ですね」

「紋瑪ちゃん知ってるの?」

「先日、調べさせていただきましたので・・・・」

 

そうだったんだ・・・・

 

「やっぱりあのハッキングはあやっちの仕業ね!!あの後、色々大変だったのよー!!」

「はっはっはー」

「笑い事ではないわい!」

 

えぇ・・・・

 

「んで、その時、夢結様はルナティックトランサーを発動させていたそうで・・・・それが理由で、美鈴様殺害の容疑がかけられていたそうです」

「そんな!?」

「・・・・実際、美鈴様の遺体には夢結のCHARMによるものと思われる刀傷がついていたらしいわ。結局、証拠不十分で疑いは晴れたけど、夢結自身、記憶が曖昧な状態で・・・・・それからずっと自分を苛み続けているのよ」

「──────感じ過ぎて、降りきれてしまった。とは、そういうことでしたか」

 

・・・・・そんな事が、あったなんて。

なら、今の私にできることは・・・・

 

「私、行ってきます!」

「梨璃ちゃん!?」

「ダメよ!今の夢結は危険すぎる!!」

 

紋瑪ちゃんと百由様が私を止める。けど、私は行かなくちゃいけない。

 

私は、夢結様のシルトなんだから・・・!

 

「百由様、ありがとうございます。私、夢結様のこと・・・少しだけですけど、わかってきた気がします!」

 

百由様にお礼を告げて、私は夢結様のもとへと向かう。

 




ルナティックトランサー

夢結のルナティックトランサーは通常と違い、発動すると完全暴走状態に陥る。(昔はそうはならなかったとか・・・媒体によって詳細は異なる)
この状態になると、マギの力が完全に暴走し“神宿り”と呼ばれる現象に似た状態になる。(髪の色が変わるのはこれのせい)

つまり、ルナトラ持ちが全員、髪の毛が白くなるワケではない。
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