アザルトリリィ Mechanized Heart 作:渚のグレイズ
これに限らず、アサルトリリィの楽曲は良いのがいっぱいだよね。皆さんはどれが好きですか?
二年前に出会った彼女の名前は一柳梨璃。
私と出会うより少し前にヒュージに襲われるも、駆けつけてくれた二人のリリィによって救われたのだそうだ。
以来、自分もリリィになりたいと思うようになり、現在。
「あ、紋瑪ちゃーん!」
「梨璃ちゃん!!」
駅の改札口から出てきた梨璃ちゃんを見つけた私は、真っ直ぐに飛び付いて抱きしめる。
「ちょ・・・!危ないよぉ~」
「だって、本当にまた会えるとは・・・・思ってもいなかったので・・・・・」
「むう・・・それって、私が落第するかもって思ってたってこと?」
「そうはおっしゃいますが梨璃ちゃん、補欠合格ですよね?首の皮一枚ってところでしたよね?」
「ぐふぅ!?正論が刺さるぅぅ・・・・」
そんな他愛ない会話をしつつ、梨璃ちゃんの腕に自分の腕を絡ませ、私達は学園への道を行く。
ここは、私立百合ヶ丘女学院。
鎌倉府に設置されたリリィ養成学校の名門校。
今日から私達はここの生徒なのだ。
校門前に到着した瞬間、梨璃ちゃんの歩みが止まった。
「梨璃ちゃん?」
「────────本当に、ここまで来れたんだ」
「・・・・ふふ。ええ、夢ではありませんよ」
「紋瑪ちゃん・・・」
「さぁ、参りましょう。いざ!HELLO New World!ですわ♪」
「あはは♪よくわかんないけど、いざ!」
これから始まる新しい生活に想いを馳せて、共に第一歩を踏み出───────
キキィ!
そうとしたら、目の前にリムジンが停車した。
なんて危ない・・・・もう一歩前に出ていたら梨璃ちゃんが轢かれていたかもしれないじゃないか!!何処のすっとこどっこいが運転してるんだ!!!と、文句を言うよりも先にリムジンから誰かが降りてきた。
「ドアぐらい自分で開けられます。今日からは、自分の面倒は自分で見なければならないのですから」
ウェーブのかかった赤い髪。同性ですら羨む抜群のプロポーション。
私は、彼女を知っている。が、別に知り合いという訳ではない。単に彼女が有名人だから知っているだけの事。
彼女の名は"楓・
フランスに本社を置く一流CHARMメーカー"グランギニョル"の総帥令嬢だ。
百合ヶ丘には、彼女もいるのか・・・・流石名門ね。
「あら?」
「ふぇ?」
「貴女達、もう帰ってよろしくてよ」
「え?・・・・・えぇ!?」
「あ゛?」
なんだぁ?こいつ・・・・
私の梨璃ちゃんになんて口の聞き様なんだ。
「そ・・・そんな!?でも私達、今来たばっかりで・・・・」
「でも私、付き人は必要ないと申し上げたのでしてよ?」
「つ・・・付き人!?────って紋瑪ちゃん!?顔!顔ぉ!!女の子がしちゃいけない顔になってるよ!?」
成る程、成る程・・・・この
「紋瑪ちゃん落ち着いて~~!」
「止めないで梨璃ちゃん・・・・この手の輩は一度しっかり
「大丈夫だってば!?必要ないからやらなくて良いから~~~!」
―――――――――――†――――――――――
その後、話し合いにて誤解を解いた私達は自己紹介を軽く済ませて、漸く百合ヶ丘の敷地へと足を踏み入れたのだった。
「あら?」
最初に
なにやら謎の人だかりができている。
「何でしょう?」
「大方、血の気の多いリリィが誰かに突っ掛かっているのでしょう」
「まぁ、リリィだなんだと言っても、
「そんな・・・・リリィ同士でCHARMを向け合うなんて・・・・!」
変わらず梨璃ちゃんは優しいなぁ~
それにしても、あの中心にいるのは何処のどちら様なんだろう?
そう思って中を伺おうとした矢先
「あれはまさか・・・白井夢結様では!?こうしてはいられません!ごきげんようー!」
「あ、楓さん!?」
「行っちゃいましたわねえ」
人だかりに突っ込んで行った楓さんなんて別にどーでも良いから、中心の人物を──────そういえばさっき楓さん、白井夢結様ー、とか言ってたっけ・・・・
白井夢結
百合ヶ丘においてその名を知らない者は居ないとされる有名なリリィ。
そして、二年前に梨璃ちゃんを助けた──────
「あの・・・・今のって楓・J・ヌーベルさんでは?」
「へ?」
いつの間にやら、梨璃ちゃんの隣にちっちゃい娘が居た。
「あの方は、有名なCHARMメーカー"グランギニョル"の総帥を父に持つ、ご自身も有能なリリィなんですよ!」
「へ、へえ・・・・」
「あっちの方は遠藤亜羅椰さん。中等部時代からその名を馳せる実力派!で、もう一方のお方は、どのレギオンにも属さない孤高のリリィ、白井夢結様!!」
「リリィに詳しいのですね。で、貴女は?」
「はっ!?も・・・・申し訳ありません、私、二川二水って言います」
「二川さんって言うんだー。よろしくね」
「ほ、補欠合格の私なんかがそんな!二水で良いですよー」
「二水ちゃんもなんだ。実は私も────」
「あ、知ってます。一柳梨璃さんですよね」
「り・・・・梨璃で良いよ・・・・・」
「それで、もう一人の方・・・が・・・・・」
そんな感じで自己紹介を済ませた二川さんが私の方を見ると、ぎょっとした顔で見つめてきた。
「あ・・・・あのあのあの、失礼ですが、緋坏紋瑪さんでは?」
「あら、私の事もご存じでしたか」
「勿論です!!!リリィとしては若輩ながらも今までに無い全く新しい戦術理論を打ち立てられて更にはエリアディフェンスに関する論文も提出なされていると」
「あーうん、もうその辺で終わりにしようね?ほら、鼻血も出ちゃってる」
興奮からか、鼻血を出してしまった二川さんに止血を行ってあげる。
「ありがとうございます。私、憧れのリリィの皆さんに会えたのが嬉しくて・・・・もう鼻血物ですよ!!」
「うんそうだね。実際出ちゃったしね」
そういえばさっきから素の口調で会話しちゃってるな・・・・まあ良いか。
「それにしても、そんなに沢山の情報、どうやって集めてるの?」
「防衛省発行の官報をチェックしていれば、このくらいは・・・・あれ?梨璃さん?」
「向こう」
「え?いつの間に!?」
私との会話中に、向こうの様子が変わったらしく、梨璃ちゃんは飛び込んで行ってしまった。
にしても、あの楓さんの懐に飛び込めるなんて・・・・流石梨璃ちゃんね!!
「ほう、なかなかすばしっこい奴じゃの」
「じゃの?」
更に増えた新しい声にそちらを見れば、二川さんと同じ身長の少女がそこにいた。
「じゃか、一歩間違えば斬られかねんぞ」
(み!?・・・・ミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウスぅ!!!)
「心配ご無用よ。私がいる限り梨璃ちゃんには怪我なんてさせないから。それと二川さん、また鼻血出てる」
「相変わらずの自信っぷりじゃの!」
彼女はミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウス。工廠科の学生でありながら、リリィとしての戦闘もこなせる戦うアーセナルだ。
「お久しぶりね、ミリアムちゃん。貴女がここに居ると言うことは─────」
「おう、百由様がお呼びじゃ」
「やっぱりかぁ・・・・梨璃ちゃんが心配だから、後にできない?せめて入学式が終わった後・・・・」
「その入学式前に、お主と話したいそうじゃ」
「あうぅ・・・・仕方ないかぁ」
渋々ミリアムちゃんについていく事を了承した私は、二川さんに梨璃ちゃんのことを任せ、工廠科へと足を向ける。
と、その時だった。
ゴーン!
ゴーン!!
ゴーン!!!
ヒュージ出現の警鐘が、学院中に鳴り響くのであった。
緋坏紋瑪──その2
身長161㎝体重は極秘事項。誰の目にも明らかなまな板体型だが、本人は『ナインペタンは希少価値よ!!』と言って誇らしげ。
従者であった牧の影響で、アニメ好き。特にロボットアニメが好き。