アザルトリリィ Mechanized Heart   作:渚のグレイズ

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四話はこれにて最後です!


第四話 レギオンー神琳VS雨嘉 その後ー

雨嘉ちゃんは、見事十発の訓練弾を神琳さんに命中させてみせた。

神琳さんがラストの十発目を弾き返すなんて芸当をしてみせたのには驚いたが・・・・それを防いでみせた雨嘉ちゃんにもびっくりだ。

 

「・・・・・じゅっぱつ」

「やってのけたねぇ♪」

 

と、その時。梨璃ちゃんの持つ雨嘉ちゃんの携帯が鳴り出した。無論、相手は神琳さん。

 

『お見事でした。雨嘉さん』

「・・・・神琳」

『貴女が優秀なリリィであることは、これで誰の目にも明らかだわ』

 

彼女からの称賛の言葉に、私と梨璃ちゃんは喜びはしゃぐ。

 

「うーっ、やった~~♪」

「イエーイ!」

 

梨璃ちゃんと一緒に一頻りはしゃぎ終わったところで、雨嘉ちゃんが話しかけてきた。

 

「ありがとう、紋瑪、梨璃」

「私は背中を押しただけ。これは雨嘉ちゃんの頑張りの結果だよ」

「そうだよ!──────あれ?なんで私も?」

 

疑問符を浮かべる梨璃ちゃんに、雨嘉ちゃんは自分の携帯に付いてる猫のストラップを見せて言う。

 

「梨璃がこの子を褒めてくれて、私、貴女のレギオンに入りたいって思えたから・・・」

「それが、ありがとう?」

「うん」

「・・・・そっかー!」

 

そうして二人は笑いあっていた。

うん、可愛いなぁ二人とも♪

 

 

―――――――――――†――――――――――

 

 

「神琳・・・・今日は、ありがとう・・・・」

「・・・どういたしまして」

 

あれから書類手続きを終え、現在はお風呂の時間。

 

「・・・・・・・で、ごめん」

「?」

「聞いたんだ。神琳の故郷は、ヒュージに飲み込まれたって・・・」

 

そういえば・・・神琳さんの故郷“台湾”は陥落指定都市に認定されていたっけ・・・・

 

「・・・・ええ。私は故郷を知りません」

「無神経だった、私・・・・」

「そんなこと気にしてたの?ふふふ」

「・・・・」

「せっかく背中を預けられる仲間に出会えたんです。貴女に喜んでもらえたなら、私も嬉しいのよ?」

「うん。ここに来られて、良かった」

「・・・・・・・で、なんで私は二人に挟まれてんの?正直、肩身が狭いんだけど」

 

そう。

私は今、雨嘉ちゃんと神琳さんに両側をがっちりホールドされ、身動きが取れない状態にある。

事の発端は入浴前、神琳さんが「せっかく同じレギオンの仲間となったんですから、親睦を深めましょう♪」と言って迫ってきたこと。

「別に今じゃなくても・・・」という私を無視し、雨嘉ちゃんと共に左右から私をホールドすると、あっという間に私の衣服をひんむいてお風呂へ連行したのだ。

神琳さんの剥ぎ取りテクはとても鮮やかで、かの楓さんですら唖然としていたのが印象に残っている。

 

「─────って、ンなのどーでもいいのよ!?私、いろいろあって逆上せやすいから早めに上がりたいんだけど!?」

「まぁまぁ、良いじゃないですか、少しくらい♪」

「良くないのォ!!!雨嘉ちゃん助け───」

「・・・ごめん、神琳がどうしてもって言うから」

「味方がいないぃぃぃぃ・・・・!」

 

おのれ・・・・友情とは、かくも脆いものなのか・・・!

 

「あはは・・・とにかく、これであと二人だね♪」

「あぁ・・・・そっか。そうでしたねー」

 

梨璃ちゃんに言われ、思い返す。ここまでで集まったメンバーは、私、梨璃ちゃん、夢結様、二水ちゃん、楓さん、神琳さん、雨嘉ちゃん、の七人。

レギオン結成の最低人数は九人なので、あと二人だ。

さて、お次は誰を勧誘しようかなぁ?

・・・・・・なんか、誰か誘い忘れてる気がする。誰だっけ?

 

「──────────お主ら、誰か忘れておらんかの?」

「・・・・・・・・・あ」

 

私の背後に仁王立ちして話しかけてきたのは、ミリアムちゃん。

 

「そういえば・・・・なんか忘れてたわ」

「忘れてたんかい!!普通真っ先にワシのとこ来るじゃろがい!!!」

「えー?だって、ミリアムちゃんはCHARM、私はキャバリア、それぞれ専行が別じゃない」

「それはそうじゃが・・・・」

 

その時、梨璃ちゃんがとんでもないことを言ってしまう。

 

「CHARMもキャバリア?ていうのも、リリィの扱うものだよね?何が違うの?」

「違うのだッッッ!!!!!!!!!」

「わっ!?」

「いくら梨璃ちゃんでも言っていいことと悪いことってのがあってだね──────」

「あわわ(汗)」

「おう、こうなっては紋瑪は止まらぬぞー」

「あ・・・あはは(汗)」

「ふふふ♪楽しそうなレギオンになりそうですわね」

 

 

その後私は、逆上せるまでキャバリアについて語り続けたのだった。


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