アザルトリリィ Mechanized Heart   作:渚のグレイズ

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今回は三分割どころか五分割しそうになってるゥーーー!!


まぁ、仕方ないね。


第二話 守護天使-気付いた小さな相違点-

私と楓さんの一騎討ちは、楓さんの勝利で終わった。

楓さんが梨璃ちゃんに手解きしている様を怨めしく思いつつ、横から口を出していると、ミリアムちゃんから一つの提案が出た。

 

「CHARMについてもっと詳しく知りたいと言うなら、工廠科の百由様に聞くが良いぞ」

「百由様?」

「真島百由様。二年生のアーセナルで、ヒュージやマギの研究も行っているお方ですよー」

「紋瑪ちゃん、知ってるの?」

「以前からお世話になってるんです。確かにあの方なら、色々教えてくださるかもしれないですねー。んじゃ、私はこれで・・・」

 

ささっと踵を返して逃げる。

しかし、回り込まれてしまった。ミリアムちゃん意外と速ーい・・・・

 

「おう紋瑪。お主は強制じゃぞ。百由様に診てもらわねばならん」

「ですよねー・・・・」

「へ?どうしてですか?」

「あー、それはじゃな・・・・」

 

ミリアムちゃんがちらりと私の方を見る。言って良いか判断付かないなら、言わなければいいのに。

 

「私、心臓のある辺りにマギクリスタルコアが埋められてるんです。ペースメーカー代わりに、ね」

 

 

―――――――――――†――――――――――

 

 

昨日来たばっかりなのに・・・・よもやこんなにも早く、また工房(ここ)に来ることになるとは・・・・とほほ(泣)

 

「百由様おるかー?」

 

百由様の研究室に入ると、炎の光が部屋中を照らしていた。

 

「わっ、まぶしい!」

「何の光ぃ!?」

「お主それほんと好きじゃな」

「いらっしゃーい。ごめんねー、今大事なところだから・・・」

 

どうやら新しいCHARMの刃を鋳造している様子。今は硬化処理の為の冷却中のようで、冷却水の中に刃が浸かっていく。

パッと見、ゆっくりと五つ数えれば引き上げても大丈夫そうだなー、と思っていたら百由様は三つで引き上げてしまった。

 

「あ、ダメ、早い」

「え?」

 

私の呟きに合わせるかの如く、パキンと音を立てて、刃の術式が割れた。

 

「あ・・・あぁ・・・私のこの一月の努力の結晶がぁぁぁぁ・・・・」

 

あーあ、悲しいなぁ。

 

「・・・・・えっと、どうしたの?」

 

梨璃ちゃんがきょとんとしている。可愛い。

・・・おっと、見惚れてないで説明してあげなくちゃ。

 

「百由様、よろしいですよね?」

「どーぞー・・・・・ううう、私の一ヶ月ぅぅ・・・・」

「ミリアムちゃん、顕微鏡スクリーンに繋いで」

「おう」

 

先程の刃を顕微鏡にかけ、スクリーンに写し出す。

 

「何ですか、これ?」

「CHARMの刃には、マギを制御する術式が刻みこまれているんですよー」

「リリィの身体から流れ込むマギがこの術式によって活性化し、ヒュージを支えるマギを断ち切るのじゃ」

「ヒュージのマギを・・・・」

「リリィに力を与えてくれるのがマギなら、ヒュージに力を与えているのもマギですからねー」

「ま、道理じゃな」

 

と、おもむろにミリアムちゃんが筒状の物を梨璃ちゃんに差し出す。

 

「ほれ、こんなのもあるぞ」

「これは?」

「CHARMの銃身じゃ、中を覗いてみぃ」

 

言われるがまま、梨璃ちゃんが銃身の中を覗き込む。じゃ、私は反対側から~・・・・あ、梨璃ちゃんの可愛いお目目が見えた♪

 

「何をしとるんじゃ」べし!

「いっっったい!目がぁぁぁぁぁ!!」

 

なんて事をするんだこの子は!私じゃなかったら銃身の中にお目目が転がり込んでいたわ!!

 

「だ・・・・大丈夫?」

「この程度平気じゃろ。続けるぞい」

 

ミリアムちゃん、私の扱いひどくない?

 

「よく見ぃ、ライフリングにも術式が刻みこまれておる」

「弾丸がここを通る際に、マギと一緒に術式が刻みこまれる仕組みなんですよー・・・・」

「へぇ。紋瑪ちゃんのは?」

「え?」

「紋瑪ちゃん、心臓にコアが埋まってるんだよね?」

「えーとまぁその心臓に埋まっているわけではないのですがまぁ概ねそのなんと申し上げますかえーと」

 

やべーですわ!このままだと、いらん事まで話してしまいそうですわー!!

 

「おおそうじゃ、百由様。さっき紋瑪の奴がの、()()を全力稼働させようとしとったぞ」

「ちょ!?ミリアムちゃん!」

「─────────────────ふぅん」

 

あ、ヤバい。百由様が静かにキレておられる。そりゃ()()は只でさえ不安定で定期的にメンテしないといけないのに、それを全力稼働させようとしたんだからキレて当然よねー・・・・・めっちゃ逃げてぇ・・・・・

 

「あやっちー、大規模メンテするわよー。異論は認めないから」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・はい」

 

 

――――――――――♣♧♣―――――――――

 

 

その後、紋瑪ちゃんはミリアムさんに別の部屋へと連れていかれた。ドナドナー・・・と歌いながら。

残った私達は、ラウンジまで戻ってきて百由様と共にお茶を飲んでいる。

 

「しっかし、よりによって夢結とシュッツエンゲルだなんてねえ」

「はい・・・・でも全然相手にしてもらえなくて・・・・」

 

ふと思い度したのは夢結様の扱うCHARM。二年前の時とは別のを使っていたような・・・・

 

「あの、夢結様が今使っているCHARMは・・・?」

「ブリューナクですわ」

 

楓さんが即座に答えてくれた。

 

「じゃあ、二年前に使っていたのは?」

「ダインスレイフね」

 

今度は百由様が答えてくださった。

 

「・・・・何故、夢結様はCHARMを持ち変えたんですか?」

「──────────なるほどね。それは本人に聞くしか無いでしょうね」

「百由様はご存じなんですか?」

「知ってるわ」

 

じゃあ・・・・!

 

「でも教えない」

「何故ですか?」

「本人が望んでないことを、他人()がペラペラと喋るワケにはいかないでしょ?」

「あ・・・」

 

百由様に言われて気付く。そうだよね・・・・誰にだって、知って欲しくないこと、あるもんね・・・・

 

「リリィは税金も投入される公の存在だけど、その個人情報は本人がそれを望まなければ、一定期間非公開にされるの。個人の心理状態が戦力に直結する上、感じやすい十代の女子ともなれば、まぁ仕方ないかもね」

「あの方、感度高そうに見えませんけれど?」

「感じ過ぎるのよ・・・・感じ過ぎて、振り切れてしまった・・・・・」

 

そう語る百由様は、どこか、悲しげに見えた。

 

「おっと言い過ぎた。あとは本人の聞いてね、話してくれるならだけど」

 

それだけ告げると、百由様は研究室へと戻って行ったのだった。

 




緋坏紋瑪─その7─


“さる機関”によって、心臓のある辺りにマギクリスタルコアを埋められている。
これにより、アルビノ体質故の脆弱な肉体を強化し、常人レベルのものを獲得した。

しかしてその本来の目的は─────
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