立花響以外の装者は出ません。
地下世界に広がるジーハ村。ここに、居住空間の拡張と資源の獲得を主たる目的とする「穴掘り」を家業とする少年、シモンがいた。
彼を筆頭としてドリル片手に地下を掘り進めるも、度々この地下世界を揺るがす地震が起こる。恐怖する毎日に嫌気が差した青年カミナは、シモンを引き連れて天井のない世界、地上を目指さんとするも、危険な地上に出ることを許さない村長によって阻まれ、拘束される。
それでもなお地上に出ることを諦めないカミナの前に、地下の天井を突き破って地上から現れた巨大な顔型のロボット、「ガンメン」が現れる。地上の存在を確信したカミナはこれを打倒するべく、同じく地上から現れた女性、ヨーコ・リットナーとシモンを引き連れ、地下深くでシモンが掘り当てたという小型ガンメン、「ラガン」の元に急ぐ。
ラガンを発見した功労者でありながら、信頼する「アニキ」のためにパイロットを譲るシモンであったが、カミナはそれを拒否してシモンに操縦をゆだねることにした。はじめは臆病風を吹かせていたシモンも、自分を信じるカミナを信じ、自身を持つことで放たれた一撃は、敵のガンメンもろとも螺旋軌道を描きながら地上まで突き抜けた。
だが、村長が地上の危険性を説き、彼らを村に縛り付けていたのは伊達じゃない。地上は獣人の操るガンメンの巣窟であり、シモンらは念願の地上に感動する暇もなく次なる敵のガンメンに襲われることとなる。それでもカミナは逆に敵のガンメンを捕獲、名を「グレン」と改めて、敵を返り討ちにした。
さらに続く強敵、ヴィラルに対しても一切退くことなく挑むカミナであったが、兵士として鍛え上げられた技に一度は敗北を喫することとなる。次の日にカミナはシモンを連れて再び激突するも、それでもなお埋まらない差があった。
そこでカミナはシモンの機体との合体を試し、「グレンラガン」としてさらなるパワーを得ることに成功、ヴィラルの撃退を成し遂げる。
そして、この獣人とガンメンによって支配された地上を開放するべく、エンジニアとしてヨーコの叔父であるリーロン・リットナーを加えたグレン団を結成したのであった………
壊させやしない
「カミナ、あなたこのガンメン、グレンを獣人から奪ったんですって?」
「おうよ、あんときの話はまだリーロンにしてなかったか? あのときはだな………」
「ロンはそんな話を聞きたいわけじゃないと思うわよ」
「そうそう。ラガンの合体能力を検証したくてね。ちょっとそこらへんにいるガンメンと合体してみてほしいのよ」
当初リーロンはカミナが合体を提案していた時点で「無理」と判断していたものの、ラガンのドリルをグレンにぶっ刺して文字通り「頭」とした。それがなぜ飛躍的なパワーアップにつながったのか、仮説はできてもそれが真であるかわからない。
どのガンメンともできるのか。
ガンメンによって効果は変わるのか。
パイロットによる影響はあるのか。リーロンの興味は尽きない。
「ええっ!? アニキのグレン以外とできるかなぁ?」
「リーロン、おまえ合体をなんだと思ってやがる!」
カミナはビシッと指を天に向けて見得を切る。
「合体ってのは、男のロマン! 魂と霊のぶつかり合い! そうポンポンとやるわけにはいかねえんだよ!」
「あら、あそこの岩グレンの形ににているわね。シモン、ちょっとやってみてちょうだい」
「なんで!?」
「おぉいちょっと待てぇ!?」
もはや無機物でもいけるかもしれないと思ったのか、
「冗談よ」
「まあ他のガンメンとの合体はダメだとしても、敵のガンメンを捕獲することには賛成よ。グレン団っていうんだもの、わたしたち4人だけじゃ満足できないでしょ?」
「あったりまえよ、獣人どもを倒すにはもっと人数が必要だ」
「カミナが団員を集めるんでしょ? むさ苦しい男ばっかり集まってきそうでわたしは嫌だなぁ」
「わたしは男だらけでもむしろウェルカムよ♡」
多種多様なサングラスをした筋肉隆々な男たちがガハハと笑う様を想像して、ヨーコはゲッソリとして、リーロンは顔を赤らめる。
「でも、わたしとヨーコだけだと華がないわねぇ」
「なんでロンはナチュラルに自分を華だと思ってんのよ」
「そういえばジーハ村の村長がさ、『男ってのは好きな女のためなら何でもできるもんだ』って言ってたなぁ」
「ふーん。 ……ねぇ、カミナはどう思う? その話」
「おまえには愛想がねぇ」
「余計なお世話よ!」
カミナは首が取れるかのような勢いで叩かれるが、完璧なバッドコミュニケーションなので当たり前だ。
「ともかく! 今はグレンとラガンだけだから、人が増えても乗れるガンメンがないわよ。私だって興味がないわけではないし、ロンだってもっとたくさんのガンメンを研究できれば、グレンラガンのパワーアップにつながるかもしれないし」
「そいつはいいな。シモン!」
「わかってるよアニキ!」
シモンはラガンの足を螺旋状のバネにしてグレンに似た岩に飛び上がる。
高いところから世界を見渡して、これから捕獲するガンメンを探し出す作戦だ。
「どうだシモン、なにか見えたか?」
「うーん………あ、いた! 10時の方向、あっちにガンメンが集まってる!」
「よーし、目指すはグレン団100人突破だぁ! 行くぞおまえら!」
30分後………
「はぁーっ、はぁーっ、はぁーっ………」
「なんでこんなに遠いところまで走らなきゃならねーんだ……」
「高い、ところから、見渡して、やっと見つかる距離、だもの、そりゃ全力で走ったらそうなるでしょ………」
「むしろ、地平線の向こう側にいたやつらに、走って追いつけるほうが、奇跡だと思うわよ……」
カミナのノリに速度を合わせた結果、もはや接敵するより前に満身創痍になっていた。
「オイオイ、オレタチ
「ボロボロジャネーカ、ヤッチマオーゼ」
獣人がこれみよがしに疲れ切った彼らに襲いかかってくる。
「「シャー!」」
「これでいいか?」
「調べるには調べるけど、こんな雑魚じゃねぇ」
中の獣人はぶっこ抜かれ、グレン団は2機のガンメンをゲットした!
「まぁ機体の性能だけが戦闘力とは限らないし、私はこれでいいけど………」
「そういえばアニキ、さっきあの獣人は
「そーゆーこったな。まあ肩慣らしにはちょうどよかったってことにしておくか」
「先に進むわよ。何が起こったものかわからないしね」
歩みを進めたさきにあったのは、ガンメンの群れ。ただしいずれもこちらに気付いた様子はなく、命令を今か今かと待ち続けていた。
「村の住民に告げる! 螺旋王の命令だ、ただちに例の女を差し出せ! こちらにはキサマの戦力を上回るガンメンを揃えている。従わなければ………」
「あの声は、ヴィラル!?」
「どうやら何らかの武力交渉をしているようね。どうしたものかしら」
「チャンスよ、一体何をしているのかわからないけど、こちらに気付いていないうちに相手の数を減らしましょう」
ヨーコは闇討ちのチャンスと得意のライフルを構え、外部に露出されたガンメンのエンジン部分を狙撃することを提案する。
「おうおうおう! またあったなヴィラル!」
だがカミナという男に闇討ちという発想はない。正々堂々、大声で名乗りを上げた。
「っ!? キサマもう来やがったか。アイツラめ、だから足止めに徹しろと言ったのだ!」
「あちゃー、止めるのが遅かった………」
「ヴィラル様、イカガ致シマスカ?」
「キサマらは例の女を回収しろ。オレはこいつらの相手をする!」
「また返り討ちにしてやるぜ。シモン!」
「わかったよ、アニキ!」
「「兄弟合体! グレンラガン!」」
ラガンの首から伸びたドリルを強引にグレンの頭にねじり込み、1つの機体にする。グレンとラガン、それぞれの力で戦うよりも強力だ。
「ロン、ヴィラルと獣人はここに何をしに来たかわかる?」
「どうやらここは敵将の螺旋王によって地上にいる女性をあらかた集められた集落、らしいわ。でも、戦う力のない女性だけを集めただけの村にこれほどのガンメンを集める理由がわからないわね」
理由を考察したところでヨーコとリーロンにはグレンラガンの戦いを正面から支援する方法がない。
つい先程鹵獲したガンメンを即座に実戦投入できるほどガンメンの造りは単純ではないし、二人にそんなセンスはない。
幸いにも配下のガンメンは命令を受けてからこちらに気づいた様子はないので、このまま物陰に隠れていることにした。
「どうしたどうした、守ってばっかじゃねーか!」
「サル山の大将が、今はキサマラにかまっている暇はないのだ!」
ヴィラルとの戦いは終始グレンラガンが圧倒していた。
「手も足も出ないとは、俺たちが見てない間にずいぶんと弱くなったんじゃないかぁ、ヴィラル!」
「クッ、今はなんとでも言っていろ!」
殴り、蹴り、ドリルでガードの上から機体を削り、ダメージを与える。
グレンラガンの猛攻に対して、ヴィラルは腕を交差し、耐えている。
「待ってアニキ、様子がおかしいよ! ヴィラルに攻める気がなさすぎる」
だがヴィラルの操るガンメン、エンキには腕へのダメージや身体への細かいキズこそあれど、致命傷はない。それこそまだ何十分も戦えるような、余裕のある立ち回りだ。
「最終勧告ダ、アト五秒デアノ女ヲ出サナケレバ、ココニ集ウ全ノガンメンガコノ村ニ牙ヲ向ク!」
ヴィラルの後ろで指揮系統の引き継ぎが完了し、副長のカウントダウンが始まる。
「5! 4! 3!」
「やっぱり、ヴィラルの目的は足止めだ! アニキ、どうする!?」
「壁があったら風穴あける! 構うこたぁねえ、もっとパワー上げて突破するぞ、シモン!」
「2!」
「ヒャア 我慢デキネェ、0ダ!」
「チョットマテェ!」
早朝に現地集合し、全員集まってからも人間の活動時間に合わせて律儀に待っていた。
邪魔者が現れたと思えば隊長が対応し、自分はターゲットの女一人に対して大量のガンメンで押しつぶすための雑兵にすぎない。
おまけにグレンラガンの戦闘を見ながらカウントダウンを行う始末にしびれを切らし、血の気の多い獣人の一体が突撃した。
「ロン、あのガンメンの足元!」
「あれは……まずいわね」
その先には人影があった。顔まで隠れる外套をかぶっており、体つきからも性別を判別できないが、どちらにせよ体格が5倍近くあるガンメンがすぐそこまで迫っており、ただの人にとってはもはや絶望的状況だ。
「チョイト痛イ目見テモラウゼェ!」
「アニキ、向こう側!」
「駄目だ、ヴィラルを振り切れねぇ!」
「あのバカがッ……!」
獣人はガンメンの拳を握りしめ、振りかぶる。
当たれば痛い、どころで済まない、その質量は少女どころか並の人間でも骨まで砕けて死に至る。
だがこいつが誰だろうと構うものか、一発殴って気絶させて持ち帰れば任務達成だとその獣人は短絡的に自身の行動を正当化していた。
鋼鉄の拳が少女に届く、そんなとき。
大質量の金属が叩きつけられる音がする。
グレン団の誰もが彼の者の生存を絶望視していた。
しかし、砂埃が晴れたあとには、片足を天に振り上げながら未だ健在する少女の姿があった。
「アニキ、あの人無事だったみたい!」
「へぇ、変わったやつもいるもんだな」
その姿は大きく様変わりしており、黄色をベースにしたインナーに腕と胸と脚を最低限ガードするプロテクターをつけた軽装の戦士となっていた。
「たとえ女一人とはいえど、これだけの人数を用意した意味を忘れたか、バカめッ……!」
蹴り上げられたガンメンは数秒の滞空時間を経て地面に落ちる。ただの一撃で戦闘不能まで持ち込まれていることは誰の目にも明白だった。
「二度と、壊させやしない……」
しかしそれを成し遂げた少女の顔に喜色はなく、ただ己の為すべきことを為すべく、己が敵を正眼に見据えた。
「もう二度と! 私のひだまりを! 燃やさせてなるものか!」
ということで本小説における立花響は戦姫絶唱シンフォギア本編における響ではなく、アプリゲームにおけるIF次元の立花響、通称グレビッキーに近い性格になってます。
ただし次話の内容になりますが、時系列的にビッキーはクロスオーバー後の1年間をグレンラガン世界で過ごしているので、グレビッキーとは多少なりとも性格に変化があります。
グレてるようでグレてない、少しグレたビッキーです。
読者様のグレンラガンとシンフォギアの原作知識は?
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両方知ってる
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グレンラガンは知ってる
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シンフォギアは知ってる
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両方知らない