銀色の悪魔…3rd Stage(それぞれの恋愛事情編)   作:SilviaSilvermoon

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前編で書ききれなかったBBQの様子(=ほぼ女子会トークになってる気もしますけども…)
を書いてます。


それぞれの恋愛事情…4【後編】

(※ーここからさつきsideで進行します。―)

 

翌朝…さつきが出社すると地下タンクの検査日程が記載されたFAXが届いていた。

それを見ながらスタンドのシフト票に美奈子のシフトのコピーの休みの日を蛍光ペンでなぞって休みを調べてみる…。

 

すると…タンクの検査日<2週目の土曜>に行くのを設定した場合。

 

(いける人)こんちゃん、美奈子、沙雪、健二、池谷、真子、樹

(いけない人)店長【9:30~16:00頃まで⇒地下タンクの検査後、必要書類を消防署に提出及び、本社への報告業務あり。】

  さつき【9:30~11:00頃まで⇒地下タンクの検査に立ち会えば、その後帰れる】

  拓海の彼女【ゴルフトーナメント参加中でこの日は決勝ラウンド初日。】

(未定)拓海(樹が電話したけど仕事中で連絡取れず…仕方なく留守電に入れたけど…まだ返事が無い…】

 

※ここまで書き出してみて分かったこと…スタンドの軽トラで買い出し要員2名…って普通に考えて健二と樹。こんちゃんの車に美奈子。あとレンタカーか沙雪の会社のボンゴで3名~4名。

費用的には1名3000円あれば足りるんんじゃ…^^;;;

とりあえず開店の準備が終わって一息ついたところで沙雪と美奈子にメールで連絡し、

客が来るのを待ちながら当日の行動の事と準備の事を考えていた。

 

2,30分そのまま店の外でぼんやりとFMラジオでDJの軽快なトークを聞きながら過ごしてたら

何か聞いた事のある”ゴフェエエエエエ!”と言う不協和音っぽいエンジン音が…

 

『(あれ?樹って今日休みじゃなかったっけ?)』って思ったことが口に出てた^^;;;

 

キキッ!キィ~…ハチゴーターボが止まる。

 

 

 

樹「さつきさ~ん!」

 

出てきたのはやっぱり樹…助手席からは珍しく健二。

 

さつき『あれ?珍しいねえ…樹の車の同乗してくるなんて。鍵入れたままロックでもした?』

 

健二「いや、今回はそ~じゃないんですよ。実はユーイチ(こんちゃん)の事で…」

 

いきなり声を潜める健二。これは何かありそうだ…

 

さつき『まあ…ここは寒いから中でも入ろうか。』

 

何となく空気を察して事務所に入るように促す。

取り敢えず人数分の缶コーヒーやジュースを買って並べる。

 

さつき『どれでも好きなの飲んでよ。』

 

健二、樹「「すみません、いただきます。」」

 

飲みながら話し始める。

 

健二「さつきさん…正直、どう思います?」

 

その言葉に一瞬、???となりつつ…

 

さつき『ん?そりゃ、ど~ゆ~意味合いでよ?どう…って言われてもなぁ?俺が付き合う訳じゃないし…美奈子がどう思うかって事にかかって来るんじゃないの?』

 

樹「ってゆ~か…あの、こんちゃんって…彼に脈はあるんすかねえ?って事じゃないんすか?」

 

さつき『あ~、そう言う事ね。それで言うなら…ん~6:4位かなあ。有りか無しかで言えば。美奈子自体、そこまで深く知らないって言ってたしなぁ。

今回はちゃんと知り合うきっかけって言う位置づけで良いんじゃないの?その後どう転ぶかはこんちゃんの頑張り次第って事でさぁ。』

 

健二「何か…極端って言うか…それまでほとんど車に興味なかったのに、峠にあのパジェロJrで行ってみたり…」

 

さつき『(絵柄を想像した様子で)そりゃ…重心も高いし…転がる可能性もあるし…かなり

危ねぇな^^;;;』

 

樹「そ~なんすよ^^;;;実際、走ってるのを見て…危なっかしくて。」

 

さつき『で?当の本人は?今日は一緒じゃないの?』

 

健二「それが…今朝早く出かけて行って帰って来てないみたいで…携帯も圏外になっちゃって…。」

 

さつき『ん~っとするなら…BBQに適した場所を下見に行きつつ峠で練習でもしてるのかな…?ちなみに、この近くで河原とかキャンプ場とか…BBQのできそうな所は何か所くらいある?』

 

健二「そんなに俺も詳しくはないですけど…4,5か所位はあったと思うけど…」

 

さつき『じゃあ…その知ってる中でも良いから峠っぽい所が通り道にあるのは?そこでいいカッコ見せたいとか思ってるんじゃ…』

 

樹、健二「「!!あ”っ!!そっか…探してみます!!」」

 

さつき『おう、自分達が事故しないように気を付けて行ってくれよ?』

 

この後、遅番で出てくる池谷君にもさつきが電話をして…

 

さつき『タイムカードやっておくから探すの手伝ってやってくれる?』

 

と言って…大規模な捜索に入る事に。沙雪と真子ちゃん、美奈子にもメールしておいて手が空いたら捜索に参加してくれるように呼び掛けておいた。

 

さつき『無茶してなきゃ良いんだけど…』一抹の不安を覚えてる。

 

 

 

一方その頃…何も知らないこんちゃんは、大方の予想通りBBQできそうな所をリサーチして現地で下見しながら場所の検討に入っていた。

 

こんちゃん「ん~何だか水回りの設備がイマイチ…ここはパスか…」とか、2か所目でも

「駐車場が広いのは魅力なんだけどBBQする場所まで上りかぁ…荷物持って上に上がるって結構しんどいなぁ…あ、ごみ箱1か所しかないんだ…週末だしゴミが散乱しそうだからここも無しかな…。」

 

などと地図のコピーにバツ印を付けて次の下見へ向かっていた。

3か所目の下見を終えて出てきた時に樹のハチゴーターボに遭遇。

 

出てきた健二が、ちょっとお怒り気味にこんちゃんのパジェロJrの運転席の窓を叩く。

 

こんちゃん「あれ?健二じゃん、何してんの?」

 

健二「はあ?何してんの?じゃ無ぇ~だろう!携帯圏外のまんまで朝からフラフラしやがって!こっちがどんだけ探してんと思ってんの?休みの樹とか遅番の池谷に、沙雪ちゃんに、真子ちゃん、それに美奈子さんにも連絡行って探してるんだぞ!!」

 

こんちゃん「いやだって家出る時にBBQの下見に行くって、ばあちゃんにもじっちゃんにも言ったし、携帯はバッテリー切れて充電器持って無かったから車の中のカバンに入れたままだったし…。」

 

 

こんちゃんの言い分を聞きつつ健二はとりあえず池谷に電話する。

 

 

健二「あ、池谷?悪りぃな。俺だ健二。ユーイチのヤツ見つかったよ。朝出る時に爺さんとばあさんに下見に行くって言ったらしいけど…畑仕事に行っちゃったから親とかに会わなかったんじゃないかな^^;;;うん。でな、携帯がつながらなかったのはバッテリー切れて充電器持って無かったらしい^^;;;まったく人騒がせで申し訳ない!スタンド戻って仕事してくれ!ごめんなぁ。」

 

電話を切った後、続けてスタンドに電話してる。

 

健二「あ、さつきさん?健二です。お騒がせしました、見つけましたよぉ…さつきさんの読み通り、下見に来てた。3か所目でこの後2か所くらい回るみたい。とりあえず、俺、ユーイチにくっついて行くんでこれから樹に付き合わせちゃうと申し訳ないんでここで撤収してもらいます。うん、すみませんでした。…え?あ、沙雪ちゃん達にはメールしてくれるんですか?…ハイっ、ありがたいです。すみませんけど…じゃあ…また後でスタンドに顔を出しますんで。はい、ホント、すみませんでした…」ピッ…

 

 

「みんな心配して沙雪ちゃんと真子ちゃんは長野の県境の方迄見に行ってくれちゃったみたいだぞ?」

 

 

 

※実はこの時…みんな心配して沙雪ちゃんと真子ちゃんは長野の県境の方迄見に行ってて、

池谷君は渋川~伊香保と高崎の辺りを、美奈子は土地勘が無いので、とりあえず川に出て、そこからひたすら下って県南部の埼玉との境に近い方まで探しに行ってた。

 

それぞれ健二やさつきからのメールや電話でそれぞれ安堵してスタンドに戻ってきた。

 

(※ちなみに沙雪は仕事を放りだし参加、レースの事故から復帰し、社会生活を普通に送れるようになった真子ちゃんは横川に新規オープンする沙雪の家の経営のカフェ2号店の店長になるための店舗研修中で沙雪と合流して捜索に参加。美奈子は今日は休みでスーパーで買い物中にさつきからの連絡で捜索に参加したという具合。)

 

取り敢えずみんなが揃ったのは午後6時過ぎ…とりあえず客が少ないのもあって

店長判断でさっさと閉めて事務所のセールスルームでちょっとしたミーティングをしてた。

 

こんちゃん「皆さん、どうもすみませんでしたぁ~」

 

深々と頭を下げ、健二がそこで見つけた時にこんちゃんが言ってた”爺ちゃんとばあちゃんには声をかけてから家を出た”って事と、”携帯のバッテリー切れて連絡不能だった”という事も話して…BBQ会場の候補を下見してきた結果を報告。

4カ所目に行った所が設備も揃ってて良さそうだと言う事で場所も決まり、解散した。

 

真子ちゃんをシルエイティで送りに行くと言うので美奈子もS13で付いて行った。

他のメンバーはそれぞれ自宅に帰り、さつきは家に帰ってから鍋物を作り…帰ってくる前に入浴とかを済ませて2人が帰って来るのを待った。

ただ…帰って来たのが碓氷も走りたいと美奈子が言い出したため、夜中1時を大幅に過ぎていたので、さつきは疲れて先に夕飯を食べずに寝てしまったそうな^^;;;

 

 

 

 

☆そしてすったもんだがありましたが数日が経ってようやくBBQ当日…

 

 

こんちゃんが下見して駐車場が広くてBBQ会場までなだらか。しかも洗い物とかをしやすい位置に水道があって、火を起こしやすいように竃状になってたり…

鍋とかフライパンもレンタルOKって言う至れり尽くせりなオートキャンプ場みたいな所を予約。

 

川に近い所でこんちゃん、美奈子、沙雪、池谷と真子ちゃんがこっちに、

少し奥まった所に健二(←火起こしができるから池谷と入れ替わった)、樹、

拓海(←何とか予定を合わせて参加した)、さつき(←地下タンクの検査が終わったら遅れて合流する予定)

 

 

前日にホームセンターで炭や薪にできそうな木などを買い込み、飲み物や食材は行く途中の大型スーパーで買いこむ事に。(※ちなみに今回のBBQの会計係は真子ちゃんと沙雪。)

ちなみにパジェロJrにこんちゃんと美奈子が、スタンドの軽トラに健二と、樹。

(←食材&買い出しした物の運搬係で参加中)、それに急遽、参加の決まった拓海のインプレッサに拓海、池谷、真子ちゃんと沙雪が乗ることでレンタカーも借りずに済んでしまった。

 

駐車場で軽トラから買ってきた荷物を下ろし始める男性陣の様子から見てみましょう。

 

 

池谷「ちょ、樹…そっちばっか引っ張ったって動きゃしねぇ~って!押しながら引っ張らなきゃ腰痛めるぞ!」

 

樹「そんな事言ったって健二先輩もっと押してくださいよぉおお!」

 

 

※程なくあのイヤ~な音が…グキッグリグリッ!(やっちゃったね…って感じの音が)

 

 

 

樹「あ”っ!グハッ!池谷先輩…い、痛い(T・T)やべぇ!こ、腰がぁあああ!」

 

池谷「あ~あ、まったく…。言われた通りにやらね~から怪我しちまうんだよ…」

 

健二「強引に押し通しても良い事無いぜぇ?女の子のアタックの仕方と似てるって思えよ…^^;;;腰の辺りで持つより肩に担いじゃった方が楽に運べるぜ?」

 

樹「へぇ~健二先輩ってそんなに詳しかったんですねぇ…」

 

拓海「池谷先輩!飲み物とか入ったクーラーボックスってあります?」

 

池谷「飲み物は…(中身を確認して)あ、この2つだ。悪いけど運んでって貰っても良いか?炭と点火用の藁とかも今出すからさぁ。」

 

拓海「あ、じゃあクーラーボックス置いたらそっち手伝いますよ。」

 

順調に荷下ろしを進めてる頃…もう1つの班がそれぞれの竃に火を起こしてBBQがスタート。ワチャワチャしながら鉄板やら鍋を火にかけていく。

こんちゃんはさっさと手際よく火起こしを済ませると、鍋に美奈子の刻んだ野菜と豚コマを入れて軽く炒めた後、水を加えてカレーの下準備をしつつ、ダッジオーブンでチキンの蒸し焼きを作り始める。

 

こんちゃん「あ、美奈子さ~ん、ちょっと鍋を見ててもらっても良いですか?飲み物貰ってきますよ^^何かリクエストありますか?」

 

美奈子「あ、うん。OKよ。ん~飲み物ね…カルピスウォーターがあれば欲しいかな。」

(おたまでかき混ぜつつ、野菜の火の通り具合を観察してアクを小まめに取りながら、こんちゃんの方に振り返って言う。)

 

暫くしてこんちゃんが飲み物をもらって帰って来た。

 

こんちゃん「美奈子さん、貰ってきましたぁ。」

 

美奈子「あ、サンキュ^^」飲み物を受け取り、まずひと口飲んでから…

 

美奈子は鍋に砕いたカレールーを投入した。その状態でやっと池谷と真子ちゃんが登場し、もう料理の用意がほぼ終わって火にかけて煮込むだけなってるのに驚いてる。

 

池谷、真子「「ええっ!もう・・・終わっちゃったの?早っ!なんちゅ~手際の良さですか

^^;;;(ハモってる)」」

 

美奈子「多分、こんちゃんもあたしも普段料理する人だから段取りが早かったんじゃないかなあ?」

 

こんちゃん「ああ…そういうのは確かにあるかも。うん。」

 

4人になって…とりあえず世間話の延長みたいな感じで…

池谷君は車メインなのでこんちゃん以外はうんうん、と納得したり、車の弄り方とかで盛り上がったり。

さて問題のこんちゃん…彼の趣味である釣りは池谷君と健二君が良く子供の頃に川で釣りをしてたって事で話し込んでる。

もう1つのキャンプとかは…3人とも未知の世界なのでこんちゃんの語る”綺麗な星空の下で飲むコーヒーは格別だ”とか、”川のせせらぎも寝る時のBGMになる”とかいくつかの名言に(今度はみんなでキャンプか…さすがに今度は集まりにくそうだわ^^;;;)とか思ったり…

でも、まぁ…こんちゃんの事は…”純粋な人”というイメージは変わらなかった。

趣味のベクトルはちょっと違いそうだけど、イヤな感じはしないし。まあ…お友達から始めるのに拒否反応は無いし、良いのでは無いかと思った。

 

1時間ちょっとそれで話した後…料理も出来上がり、飯盒で炊いたご飯にカレーをかけ、蒸し焼きにした鶏はこんちゃんが食べやすいように切り分けてくれて…4人で食べ始めた頃…

 

現れましたよ…うるさい人達が^^;;;

 

樹、健二「「やあやあ、みなさん盛り上がってますかぁ~!!」」

 

ノンアルコールビールとオレンジジュースを手にした2人が乱入…

 

健二「何だよ、こっちすげぇ~うまそ~に出来てるじゃん!ユーイチ~!カレー俺にも頂戴!」

 

樹「うわぁこの蒸し鶏もうめぇ~!!もう天才ですよ、天才!!」

 

ってな具合で大はしゃぎ^^;;;この大はしゃぎに沙雪とか拓海も焼きそばとか焼肉を

紙皿に入れて差し入れとばかりに持ってきて…4人でつついて大盛況で楽しいBBQが終わる…

 

 

・一方その頃スタンドでは…消防の検査官の到着が遅くて全般的に押し気味。

店長はさつきと分担して検知管の中に溜まった水分を掃除機で吸い出し、検査に備えている。

9:30スタートの予定が検査官の到着が11:00になってしまい、書類の検査も含めて終わったのは

12:40を回っていた。店長は書類作成もあるのでコンビニで弁当を買うと言うので、店長が帰って来るまで留守番しながらさつきは沙雪に電話した。

 

さつき『あ、沙雪?こっちは今、終わったけど…そっちはどうよ?』

 

沙雪「はい?もしも~し!あ、ダ~リン?うん、あ、終わったの?ああ…でもねえ…ほぼこっち食べ終わってるって言うか…炭みたいになってる野菜とか位しか残って無いかも^^;;;アハハ。」

 

さつき『そっか…まあ、そんな予感はしてたんだけどね。』

 

沙雪「え~!そんな事だろうと思ったって…拗ねないでよ。当初の予定より結構かかったのね?…あぁ、検査官の人が遅れて来たんだ。じゃあ仕方ないよね。うん、合流するなら何か食べるもの買ってきた方が良いと思うよ…は~い…」ピッ…

 

 

さつきの合流するという連絡を受けた沙雪が電話を切った後…

男子連中はこんちゃんのパジェロJrに積んであった釣り竿で魚釣りに夢中。

ワイワイガヤガヤと…やってますネ…。

 

 

残った女子チームでプチ女子会風な会話が…

 

真子「美奈子ちゃんは近藤君だっけ?を…どう思った?」

 

美奈子「ん~純粋な人だな…って言うのは来る前から思ってたんたけど、同じベクトルの上には居ないんだろうなって…キャンプとか釣りとかって今まで行った事無かったしね…。趣味のベクトルはちょっと違いそうだけど、イヤな感じはしないし。まあ…お友達から始めるのに拒否反応は無い…と思う。」

 

沙雪「まあ~、付き合ってみて違うなって思ったらそこでスパッと切り離しちゃえば良いのよ。」

 

真子「イヤイヤ、そんな事ができるのはあんただけだって^^;;;でも…さつきさんの時は違ったんでしょう?」

 

美奈子「ん~実は沙雪がさつきを追いかける事になった理由・・・の半分はあたしにあるんだよね^^;;;」

 

真子「え?それってどういう…事?」

 

美奈子「今だからこそぶっちゃけられる話だけどね…」

 

沙雪「ちょ、美奈子!今ばらさなくたって…」

 

美奈子「まあまあ、真子ちゃんは関係者だし、いずれ話さなきゃいけない事だと思ってたし。真子ちゃんにもちゃんと知ってて欲しいからここで話すの…良い?」

 

真子が頷いて…美奈子は穏やかに話し始めた。

 

美奈子「最初ね…あたしが神奈川からこっちに来て…バイトしようと思って履歴書不要で面接のみって所を探してたら沙雪のウチのケーキ屋さんの募集が出ててね…電話したらすぐ面接してくれるってなって本社の事務所に行ったら…沙雪が事務所で事務員さんの先頭に立って指示飛ばしててさ…”何かすごいトコに来ちゃったな…ま、でもあたしが行くのは店舗だし、そうそうおっかない思いはしないだろうと思って…」

 

沙雪「何よそれ…あたしは怪獣か何かですか?すっごい辛辣なんですけど?」

 

美奈子「イヤイヤ、マジで食われそうな気がしたんだって…あの勢いは。でね、すぐバイパス店の店長の吉井さんがね…迎えに来て3分位先の店舗で制服に着替えてお掃除から始めてたらね…やって来たのよ、このお嬢が。で、顔が合っていきなり”ここの棚…もっと見やすいようにあんたのセンスでどうにかして!”って。入った初日の人に言うのよ?

あたしにゃ、センスの欠片も無いのに酷くない?」

 

この発言に沙雪が黙ってる筈無く…物申した。

 

沙雪「ちょ~っと待ったぁ!それ、めっちゃ語弊があるじゃん!あたしは”ここの棚…何かもっと商品をアピールできるように変えてくれないかしら。あなたのセンスに任せるから。何か言われたらあたしに言われてやってるって言ってくれて構わないわ。”って言ったんじゃん!責任はあたしが取るから思い切ってやれって言ったのよ?」

 

真子「あぁ…沙雪が言いそうなフレーズ…でも初めて聞いた人には伝わりにくいよ?それ。きっと美奈子ちゃん、沙雪に圧をかけられてるって言うか…半分ビビったんだと思うけどなあ?解ってる人は沙雪の期待のこもったエールだって気が付くけどさ…」

 

沙雪「すぐ気が付くでしょうよ…結構ストレートに言ってるよ?」

 

美奈子「いや、ストレートすぎて裏があるんじゃ…って思っちゃったの。それにね…あの時、あのS13…さつきの持ち物で借りて行ってたのに”え?あたしのセンスでと言われましても…センスがあるかどうか…”って言ったら間髪入れずに「そういうのはドリフトとかと同じで直感と練習量で決まるのよ?S13…結構いじってるみたいだし、ドリフトやってるんでしょう?」って。あたしが”あ、車は従兄のを借りてきたんですよ^^;;;

まあ…ドリフトは昔やってたので自信ありますけど…”って口に出したら「あら、そうなの?じゃあ、あたしの車で乗って見せてよ。秋名でも碓氷でも良いから。じゃ、棚の件もよろしく頼むわね?」って肩をポンポンっと叩いて出て行っちゃったのよ。あたしはその場で固まったよ?」

 

真子「あはは^^わかるわかるwそういう時の沙雪ってさ、取りつく島が無いよね?あ~解るわぁ。」

 

美奈子「だよね?あたし正直、エラい事になったって思ってさ…胃が痛くなったよ?」

 

真子が共感した事でめっちゃキラキラした目で手を取り合って見つめあう真子と美奈子…

沙雪はそれを見てやれやれって言う顔をしてる…。

 

美奈子「そこからはこのお嬢がまあ~凄い。帰りがけにさつきを拾うのに迎えに行ったスタンドで練習したいから秋名に付き合ってって話したら池谷君達がくっついて来てさ…

^^;;;

秋名の頂上でさつきが運転変わって下りの最速と思われるラインを見せてくれるって事で…イメトレしつつの同乗走行してる時に反対側から沙雪が頂上に来てさ。後であたしにもぶっちゃけてたけど、「あたし、S13は小長井さんの車だけど、嘘ついてると思ってた」って言ったのよ。酷くない?」

 

 

沙雪「そりゃ、そ~でしょう…いきなり乗ったS13をしっかり乗りこなしてるわ、初めての秋名の下りで最速ラインにぴっちり乗せてくるし…あの拓海君ですら何年もかかって編み出したって言う溝落としをあっさり使って5連続ヘアピンをクリアするなんて普通じゃありえないもの。ダーリンの…”銀色の悪魔”の最速ラインを同乗したとは言え、見ただけでコピーできてずっと再生し続けるって」

 

真子「え?すごっ…それ普通に凄いよ?そのエピソードを聞いてわかったわ…。何であたしがレーサー生活に入った後、沙雪が美奈子ちゃんに急接近したのか、そして2代目ImpactBlueを結成する気になったのか。」

 

沙雪「それにね…真子にはちゃんと話してないけどね、神奈川で有名な走り屋…”銀色の悪魔”以外にもう1人居るじゃん?」

 

真子「神奈川で有名って言ったら…”銀色の悪魔”と…あ、”漆黒の闇に浮かぶ銀色の幽霊(ゴースト)”?あ、待って待って…じゃあ美奈子ちゃんってさぁ…」

 

沙雪「そのまさか…って事。だからその時にダーリンと付き合う前だったし”あぁ…従兄さんは小長井さんの運転の仕方を知ってるから安心して車を貸したのね。納得できたわ。普通親戚でも自分の弄って愛着を持ってる車を…貸してくれないもの。”って発言になった訳。」

 

真子「だからかぁ。この前碓氷で初めて走りたいって言ってあたしの運転の一応碓氷最速のシルエイティにぴったりくっついてC=121をいきなりクリアできたって…一緒にバトルした人の中で拓海君だけだったもんねえ…いきなり初の慣れてないコースでのバトルで

クリアできたの…あの時も美奈子ちゃんのS13がライン変えながら超接近ツインドリフトを仕掛けてきたから、

相当なウデの持ち主だって言うのは解ってたけど…納得できたわ。そりゃ沙雪が2代目に…ってアタックかけるわ^^;;;」

 

美奈子「って言うか沙雪のアタックの掛け方は異常。ちょっと引いたもん。だってさ、「あたしは…狙った獲物は逃がしたくないの。その為には…駆け引きも必要と思えば実力行使も何だってアリだと思ってるわ。」とか「あたしはそれだけマジって事よ…」ってスーッと両手をあたしの頬に当てて、真っ直ぐ向かせて目を合わせてから「良い?あたしはこの件はホ・ン・キだから。逃がさないわよ美奈子…フフフ。」って呼び捨て&身体を前のめりにして顔を近づけて意味ありげな笑みを浮かべられて耳元で殺し文句を囁かれたらゾクってしたよ?」

 

女子のトークに花が咲いている頃…遠くから響いてくる甲高いエンジン音に釣りをしてる男子チームも河原で椅子に座って話し込んでいた女子チームもハッとして一旦会話を止めて音に聞き入る…そして皆一様に顔色を悪くさせた。

ボァアアアアアアンッ!ボァアアアアアアア!ギュキャキャッ!!キョ~オオオオ!!

明かに峠道を飛ばしている音…どんどん迫って来てるのが解る。鉄板や竃を見ても、もうそこに食料の影も形もない…

 

池谷「やべぇ…さつきさんの分残しておくの忘れて…ガンガン食っちまった…」

 

樹「池谷先輩…どうします?飲み物ももう殆ど無いっすよ^^;;;」

 

健二「そっか…ユーイチの所に残してあったカレーとか蒸し鶏…さつきさんの分だったんだ。あの勢いで来て飯が無かったと解ったら…温厚なさつきさんでも怒るよ…なあ?」

 

メッチャ固まる3人プラスこんちゃん。

 

そのままの勢いで駐車場に止まるグレーのNOTE。出てきたさつきの手には何故か大きめのコンビニ袋が4つ握られていた。実は弁当のほか、飲み物やお菓子を買って来てた。

皆は恐縮しながら受け取るが、その後お菓子があっという間に消えていく。

 

結局さつきはお菓子と飲み物を差し入れして…ちょこっと休憩したら記念撮影して。

その後は一気に片付け作業をして1時間もしないうちに撤収となった。

 

<※何のためにさつきはここまでやって来たのかっていう話になっちゃうけど^^;;;>

 

スタンドに戻ってくるとまだ消防関係の書類に追われていた店長が居て。池谷とさつきが慌てて作業を手伝ってる。30分ほど経って出来上がった書類のうち消防署に提出分を店長が、本社の分をさつきがそれぞれ持って行ってこちらも終了となった。

店長はさつきをこの時ほど不憫に思った事は無いと…後に話している。

 

皆スタンドでそれぞれ別れて…3人でNOTEに乗って家に帰る…

 

沙雪「ねえ…今度はキャンプとかって話が出てるみたいよ?」

 

さつき「マジか…。さすがにこの人数じゃ無理だぞ^^;;;先に沙雪と美奈子と真子ちゃんとで人選はしっかりしといた方が良いぞ?」

 

沙雪「あたしもそう思った。BBQみたいにカオスで終わる気がしないし…もっと収拾付かなくなったら…あたしが倒れる^^;;;」

 

さつき『倒れないように前もって3人でしっかり根回ししとくんだってば。』

 

沙雪「そだねぇ~」

 

さつき『カーリングの日本女子チームじゃないんだから^^;;;その言い方w』

 

 




※今後の美奈子とこんちゃんにも注目…ですね。(→ネタバレ覚悟で言うとStage-6で美奈子の特別編やります。)
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