交えて解説してくれるそうです。
問1)妹扱い?かつての自分?過保護と指摘されるレオナ
「納得できない!」
「この扱いの差はなに!?」
「……ケイトも同意」
コトブキの3人は、揃って不満を訴える。
「私とチカには鬼なのに!」
「なんで彼女には甘いのさ!」
「……頭を撫でたり、抱きしめたり、殴ってでも彼女を制止させたり、ケイトたちに比べ、扱いに差がある」
「ケイトのはまだしも、キリエとチカの意見はレオナに聞かれたらまずいな……」
周囲に件の人物がいないことを確認し、ナツオは続ける。
「まあ、それにはレオナなりの事情があってだな……」
「事情ってなにさ!」
「それは、かつての自分と重なる部分があるから、放っておけないというのがあるんだろうな」
「かつての自分?」
キリエは首をかしげる。
「レオナのあだ名、なんだった?」
「一心不乱、だよね?」
「そうだな。空戦になれば、目の前の敵を落とすことしか考えていない、一心不乱のレオナ。今でこそ鳴りを潜めているが、少し前まではそんな感じだった。何か目標を定めると、他のことには目もくれず突き進んでいく」
「でも、それとなんの関係が?」
「ハルカが空賊行為に手を染めてまで、飛び続けた理由はなんだ?」
「確か、家族の生活費のためだよね?」
「そういうこと。10歳過ぎのころ戦闘機で空を飛び始めた彼女にとっては、それが全てだった。家族のためという目的のため、空賊に落ちてでも飛び続けた」
「つまり、2人とも目の前のこと、目的を定めたらそれにひたすら突き進んだってこと?」
「そういうことだ。もっとも、レオナはザラやコトブキのメンバーに出会えたが、ハルカは空賊に拾われた。それが、2人の命運を分けたといえるな」
「でも結局……」
「彼女、みんな無くしちゃったよね……」
ハルカが飛び続けた末路を知っているだけに、皆表情が曇った。
「だからこそ、レオナは彼女を放って置けない。自分と似た道を進んだ彼女の、少しでも助けになりたいと、周りから見れば過保護といわれるが、できることをしているわけだ」
「なるほど」
「ようするにさ、昔の自分を見ているようで放っておけなかったわけ?」
「そういうことだ。それに加え、彼女は死んだ家族の影に引かれ、死にたがりの行動をしたり、今の居場所を守ろうと危険な行為も平気でやっただろう?それが、とんでもなく危なっかしくレオナの目に写ったから、というのもある」
「それは、ただ過保護の姉が妹を心配しているようなもの」
「ケイトは容赦ないな……」
「事実を言っているまで」
「まあでも、レオナは面倒見は悪くないから、しばらくはこの状態が続くだろうな」
「不満だね」
「めっちゃ不満だよ!」
「扱いの平等化を求める」
「無理だっての……」
問2)領空侵犯は重罪?泥棒猫とみるザラ
「なんか、すごいのきたね……」
「まあ、レオナがハルカに過保護なのは、ザラにとっては面白くないわな……」
「確か、ザラからすればレオナは自分を穴倉から出してくれた王子様」
「で、ザラはレオナに一生ついていくって誓った騎士、だっけ?」
「そういうこった。それに、コトブキ飛行隊創設時のメンバーだから、付き合いも一番長い。お互い、相棒って言える仲なのは、疑う余地がない」
「どんな人間も入り込む余地がなかった、レオナとザラというある種の領空、聖域。でも、その関係に踏み込んできた人間がでた」
「それが、ハルカってわけ?」
「そういうことだ。事の発端は、ハルカの歓迎会を兼ねた飲み会で、レオナが酔いつぶれて彼女の太ももに倒れ込んで寝てしまったことだ」
「そんなことあったっけ?」
「キリエとチカは飲み比べの末酔いつぶれた。覚えていないのは当然」
キリエとチカは苦笑する。
「で、その後ハルカはレオナを部屋に運ぶんだが、翌朝ザラに迫られた」
「なんで?」
「偶然なんだが、酔いつぶれて寝ていたとき、レオナはハルカの膝枕で寝ていた。ザラに聞かれたとき、その感触が今までで一番よかったと口にしてしまってな……」
「レオナにそこまで迫れる人間など、ザラしかいない。でも、自分の独壇場だと思っていた場所を脅かすものが出てきた。だから、ハルカがレオナに近づきすぎた場合に限り、泥棒猫と解釈して警告をした」
「その警告って……」
「内容がおぞましいよね……」
「まあな……」
「でもさ……。話を聞く限り、ハルカはザラとレオナの領空を侵犯したくてしたわけじゃないよね」
「そうだな。レオナが口にした言葉や、ハルカを心配してとった行動に、ザラが嫉妬してやったことだ」
「それって、ハルカ被害者じゃない?」
「まあ、そういわれればそうだな……」
「お気の毒様。やはり、この2人の領空は侵犯してはいけないということ」
問3)パンケーキ好きで読書好きの同志、キリエとチカ
「ハルカってパンケーキ好きだよね!ようやく理解してくれる同志に出会えた!」
「ようやくう~みについて語れる人に出会えた!」
「お前たちとは趣味が共通ということか。つまり、お前たちと関係は良好だと」
「そういうこと。それに、ハルカと一緒にいることが多いのって私でしょ?」
「チカは最近まであまり接することがなかったな」
「まあ、どう接しようか悩んでいてさ。彼女の好みとか、とっかかりがなくて……」
「電光石火のチカが何言っているんだ?」
「最初、確か偶然飲食店で出会って、パンケーキ好きの同志で盛り上がったのが彼女と最初の出会い」
「そうそう、あの時はまさか空賊だなんて思わなくて。パンケーキ好きに悪い奴はいないっていうのが、私の信条だったのにさ……」
「その後彼女と空戦したとき、キリエってばハルカに落とされたもんね」
「チカが真っ先に落とされたんじゃない!」
「ぐぬぬ……」
「にしても、ハルカがう~みの本を読んでいるのは意外だった」
「他にも読んでいるらしいよ。桃太郎とか、かちかち山とか」
「ケイトみたいに、実用書ばかりかとおもったら、そうでもないんだな」
「とりあえず、私たちとはうまくやっているよね」
「そうそう」
問4)元空賊と空賊嫌い、険悪な仲だったエンマ
「これは……」
「ものすごく悪かったよね……」
「これは仕方がない面もある。元空賊のハルカと、空賊や悪党に財産を奪われたエンマを同じ空間に置いておいて、何も起こらないわけがないだろう」
「おかげでレオナの心労が尋常ではなかった」
「そうだったな……。まあ、信用を得るために、彼女はエンマに課された要求を次々こなしていくんだが、エンマにとっては、ハルカが折れることを期待した。でも、ある意味生きる執着を無くしてどこまでも自分をすり減らせるハルカが折れるわけもない」
「で、結果エンマはハルカが一度だけなら報復することを認めるといった言葉の通り、彼女をショウトから離れた場所へ誘導し、彼女を撃ったと」
「そういうことだ。この件を耳にしたユーリア議員は大激怒。オウニ商会が運び屋をやめないといけないところまで話が及んで、レオナとザラはひたすら平謝り……」
「なんで、エンマってあそこまで頑なだったんだろう?」
「そりゃあ、キリエがパンケーキ好きに悪い奴はない、というのが信条であるように、エンマにとっては空賊や悪党は社会のダニ、死すべしが信条だ。これまで更生とは無縁だと思っていた悪党や空賊を目にしてきたのに、いきなりそれと異なる人物が現れても戸惑うだけだろ?」
「そりゃあ、わからなくはないけど……」
「そんで、一応ハルカに謝罪はしたものの、彼女はエンマに謝る必要はないっていったんだ」
「なんで!?」
「あれだけのことやっておいて!」
「いやな、ラハマ上空で、ハルカはエンマを一度落としている。だから、一度なら報復してもいいと、彼女は言った。これでお互い撃ち合ったのだから、恨みっこなしってな」
「それでいいの?」
「ハルカがいいっていったんだから、いいんだろう」
「でも、その後心労のたまったレオナとザラに2人とも散々説教された」
「それは、まあ」
「当然だよね……」
「幸い、今は仕事に支障がない仲になっているから、とりあえずはいいだろう」
問5)興味深い観察対象、色んな所を観察するケイト
「ケイトってさ」
「何か?」
「なんで、彼女を観察対象にしたの?」
「興味深いから、彼女が」
「きっかけは何だったの?」
「きっかけは、彼女の愛機の主翼に描かれていたマーク」
「マークって、あの白色を縁取った水色の丸?」
「それが何で?」
「色が水色か赤色かの違いだけで、ユーハングのマークに酷似していた。それで、彼女がユーハングの関係者なんじゃないかと思い、彼女を観察対象にした」
「それだけで?」
「当時はそれだけ。でも、ユーリア議員が持ってきた、彼女が話した謎の言語の録音を聞いたときや、だれも知らないユーハング戦闘機、橘花の件をへて、疑惑が一気に深まった」
「なるほど」
「でもさケイト」
「何か?」
「いくら聞きたいことがあるからって、彼女の寝込みを襲った上に、お腹に馬乗りになって両手首抑えたりする?」
「そうしなければ、彼女が逃走する可能性があった。仕方がない」
「ケイトは興味のあるものに一心不乱だよね……」
「ねえ、キリエ」
「何さ」
「あのときのケイトとハルカってさ、ベッドの上で組手していただけでしょ?何でみんな顔赤くしていたのさ?」
チカの疑問に、キリエはため息を吐きだす。
「チカはまだお子様だね」
「なんだと!?」
「おほん」
わざとらしく、ナツオは咳払いする。
「まあ、結果としてケイトの推測は間違っていなかったというわけだ」
「そして、まだ未知の情報がハルカの中に眠っている。だから、当面彼女の観察は続ける」
「……ハルカ気の毒だね」
「しばらく離してもらえそうにないよね……」
問6)行きつく果ては賠償金地獄?金で縛るマダム・ルゥルゥ
「なんか恐ろしいの来た!」
「マダム怖い!」
「まあ、文字通りだな。最近、ハルカがマダムを通じて払う賠償金が増えてな。その額が、実に飛行船3隻分。どれだけ返済までかかることやら」
「というかさ、マダムって本編で去る者追わず、みたいな感じだったじゃない?なのにハルカは縛るわけ?」
「そうするしかないだろう?彼女を敵に回したときのことを考えてみろ。おまえたちで手に負えるか?」
「それは、まあ……」
「当初は、ラハマやいくつかの飛行船に負わせた損失を賠償金という形で払っていた。それができればいいと、マダムも考えていたわけだ」
「でも、それだけじゃなくなったんだね」
「ハルカの素性が明らかになっていくにつれて、手放すわけにはいかなくなった。食料生産都市、ハリマの評議会議長や市長の縁者。工業都市、ナガヤの生まれで市長とも顔見知り。手元に置いておくことで交渉に使える上に、ハリマ、ナガヤ、ユーリア議員を敵にすることがなくなる」
「それに、彼女を手元に置いておくことで、コトブキにとっても都合がいい。急降下や火力不足にも対応できる手札として優秀」
「だが、ハルカは賠償金の清算が終わったら、コトブキを去るつもりだとわかった」
「ショック!」
「なんでさ!」
「まあ、他にも損失負わせたところはヤマセのようにあちこちあるし、私らを巻き込みたくないっていう言い分もわかる気はするんだが……」
「それで、彼女を逃がさないために」
「賠償金の額増やしたんだね」
「正確には、請求するつもりのない額まで含めて、請求することにした、だ。いかに収入がよくても、飛行船3隻分もの費用を返し終わるまでしばらくはかかる」
「それに、彼女はチカのように踏み倒そうなんて考え、抱けるわけない」
「……真面目な性格って損だね」
問7)自身の夢の道具?可愛い用心棒?常にそばに置いているユーリア議員
「ついでユーリア議員だ」
「確か、ユーリア議員ってハルカを何かの対象にしたんだよね?」
「ああ。議員は彼女を、空賊機離脱者支援法が議会を通った場合の観察対象にしたんだ」
「空賊離脱者……」
「支援法?」
「お前たち、本編でレオナが説明してくれたの忘れたのか?」
「え~っと、なんだっけ?」
「簡単に言うと、空賊から足を洗ったら生活の面倒をある程度見るし、仕事も紹介するっていう法案だ。金はかかるが、銃弾も空戦もなしに空賊を減らせる」
「あ、そんな法案だったね」
「でも、そんな法案通ったら私たち仕事なくなるじゃん!?」
「心配しなくても、空賊は完全にはなくならねえよ。空賊になるものの多くは、ハルカがそうであったように、経済的困窮が理由だ」
「そうだね」
「ユーリア議員の進める法案は、確かに一定の効果はあるだろう。だが、ウミワシ通商社長ナカイのように、楽して大儲けできる味をしった人間が、簡単にカタギに戻れると思うか?」
「確かに……」
「ハルカは悪行から足を洗ったけど、ナカイは抜け出せなかったもんね」
「そういうこと。だが、一定の効果は確実にある。といっても、議会をなかなか通らなくてな。それでハルカを観察対象にすることで、有用性を証明しようとしたわけだ」
「なんでそんなことしたの?」
「ハルカが襲った飛行船の中には、ガドール所属のものもあった。護衛隊に雇うとなったとき、彼女の身辺調査が行われ、空賊であったことは瞬く間に議会の知る所となった。議会では、その罰として彼女を処刑しろ、という極論まで出る始末だった」
「過激だね……」
「だが、足を洗った上に、その空賊からラハマを守ってくれた人間をいきなり処刑するのは考えものだ。そこで、ユーリア議員が議会に提出していた法案、空賊離脱者支援法がもし通ればどうなるか、その例として彼女を観察対象にすることにした。要するに、口で言うより行動で示せってわけだ」
「これって、利害の一致ってやつ?」
「そうだな。ユーリア議員にとっては、自身の進める法案の有用性を示せる材料。ハルカにとっては、この観察対象になっている間は、処刑等を免れる」
「今は、ユーリア議員の秘書の一人。だから彼女の仕事は、秘書と荒事と空戦」
「でもさ、それにしてはユーリア議員って彼女をそばに置いたり、無茶な条件突きつけられていることを知ると即座にやってきたりしたよね?」
「キリエの言う通り、ただの雇い主と用心棒という関係にしては親密。ユーリア議員は、彼女の太ももやお尻を枕にしたり、寝るとき一緒だったり、イタズラで口紅つけたり等々不可解な点もある」
「まあ、そこは彼女が可愛いんだろうな……」
「観察対象じゃなかったの?」
「ユーリア議員は、横のつながり、つまりあらゆる都市が好きも嫌いも飲み込んで、手を取り合って共に生き抜こう、って思想を広めるために動いているだろう?」
「そうだったね」
「で、ハルカは言ったわけだ。その思想が実現した先の世界を見てみたい、と」
「あ~、自分の進める思想に期待してくれたわけだ」
「そういうこった。誰でも、自分の考えを理解してくれて、期待を込めてくれればうれしくもなるし、可愛がりたくもなるだろう」
「それだけじゃない気もするんだけど……」
「キリエ、それ以上の詮索はデリケートな問題だぞ?」
「班長がデリケートっていうとなんか」
「違和感あるね」
「なんか言ったか?」
「「なんでもありません!?」」
問8)かつての恩を返すために。クラマ市長、ナオト工場長、カガミ社長、カサイ団長
「ナガヤの人々だね」
「ああ、クラマさんは、ハルカの故郷のナガヤの市長。ナオトさんとカガミさんは、うちに部品を供給してくれているナガヤ飛行機製作所の工場長に社長。カサイさんは、ナガヤ自警団の団長だ」
「それぞれ、ハルカとどういうつながりが?」
「クラマさんについては、彼はハルカの父親、ミタカさんの親友で、2人とも元自警団だった。その後、ミタカさんがリノウチ空戦に参戦するにあたって、もしものときには残ったハルカや家族を頼むと言い残していったんだ」
「その結果って……」
「そういうこった。ハルカの父親は帰ってくることはなかった。だから、クラマさんは親友の忘れ形見であるハルカを守ろうとした。でも、ナガヤの状況がそれを許してはくれなかった」
「どういうこと?」
「当時のナガヤの戦力は、非常に心もとない物だった。報酬目当てに、ナガヤ自警団の中堅パイロットまでもが参加し、全員が帰ってこなかった。残ったのは、素人に毛が生えた程度の練度のパイロットたちだけ。このままでは、町の防衛さえ危うくなる。そこで、当時そんな自警団より腕が良かったハルカを当時の市長は雇うことにした」
「当時のハルカって何歳?」
「10歳を過ぎたくらいだ」
「そんな子を戦わせるの?」
「クラマ議員も同じ意見だった。だが、当時のナガヤはそんなこと言っていられない、切羽詰まった状況だった。そこでクラマさんは、自分の報酬の一部をハルカへの報酬に回すことでなんとか彼女を支えようとしたわけだ」
「義理堅い人だね」
「次は、ナオト工場長にカガミ社長だ。うちにお前たち隼の部品を提供してくれているナガヤ飛行機製作所の工場長と社長だ」
「確か、彼女ってナガヤ飛行機の輸送を手伝っていたんじゃ?」
「そうだぞ。輸送機の護衛に、生産や整備の手伝いもしていた」
「ところでさ、何で彼女はナガヤ飛行機に出入りしていたわけ?他にも会社あるんでしょ?」
「それは、ハルカの祖父のタカヒトさんがナガヤ飛行機に技術指導によくいっていて、ナオト工場長は彼から手ほどきを受けていた」
「ああ、師匠のお孫さんなわけだ」
「まあな。それだけでなく、タカヒトさんにくっついて、ハルカもよくここに出入りしていた。子供がいない二人にとって、頻繁にやってくるハルカは、ある意味娘みたいな存在だったのかもな。師匠の孫であり、よくやってくる子であり、ナガヤ飛行機が利益をあげるのに多大な貢献をハルカはした。九七式戦闘機を失った際、隼1型を融通してもらえる程度には、可愛がられていたようだ」
「可愛かったんだね~」
「次はカサイさんだ。彼は、ハルカから飛ぶことの指導を受けたパイロットの一人だ」
「え?ハルカが教えたの?」
「そういうことだ。先ほど言ったように、リノウチ空戦に参戦したせいで、自警団には素人に毛が生えた程度のパイロットしかいなかった。だが、やはりベテランがいないと練度の向上は難しい。だから、当時一番技量のあった彼女が指導もしていた。その当時の自警団の一人が、彼だった」
「色々やっていたんだね」
「まあな。ただ、それでも給料がいいとは言えず、生活は苦しかった。そして、ハルカはさらに収入の良い所を見つけて、ナガヤを出て行ってしまった。そして何年にもわたって消息がつかめなかった」
「恩を返す機会を失ったんだね」
「だが、何の因果かショウトに物資輸送を行った後、市長の依頼でナガヤに偶然里帰りする形になった。彼女が生きていることを知って、皆喜んでいたな」
「これでかつての恩が返せるわけだね」
「おかげで、隼の部品も値引き価格で買えることになったしな」
「よかった。これで壊れてもすぐ修理できるね」
「てめえら!だからって機体をいためつけんじゃねえぞ!ただでさえ部品交換が一番多いのはキリエとチカだ!あんまり修理が続くようなら、マダムに言って給料から部品代引いてもらうからな!」
「いやあああ!パンケーキ代が減っちゃう!」
「機体はちゃんと直すがな!少しは労われ!」
「「はい!!」」
問9)再会は突然に?彼女の残された縁者。ホナミ、カスガ、シズネ
「この3人のこと、ハリマの件や以前から明かされていたよね?」
「ああ。ハルカの母方の祖父母と叔母だ」
「縁者がいたんだね」
「まあ、ホナミ議員がハルカと出会えたのは、全くの偶然だったらしい。ラハマに交易のことで訪れていた際に、ウミワシ通商がラハマを襲撃。その時拘束したハルカを見て、一発で姉の子供だと気づいたらしい」
「そんなにわかりやすかったの?」
「ホナミ議員曰く、姉が彼女くらいの年頃のときとそっくりだったらしい。そして、ハルカがユーリア議員に雇われアレシマを訪れた際のことが新聞に載り、それを見て、カスガ議長とシズネ市長も娘の子供に間違いないってわかったんだそうだ」
「10年近くあってなかったんでしょ?それでわかるの?」
「確かに、色んなところが成長していたらしいが、それでも昔の面影が残っていたからわかったんだそうだ」
「そういうもんなんだね」
「でもさ、ハルカって祖父母や叔母のこと思い出したり、会いに行くこと避けている節があったよね?」
「仕方ないだろう?理由はどうあれ、彼らの家族であった自分の母親を守れなかった。自身の選択のせいで、母親が死んだ。それを考えたら、彼らがどんな感情を抱くかわかるだろう?」
「でも、カスガ議長って彼女に会いたいって手紙書いていたんだよね?」
「ああ。ユーリア議員に、護衛隊隊長のところだけでなく、マダムやレオナの所にもきていたらしいぞ」
「え?じゃあ、レオナって議長とハルカのつながりを知っていたの?」
「そうだぞ。もっとも、マダムに口止めされていたらしいが」
「ぶ~」
「隠し事なんてずるい」
「そんなに会いたかったんだね」
「議長や市長たちは、ハルカたちが大変だったときでも、彼らに手を差し伸べられなかったことを悔いているんだ。それに、今となっては孫と言えるのはハルカただ一人だ。娘が残してくれた最後の遺産。だから彼らは彼女に会いたいと思ったわけだ」
「優しい人たちでよかったね」
「そして、今回念願かなって、ハリマで会うことができた。ユーリア議員たち曰く、孫に会いたくて商談会という名目で彼女がこられる状況を作ったらしい」
「……なんというか」
「バカじじいというか」
「ま、彼女を溺愛しているのは間違いないな」
「彼女にもしものことがあったら……」
「想像したくないな。市長はあのユーリア議員やマダムでさえ頷くしかないほどの圧を加えて、彼女に万一のことがあったら……。っていっていたしな」
問)この物語の黒幕は?
「黒幕って、あのイサオの後継者って人?」
「誰なの?」
「言えない」
「言えないの!?」
「気になるじゃん!?」
「言えない事情があるんだよ。なにせ、この黒幕がわかるときは、物語の終わりに近い時だからだ!」
「そうかな。本筋でラスボスだったイサオは、結構早い段階から顔わかっていたよ?」
「メタい発言だな……」
「でも、この人物がわかるときは、本当に終わりが近い時。その時まで待っていて欲しい」
「とはいえ、察しの言い読者はわかっているかもしれないけどな」
「少なくとも、ハルカに何らかの関わりがあるのは確かだよね」
「これから彼女との関わりが明かされるかもしれないし、逆にもう明かされているかもしれない。いずれにしても、そのときまで待っていてほしい」
「いつまで待たされるの?」
「筆者の筆次第だ」
「……気の長い話だね」
「さて、こんな感じで今回はしまいだ」
「これって、ストーリー解説になっている?」
「単にハルカの暴露話だったような」
「こまけえことはいいんだよ。それより、あいつが帰ってきたら面倒だからな」
「は~い」
「オホン。それでは皆さん」
「いつも読んで下さって」
「ありがとうございます!」
「これからも」
「「「「よろしくお願いいたします!!!!」」」」
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
本編中で分かりにくかったかもしれない部分や、裏設定、人間関係を
まとめて解説してもらいました。
話数も100話を越え、このあたりまで続くとはあまり思っていなかったので、
解説回を今回設けました。
読んで下さっている方々、ありがとうございます。
最終回まではまだ長いと思いますが、お付き合い頂けたら幸いです。
また次回、よろしくお願いいたします。