航路に未知の戦闘機を使う空賊が出現したことを知らされる。
一方、彼女は情報屋から、その空賊がかつて彼女が属していた
あの集団である可能性を知らされる。
渓谷の間にある町、イタミとヤマセ。
その中間地点に、大きな洞窟がある。洞窟の内部には、十数機の飛行機や沢山の物資の入った木箱等が収容され、何十人もの人々が生活していた。
洞窟に1機の輸送機がやってきた。首から上が白、下が茶色の鳥のマークが描かれた輸送機がエンジンを切ると、周囲の人々が集まって積み荷を下ろし、奥へ運んでいく。
「今回の輸送船も、積み荷は食料か?」
「ああ、イタミへ送るものだろう」
「ここに網を張ったのは正解だったな。確実に輸送船が現れる」
彼らがおろしている積み荷は、正規のルートで手に入れたものではない。
道中を通る輸送船を襲い、奪ったものだ。
「ナカイ社長、買い手はついているんですか?」
「ああ」
顔を斜めに切り裂いたような傷跡が残る、サングラスをかけた細身の、目つきの鋭い男性、ナカイという男性が応える。
「これで、ウミワシ通商が復活できる」
全員がこれから得られる収入を想像し、無意識に顔がにやける。
ここにいるのは、かつて蒼い翼の零戦のパイロット、ハルカによって壊滅に追い込まれた空賊、ウミワシ通商の残党たちだ。
「誰が輸送船を襲うか悩みましたが、その問題はすぐ解決できましたね」
「ああ、あのいけすかない依頼人、すげえもんをくれたからな」
全員が同じ方向を見やる。
かつてはハルカがいたことで確実に積み荷が奪えていたが、彼女がいない今はそうはいかない。
あれほどの腕前のパイロットなどそうはいない。
だが、新しい戦闘機によってその問題は解決できた。
全員の見る方向には、プロペラのない奇妙な飛行機が駐機されていた。
細い胴体に、後退角をもつ主翼、主翼の下に吊るされた筒状のもの。
イジツでは馴染みのない飛行機だ。
「こいつがあれば、今までの飛行機なんぞ雑魚だ。整備に手間がかかるのが難点だがな」
「どうですかな、ウミワシ通商の皆さん」
ふと、眼鏡をかけたオカッパ頭の髪の男性が現れた。
「なんだ、依頼人」
「依頼人は確かに私ですが、わたくしにはヒデアキという名前がありますよ、ナカイ社長」
皆、このいけ好かない男が苦手だった。
「依頼の内容はこの新型機のテスト。輸送船の襲撃はあくまでついでということをお忘れなく」
「忘れてねえ。用心棒を落としているだろう?」
「そうですね。では、そろそろ拠点の場所を変えた方がよろしいかと」
「なぜだ?」
「イタミへ物資輸送を行うため、ヤマセに多くの運び屋の飛行船が集結しているそうです。その中には、あのコトブキ飛行隊が属するオウニ商会もいるそうです」
「隼6機だろ?この飛行機なら問題ない」
「そして、あなたと因縁浅からぬあの飛行機乗りもいるそうですよ」
「……誰だ?」
ヒデアキは心中楽しそうに言い放った。
「……蒼い翼の零戦」
ナカイの視線が細められ、周囲の目が見開かれた。
「ハルカ……、生きてやがったのか」
「今は空賊から足を洗い、用心棒稼業をしているようですよ」
「……ほう。そうか」
「私からすれば、あなたが生きているほうが驚きですがね。どうです?あの悪魔相手でも、大丈夫ですか?」
「この機体なら問題ねえ。むしろいい機会だ。あのラハマ上空でのお礼参りをさせてもらう」
「そうですか……。ま、テストさえしてもらえれば、我々に文句はありませんがね」
そういうとヒデアキたちは去っていく。
「……まったく、折角忠告して差し上げたのに。空賊とは、つくづく欲の皮が張った連中ですね」
「ヒデアキ様、いかがいたします?」
「……この場所がばれるのも時間の問題。我々は、おさらばする準備を始めましょう」
「皆さん、お集まりいただき、ありがとうございます」
市庁舎の一室に集められたマダムをはじめとした運び屋の代表者たちは、市長の説明に耳を傾ける。
「改めて依頼内容についてですが、皆さんへの依頼は、ご存じの通りこの渓谷の先にある町、イタミへの物資の輸送になります」
「じゃあ、なぜこんな沢山の相手に依頼をしたんだ?」
呼ばれた人数は、広くない会議室を埋め尽くすほどで、全員が商会や運び屋を生業とするものたちばかりだ。
数十人にもわたる同業者たちに、市長が依頼をしたのはなぜか。
「実は、このヤマセとイタミの間に、空賊が出現するようになりまして」
「空賊?」
「はい。ここ1週間前です。その空賊の出現以来、イタミへ向かった輸送船は全滅。いずれも到着できていないんです。それによってイタミは半ば孤立状態となり、そしてついに食料の備蓄が僅かになった」
「それでイタミへの緊急輸送が必要になったってか?相手は空賊なんだろ?」
「ですがただの空賊ではないそうです。帰ってきたパイロットや飛行船船員の話ですと、奇妙な飛行機1機の前に全滅したそうです」
「たった1機に?」
全員が市長の話を飲み込めていなかった。
「なんでも、プロペラがない妙な飛行機だったと」
「きっと、新米用心棒しかいなかったんだろう?」
「それで、依頼の内容はイタミへの輸送だったな?」
「それに加えて、道中の空賊の排除もです。無論、どちらか片方でも構いませんが、両方達成できれば報酬は上乗せさせていただきます」
「ほう、気前のいい話だ」
「ただし、これだけの数が一度に出航すれば、道中は険しい渓谷ですから航行に支障がでます。一度に、一隻のみでお願いします」
「なら、私の商会が行かせてもらおう!」
あごひげを生やした、年を召した男性が名乗りを上げた。
「私のタケノ商会の用心棒は腕利きばかりで、戦闘機も紫電改6機。うちに任せてもらおう!」
「ちょっと待て!うちが行く!」
「いや、わが社が行こう!」
「わかりました。では、最初に名乗りをあげたタケノ商会に行ってもらいましょう」
「まかせてもらおう!」
皆が席を離れる中、ルゥルゥはため息を吐きながら席を立とうとする。
「マダム・ルゥルゥ」
目の前に、いつの間にか市長が立っていた。
「……なにかしら?」
「オウニ商会に対する報酬ですが」
マダムは黙って言葉を待つ。
「ハルカさんに対する報酬は、無しとさせてください」
マダムは目を細める。
「市長、さきほど彼女を散々痛めつけてくれましたが……」
彼女は市長をにらむ。
「なぜですか?彼女が何をしたと?」
市長は一瞬表情を険しくするが、すぐに感情を抑え込んだような表情で話し始める。
「……私は、かつてこのヤマセにあった商会の飛行船の船長でした。その船の名前は雪雲丸。飢饉続きで食料がなく、ひもじい思いをしていたヤマセに食料を運ぶ際中、彼女の零戦が私の船を落とし、物資を全て奪っていった」
マダムは、さきほどハルカが話していた内容と相違ないか注意しながら聞く。
「そのおかげで、住民たちは飢えに苦しみ、ひとかけらのパンにありつくことさえできず、次の船が来るまで耐え忍ぶしかなかった。栄養失調や、脱水で死ぬ寸前まで至った人もいた。彼女がしたことがどれだけ罪深いか、お判りいただけましたか?」
「彼女1人のせいじゃないわ」
「でも加担したことは事実。そんな罪人にお金を払うつもりなど、私たちにはありません」
「そう……」
「マダム。むしろ、彼女を説得してもらえませんか?」
「なんと?」
「罪の清算のために、今回の依頼を1人で遂行するように、と」
「お断りするわ」
マダムは即答する。
「あなたたちにとっては、それが理想なのでしょう?お金は払わないですむ、罪の清算と言えば彼女は断れない」
「よくお分かりで」
「だからこそ断るわ」
「あなたも、ラハマも被害者なのでしょう?なぜ清算を求めないのですか?」
市長は、心底不思議そうに尋ねる。
「彼女はもう空賊じゃない。罪の清算は賠償金でしている。確かに彼女はラハマに被害を与えたけど、だからと言って無尽蔵に要求をしていい理由にはならない。それじゃあ……」
マダムは市長に背を向ける。
「無尽蔵に要求を繰り返し、全てを持っていく空賊や悪党と、同じ穴の狢ですから」
マダムは静かに、部屋を去っていった。
「市長、よろしいのですか?」
女性秘書官の声に、ヤマセ市長は振り向く。
「このままですと、あの悪魔に罪の清算を求める機会を、失ってしまう可能性があります。いいのですか?」
「……清算は求めるが、今専念すべきはイタミの救援に向かうことだ。彼女が道中の空賊を1人で排除してくれることが理想なのは、確かだが」
先ほど市長がマダムに言ったことは、市長のみの個人的意見ではない。
このヤマセという町に住む人々の、総意とも呼べるものだった。
かつてこのヤマセの町の危機に、食料を奪っていった空賊。
その際飛行船を襲撃してきた、蒼い翼の零戦。
どんなパイロットか長年不明だったが、あのアレシマで発行された新聞でパイロットの顔がわかった。
おまけに、今は議員の用心棒をしているという。
この事実に、怒りを覚えた住民は多かった。
自分達を絶望に突き落としておいて、罪の清算もせず、のうのうと生きている彼女に。
だから今回、彼女が運び屋の中に含まれていたのは彼らにとっては幸いだった。
ようやく償いを求めることができるし、それによって無報酬で依頼をさせることができる機会だ。
だからこそ、オウニ商会を指名せず、名乗りを上げた商会に行かせたことに、この秘書官は憤っているのだ。
自分達を苦しめたあの悪魔を、許せないから。
「とにかく、今は様子を見よう。これまで多くの商会が失敗してきた。今回のタケノ商会が上手くいくかもわからない。だから、今は機会を待とう」
「……わかりました」
納得しかねる、そういう表情の秘書官をつれ、市長は自室へ足を進めた。
「あ、輸送船が1隻出航していくよ」
キリエのさす方向を見ると、飛行船が1隻、戦闘機に囲まれてヤマセを出航していく。
そして、眼下ではブレーキ音がなる。
「マダムが帰ってきた」
「どうやら、説明が終わったみたいだ」
憂鬱そうな顔でマダムは羽衣丸に戻り、会議室で市長が説明した今回の依頼の内容を皆に話した。
「プロペラのない奇妙な飛行機?」
「それを使った空賊の被害にあって、イタミへ物資を届けられない、と?」
「それで、これだけの輸送船と用心棒に依頼をしたのですね」
「そういうこと。市長の依頼は、道中の空賊の排除と、イタミへの物資の輸送。片方だけでもいいけど、両方できれば報酬は上乗せするとのことよ」
「そんじゃあさあ、私たちも今すぐ出航してうりゃーって空賊倒して荷物を運ぼうよ」
やる気に満ち溢れるチカに対し、マダムは首を横に振った。
「残念だけど、道中は渓谷が続くから何隻も同時にいくことはできないの」
「じゃあ、さっき出航したのが」
「ええ。彼らが帰ってくるまでは、待ちぼうけね」
「ええ~!それじゃあ私たちの番は~?報酬半分なの?」
動けないことを悟り、チカは不満そうだ。
「慌てるな、チカ。勇んでいくのはいいが、そもそも空賊の情報がまるでない」
「相手は1機だけなんでしょ?だったら問題ないじゃん!」
「……1機を相手にラハマ上空で返り討ちに会ったのは誰だ?」
「ぐっ!」
レオナの指摘にチカは言葉に詰まる。そしてチカはハルカをジト目で見つめる。
ハルカはばつが悪そうに視線をそらした。
「今のところ、空賊はプロペラのない奇妙な飛行機を使ってくるという情報しかない。それだけで、機種を断定することはできない」
「ケイト、君の知っているユーハング戦闘機の中に、該当するものはないか?」
「ない。ありそうなのは、イケスカ動乱でイサオが乗っていたあの震電だけ」
「あ~、確かにプロペラなかったね」
キリエが思い出したように言う。
イケスカ動乱の際、自由博愛連合の会長イサオは、ユーハングがかつて実用化しようとした局地戦闘機震電に乗って現れた。
隙をついてケイトが機体後部のエンジンに機銃弾を撃ち込んだが、イケスカ上空での戦闘ではプロペラがない見たこともないエンジンに換装して現れた。
「でも、震電なら震電だってわかるんじゃない?あんな形の機体他にないし」
震電の異形の姿は、他の戦闘機とは明らかに異なる。
イケスカ動乱後の調査によって部品や設計図がイケスカで発見されており、今では少数ながら性能の劣るレプリカが作られてもいる。
震電なら、そうだとわかるだろう。
「なら、その空賊はまだ目撃されたことがない、未知の飛行機を使っているということか?」
「なくはないと思われる。どこから手に入れたかは気になるが」
レオナは頭をかいた。
「厄介だな……、対策をどうすればいいか」
未知の敵が相手では、有効な戦法が立てにくい。
「市長が言っていたのは、その情報だけなんですか?」
「そうね」
仮にそれ以上の情報があったとして、あの市長の態度からするに、ハルカがいる中では明かしてはもらえないだろう。
「情報が少なすぎる……」
「まあ、とりあえず今はいいんじゃないかしら?」
「ザラ?」
「さっき輸送船が出航していったんだし、彼らが片付けてくれればそれでおしまい。考えるのは、彼らの結果がわかってからでもいいんじゃないかしら?」
「それは……、そうだな」
一度に1隻しか出航できないなら、今悩んでも仕方がない。
「それじゃあ、各自休息として、町へ行きましょう!」
「ちょ、ザラ!」
レオナはザラに手を引かれ、町へ繰り出していった。
「私も行く!」
キリエたちもつづいていく。
そんな中、ハルカだけは羽衣丸のそばに置かれた積み荷の山に背を預けている。
「いいのか、行かなくて」
ナツオ班長が彼女の様子を見て問いかける。
「……行けると思いますか?私は、この町の住民にとっては大悪人ですよ」
先ほどの件があったため、彼女は町へは行かない。
もし行けば、さきほど市長が行ったようなことをされる可能性が否定できないからだ。
「そうか……。なら、部屋で静かにしている方が、いいと思うぞ」
班長はそれだけ言って去っていく。
彼女はため息を吐きだした。
いつかこうなることは予想していたとはいえ、明確な悪意を向けられると、少しこたえる。
「随分絆創膏だらけですけど、大丈夫っすか?ハルカさん」
聞き覚えのある声に、彼女は姿勢を変えることなく応える。
「何やっているんですか?……レミさん」
声からして、時折情報屋として使っているゲキテツ一家のレミだと彼女は悟った。
2人は視線を合わせることなく、荷物の山を影に話を続ける。
「ちょっと商売に来ていましてね」
「でも、件の空賊によってイタミへ行けずに困っている、と?」
「まあ、そんな所っす」
「……その空賊について何か情報は?」
「プロペラがない、妙な飛行機を使っているらしいっすよ」
それはマダムが伝えた情報と一致する。だが、それだけでは機種を絞り込むことはできない。
「大きさは?」
「そんなに大きな機体じゃないらしいっす。でも速度が出ると」
「他に特徴は?」
「翼の下に、筒のようなものがあったと。そういえば、鳥のマークが書いてあったらしいっすよ」
「鳥?」
「そう。……なんでも、首から上が白色で、下が茶色の鳥だったと」
彼女は心臓を鷲掴みにされたような錯覚に陥った。それはかつて、いやというほど見たマークだった。
「でも、ウミワシ通商は……」
そのマークを使っていた空賊、彼女がかつて属していたウミワシ通商は崩壊した組織のはず。
彼女が根城の居場所を吐いたため、調査が入り、ナカイを殺したので金もなく、崩壊を迎えるしかなかったはず。
「でも、ハルカさんもわかっているんじゃないっすか?ウミワシ通商が崩壊しようとも、金を牛耳っていたナカイ社長なら、人をまた集めることも、組織を立ち上げることも可能かもしれない、と」
「……ナカイは、生きているの?」
「生きていれば、金はいくらでもある。崩壊した組織を立て直すことくらい、わけないっすよね?」
ハルカは心臓の鼓動が激しさを増すのを感じ、胸のあたりの服を右手で鷲掴みにする。
「……依頼は?」
「……ヤマセとイタミの間に出る空賊の排除。そんな強力な戦力のもとに、他のマフィアが集まったら大変すからね~」
ハルカは財布から札を数十枚ほど取り出す。
「……酒代にでもして」
「ありがとうっす!」
レミは見つからないように去っていった。
「……ナカイ」
ラハマ上空で撃墜したはずのナカイが生きていた。
散々機銃弾を撃ち込んだはずだが、それでも生きているとは、つくづく悪運が強い。
正直、あれだけ銃弾を撃ち込まれて生きているなど信じがたいが、レミの言うように金が潤沢にあるナカイなら、人を集めることも組織を立ち上げることも可能だろう。
「今度は……、今度こそ」
あいつをしとめ損ねたせいで、また被害者が出た。
でも、今度は失敗しない。あいつが死ぬまで、弾を撃ちこめばいい。
そして今度こそ、息の根を止めてみせる。
「終わらせないと……、全部」
ふと、飛行場の方が騒がしい。
振り向くと、1機の紫電改が煙を吹きながら滑走路に進入してくるところだった。
描かれているマークからして、先ほど出航していった商会所属の機体だろうか。
だが様子がおかしい。
「脚が片方出てない!」
間もなく、紫電改がそのまま滑走路へ着陸を決行。胴体が滑走路にこすれ、火花を散らせながら停止した。
彼女は駆け出した。
紫電改に駆け寄り、風防を開けるとナイフを腰から抜き、操縦席のベルトを切断。
パイロットの両脇に手を入れ、操縦席から引っ張り出した。
そして機体から離れた直後、機体が炎に包まれた。
彼女は腰につけている小物入れから救急道具を取り出し、出血している場所を縛って応急処置を行う。
「いで!」
紫電改のパイロットが悲鳴を上げるのを無視し、ハルカは作業を進めていく。
「痛いでしょうけど我慢して!」
「くそ、空賊のやろう……。あんな機体を、どこで」
「あんな機体?」
「プロペラがない奇妙な飛行機だ。主翼の下に、筒のようなものぶら下げていたがな。それに、鳥のマークが書いてあった……」
「鳥……」
彼女は作業の手を止めず、でも頭の中には風が吹き荒れる。
「機体の大きさは?」
「……そんな大きい機体じゃなかった」
「……そうですか」
彼女は町の救急隊にパイロットを引き渡した。
それから間もなく、発動機から煙を吹きながら、出航した飛行船が帰ってきた。
消防団により火はすぐ消し止められたが、貨物区画はひどく損傷しており、乗せていた荷物は、全てなくなっていた。