司side
翌日、俺はもう一度、ワンダーステージを訪れた。いつもはえむ達がいたから騒がしかったが、今はとても静かだ。当たり前のことだろうが。
司「やっぱり、誰も居ないか。当然だよな・・・」
俺が悪い。それはもうわかっている。全員に会ったら誠心誠意謝罪しよう。そう思ってた時だった。
「お?ようやく来たか?待ち侘びてたぜ?未来のスター」
いつもと同じ、あいつがステージの準備をしていた。その時、俺は驚愕の表情を浮かべていたはずだった。だが、俺の頬に流れる水。俺は涙を流していた。俺の親友がステージ上にいたのだから。
司「霊斗・・・っ!」
霊斗「やっぱ、司は来るよな。お前がスターになるの、諦めるわけないもんな。誰も来ないかと思ったぜ・・・その様子なら、大丈夫そうだな?気づいたんだろ?自分がなんでスターを目指してたとか」
司「・・・っ・・・ああ!俺は・・・お客さん全員と、一緒にショーをしてくれるお前達を!全員を笑顔にするスターになる!それを目指したい!だから、霊斗・・・すまなかった!!そして、もう一度・・・俺とショーをしてくれないか!」
俺は、頭を下げて、霊斗に謝罪し、もう一度、頼み込む。正直、断られるだろうと思っている。だが、俺には謝罪をすることしかできない。誠心誠意謝るしか方法はなかった。すると、霊斗は俺に向かって。
霊斗「ていっ」ビシッ! 手刀を頭に向かって放った。
司「いたっ!」
霊斗「それは俺じゃなくて、寧々や類、えむにやれっての。つか、俺がここにいる時点で答えなんて出てるに決まってんだろ?全員でもう一回、最高のショーをやるからここにいるんだろうが。その為に、機材チェックとかしてんだからよ」
司「霊斗・・・っ!!ありがとう・・・!!ありがとう・・・!!」
霊斗「気にすんなよ。親友だろうが。俺がお前を信じないでどうすんだよ?」
・・・本当に俺は・・・最高の親友を持ったみたいだな。
霊斗「それならとっとと探そうぜ。類はその辺にいるかもしれん。寧々は流石にわかんないけどな。類が見つかれば、わかるかもな。ほら!行くぞ、司」
司「ああ!!」
霊斗は許してくれたが・・・寧々や類はそう簡単にはいかないだろう。そんな事は当たり前だ。だが、俺はもう一度、ワンダーランズ✖️ショウタイムのメンバーでショーをしたい。だから、俺は何度でも謝る!諦めるものか!
司side end
霊斗side
俺と司は、フェニックスワンダーランド内を駆け回った。えむ達を探しながらアトラクションがある場所、売店、全てを駆け巡り、夕方になった時だった。
霊斗「ん?おい、司。観覧車の前にいるの、えむじゃないか?」
司「何!?本当か!あ、ああ。確かにえむだ!間違いない!!」
霊斗「だったら、ほら。サクッと謝ってこいよ。俺がいてもなんもないからな。」
司「ああ。わかっている!じゃあ、待っていてくれ!」
司は駆け出し、えむに話し掛けている。すると、司はえむに連れられて、観覧車に乗ってしまった。
霊斗「こりゃ、時間かかるな。仕方ねぇ。俺の方で、寧々と類を探すか。あと探してない場所は・・・っと。意外と灯台下暗しかもしれないな。ワンダーステージに戻ってみるか。」
俺はその場から離れて、ワンダーステージに戻ってきた。また太陽が沈んでいき、ワンダーステージは暗く見づらい。
霊斗「つっても、これだけ暗いと探すのも大変だしな・・・探索は中止だな。それなら・・・司達が戻ってくるまで時間がある。ステージの手入れ、再開しますか。〜〜〜♪」
俺は、ワンダーステージの手入れを始める。客席の具合や、ステージ上を掃除したり、照明や、機材の点検を始め、やはりと言うべきか、あるものに目がいってしまう。
霊斗「そういえば・・・類が来なくなってから、お前も手入れされてないんだよな・・・」
ネネロボ。類がいない為、こいつの手入れの仕方が分からずに、手がつけられなかった。そのせいか、少し埃がついてしまっている。
霊斗「・・・よし。思い切ってやってみるか。お前の手入れ。つっても、軽く拭いて綺麗にするだけなんだけどな・・・お前の整備の仕方、類に教わっておけばよかったなぁ」
ネネロボを軽くタオルで拭いていく。
霊斗「お前は頑張ってくれたよな。ショーはあんな結果になっちまったけど・・・寧々の頑張りも司達はわかってくれたさ。だから、今、司は必死に駆け回ってるんだ。全員に謝りたいって。」
霊斗「だから、もう一度、お前の出番がある。寧々も類も絶対にもう一度、ここに戻ってくるはずだ。だから、それまで待っててくれ。ネネロボ。それまでは・・・役不足だろうけどよ。俺が手入れしておくからな」
ネネロボの細部まで綺麗に拭いていく。意外とこういうところに埃も溜まるし、どうせならピカピカにしたいしなっと・・・
霊斗「うっし、こんなもんか。綺麗になったな。ネネロボ」
キラキラと光るネネロボ。うん。心なしか表情も良くなった気がする・・・多分。その時だった。
ガタンッ!と大きな音が鳴った。
霊斗「・・・?何だ?誰かいるのか?」
司達はまだ、観覧車のはず・・・他に人なんて・・・そう思い、視線を向けた先には、ここにはいないはずの彼女がいた。
「・・・・・・」
霊斗「・・・は?寧々?」
なんで寧々がここにいる?いや、今はそんな事どうでもいい。会話を繋げなければ・・・!
霊斗「どうした?ネネロボ、取りに来たのか?」
寧々「う、うん・・・」
霊斗「そうか。それはわかるが・・・忍び込んでくるとは思わなかったぞ。まあ、えむや司達に会いたくないってのはわかるけどな。あ、それは俺も同じ事か。」
寧々「そ、そんな事、ない・・・その・・・霊斗は庇ってくれたから・・・」
霊斗「だってよ?実際、寧々は悪くねぇだろ?夜遅くまで練習するって事は、そんだけあの時のショーを成功させようとしてくれてたって事だろ?それなら俺は文句ねぇよ。」
寧々「・・・ありがとう、霊斗」
・・・こんな事で感謝されるとは・・・
霊斗「それより、どうだ?」
寧々「え?」
霊斗「初めてだろ?ネネロボじゃなくて、寧々としてワンダーステージに立つの。」
寧々「あ・・・」
霊斗「広いだろ?ネネロボのモニターからでもわかるだろうけど、こんだけ広いステージで、ネネロボは・・・いや、草薙寧々って女の子は、ここに来てた、沢山のお客さんを笑顔にしてたんだぜ?」
寧々「・・・っ・・・」
霊斗「お客さんだけじゃない。一緒にやってたえむや類、司だって笑顔にしてたんだ。それだけ楽しいショーをあの時、全員がしてたんだ。それはすごい事だと思う。だから、寧々。多分だけどな。俺も・・・寧々や類とショーをやってて、楽しかったんだ。」
・・・本当は、何も思ってないし、感じることもできないやつだけどな。
霊斗「だから、寧々。無理強いするつもりはないし、嫌なら嫌だって言ってくれていい・・・もう一回、俺達とショーを・・・やってくれないか?もう一回だけ、ここに来てくれたお客さんと、俺達全員が、笑っていられる最高のショーを・・・やってくれないか?」
俺は寧々に向かって頭を下げて懇願する。俺はこういう時どうすればいいかなんて分からない。だから、真正面から行くしか、俺は知らない。
寧々「わ、わたし・・・わたし・・・!わたしも、ショーを、やりたいっ」
霊斗「寧々・・・」
寧々「わたし、昔からショーに憧れてて・・・中学の時に、大きな劇団の、ジュニアクラスに入ってたの・・・そこで練習して・・・主役になれて、けど、その公演で・・・セリフが頭から飛んじゃって・・・みんな必死に練習してきたのに、わたしのせいで、台無しにしちゃって・・・それから、人の前に立つと、震えて、声が出せなくなって」
霊斗「そうだったのか・・・けど、ショーをやりたい気持ちがあって、その時に類がネネロボを持ってきてくれた・・・って感じか。」
寧々「うん・・・ロボット越しでも、ショーは、やっぱり楽しくて・・・司に言われた事もわかってる・・・!お客さんと向き合わないで、最高のショーは出来ないって・・・でも・・・わたし・・・っ!」
涙を流しながらでも語ってくれた寧々。必死に悩んでネネロボを介してショーに出た寧々。
霊斗「失敗が怖い・・・か?」
寧々「・・・うん。怖い・・・!また、わたしのせいで台無しにするんじゃないかって・・・!」
・・・こんな時はどうすればいいんだよ。隣で悩んでる奴がいて、苦しんでる奴がいて・・・昔の俺みたいな、苦しみ方は違うが似たような奴がいて・・・それなら、俺みたいにならなければいい。頼れる奴がいなかった俺より・・・寧々は頼れる奴らがいるしな。
俺は、寧々の頭に手を置き、優しく撫でる。
寧々「え・・・?」
霊斗「そりゃ怖いよな。挑戦して、自分のせいで失敗する。怖くないわけない。けどな、挑戦に失敗なんてつきものだ。失敗を繰り返して、ゆっくりでもいいから進んで、それで成功するまでやり続ける。そんな勇気を持ってる奴はなかなかいない。」
霊斗「寧々は自分をどう思ってるか分からん。だけどな。俺は挑戦する勇気を持つ寧々の事、すげぇと思ってるんだぜ?」
寧々「・・・霊斗・・・」
霊斗「それでも挫けそうになったら、怖くて立ち止まりそうになったら・・・少しでもいいから頼ってくれよ。一人で悩む事ないだろ?お前は一人じゃないんだから」
寧々「・・・霊斗・・・っ!」
霊斗「だからよ、寧々。何回失敗してもいい。怖くてもいい。その時は・・・
俺が支えてやるよ。お前の事。な?」
その言葉を聞いたあと、彼女の目から涙が溢れ出た。俺の胸に飛び込み、嗚咽をこぼしながら、彼女は泣いた。俺は、彼女が泣き止むまで、優しく抱きしめ、彼女の頭を撫で続けた。
寧々が泣き止んだ後、俺と寧々は司達の元へ向かった。どうやら二人とも話は終わったらしく、観覧車の前で合流した。
霊斗「話終わったみたいだな。二人とも」
司「ああ。えむには許してもらった!もう一度ショーをやるとも言ってくれた!」
えむ「霊斗くんもきてたんだ!」
司「それで、霊斗、俺達が観覧車で話してる間、何をしてたんだ?」
霊斗「ワンダーステージの整備と・・・ほら。話すって決めたんだろ?」
司 えむ
「「??」」
俺は、すっと、横に移動すると、俺の後ろに隠れていた寧々が現れる。
司「寧々!?」 えむ「寧々ちゃん!![
霊斗「整備してたら、ネネロボを取りに来てたんだよ。んで、寧々と話してたってわけだ。ほれ、二人に伝えたい事、あるんだろ?」
寧々「う、うん・・・ふ、二人とも、あ、あの時は、逃げちゃってごめんなさい・・・!」
司「いや、あれは俺が悪かったんだ。あの時、俺はショーがうまくできず、悔しかった。だけど、一番悔しかったのは、寧々だよな」
寧々「そ、それともう一つ・・・わ、わたしも、ショーが、やりたい・・・っ!だから・・・も、もう一回・・・ショーを、一緒にやっても・・・いい、かな?」
司「・・・!ああ・・・!ああ!もちろんだ!よろしくな!寧々!」
えむ「わ〜いっ!またよろしくね!寧々ちゃん!ネネロボちゃん!」
寧々「うん・・・っ!!」
霊斗「これで後は、類だけ・・・か。正直なところ、類が一番、可能性が低いというか・・・そもそもどこにいるかもわからん」
司「ああ。フェニックスワンダーランドの中にもいなかった。そうなると街の方になるが・・・」
えむ「広すぎるよぉ〜」
霊斗「流石に街全部を探す訳にはいかないし・・・せめて場所を絞れればいいんだけどな・・・」
そもそも手がかりも何もねぇし・・・こりゃあ、お手上げもな。
寧々「それなら・・・類の家に行こう」
霊斗「類の家?寧々、類の家の場所わかるのか?」
寧々「うん。小学生の頃から、家が隣同士だから」
司「小学生の頃から?ってことは・・・」
えむ「二人は、おさなななじみなんだね!」
霊斗「えむ、なが一個多いな。」
寧々「年齢は一つ違うけど、わたしも類も兄弟がいないから、親同士で良く遊んでたの。子供の頃、良く二人でいろんなお芝居をしたな。類は昔、クラスメイトと一緒にショーをやろうとしたことがあったんだけど・・・」
寧々「類は、ショーの事になると周りが見えなくなるから、いつも、うまくいかなかって。だから、自分でロボットを作って・・・一人でショーをやるようになったの。けど、本当は・・・類も」
霊斗「ん?おい、あれ類じゃないか?」
えむ「あ、本当だ!類くんだよ!」
司「なに!?」
俺達が見たのは、あの時みた、ロボット達を使って、一人でショーをしている類の姿。だが、お客さんはいない様子。俺達は、類のショーが終わった後、類に話しかけた。
霊斗「類。ここにいたか」
類「おや?霊斗くんにえむくんに寧々・・・それに君か。一体何のようかな?といっても、なんとなくわかるけどね。昨日のことだろう?それなら、別に話すことはないだろう。それより・・・」
類の視線は、俺達ではなく、寧々に向けられていた。それはそうだろう。なぜあんなことがあったのに、司と寧々が一緒にいるのか、類にとってはそれが不思議でしかないだろう。
寧々「類・・・わたしは・・・わたしは、またステージに立つって決めた。霊斗に教えてもらったから」
類「・・・!そうか。それは良かった。寧々を励ましてくれたみたいだね?ありがとう。霊斗くん」
霊斗「別に大したことしてねぇよ。」
寧々「ねぇ、類。類も、本当はまた誰かとショーをやりたいんじゃない?」
類「・・・・・」 司「類、昨日は・・・・・悪かった」
司「俺は、ショーが失敗したことで、頭がいっぱいで一番大事なものを、見落としていた。類の言う通り、最高のショーは一人ではできない!仲間が必要だ!俺がしたことは間違っていた!簡単に許されることではないだろう。だが、俺はまた類と・・・!」
類「反省したってところかな?悪いけど、そんなことはどうでもいいんだよ。それは君と寧々の問題だからね。寧々が許すなら僕は気にしない。だけど、きっと・・・僕は君と相相容れない。」
司「どう言うことだ・・・?」
霊斗「・・・ああ。そう言うことか。類と司の想いが違うって言いたいわけか。」
確かに、前の司だったら、この二人の想いは違う。だけど、今は違う。
霊斗「類は、最高のショーができればそれでいい。けど、司は最高のショーをして、スターになれればそれでいい。その想いの違いが、類は司と相容れない。そう言いたいんだろ?」
類「・・・その通りだよ。霊斗くん。司くん、君と僕は、根本的に価値観がちがうのさ」
司「・・・確かに類の言う通りだ。でも、思い出したんだ!本当はら俺は・・・!」
類「寧々にもう一度、ステージに立つ気持ちを取り戻す機会を与えてくれた事には感謝するよ。けど、僕は、君とショーをしたいと思わない。」
司「・・・っ!」
類「少しの間だったけど、楽しかったよ・・・ありがとう」
そう言って、類は俺達の前から立ち去った。
えむ「司くん!類くん、追いかけなくていいの!?」
司「・・・良くない・・・!良いわけがあるか・・・!!だが、追いかけて・・・俺は何を言えば良いんだ・・・?」
霊斗「・・・何悩んでるんだよっと」ドカッ!
俺は司の尻に蹴りを入れる。
司「つうっ!れ、霊斗!何をする!!」
霊斗「なーにウジウジ悩んでんだよ?司は類と最高のショー、やりたいんだろ?なら、諦めないで、自分の気持ち、伝えれば良いだろ?お前は未来のスターなんだろ?だったら、類の事も、笑顔にしてやろうぜ。だろ?」
司「霊斗・・・!ああ。そうだな。なら、全員で作戦会議だ!」
霊斗「それなら、あの二人にも助言してもらおうぜ?」
司「ああ!!ミクやカイトにも、相談に乗ってもらおう!えむ!untitledを!」
えむ「は〜い☆」ポチッ!
そうして、俺達はセカイにいる、ミクとカイトを含めた6人で、類が戻ってきてもらうための作戦会議を行うのだった。
そして、その日の夜、俺達は、神山通りで、類と向き合っていた。
類「全員で待ち伏せかい?悪いけど、僕の思いは変わらないよ。」
司「・・・類、お前に見て欲しいものがある」
類「何を見せられても一緒だ。言っただろう。僕はもう君とショーをする気は・・・」
霊斗「えむ、寧々らたのむ」
えむ「え〜いっ!類くん、つかまえたっ!」寧々「え、えいっ!」
類「えむくん?寧々まで・・・?」
霊斗「悪いな。類。無理矢理にでも見てもらうぜ。」
類「霊斗くん・・・一体、僕に何を見せるつもりなんだい?」
霊斗「んじゃ、司、やっちまおうぜ」
司「ああ!見てもらうぞ類!これが俺の・・・本当の想いだ!!!」
類「・・・!?」
そして、俺達は、もう一度、セカイに入るのだった。
ご愛読ありがとうございます。
オリ主を絡ませる次のグループは?
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