喪失少年はこのセカイのキャラとの絆を結ぶ   作:エム3

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オリスト回。
ちなみにキャラがブレてる可能性あり。
修正はするつもりです。


彼女の闇

転生者の襲撃があった、ハロウィンショーから数日後、俺達はワンダーステージに集まっていた。

 

司「さて!色々大変だったが、ハロウィンショーも終わったな!あとは結果を聞くだけだ!」

 

霊斗「まあ、まだ何回かショーをやんなきゃだけどな。つっても、あれをハロウィンショーって言っていいもんなのかねぇ」

 

寧々「どっちかっていうと・・・ヒーローショー?」

 

類「そうだね。ディケイドや、ビルドが出てきてしまったからね。」

 

マジで、ハロウィン関係ねぇな。俺たちがやったショー。まあ、あの後、もう一回やらせてもらったんだけどな。

 

えむ「でもでも!みんなす〜っごく楽しんでくれてたよ〜!」

 

寧々「うん。やっぱり、みんな仮面ライダーが好きだからね。」

 

霊斗「まさか、えむと寧々に頼まれるとは思わなんだ。ゾンビロボットに襲われてる園長役の司を助けるために、変身しろって。しかも、断然、主役の司よりどう見ても目立ってたしよ。」

 

司「まあ、俺より目立っていたな・・・その仮面ライダーに霊斗が変身した時は、もっと驚いたが。霊斗、何故隠してたんだ?」

 

・・・ついにきたか。この質問、つか、隠してたって。

 

霊斗「いや、話す内容でもないだろ?俺がその・・・仮面ライダーだって事。なんかあるわけでもないし。」

 

寧々「そんな事、ないと思うけど・・・?」

 

司「そうだぞ!霊斗が仮面ライダーだと知っていれば、それを生かしたショーをする事もできるだろうが!」

 

霊斗「それは一理あるけど。」

 

類「なるほど、変身を生かしたショーか・・・ふふ、演出を考えるのも楽しみだねぇ。」

 

・・・あれ?これ次のショーの内容、決まりかけてねぇか?と、その時だった。

 

『お嬢様!!』

 

着ぐるみの先輩がものすごいスピードで、現れた。

 

司「うおっ!?毎度のことながら・・・どこから出てきてるんだ?」

 

類「ああ。彼なら大抵、あそこの茂みに待機しているよ」

 

霊斗「マジか?伝説の傭兵並の潜伏率だな。全く気づかなかったわ。」

 

・・・ん?よく見たら、着ぐるみ先輩、少し落ち込んでるか?え?類に気づかれた事、そんなショックなのか?

 

『・・・いや、そんな事より、お嬢様、今日はコンテストの第一回中間発表の日です!』

 

えむ「あ、うん・・・」

 

寧々「もう結果が出たんだ・・・早くない?」

 

司「いや、それはいい!それより、結果はどうなったんだ!?」

 

『こちらになります。霊斗様、どうぞ』

 

・・・なんつーか、認められてから、霊斗様って呼ばれてるんだよな。俺。普通でいいって言ってんのに。そんな事を考えながら、俺は着ぐるみの先輩から結果を受け取る。

 

霊斗「えっと・・・俺達は・・・お?3位か?」

 

寧々「3位って・・・もしかして、結構すごいんじゃない?」

 

類「そうだね。結果を見れば、1位2位は、大きなステージがやっているショーだし・・・出だしでこの結果はまずまずじゃないかな?」

 

えむ「うん!それに、2位ともそんなに差が開いてないよ〜!」

 

司「だが、やはり1位のステージはすごいな。結構、差が開いているぞ。よし!次はこのステージのショーを越えるぞ!そして!狙うはもちろん優勝!俺たちがCMに出るぞ! 次も頼むぞ!俺たちの演出家!」

 

類「ああ。任せてくれたまえ。お客さんの笑顔のために、最高のショーを作るよ。」

 

この2人も随分、仲良くなったよな。この調子ならマジで1位も夢じゃないと俺は思ってる。

 

類「というわけで、色々試したい演出があるから、道具を持ってきたんだけど、早速試してみてもいいかい?」

 

えむ「あ、やっぱり、ステージの裏に色々あるなって思ってたけど、あれ類くんのだったんだね!見たことないものばっかりだったよ!宇宙服見たいのとか、ロケットみたいなのとか!」

 

霊斗「おいちょっと待て。どこまで吹っ飛ばす気だ。」

 

司「俺を宇宙まで吹き飛ばすつもりなのか!!というか、そんな物ばっかり作って、お前の家はどうなってるんだ!?」

 

類「え?気になるかい?なら一度、僕の家に来てみるかい?」

 

司「絶対に行かんわ!」

 

・・・類の家・・・か。

 

霊斗「・・・行ってみたいな。」 えむ「あ!私も行きたい〜!」

 

司「何!?えむはともかく、霊斗、お前もなのか!?俺は行かないぞ!」

 

寧々「・・・はぁ、うるさい、でも、ようやくいつも通りかな・・・あ、そういえば、霊斗。一個、聞いてもいい?」

 

霊斗「ん?どした?」

 

寧々「・・・あの時、あの男が人質にした人って・・・霊斗の知り合いなの?」

 

・・・なんつーか、心なしか寧々の視線が冷たくなったような気がする。

 

霊斗「まあ、知り合いって言えばいいのか・・・なんて言えばいいのか・・・まあ、俺が誘ったやつってのは間違いない。」

 

寧々「そうなんだ・・・(あんなに綺麗な人達が・・・はぁ・・・)

 

・・・なんか、今度は寧々が落ち込んでねぇか?どうなってんだ?

 

司「よし!それなら、今日は疲れを取ることも考えて休みにするぞ!」

 

類「おや?司くん、それでいいのかい?」

 

司「ああ!最高のショーをするためには、疲れを残していては駄目だからな!いざという時、お前達の誰かが倒れでもしたら、全員が笑顔ではなくなってしまうんだ!だからだめだ!」

 

・・・ほんと、色々考えてんだな。こいつはこいつで。

 

えむ「えぇ〜?折角集まったのに〜!」

 

霊斗「えむ、司は俺たちのためを思っていってくれてんだよ。それなら、次のショーの期間まで時間あるし、練習と脚本作りも考えたかなきゃだな。類、今度頼むわ」

 

類「そうだね。任せてくれ。霊斗くん」

 

そのあとはいつも通りだ。練習して、軽く掃除して、今日1日の練習は終了。家に帰り、そして、俺はuntitledを起動させる。誰もいないセカイへと到着すると、そこにいたのは、ミクだけ。

 

霊斗「よっ、ミク。」

 

ミク「・・・!霊斗・・・!」

 

とてとてと小走り気味にこっちに来るミク。・・・最初会った時より、なんというか・・・懐かれた感じがしなくもない。

 

ミク「霊斗、奏達から聞いた。怪我したって。大丈夫?ほっぺ」

 

霊斗「大丈夫だよ。かすり傷だしな変に心配させた・・・のか?って、ミクは知らなかったみたいだし、心配するのも無理ねぇか。」

 

奏達に頼んで、ミクにも見せてやればよかったな。ハロウィンショー。

 

ミク「・・・本当に、大丈夫?」

 

霊斗「だから、大丈夫だって。弾丸が掠っただけだっt『ほっぺの傷の事じゃない」ん?じゃあなんだ?」

 

ミク「それh「あー!霊斗先輩だ!」・・・瑞希」

 

今、ミクが何か言いかけたよな・・・タイミングよく瑞希が来た事で、遮られたけどな。

 

霊斗「瑞希、どうした?」

 

瑞希「え?先輩が見えたから声かけただけだよ?」

 

霊斗「そうか・・・んで?ミク、何言いかけたんだ?」

 

ミク「・・・ううん。なんでもない」

 

・・・?何だ?なんか言いたかったんじゃないのか・・・?まあ、本人が何でもないって言ってるんなら、まあいいだろう。

 

霊斗「・・・そういや、瑞希1人か?まふゆや絵名は?」

 

瑞希「絵名は多分、SNS用の写真を撮ってるんじゃないかな?まふゆは・・・えっと、霊斗先輩、少しだけ相談していいかな?」

 

霊斗「ん?相談?俺に?」

 

瑞希「うん。なるべくなら、奏と絵名にも言うつもりだけど、最初は霊斗先輩がいいかなって。」

 

霊斗「んー・・・なんかいいこと言ってやれるわけじゃねぇか、そんなんでもいいなら」

 

実際、なんか言えるわけないと思うし。

 

瑞希「それでもいいよ。僕だけじゃどうしようもないからさ。誰かに相談したかったんだよ。」

 

霊斗「そうか。んで?相談ってのは?」

 

瑞希「うん。相談したいことって、まふゆの事なんだよね。」

 

霊斗「は?お前の事じゃねぇの?しかも、まふゆの事?」

 

瑞希「うん。実はさ、この間、ナイトコードで作業してたんだ。それで、奏と絵名が来てなくてさ。まふゆと2人で作業してたんだけど・・・その時さ、まふゆとまふゆの両親の話が聞こえてきてさ。」

 

霊斗「・・・それ、普通の事だろ?誰かしら、家族はいるだろうよ。」

 

・・・いない奴もいるけどな。俺とか奏とか。

 

瑞希「それがさ、まふゆの両親って、毒親みたいなんだよね。会話を聞く限り」

 

霊斗「毒親・・・?」

 

瑞希「うん。なんて言えばいいのかな・・・ほら、よくあるよね?親の仕事を、子供に引き継いでほしいから、勉強を強要する、みたいな?そんな感じかな。まふゆって、私たちの前じゃなかったら、基本は優等生みたいな感じなんだから。」

 

霊斗「・・・ああ。猫被ってんのか。普段はあんな冷たい感じだが、誰かの前では、誰にも優しい、優等生ってか?んで、それを親の前でもやってるから、娘はできる奴・・・って思われて期待されて、時間が経てば、その期待は

積み重なって、必然に。それが更に、彼女を縛る呪いになったわけだ。それで、自分を見失って・・・最終的には誰もいない場所で、消えたいって?」

 

瑞希「・・・霊斗先輩ってさ、今の僕の言葉で、そこまで考えれちゃうんだ。やっぱり、相談して正解かも。」

 

霊斗「まあ、なんとなくだけどな。それで?お前はどうしたいんだ?まふゆに消えて欲しくないんだろ?」

 

瑞希「それはそうだよ!もうニーゴには、まふゆは絶対に必要な存在だよ。救いたいよ。けどさ・・・どうすればいいんだろう?」

 

・・・結局、答えが出ないから相談してるってわけだ。けど、相手が間違ってる。俺に聞いても、意味がない。多分俺もまふゆと同じ・・・いや、下手すれば、それ以上にぶっ壊れてるからな。けど・・・なんも言えないってのはなぁ・・・・・・・・・あ。

 

霊斗「・・・自分達のやり方で伝えた方が楽じゃねぇか?」

 

瑞希「・・・え?」

 

霊斗「多分だけどよ。絵名も奏も、わかってるんじゃねぇか?多少しか関わってない俺でも、ここまで考えれるんだ。あの2人の方がもっと速く気づいてんだろ?けど、結局、言葉だけじゃ伝わらねえ事がある。そう言う時は、行動で示すしかないわけだ。なら、瑞希達の得意分野でやればいいだろ?」

 

瑞希「・・・えっと、得意分野・・・って?」

 

霊斗「曲。」

 

瑞希「え?」

 

霊斗「だから、曲。ニーゴは曲を作ってるサークルの集まりなんだろ?だったら、メンバーであるまふゆに伝えたい感じの曲、作ればいいんじゃねぇか?」

 

まあ、それでも効果あるかわからないけどな。けど、前世だと誰かの曲を聴いて、勇気をもらったとか、元気をもらったとか言ってた友人もいたし、試してみる価値はあると思う。

 

瑞希「曲で想いを伝える・・・か。」

 

霊斗「まあ、事情を知らない俺がとやかく言うつもりはねぇよ。後悔してからじゃ、遅いと思うぞ?まあ、後は奏と絵名と相談しろよ。これ、あくまで俺の提案だしな。俺は帰る・・・」

 

・・・そういや、相談してきたんなら、俺が何か言っても、問題はないよな?

 

霊斗「瑞希、俺もまふゆに言いたい事あるからよ。お前に伝えるから言っておいてくれねぇか?」

 

瑞希「え?うん、いいけど?」

 

霊斗「助かる。それなら・・・・・・

 

 

 

 

お前と同類だから言っておく。自分を見失ってるだけなら、お前はまだ戻れる。お前を救いたいって思ってる奴がいる。良かったな。ってな。」

 

瑞希「・・・・・・え?」

 

霊斗「んじゃな。また、会えるかわからんけど」

 

瑞希「ちょっと!?霊斗先輩っ!?待ってよ!」

 

霊斗「・・・・・まあ・・・あいつがどうなろうが、俺には関係ないし、どうでもいいけどな。何もかも失った俺にとっちゃ」

 

瑞希「・・・っ!?」

 

そして、俺は彼女のセカイから出て行く。・・・俺の言葉を聞いて、瑞希はどんな顔をしていたのだろう。驚いていたのか?怒っていたのだろうか?

 

霊斗「・・・最低な奴だって思われてるかもな。けど、実際そう思ってるからな。それに・・・俺がいなくても、何とかなるだろ。俺はそもそも、イレギュラーだしな」

 

この世界に存在しない者。それが関与しようとしなかろうと、何も変わらない。神様が言っていたが、俺は転生者を潰すだけでいい。まあ・・・司達とは・・・今のままの関係でいたいとは思うけどな。

 

 

 

瑞希Side

 

瑞希「・・・今の先輩・・・凄く怖かったな。ミクの言う通りだ。まふゆ以上の・・・」

 

凄く暗い目をしてた。まふゆもあんな目をしてるけど・・・それ以上の暗さ。先輩の目は私を見ていたんだろうけど・・・

 

「・・・何してるのよ?瑞希?」

 

瑞希「っ!?」

 

声をかけられ、私はバッ!と後ろを振り向く。そこには、驚いてる絵名と奏の姿。

 

絵名「な、なによ?そんなに驚くことないでしょ?」

 

瑞希「絵名と奏・・・はぁ。もう、驚かさないでよー♪」

 

絵名「はぁ?一人でボーッとしてる瑞希が悪いでしょ?・・・ところで、あんた今、何してたのよ?まふゆでもいたの?」

 

瑞希「え?ち、違うよ?」

 

奏「・・・?瑞樹、何でそんな・・・慌ててるの?」

 

瑞希「そ、そんな事ないよー?」

 

絵名「いや、あんた、嘘つくの下手でしょ。いいから、何があったか、話しなさい。」

 

絵名に詰め寄られて、僕は諦めて、全部話したんだ。さっきの霊斗先輩との話を全部。

 

瑞希「・・・って言うことがあったんだ。」

 

絵名「・・・何それ?霊斗がそんな事言ったの?」

 

瑞希「流石にこれで嘘はつかないよ。それでさ、ミク、言ってたでしょ?僕達に、霊斗先輩は救えないってさ。もしかして、この事なのかな?」

 

ミク「うん・・・霊斗の想いはわからない・・・まふゆみたいに、消えたいって思ってるわけじゃない。けど、わからないから・・・救えない。」

 

奏「けど、霊斗は、まふゆを救う方法を教えてくれたんだよね?」

 

瑞希「そうだよ、僕達にまふゆに伝える曲を作ればいいんじゃないかって。」

 

絵名「曲で・・・?」

 

瑞希「うん。言葉で伝えるよりも、曲で自分達の想いを伝えたらどうだって。霊斗先輩が・・・・・・どうでもいいって言ってるけど。」

 

適当に言っただけなのかもしれないけど・・・

 

絵名「・・・まあ、言葉で言って聞くわけじゃないし・・・曲・・・ね。」

 

奏「まふゆを救う曲・・・うん。私は・・・まふゆを救いたいから・・・作るよ。」

 

瑞希「おっ?奏はやる気だね。ちなみに、僕もやるよ?後は・・・えななん?」

 

絵名「・・・あーっ!もう!わかったわよ!やる!あいつを見返してやろうじゃない!私達でまふゆに伝えればいいんでしょ!」

 

瑞希「よーっし!それなら、早速作業始めよう!忙しくなるぞー!」

 

霊斗先輩、僕達はやるよ。まふゆを救う曲を作る。先輩はどうでもいいって言ってたけど・・・それでも僕達はやるよ。

 

 

 

 

 

絶対、まふゆを救う!!僕達の曲で!

 

 

 

 




ご愛読ありがとうございます。次回をお楽しみに。

オリ主を絡ませる次のグループは?

  • Leo/need
  • モアジャン
  • ビビバス
  • ニーゴ

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