喪失少年はこのセカイのキャラとの絆を結ぶ   作:エム3

24 / 41
遅くなってしまい申し訳ありません。
クリスマスイベ、繋ぎ編。


昔の記憶

ニーゴとの一件があった翌日。俺達はいつもの様に、ワンダーステージに集まり、クリスマスショーの練習をしていたのだが・・・

 

寧々「〜〜〜♪」

 

霊斗「・・・寧々のやつ、さっきから歌の場面、練習してるな」

 

司「ああ。他の場面も練習をした方がいいと言ってはいるんだが・・・聞く耳を持たなくてな。」

 

類「やっぱり、昨日見せた、フェニックスステージのショーを意識してるんだろうね。」

 

霊斗「というより、櫻子さんをだろ。あの人の歌は別格だ。しかも、同じクリスマスショー・・・実力の優劣が確実に解っちまうからな」

 

えむ「けど、寧々ちゃん、朝からずーっと休憩も取らないでずっと歌ってるよ?」

 

そう。寧々が歌の場面をずっと練習しているんだ。他の場面も練習しなければならないんだが、どの場面にも、主人公である、司と寧々が揃わなければ練習できないんだ。

 

 

司「やはり、寧々はあの高飛車女の歌と自分の歌、何か違うと思っているんだろうな。俺には違いはあまりわからんが・・・」

 

えむ「寧々ちゃんの歌も、あの人の歌も上手だよ?」

 

たしかに寧々のうたも上手なんだ。だけど。

 

霊斗「・・・なるほどな。櫻子さんが言ってた、寧々が実力の差を感じるだろうって言ってた言葉、今、なんとなく解った。」

 

類「?どう言う意味だい?霊斗くん?」

 

俺は今も歌の練習をしている寧々に近づき声をかける。

 

霊斗「なぁ、寧々。」

 

寧々「何?まだ、練習してるんだけど・・・」

 

霊斗「いや、寧々が納得してない理由・・・解ったから。」

 

寧々「えっ!?そ、それって一体・・・?」

 

俺が初めて、櫻子さんの歌を聴いた時、そして、いま、寧々の歌を聴いた時、ようやく違いがわかった気がした。それは。

 

 

 

 

 

霊斗「寧々は多分、慎重になりすぎていて、自分の気持ちをうまく出せてない。」

 

 

寧々「・・・え?」

 

司「うん?どういう意味なんだ?」

 

 

霊斗「寧々の場合は、技術的には櫻子さんとは大差がない。けど、櫻子さんとの決定的な差は多分これだ。簡単に言えば・・・

 

 

 

 

歌に気持ちが乗ってない。あんまり、俺がとやかく言える立場じゃないが、自分が役を演じたときに感じた気持ち、想いを上手く歌に出せてないんだ。」

 

 

きつい言い方をしているかもしれないが、これが事実だと俺は思う。以前の類と似たやつな感じなのだろう。

 

 

司「つまり・・・もっと肩の力を抜いて歌え・・・という事か?」

 

霊斗「まあ、簡単な解決策はそれなんだろうが・・・けど、そうなってる原因があるはずなんだ。例えば・・・そうだな。過去にショー関連で大きな失敗をした。まあ、簡単に言えば過去のトラウマ。それを意識してるから。多分、寧々には心当たりがあると思う。だろ?」

 

 

俺が寧々に聞くと、暗い表情をしながら、首を縦に振る。

 

霊斗「となると・・・類、こう言う時って、どうするのが一番いいんだ?」

 

類「そうだね・・・昔の出来事が原因なら・・・失敗する前の歌い方がヒントになるかもしれない。」

 

寧々「前の・・・歌い方・・・?そんなの・・・覚えてるわけ・・・」

 

寧々の前の歌い方・・・つまり、以前、主役になる予定だったショーの失敗をする前の歌い方・・・んー、やっぱり、俺達にはどうしようもできないよなぁ・・・と思ってた時だった。

 

『やっほー♪みんなー☆』

 

はじめて会った時と同じように、プロジェクターから、ミクが映し出される。

 

えむ「ミクちゃーん!こっちに来るの、久しぶりだねー!」

 

霊斗「そういえば、ここ最近、出て来てなかったな。久しぶり」

 

ミク『うん♪久しぶりー☆それより、みんな。今から、セカイに来てくれないかな?新しいショーを見てほしいんだ☆』

 

司「新しいショー?今度はどんな物なんだ?」

 

ミク『クリスマスショーだよ♪しかも、今回は新しいメンバーも出るのだー☆」

 

えむ「新しいメンバー?それって誰々?」

 

ミク『ふふーん♪それは、来てからのお楽しみ。それじゃあ、みんなでセカイにー・・・』

 

 

ミクが俺達を、セカイに連れ出そうとした時だった。

 

寧々「ごめん・・・私、今はそんな気分になれなくて・・・先に帰るね・・・」

 

寧々だけ、暗い表情をしながら、ワンダーステージを去っていく。

 

ミク『あっれれー?寧々ちゃん、何かあったのー?』

 

司「ああ。実は次のショーの事で、行き詰まっていてな・・・」

 

 

 

 

寧々side

 

寧々「・・・・・・昔の歌い方・・・か。」

 

類に言われた解決方法・・・私が昔、ショーで失敗する前の歌い方がヒントになるって言ってたけど・・・

 

寧々「そんなこと言われても・・・どうしようもない・・・」

 

その時だった。

 

「あら?そこにいるのは、ワンダーランズ✖️ショウタイムの草薙寧々さんじゃない。」

 

声をかけられた。その方向に、私は顔を向ける。そこにいたのは、霊斗が撮ってきたビデオに写っていた青龍院櫻子さんだった。

 

寧々「あ、フェニックスステージの青龍院・・・さん。」

 

櫻子「そんなしょぼくれた顔をしてどうしたのかしら?私たちのショーには勝てないとやっと気づいたのかしら?」

 

寧々「そんなこと・・・!」

 

ない。そう言いたかった。けど、言えなかった。今の私と、櫻子さん・・・どちらがすごいショーをできるか。聞かれなくてもわかっていたから。

 

櫻子「その様子じゃあ、次のショーは期待できなさそうね。いずれにせよ・・・このフェニックスワンダーランドで満足のいかないショーをするのはやめて頂戴。」

 

そう言って、櫻子さんはその場を去っていく。けど、途中で足を止めて。

 

櫻子「ああ。一つ言い忘れていたわ。」

 

寧々「・・・?」

 

櫻子「あのビデオに写っていたかは知らないけれど・・・鬼灯霊斗くんは、あなたがフェニックスワンダーランドの歌姫だって証明すると言ってたわよ?」

 

寧々「・・・え?」

 

櫻子「彼の期待を裏切らない為にも、頑張った方がいいのではなくて?まあ、優しい彼の事ですもの。負けても、励ましてくれると思うわよ?」

 

そう言って、今度こそ、櫻子さんは去っていった。それでも、私はその場で立ち尽くす。あの人の言葉が胸に刺さる。満足のいかないショー。そして、霊斗の期待を裏切る事。私は・・・悔しかった。何も言い返せなかった。

 

寧々「・・・っ」

 

そして、何より・・・私をもう一度、ステージに立たせてくれた、みんなに迷惑をかけている事が・・・一番悔しかった。

 

 

 

 

 

寧々side off

 

あれから1週間、寧々の悩みが解決せず、ショーの練習は続いた。他のシーンは何も問題なく、順調に練習が続いている。

 

類「うん。このシーンもOK。本番までもう時間もないから、通し稽古をやっていこうと思うよ。」

 

司「おお!やっとここまできたか・・・たが、寧々の歌は大丈夫なのか?あれからも、ずっと悩んでいる訳だが・・・」

 

霊斗「これに関してはどうしようもねぇな。技術の問題じゃなく心の問題。俺たちにできることは、寧々が歌に集中できるようにすること。それと、見守る事ぐらいだろ?」

 

えむ「けど、待ってるだけじゃ嫌だよ。私も何かできたらいいのに・・・」

 

えむの言ってることもわかる。けど、こればっかりはな・・・

 

えむ「あっ。それじゃあ、昔の事を思い出せればいいのかな?」

 

そう言うと、えむは寧々に向かって駆け出す。

 

えむ「ねーねちゃん!」

 

寧々「わっ・・・!な、何?」

 

えむ「あのね!寧々ちゃんって昔からショーをやってたんだよね?どんなショーが一番好きなの?どんなショーをやってたの?」

 

寧々「・・・今は練習中でしょ。そんな話、また今度で良いでしょ?」

 

類「それなら、少し休憩をしようか。その間、話してあげても良いんじゃないかな?思い出話をするのも、悪くはないと思うよ。」

 

寧々「はぁ・・・休憩の間、だけだからね。」

 

そして、休憩の間、寧々は少しずつ、昔の出来事を話し始める。どうしてショーを始めたのか。類と会ったのはいつなのか。それに加えて、えむも話し出した。おじいさんのショーを見たから、ショーをやりたいっと思ったらしい。

 

霊斗「なるほどな。類や家族の人たちとショーを見て、寧々はショーをやりたいって思ったわけか。」

 

司「寧々も家族でショーを見たから、やりたいと思ったのか。それにえむも・・・」

 

寧々「・・・あんたもそうなの?」

 

司「ああ。最初に見たショーは家族と見たんだ。そのショーで妹があまりにも良い笑顔をするからな。俺も、こんな風に妹を笑顔にしたい・・・そう思ったから、俺はショーをやりたいっとそう思ったんだ。」

 

類「ふふっ、僕も、ショーを見終わった時には、自分達でショーをしていたよ。」

 

みんなの会話が弾んでいく。自分自身の思い出話に。

 

えむ「霊斗くんは?霊斗くんはどうしてショーをやろうと思ったの?」

 

霊斗「俺か?俺は・・・司がスターになった後のステージを見たいから・・・か?」

 

類「霊斗くんは、子供の頃に、ショーを見たいたわけじゃないんだね?」

 

霊斗「子供の頃?ああ・・・子供の頃は・・・」

 

 

 

 

『霊斗。あなたは音楽の天才なの。勉強もしっかりやって、私たちの夢を叶えて。お友達と遊ぶのは良いけど、必要のないものは買っちゃダメよ。』

 

『てめぇの歌は金になるんだよ。さっさと歌って、稼いでこい。』

 

『うん。わかったよ。それが命令なんだよね?』

 

霊斗「・・・っ?」

         

・・・なんだ?今の?俺はちゃんと友達を作って・・・普通の生活をしてたよな?

 

 

司「霊斗?」

 

霊斗「・・・んっ?おお。悪い。子供の頃は歌が、好きでな。子供の頃からずーっと。歌い続けてたよ。」

 

司「なるほど。幼い頃から歌い続けていたから、あれ程のすごい歌が歌えるのか・・・」

 

えむ「霊斗くんの歌、とーっても上手だもんね!子供の頃からそうだったんだー♪」

 

類「ふふっ、こうやって、みんなの思い出話を聞くのも新鮮だね。」

 

寧々「うん・・・(霊斗の昔の話を聞けて良かった・・・かな。)」

 

 

その後も、俺達の会話は弾み、今日1日は、練習をせずに、思い出話で終わってしまった。だが、話している最中も、終わった後も、俺は心ここに在らずだった。

 

 

 

 

 

 

 

あの時、見たあの光景が頭から、離れなかったのだから。

 

 

 




ご愛読ありがとうございます。
駄文で申し訳ありません。

オリ主を絡ませる次のグループは?

  • Leo/need
  • モアジャン
  • ビビバス
  • ニーゴ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。