喪失少年はこのセカイのキャラとの絆を結ぶ   作:エム3

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8話目です。短め


演出家の本領

俺達は、司の書いてきた初公演の脚本を全員で確認していた。

 

類「なるほど・・・この台本の筋は把握したよ。『ツカサリオン』はオーソドックスな英雄譚だね。主人公のペガサスは人々を苦しめる魔王を倒す旅に出る」

 

霊斗「んで、旅の途中に仲間を見つけて、まずは村を苦しめるドラゴンを退治して・・・最後は魔王と一騎討ち。最後は英雄として街に戻っていく・・・と。確かにオーソドックスだな。」

 

えむ「うん!面白いお話だよー!こんな台本を書けるなんて、司君すごいねー!」

 

寧々「あんたみたいな変人から、何でこんな普通な台本ができるかわからないんだけど・・・」

 

司「はっはっはっ!俺はスターになる男だからな!これくらい当然・・・・・・って!誰が変人だ!誰が!!」

 

霊斗「なら、これになるべく近い演出をしないとな。類、このツカサリオンに感情移入できる様に出来ねぇか?例えば・・・過酷な旅の風景とかよ。何とかなるか?」

 

類「そうだね・・・それなら雷を落としたりするのはどうかな?旅の中で1番過酷な表現をしやすいのは荒れた天気だからね。実は、ここにプラズマを発生させる装置が・・・」

 

司「いや物騒な装置だな!?というか、どうしてそんな物があるんだ!?」

 

類「こんなこともあろうかと、用意しておいたんだよ♪」

 

いや、そんな事普通はねぇよ・・・

 

司「そんないい顔をしていうな!大体、そんな物があったら危険だろう!!」

 

類「舞台に固定しておけば、お客さんには危険はないよ。触れたら死ぬけどね」

 

司「俺へのリスクが高い!」

 

寧々『あーあ、また始まった・・・』

 

えむ「また?」

 

寧々『類はショーでやったら面白そうな事を片っ端から試しちゃうの。それでよくクラスメイトを体育館で宙吊りにしたり、プールで水責めしたり・・・そんなんだから、最初はショーをやるって言ってくれた人も最後にはいなくなっちゃって・・・』

 

 

客に喜んで貰うために、楽しそうな事全てを試す・・・それも類の魅力の一つだな。

 

えむ「ええ〜?すっごく楽しそうなのに・・・」

 

霊斗「まあ、みんな自分の命が大切なんだよ。それか、類の客を楽しませたいって想いをたかがショーって決めつけてるか。どちらにせよやって見なくちゃわからないけどな。」

 

寧々『みんながえむや霊斗みたいなのばっかりだったらよかったのにね・・・』

 

司「そんな危険な演出は絶対ダメだ!!」

 

類「そんな・・・!どんな演出にも1200%で応えて見せると言ってくれたのに・・・!!」

 

類「そういう事なら僕は演出家を辞退しよう。寧々、後は頑張って・・・」

 

あ、やば。このままだと類がせっかく入ってくれたのに勿体無いよな・・・仕方ない。

 

霊斗「えむ、少しいいか?」

 

えむ「?なになに?」

 

霊斗「あのな・・・ゴニョゴニョ」

 

えむ「うん・・・うん!わかったよ!ねえ!司君!雷が落ちる演出やめちゃうの!?ステージで雷がピカッ!って光ったらすっごく目立つよ!」

 

司「・・・っ!?目立つ・・・!?」

 

えむ「すーっごくお客さんが集まるかも知れないよ!」

 

霊斗「たしかに、ステージに雷が落ちるってのは前代未聞の演出だよな。他の劇団では絶対できないだろうし。話題に絶対的に上がる。目立つことは間違いないよな」

 

これでどうだ・・・?

 

司「た、確かに目立つな・・・そこに俺が立ち、勇者として演じる・・・」

 

司「・・・類、ちょっとくらいならやってもいいぞ」

 

類「え?」

 

司「べ、別に目立ちたいからとかじゃないぞ!斬新さは、スターのショーに必要不可欠だからな!」

 

寧々『誰に需要があるの・・・そのツンデレ・・・』

 

類「・・・へぇ・・・それじゃあ・・・ドラゴンと戦うシーンで改造した火炎放射器を使ってもいいかい?」

 

司「な、何!?」

 

類「後は魔王と戦うシーンで10メートルほど飛んでみるのはどうだい?以前、足元に強風を当てて浮かせる装置を作ったんだ。それを使ったらとてもあのシーンはとても面白い物になると思うんだ。」

 

司「ど、どっちも危険では・・・」

 

確かに、類の演出はめちゃくちゃ面白そうだが、それなりに危険性がある。司が危惧しているのはそこだろう・・・仕方ねぇか。

 

霊斗「それなら、類の演出、俺で試せば良くないか?」

 

司「な、何!?」

 

えむ「ええ!?」

 

寧々『!?』

 

類「霊斗君が?」

 

霊斗「司は、類の演出が盛り上がるのは理解してると思う。けどめちゃくちゃ危険なのが気になってんだろ?」

 

司「た、確かにそうだが・・・」

 

霊斗「なら、俺が試してやるよ。類、使いたい演出に必要な物、明日とかに集まれるか?そのあと、俺が大丈夫か試すからよ。それなら「「駄目〜!!」」えむ?寧々?」

 

えむ「霊斗君がやるのは絶対駄目だよ!!」

 

寧々『そう・・・!!霊斗がやるのは絶対駄目・・・!』

 

・・・何でこの2人こんな必死なんだ?

 

霊斗「けどよ、そうしねぇと司も納得しないだろ?」

 

司「わ、わかった!類!全てやってもいいぞ!だから霊斗!お前はそんな事をするな!」

 

霊斗「は?いや、お前さっき・・・」

 

司「わ・か・っ・た・な!?」

 

霊斗「・・・お、おう。わかった・・・」

 

 

 

 

何だったんだ?・・・あの3人の気迫・・・?

 

 

 

 

 

 

 




ご愛読ありがとうございます

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