メモリーガチャ転生~1日一回ランダムに変わるメモリで生きていく~ 作:ユーザーU
夜、月明かりが窓から入ってくる図書室で俺を襲った人間を椅子に縛りつけ尋問していた。
「で、あんた誰?」
「………………」
さっきから何も言わないせいで流石に疲れて来た。
「……ス…」
「ん?」
細々と聞こえたその声は、俺の想像していた渋い物ではなく若い男の声だった。
「ぼぉおおおおすぅぅのぉ……仇ぃいいいい……うぅ…」
「はい?」
やっと聴いたこいつの第一声は情けなく可哀想になるような叫び声だった。
てゆーかさっきから立ってるだけのラルムが怖い、すんごいこいつの事見てるだけ、何も言わない。
「さっさと独房に入れればいいでしょう…」
ラルムが喋ったのに俺はすかさず反応した。
「あっ、やっと喋った」
「だって言う事無いですから、そもそも私なんでここに居るんですか…?」
「だって…ここの管理人だからでしょ?」
俺がそれを言うと少しムッとした顔をして言った。
「そうです、管理人です…だから戸締まりしなきゃいけないんですよ!!あなた達が出ないと鍵閉めれないんですよ!!」
「あっうん…」
(そうだ…俺たちが居るから戸締まり出来ないんだった…いや完全にこっちが悪いじゃねぇーか!!)
「せめて上の
物置部屋って言うのは多分この前初めてここに来たときに見た廊下に有る階段の上だろう、内心まだ見たことが無い場所を見たいという好奇心も有って直ぐにここから出る事にした。
「じゃあ…出るわ、おやすみ~……」
こっちをじっと見つめるラルムに俺は気の抜けた返事をすると犯人をくくり着けた椅子を引きずり始めた。
「はっ!?、ちょっえっ俺独房!?ちょっちょっ」
こいつはさっきとは変わって軽くパニックになりながら騒ぎ始めた。
「いや大丈夫だから」
「はっ!?はっ!?はっ!?」
皆が住んでる城の中から少し離れてるからギリギリ迷惑になってないと思うけどかなりうるさい。
流石に嫌になって不満が口から漏れだす。
「あーもう」
階段を昇るのも面倒だ、引きずりながら上がるのはまぁ以外とキツかった。
「やっと着いた…」
二回にやっと着いた、別に誰かに頼まれた訳じゃないから本当はここまでやる必要は無い。
実は、こいつの襲撃はまだガリーさんもリルアも知らない。
そもそもこんな夜にドタバタしたら迷惑も良い所、だからそれなりに情報を聞き出して明日の予定をスムーズに進める為だ。
二階の廊下へ視線を移すと左側に2つの扉、右側には窓の列が続いている。
2つの扉を比べると階段側の扉は良く使われて居るのかドアノブだとかに埃が余り被ってない、だが奥側の扉は対照的に余り使われていないのか扉もドアノブも全体的に埃だとかで汚い。
物置部屋なんて余り使う訳がない、という事は奥の扉が物置部屋の筈だよな…?。
と、テキトーな推理をかまして俺は奥の扉を開けた。
だが、その部屋へ入った俺を大きな違和感が襲って来た。
「…あれ?」
その部屋は確かに埃だらけで雰囲気だけなら物置と言っていい、だが…。
「普通の部屋だ…」
そう、真ん中に机と椅子が有り周りには棚や本棚…至って普通、誰かが使ってないとおかしいくらいに。
普通と言ったけど置いてある家具はまさに高級そうな物ばかり、椅子も机も本棚も、だがおかしい…こんな生活感の有る部屋が物置な分けない。
でもそれならこんな埃だらけで誰かが使った形跡の無い部屋なら家具だとかを片付けられてるのが普通だ、ならつまり、かなり前から掃除もせずにこのままにしているって事だ。
「……………」
あいつを廊下にほったらかしにしてるのも忘れて俺は唖然とした。
この違和感のせいでどうしようもなく部屋の事が気になり、先ずは椅子に座って木製の横長い机の引き出しを開けた。
中には書類がいくつか入っていて、適当に一つ書類を手にとる。
真っ白の表紙に大きく書かれた黒文字に俺は目が行き、声に出した。
「
俺は
1月、国営会の権力の巨大化は危険だ、そもそも私はあの人達を良く思ってない。
「あれ?………これって日記……だよな?」
そもそも国営会は他の国が
「国の実権…ちょっと待て、
マズイ、これは知ったらダメなヤツなのかも知れない。
俺はすかさずそれを閉じた。
もし、この国営四聖委員会…略して国営会か?……もし今も有るなら…。
頭の中で、まだ妄想が大半を占めているがハマってはいけないピースが完成してしまいそうで恐ろしくなった。
リルアの親は殺されたんじゃ?
この国はヤバいんじゃ?
まさかリルアにも危険が…
「はぁ…」
ため息を吐きながら資料を乱雑にしまい、立ち上がると俺は本棚に目線がふと行った。
豪華な本棚とは裏腹に、10冊程の子供向けな絵本が有った。
「これは…?」
棚の方も見るとティーカップだとかの紅茶に使う道具が沢山有る。
「リルアの部屋と…にてる……?」
少し気になった俺はこの場所に不釣り合いな絵本達の中から適当に一冊の絵本を手に取り眺めた。
ゆるキャラ見たいなデフォルメされたトラとブタが仲良く笑っている可愛い表紙だ。
「このキャラ、JKウケ結構良さそうだな」
現代人な感想を呟いて俺は本を裏返した。
「えっ…」
驚きの声が漏れだす。
その本の右下の方には子供が書いたような文字で書いてあった。
リルア・ラゼルア、と。
不味い、このままじゃ…あのヤバい日記の内容にリルアが関わってる可能性があがる。
ハマってはいけないピース…いや、ハマらないでいて欲しいピースが………。
まさかリルアにも危険が…
速くここから出よう、人の過去や知ってはいけない事は知らない方が良い筈だ。
俺は冷や汗を書きながら足早に扉へ向かおうとした。
「…!!」
俺はぎょっとした、扉の前ではラルムがかなりヤバい、怒りの形相で俺を睨んでいる。
「ごっごめ「速く出て!!」
ごめんと言う暇もなくそう言われた。
「ここは入ったら駄目なんですよ!!、速く!!」
「ごめん!!」
俺は逃げ出す様に部屋から飛び出し、あいつをくくり着けた椅子を引きずりながら下へ降りた。
「………なんでここに入ったんですか…」
そんなラルムの声も椅子を引きずる音で書き消されて俺には聞こえなかった。
「あー…もう疲れた」
あいつからの尋問はもうやめた…とりあえず独房の前に置いといたから後は勝手にしてくれるだろ。
そう思いながら、別館から帰って来て俺はホールに着き、部屋へ帰ろうとしていた。
ぼーっとしていてふらふらしていた俺だが、急に聞こえて来た足音に無意識に階段の影に素早く俺は隠れた。
(誰だ…?)
少しだけ頭を出して音の正体を探した。
ホールには上へ上がる為の2本の階段が有り、俺が居るのは正面の入り口から見て右、そして……足音の正体、リルアが居るのが左側の階段だ。
(こんな時間に何を…?)
リルアは手に持ってる
リルアが外へ出て少し立ってから俺もリルアの後を追い扉を開けた。
外へ出ると城壁の左側の角へ消えて行ったのを静かに追う。
俺は早歩きで角へ着くと壁に張り付きリルアの方を覗き込んだ。
(あんなのが有ったのか…?)
城の壁には木製の扉が有った、俺も今初めてあんなところに扉が有るなんて知り驚いた。
リルアが鍵を取り出しドアノブの鍵穴に刺すとガチャッと言う音と共に鍵があいた。
(あそこはなんだ…?)
リルアがその中へ入り、ガチャッと鍵が閉まる音が聞こえると俺はすぐに扉の前へ近づいた。
ドアノブを回しても当たり前だがやっぱり開かない。
さっきの頭の中の妄想のピースが一つ、また頭に浮かんで来た。
リルアにも危険が…?
「……はぁ…………」
どうしようもない不安からくるリルアに対する心配。
ホントならここで引き返すのがマナーって物だと思うけどさ…。
ここでこの心配を押さえきれる程、俺は後先考える人間じゃない。
「ふぅ…」
俺は少し後退りすると左手にロストドライバーを召喚した。
腰に押し当てると自動でベルトが現れて巻き付く。
「今日のメモリはなんだろうな…」
ガイアメモリを左手に召喚し、それを見た。
「ビーストね、よし」
ガイアメモリのボタンを押すといつものようにメモリから「ビースト!!」と音声が流れた。
スロットにメモリを差し込み、俺は呟く。
「変身…」
俺の顔に電子回路のような黒い模様が浮かび上がり、スロットを倒した。
体から青色の波動を放ち、姿が代わり、力が沸き上がる。
「ふぅ…」
変身した後の俺の姿は鈍いメタリックブルーに銅色の装甲が大量かつバラバラに装着され、頭には青白い二本の角が生えていた。
俺はドアノブに対して拳で狙いを定めると少し力を抜き、一気に破壊した。
その勢いのまま扉は勢いよく開いた。
スロットを縦に直してメモリを抜くと変身が解除され、下へ続く階段を俺は降りて行った。
俺はゆっくりと降りていき、壁に付いた燭台で照らされた洞窟のような部屋の中でリルアを見つけた。
だが、おかしい事が一つ、50台程の中年男性が入った石の棺桶の前にリルアは居る。
別にその男は死んでいる訳ではないと思う…だって顔色が良い、俺には寝ている様に見える程だ。
意を決して俺は後ろからリルアに声を掛けた。
「リルア!!」
「!?」
俺には気づいて居なかったのか驚いた表情だった。
「ごめん…
「…うん……」
ただ一言、リルアはそう言った。
俺が無意識に男の人の方へ目線を移していたのが分かったのか次の一言を言った。
「この人、気になるよね」
「…誰なの?」
俺の質問に少し時間を置いてリルアは答えた。
「お父さんだよ…私の」
「え…?」
困惑を口から漏らし、たじろいだ。
リルアの父親は
でも、この人は…。
「ガリーさんからは死んだって聞いた……でも、俺にはこの人が死んでる様に見えない」
「そうだよね、お父さんは仮死状態…この棺に施された魔法でこの状態を保ってるだけ…半分は正解だよ」
「何で…リルアのお父さんはこんな事になったの?」
俺は言ってしまった、もしその答えが俺の聞きたくない妄想のピースの一つを確実な物にしてしまう物だったら…。
「お父さんは…」
もう遅い…覚悟を決めてやる!!。
「殺されたんだよ…」
「…!!………」
「ううん…殺されかけたの、失敗したけど一度瀕死状態になって…そのタイミングで呪いを掛けられたから今はこの状況のままで……呪いを解かないと治療もなにも出来ないから瀕死のまま、だから仮死状態になって現状維持しか出来なかった」
「本当は誰にも言ったら駄目な話なんだけど…サナダ君にはバレちゃったからね…」
この時、俺が危惧していたピースとはまた、別のピースがハマった。
「この事、ガリーさんも知ってるの?」
「えっ…うん」
話の脈絡の無い突然の質問に怪訝な顔をしたリルアに対して俺は少しだけ笑みが浮かんだ。
そういう事だね…?、ガリーさん。
政治関連はリルア様がしなければならなくなりました、しかし、まだ18歳のリルア様には父の死からの激務、さらに激務、そんな生活です…まともに寝ていないんだと思います…恐らく精神も病んでいるでしょう
サナダ様は歳が近いでしょう?ですから友達感覚でリルア様もOKしてくれるかと…
俺はガリーさんからリルアの護衛になってくれって言われた日の言葉を思い出した、きっとこう言う事だ…この事件を知って居た人は城内にそりゃ何人かはいたんだろう、何人かは…だがその中に居るのは勿論お城に遣えてる人達で、心を開ける同世代なんて物は居ない、だからリルアが心を開ける同世代の人間を誰でもいいからリルアの側に置きたかった…リルアが実質一人でこの辛さに押し潰されていたのにガリーさんは耐えきれなかった筈だ、だから俺というどこの馬の骨かも分からない人間を拾い、護衛という名目でリルアの辛さを癒す為の存在として俺をリルアの側に置いたんだ。
それなら、覚悟をしっかり決めよう。
自分が……仮面ライダーだって、自信を持って名乗れる様に。
「どうやったら呪いは解けるの?、誰が殺したの?……全部聞かせて」
この時のリルアのハッとした後の、困惑と嬉しさが混じったような顔を俺はきっと…忘れない。
「」の前に名前付けるのいらないですか?
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要る
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いらない