溜息ばかりの会社員、提督になる(休止中)   作:大鷹とび

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初めまして、大鷹とびと申します。艦これの二次創作を突然書きたくなったので
書くことにしました。処女作かつ小説を書くのが初めてなので拙い部分が多いとは思いますが
楽しんでいただけると幸いです。

一話は艦これ要素はほとんど無いです。


第一話 終わりと始まり

20XX年――怪獣や化け物なんて現れる訳も無く何十年も平和を享受してきたこの世界では

人々は戦争なんて起こるはずもない、夢の中の出来事だと...そう思っているかもしれない。

いや、そう決めつけていた――あの日が来るまでは。

 

「はぁ...」

 

目尻を押さえながら俺は大きな溜息をついた。

今日もいつものようにパソコンの前に座り淡々と仕事をこなしていく。

三年ほど前に社会人になってからずっとこんな日々を過ごして生活している俺だが

自分の夢は諦めていないつもりだ...多分

 

「こんなもんか」

 

一通りの仕事が終わりメールを送信してパソコンの電源を落とす。

 

「はぁ...」

 

また溜息をついてしまった。これで何回目だろうか。

昔から母親には溜息をそんなについていると幸せが逃げるよと言われていたが

今の自分に幸せなんてあるのだろうか?

そもそも幸せとは何をもって幸せだと言えるのだろうか?

 

「ふぅ...また溜息ついてるだけで1時間無駄にしちった」

 

そこでそれ以上考えることをやめる。

どうしようもないことに不安を感じて自分を追い込んでしまうのは前からの悪い癖だ。

携帯を手に取り特に目的もなくSNSや動画を見始める。

 

「飯、作るか...もう夜だし」

 

結局時間を無駄にしていることに変わりはないと思い、携帯を置いてキッチンに向かおうとする。

 

『緊急事態宣言が発令されました。国民の皆さんは直ちに避難してください。』

『緊急事態宣言が発令されました。国民の皆さんは直ちに避難してください。』

 

急に携帯から警報音と共に緊急事態宣言を知らせるメッセージが発せられる。

 

「緊急事態宣言!?大雨警報でも地震速報でもなく!?」

 

今まで経験したことのない事態に動揺する。

それに避難しろと言っても何処に行けばいいのだろうか?

大雨やら台風やらの時の対処は分かるがただ警報だけではどうしようもない。

 

「とりあえず近くの小学校に行くか...」

 

自身の経験則と知識から一番近い避難所指定の小学校へ向かうことにした。

足元のカバンに貴重品と必要最低限の物を詰めて外に出た。

 

「特に危なそうなことは無さそうだけどな...」

 

外に出ると自分と同じように緊急事態宣言を聞いて家を出てきた人がちらほらと見えるが

特に変わったところは見当たらない...なぜ緊急事態宣言などというものが出たのだろうか?

 

「...て」

 

「ん?」

 

「にげて!」

 

声のする方を見るとそれこそアニメやゲームで見るような手のひらサイズの

小人?妖精?みたいなのがいた。

 

「俺疲れてんのかな...」

 

自分自身かなりの夜型でかつ長時間の睡眠が必要な体質であるが、社会人になってからは

眠くもないような時間に無理矢理ベットに入りなんとか朝に起きれるような生活をしてきた。

その生活で感じていたストレスやら疲労やらが限界を迎えたのだろうか?

いや、そうに違いない...こんな訳の分からない妖精(もの)が見えている時点できっと俺の身体は

限界なのだろう...

 

「はやく! にげて!」

 

この幻覚ずっと見えてるな...喋ってるし...どんだけ疲れてるんだよ俺...

とりあえず何もなさそうだし部屋に戻ろう...明日も仕事だしな...

 

緊急事態宣言が誤作動か何かだと片付け、俺は目の前の幻覚を無視して

寝るために部屋に戻ろうとした。

 

「だめ! もどれ!」

 

部屋に戻ろうとした瞬間に何かに足を引っ張られ俺は尻餅をついた。

 

「痛った!?なん...」

 

俺は最後まで言葉を発する事が出来なかった。

何故ならさっきまで自分の住んでいた部屋が爆発して俺自身も吹き飛んだからだった。

 

———————————————————————

 

「っ...!?」

 

俺が目を覚ました時夜は更けて自分の住んでいたアパートを含めて周りの建物は

全壊して瓦礫の山と化していた。

 

「何が起こったんだ!?」

 

周りの状況を確認するために身体を起こそうとすると全身に鋭い痛みが走った。

 

「痛ったい!?」

 

思わず声を出して自分の身体を確認すると全身が切り傷や火傷だらけになっていた。

むしろ目の前で爆発が起こって骨が折れる等の大けがが無かったのは奇跡と言えるかもしれない...

 

「君!大丈夫か!」

 

痛みに耐えつつ自分の怪我を確認していると後ろから声をかけられた。

振り向くと迷彩服に身を包んだ自衛隊らしき人がこちらに駆け寄ってきているのが見えた。

 

「なんとか大丈夫です...」

 

自衛隊の人に聞こえるようになんとか声を絞り出しゆっくりと立ち上がる。

 

「ボロボロじゃないか!出血もしているし担架で運ぼう!」

 

「俺は...大丈夫です...意識もハッキリしてますから...周りにもっと危険な状態の人がいるはず

なのでその人達を助けてあげてください...」

 

「しかし...」

 

「大丈夫ですから...」

 

「分かった、すぐ近くに輸送用の車を停めてあるから乗ってくれ、おい!誰か彼に肩を貸してやってくれ!」

 

別の自衛隊員の人がきて支えてくれるみたいだ...

意識がハッキリしてるのは事実だし他の重傷の人もいたから強がっちゃったけど正直フラフラ

だったからありがたい...

自衛隊の人に支えてもらってなんとか輸送用の車に乗り込んだけど安心した瞬間に痛みで気を失いそうだった。

 

「これから近くの避難所に向かいます。何かあれば直ぐに言ってください」

 

いつの間にかほかの人の救助も終わっていたようで何人か自衛官の人が車に乗り込んできていた。

それにしては戻ってる来るのが早いし救助されたらしい人が少ないような...

嫌な予感がするが、丁度目の前に最初に声をかけてくれた人が来たので聞いてみよう...

 

「すみません...」

 

「おお!君はさっきの!怪我は大丈夫かい?」

 

「正直まだ痛いですけど聞きたいことがあって...」

 

「ん?ああ...答えられる範囲でよければ答えよう」

 

「俺以外の人もっといませんでしたか?自分が吹き飛ばされる直前は結構な人数いたんですけど...」

 

「それは...ダメだった...今ここにいる君を含めた3人だけがここ一帯の生き残りだよ...私たちの部隊20人全員で探したが

もう手遅れな人がほとんどだった...」

 

「そうですか...」

 

「君達だけでも救うことが出来て良かったよ、じゃあ避難所に向かおうか、君の怪我も治療しないといけない」

 

「分かりました、お願いします。」

 

———————————————————————

 

輸送車両の中で助けてくれた人に状況を聞きながら車に揺られていると

1時間半程で避難所に着いた。

聞いた情報を纏めるとこんな感じだ。

 

・突如国の近海から謎の生命体が現れて攻撃を始めた

・謎の生命体には近代兵器がほぼ通用せず、なんとか食い止めるのがやっとらしい

・時間が経つにつれて強力な個体が出現し上陸を許してしまった

・現時点で海岸沿いの町は壊滅、そこから近い所(俺の町もこの位置)も甚大な被害を被った

・何故か夜明けが近くなると海に帰っていったがそのおかげでなんとか救助作業ができている

 

最初に聞いたときは信じられる訳も無く思わず「は?」と声を出してしまったが

避難所で治療を受けている最中に聞こえてきたラジオでも同じことを言っていたので飲み込むしかなかった。

まさか現実に化け物が出てきて一夜にして壊滅的被害を受けるなんて冗談信じたくもないが...

 

「なんの冗談だよ...」

 

状況を理解した上で悪態を思わずついてしまう。もう色々考えるだけで嫌になってしまう。

こんな状況だと余計にどうしようもないことに不安を感じて自分を追い込んでしまう。

 

「はぁ...」

 

自分の人生を大きく変える衝撃的な出会いがあることも...

これから起こる戦いの中心に自分がいることも...

そして大切なものを失うかもしれないことも...

 

何一つ知らないまま俺は大きな溜息をつくのであった。




主人公の名前や設定は後々出てきます。

投稿は不定期にはなりますが次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。
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