自分の処女作がこんなに見てもらえるとは思っていなかったのでとても嬉しいです。
今回は台詞多めの説明会になっています。
色々考察しながら楽しんでいただけると幸いです。
「まず深海棲艦について説明させていただきますね」
「分かった、よろしく頼むよ大淀」
「では...提督は今この国の沿岸に現れて無差別攻撃を繰り返している怪物の事はご存じですよね?」
「そうだな...目の前で人が襲われるのを見たし、俺自身も吹雪がいなかったら死んでたからな」
「じゃあ大体の雰囲気は分かっているかと思いますがその提督が見た怪物が深海棲艦です。提督が見たのはおそらく一番弱い個体ですが他にも人型の深海棲艦も確認されています。深海棲艦は昔に海での戦争や海難事故で亡くなった人の未練や怨念が海底に沈んでいる船の残骸に宿って発生していると考えられていますが詳細は不明です」
「なるほどな...元々昔あった戦争で沢山溜まったものが度々あった海難死亡事故で爆発したって感じか...」
「その解釈で大丈夫です、そして負の感情で生まれたのが深海棲艦なら正の感情で生まれたのが艦娘です。正確には妖精さんが昔の戦争で使われたこの国の軍艦の霊的なエネルギーと資材、人間の正の感情を使って建造するのですがそこはとりあえず気にしなくて大丈夫です。」
「深海棲艦と艦娘については大体分かった、でも妖精さんは何なんだ?最初に会った妖精さんは昔から俺の事を見てたって言ってたし、今回から現れた訳じゃ無さそうだけど...」
「妖精さんは元々この国に居たんですよ、提督に分かりやすく言うと守り神とか座敷童とかそんな感じの伝承を一度は聞いたことがあると思いますけどそれは全部妖精さんですね」
「マジか...」
「そしてその伝承を伝えてきた人は全員、妖精さんに選ばれて妖精さんを認識できる人達でした、妖精さんに選ばれる理由の詳細は分かりませんが、血筋や生まれといったものは一切関係が無く、とにかく心が綺麗な人が選ばれると言われています。」
「俺の心って綺麗なんだろうか...?物凄く穢れてると思うんだけど...」
「妖精さんに選ばれてるくらいですから大丈夫ですよ、もっと自信を持ってください提督」
「あ、ありがとう大淀、とりあえず説明を続けてもらっていいか?」
「分かりました。続きから説明しますね、ではなぜこのタイミングで妖精さんが表に出てきたかということですが...これは言わずもがなです。深海棲艦が現れて危機に陥っているこの国を守るために、そして守り神としての使命を果たす為に妖精さん達は集まって私達艦娘を建造しました。
しかし艦娘は艦娘だけでは自身の力を100%発揮することが出来ません、それは妖精さんがそうしたのかどうかは分かりませんが、とにかく艦娘は妖精さんによって選ばれた提督たる素質を持つ人間と繋がり命令を受けることによって初めて100%の力を発揮することが出来ます、そしてその提督と艦娘の繋がりを維持しこの国の最後の砦として各地に建てられたのが鎮守府と言うわけです」
「なるほどな、とりあえず理解できたよ、化け物が何なのか、俺がどうしてここに連れてこられたのか...でも一つ質問いいか?」
「はい、大丈夫ですよ、なんでもお聞きください」
「提督がいないと艦娘は100%の力が出せないって言ってたけど吹雪はどうして最初から最高時速が出せたり一番弱いとはいえ深海棲艦を倒せたんだ?」
「それは吹雪さんが初期艦だからですね」
「初期艦?初期艦ってなんだ?」
「初期艦とは一番最初に提督と繋がりを持って提督を迎えにいく艦娘のことです、提督を迎えに行くために妖精さんによって一番最初に建造され妖精さんにより一時的に100%の力を発揮することが出来る艦娘ですね、そのおかげで深海棲艦を倒せたのだと思います」
「えへへ...なんだか照れますね」
俺の横で吹雪が少し顔を赤くしながら照れていた。
正直とても可愛いが悟られないように表情を変えずに大淀の方を向いた。
「なるほどな、大体分かったよ、どうして俺がここに連れてこられたのか」
「提督の理解が早くて助かります、纏めると提督にはここで艦娘による艦隊を編成し指揮を執って深海棲艦と戦っていただくということになりますね」
「俺はただの民間人だから艦隊運用とか一切分からないけどそれでもいいのか?」
「そこは大丈夫です、その為の私ですからできる限りお手伝いさせていただきます」
「分かった、正直不安しかないけど俺がやるしかないみたいだし覚悟を決めたよ」
「それでは...改めてよろしくお願いしますね、提督」
どうやら俺はとんでもない事の中心人物になってしまったようだ。
今更うだうだ言っても仕方がないしこんな俺でもやれることがあるなら精一杯頑張ろう。
目の前にいる大淀を見ながら俺は改めて覚悟を決めることにしたのだった。
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大淀から説明を受けて自分の中でもある程度情報を整理したところで、改めて今日の出来事を振り返ってみた。
吹雪に助けられて、この鎮守府まで運ばれて、妖精さんを沢山見て、そして提督になったと...
振り返るとやはりとんでもない事に巻き込まれたのだと実感する...
「提督?どうされました?」
「あぁ...いやなんだか凄いことになったなぁと思ってね、まあ気にしないで」
「ならいいのですが...次は全員でこの鎮守府の施設を確認しようと思うのですが提督もそれで大丈夫でしょうか?」
「そうだな...それで大丈夫...ん?大淀ちょっと待ってくれ」
そういえばこの鎮守府の建物は国の扱いとしてはどうなっているのだろうか?
でも妖精さんが数時間で建てたっていってたから許可なんて取ってる訳ないだろう...
とりあえず大淀に確認してみよう。
「なんでしょうか提督」
「この鎮守府の扱いって国としてはどう扱いになっているか分かるか?」
「すいません...私達艦娘は昔戦争で使われた軍艦の化身みたいなものですので今の国の仕組みは分からなくて...」
「あー...分かった大丈夫だ、それで大体理解できた」
今の国の仕組みが分からないということは法律等その他諸々全て分からないだろう。
そしてそれはこの鎮守府が現時点では違法建築ということの証明になる。
まずはこれを解決しないと警察やら自衛隊やらがきてえらいことになるだろう。
「すまないがみんな少し待っていてくれないか?この国では許可を得ないと建物は建てちゃダメなんだ、つまり現時点ではこの鎮守府は違法建築ということになってしまう」
「そうだったんですね...でもどうやって解決するんですか?既に鎮守府は建ててしまった訳ですし...」
「大丈夫だ大淀、俺に考えがある、任せてくれ」
大淀に心配いらない事を伝えてから俺はスマホで電話を掛け始めた。
「忙しいだろうけど繋がるかな...あ、もしもし父さん?」
『瞬?瞬か!、良かった無事だったんだな、直ぐに連絡を寄こさないから災害に巻き込まれたのかと思ったぞ...』
「あー、ごめんね実際に被害にはあったから中々連絡出来なくて...でも大けがとかはしてないから大丈夫」
『ならよかった...父さん安心したよ...』
「それでここからが本題なんだけども」
『おう、どうした?困ったことがあればなんでも言えよ?』
「今テレビとかラジオで公開されているかは分からないんだけどそっちで海岸線上に謎の建築物が出来てるって話題になってない?」
『!?なんで瞬がそれを知っているんだ?まだその情報は秘匿されているはずだぞ?封鎖されている海岸線上だから人が立ち入ることも出来ないはずだ』
「詳しく説明すると長くなっちゃうから手短に話すけど今俺その建築物の内の一つにいるんだよ、それで国に敵対勢力だと思われたら大変だから父さん経由で国の人と話す機会を設けて欲しいんだけどダメかな?」
『なるほどな...分かった、父さんにまかせろ!その代わり後でしっかり父さんにも説明してもらうからな!』
「もちろん、ありがとう父さん!」
『おうよ!準備が出来たらまた改めて連絡する、何をするかは分からないが気をつけろよ...じゃあな瞬』
「分かった、気を付けるよ!じゃあね父さん」
俺は通話を切って大淀達の方を見ると三人そろって驚いたような表情でこちらを見ていた。
大淀がおそるおそるといった感じで質問をしてきた。
「提督、今提督の御父上にお電話されていたようでしたが、国の人と話すと言っていましたよね?」
「そうだね、俺の父さん経由で国の人にこの鎮守府の事を説明しようと思って」
「提督は、いえ...提督の御父上はどのような方なのですか?」
「うーん大淀達に分かりやすく言うと今この国にある軍のそれなりに顔が効く立ち位置にいる人間かな?それが俺の父さんだ」
俺がそう説明したとき、吹雪、明石、大淀の三人はそろって驚いたような声を上げたのだった。
今回は深海棲艦や艦娘、妖精さんなど様々なものの説明パートになりました。
また主人公の設定がまた一つ登場しました。
次回は鎮守府探検と国の偉い人との対談になる予定です。
その次ぐらいでやっと戦闘が出てくるかも...
それでは次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。
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