ノリの良いスタンド使いの奇妙な幻想入り   作:仁堂六華

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スタンドクイズ


ヒント①二重人格

ヒント②この小説の作中にも登場

ヒント③第五部



紅霧異変
⑪赤い霧


よう、俺だ。空条譲信だ。

賢明なる読者の諸君。そして我が同胞たるジョジョラー達よ。

実に久しぶりに、俺がナレーションを入れようと思う。

やりたかぁ無ぇが…これでも主人公なんでな。

 

紫さん家で色々あった日からしばらくが経った訳だ。

今はもう日が暮れてきた頃になる。

そろそろ寝ようかいな~…と思ってよ、就寝前の一服をしに外へ出てみたら…で~らとんでも無い事が起こってやがった。

 

なななんと!!赤い霧が辺り一面に立ちこめ、そりゃあもうすんごい事になっている。

そのせいか、体調が悪くなったみてぇーで、顔色のよろしくない人がチラホラ見える。

こりゃあかな~りマズイ…と、俺はすぐさま家へ戻り、固く戸を閉ざした。

巻き込まれたくなかったからな。

新手のスタンド攻撃だとか、そんなんじゃあない。

これは…

 

 

譲信「異変だぁぁぁぁぁぁぁ!!

 

 

俺にとって初めての…長い夜の幕が開けた。

 

 

 

 

 

 

~紅霧異変~始動。

 

 

 

 

 

 

空条譲信は現在、家の中に閉じこもっていた。

タイミング悪く今日は定休日なので、こいしは不在。

つまり、頼れる存在なんてのは誰一人としておらず、こういう時どうしたら良いのか譲信はちっとも分からなかった。

どうせ誰かが何とかしてくれるでしょ……と、祈りながら立て籠もることを決め込んでいた。

 

 

???「はぁ~い♪お邪魔するわよ~…………いたいた…やっぱりここに居たわね」

 

 

と、そんな時何処からともなく侵入者が現れる。

譲信はマジカー…と思いながら声のした方向へ振り向いた。

 

 

譲信「……こんな時に何の用すか?紫さん」

 

 

八雲紫。

幻想郷の賢者がこの非常事態に一体何の用でわざわざ自分の元へ来たのか?譲信は嫌な予感がしてならなかった。

あの時の件(前話参照)については、式神の藍にキツく言われてるようなので、心配は無いだろう。

だからこそ、嫌な予感がするのだ。

 

 

紫「あらあら、決まってるじゃない?ここは“何でも屋”なのでしょう?だったらここに来る目的なんて…仕事の依頼でしかないでしょう?」

 

 

紫は何を当たり前な…と言いたげな胡散臭さい笑みを浮かべながら、勝手に部屋の明かりを付けた。

 

 

譲信「すんませんけど…今日は定休日なんすよ。なので日を改めてからに…」

 

 

紫「駄目よ」

 

 

譲信が言い終わる前に、紫はキッパリと言い放った。

 

 

紫「前回はまぁ…私のせいで話せなかった“あなたの今後について”…に関わってくることなの。だから臨時営業でもして私の依頼を引き受けなさいな…勿論、報酬は見合うだけの額を用意するわよ」

 

 

逃げ場がない…。

そんな言い方をされたら仕方ないじゃあないか…と、譲信は諦めて、紫の方へ真っ直ぐ向き直る。

 

 

譲信「恨むぜあんた……んでその依頼とは?」

 

 

紫は扇子をパチンッ!と閉じてから話し始める。

 

 

紫「もう気付いてると思うけれど…今起こってるこの現象…これは“異変”よ。」

 

 

譲信「やっぱりかぁ~」

 

 

紫「そう…今霊夢達が異変解決に向けて動き出してるわ。それで依頼というのが、あなたも異変解決に向けて動いて欲しいのよ。その御自慢の…“無敵のスタンド達”で霊夢達のサポートをお願いするわ」

 

 

譲信「…な、何ィィィ!!?」

 

 

紫「それがまず第一にしてもらいたい事…そして、異変解決後、主犯格達がまだ幻想郷に対して害をなす存在であるのかどうか…その調査をお願いしたいの。具体的なやり方までは指定しないからそこはやりやすいようにやって頂戴」

 

 

譲信「はぁぁぁぁぁ!!?」

 

 

あまりのとんでもない依頼内容に、譲信は思わず素っ頓狂な声を上げてしまう。

これまでこなしてきた仕事とは比較にならない程、難度と危険性が高かった。

 

 

譲信「いやいやいや!!冗談じゃあないぜ!?何でそんなえげつねー仕事をしなくっちゃあならないんだ!!?」

 

 

紫「それがあなたを幻想郷に住まう者の一員として、受け入れる為の妥協案よ。要するに未知なる異能を受け入れる代わりに、その力を使って幻想郷の為に貢献して欲しいという事よ」

 

 

譲信「ぐっ……!?」

 

 

続けてまた、逃れようのない事を言われる。

そんな言い方をまたされては、拒否権なんてもはやなかった。

出来る…とか出来ない…とかそんなんじゃあ無い。

譲信はもう“やるしか”なかった。

幸い、報酬は出るのだ…そこは唯一の救いと思うしかない。

 

 

譲信「……分かりましたよ!やりますよ!やりゃあ良いんだろ!やってやるよ!!上等だぜ!!」

 

 

ヤケクソだと言わんばかりに譲信は依頼を引き受けた。

 

 

紫「フフフ…良い返事ね。それじゃあ早速、ここへ向かって頂戴。ここが今回の異変の元凶よ。そこを目指していけば霊夢達と合流できるわ」

 

 

そう言い紫は譲信にポケットサイズに折りたためる地図を手渡す。

その地図には向かうべき場所に丸印が記されていた。

 

 

譲信「なるほどOKだ!」

 

 

紫「じゃあ後は任せたわよ」

 

 

そう言い残して紫は、スキマの中へと消えていった。

スキマが閉じ、部屋には譲信だけが取り残され、残った譲信は窓を開き外の様子を眺める。

 

 

譲信「………とは言ってもなぁ…こんな気味の悪い環境に長時間晒されちまうと、本体はノーマル人間の俺の体が持つとは思えねーし………こうなったらアレをやるしかねぇーなぁ~」

 

 

そう言うと譲信は程度の能力を使い、服装を一瞬で変える。

黄色い服装…上半身黒タイツ…そして、ハートをあしらった装飾が所々…そして上にはマント。

そう、これは第三部DIOの服装だった。

そして、譲信の手には石でできた奇妙な仮面があったのだ!!

そうこれは“石仮面”!!

 

 

譲信「俺は人間を辞めるぞジョジョォォーーッ!!」

 

 

譲信は“石仮面”を顔にはめ、自分の手を短い刃物で切り、そこから出てくる血を石仮面の表面に垂らす。

すると

 

 

ビシッ!!ビシッ!!ビシィッ!!

 

 

何と!!仮面から生えたいくつもの杭が譲信の頭に深く突き刺さる!!

そして!!

 

 

譲信「URYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!

 

 

 

ギュォォォォォォォォォ!!

 

 

 

譲信の体は光り出した!!

そして石仮面は砕けて、床へと散らばる!!

譲信はゆっくと目を開いた。

 

 

譲信「…………ハッハッハ♪こりゃあ良いぞ!!実に良い気分だ!!歌でも一つ歌いたいような…良い気分だぁ♪」

 

 

紅く鋭くそして冷たさを秘めた深紅の瞳。

怪しい色気を感じさせる透き通るような白い肌。

そして、先程とは比べ物にならないくらいに盛り上がった、人間とは思えない程の筋肉質な肉体。

 

そう!!譲信は石仮面の力を使い、吸血鬼へと生まれ変わったのだ!!

これで、霧の影響力による体調不良は心配しなくても良い!!

 

 

譲信「とはいえ…能力で創り出した物では効果はそう長くは続かないなぁ……感覚で分かる…恐らくは12時間で元の人間に戻るな」

 

 

譲信の能力で創り出された物は決して、本物では無い。

その為、肉体強化は時間制で解除されてしまうのだ。

しかし、その間は人知を超越した力と、更に強靭で安定した精神を獲得することが出来る!!

その為か、落ち着いた状態ですこし振る舞おうとすれば、DIOと似たような口調に、自然となってしまう。

吸血本能はあるものの、元の精神力も強力だった為、ちゃんと自制が効き、譲信は吸血鬼化してもちゃんと自我を保つ事が出来ていた。

 

 

譲信「さて…いつまでも浸ってる訳にはいかんな…早速行くとしようじゃあないか…」

 

 

譲信は金色のオーラに包まれたかと思うと、暗闇の夜空にふわりと浮かび上がった。

そしてマントを翻す。

 

 

譲信「ようし…吸血鬼となった今なら…結構楽にスタンドパワーで舞空術が使えるな………フフフフ…折角だ…今日は久々にロールプレイでもやってみようじゃあないか………楽しみだ……!!」

 

 

ニヤリと笑って、譲信は目的の場所へ向かって飛んでいく。

それは、初めて空を飛んだ者とは思えない程に優雅で、そしてとても速かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔理沙「おい霊夢、本当にこっちで合ってるのぜ?」

 

 

霊夢「巫女の勘をあなどらない事ね魔理沙。間違いないわよ」

 

 

霊夢と魔理沙は異変解決に向けて、既に動いていた。

霊夢の“巫女の勘”を頼りにその場所へと向かう。

“たかが勘”と、霊夢の事を侮ってはいけない。

霊夢の言う“巫女の勘”とは能力の類いじゃあないか!と言われる程に良く当たり、正確なのだ。

これまでの異変もその“勘”もあったからこそ、解決に導いて来れたと言えよう。

絶対的な信頼がそこにはあった。

 

 

魔理沙「なぁところでよ、この前の異変で紫達が言ってた“矢”って実は譲信の奴の能力と少し似てるらしいぜ?」

 

 

霊夢「あ~程度の能力を引き出す矢のこと?でもそれとあいつの能力とで何の関係があるのよ?」

 

 

魔理沙「それがな?何でも譲信の持つスタンド能力を身につける方法の一つに、矢に貫かれるっていう方法があるらしくてさ、それと酷似してるって前に譲信が言ってたんだぜ!」

 

 

霊夢「うわー…なんか痛そうねそれ……てか何でそんな物騒な方法で能力が身につくのよ…全く…」

 

 

魔理沙「同感なんだぜ。しかも、能力に目覚めなかったら死ぬらしいらな。流石に私はそこまでして欲しいとは思わないんだぜ」

 

 

霊夢「私だって思わないわよ。てか死ぬって何よ…余計に物騒すぎるわ!」

 

 

わざわざ矢をぶっ刺して生きるか死ぬかの運試しをしてまで、能力を身につけたいという気持ちは二人には到底理解できなかった。

それくらいならまだ無能力でも、何とかやっていける方法を探していく方が遥かにマシだ。

 

 

霊夢「まぁ、他にもあったら見つけ次第すぐ壊せって言われてるから、その時は遠慮なくやっちゃいなさいよ」

 

 

魔理沙「おう!分かったんだぜ!」

 

 

“程度”の能力を引き出す矢の存在は非常に危険だ。

出所を探りたいのは山々だが、何せかなりの年代物であることが判明しており、探ることは不可能。

仕方なく、紫は矢を破壊して幻想郷から消し去ることが優先と判断したのだった。

 

 

霊夢「…ん?」

 

 

とそんな時、湖に差し掛かった所でふと霊夢は何者かが自分達に接近してくる事に気付く。

空中で立ち止まると、その何者かは霊夢達の目の前まで来て止まった。

 

 

???「やい!!お前ら勝手にアタイの縄張りに入ってきたな!!フホーシンニューってやつだぞ!!」

 

 

魔理沙「な…何だぜお前は?」

 

 

???「や、やめようよ~チルノちゃ~ん…この人達絶対に強いよ~……?」

 

 

と、そんな時またもう一人別の者が現れる。

 

 

チルノ「ダイジョーブ大ちゃん!!なんたってアタイは幻想郷さいきょーだからね!!こんな奴らあっというまにやっつけてやるんだから!!」

 

 

大妖精「えぇ…ねぇ、やめるなら今のうちなんだよ?チルノちゃん?」

 

 

 

霊夢「こいつらは…妖精ね」

 

 

魔理沙「へぇ~面白ぇ!!よし!ここは魔理沙様が相手してやる!!おい霊夢、手を出すなよ?」

 

 

霊夢「はいはい。さっさと終わらせなさいよ」

 

 

チルノ「な、なにおう!!サイキョーのアタイを前にして余裕とは生意気だぞ!!こうなったらアタイの恐ろしさ、とくと見せてやる!!」

 

 

魔理沙「おうおう!見せてみろ!!」

 

 

魔理沙とチルノが対峙し、大妖精と霊夢はそれぞれ少し離れた場所へ移動する。

お互いの準備は整っていた…そして………最初に動いたのは…チルノだった!!

 

 

 

チルノ「くらえ!!氷符・アイシクルフォール!!

 

 

魔理沙「むっ!!」

 

 

初手からいきなり、氷の強力な攻撃が魔理沙目掛けて襲う!!

魔理沙は、その場から全く動けなかった。

 

 

チルノ「ハハハー!!どうだ思い知ったかー!!」

 

 

いや違った!!魔理沙は動けなかったのではない。

動く必要が無かったのだ。

 

 

魔理沙「おいおい…これは何かのお巫山戯か何かぜ?」

 

 

確かに強力な技であったことには変わりない。

まともにくらえば、一溜まりも無いだろう。

…………チルノの正面にだけガラ空きになってさえいなければ…。

 

 

チルノ「あっ……れぇ?何で当たらないんだー!?」

 

 

魔理沙「……本気かよ!?」

 

 

おまけにチルノはそれに気付いていない。

魔理沙と霊夢は一瞬で確信した。

あぁ…コイツ馬鹿なんだ…と。

魔理沙は、ハァ~…とやる気の無いため息を吐いてから、動いた。

 

 

魔理沙「やれやれ…彗星・ブレイジングスター!!…くらって田舎へ帰りな…だぜ!」

 

 

チルノ「う…うゎぁぁぁぁチクショーーーー!!」ピチューン

 

 

大妖精「チ、チルノちゃーーーーーーーん!!!?」

 

 

吹き飛ばされて何処かへと吹っ飛んでいくチルノ。

そして大妖精もそれを追い、二人は仲良く何処かへと消えていった。

 

 

 

霊夢「……とんだ茶番だったわね魔理沙」

 

 

魔理沙「ある意味、恐れいったんだぜ…!」

 

 

 

改めてチルノの⑨さに舌を巻いてから、霊夢達は再び進み出す。

そして、すぐにソレは見えてきた。

 

 

霊夢「…どうやらすぐそこまで辿り着けていたみたいね…あそこが、この赤い霧を出している場所よ!」

 

 

魔理沙「あれが…!!」

 

 

赤い霧の出所…そこには真っ赤な外装の巨大な洋館が建っていた。

正直建築のセンスを疑うくらいに目がチカチカするが、とにかくそこが今回の異変の元凶とみて間違いなかった。

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…………

 

 

霊夢「趣味が悪いわね~…どんな奴が住んでんだか」

 

 

霊夢と魔理沙は、その洋館の手前まで降りてくる。

丁度そこは洋館の門前だった。

 

 

魔理沙「降りてみて見ると、結構でっけーんだな~」

 

 

霊夢「ん…待って魔理沙!あそこに誰かいる!」

 

 

門に近付こうとする魔理沙を、何者かの存在に気付いた霊夢が引き止める。

よく目を凝らすと、門の隣に誰かが経っていた。

 

 

魔理沙「ありゃ門番か!まぁこれだけデカい家なんだ、門番の一人や二人はいておかしくないんだぜ!」

 

 

しかし、もっとよく観察してその門番を見てみると何やら様子が変だった。

中国服を身に纏い、変な帽子を被った女性…しかし、さっきからずっと俯いたままだ。

 

 

魔理沙「…………ありゃ?もしかしてアイツ…寝てないか?」

 

 

霊夢「まさかそんな…門番が寝てる訳が…………本当に寝てるわね…!!」

 

 

何とまぁ驚いたことに、門番は寝ていたのだ!!

何というガバガバな警備なのだろうか!!

これではどうぞ侵入してください。と、言ってるも同然だった。

霊夢と魔理沙の二人は呆れつつも、半笑いしながらさっさと洋館の中に入ろうと進み始める。

 

しかし、ふと二人は背後に何者かの気配を感じ、一瞬立ち止まった。

ゾクリッ………!!

瞬間、今まで感じた事のない嫌な寒気が身体中を駆け巡る。

何か…ヤバイ!!二人は一気に戦闘態勢に入り振り返る。

…しかし、後ろには誰もいなかった…。

 

 

霊夢&魔理沙「…………!?」

 

 

???「……何処を見ている?俺は前にいるのだが……」

 

 

霊夢&魔理沙「えっ…!?」

 

 

二人が声のした方向、再び前を向くとそこにいたのは…

 

 

譲信「クククク…その反応…中々に良い見世物じゃあないか…!」

 

 

バァーーーーーン!!

 

 

腰に手を当て、妖しく微笑んでいる空条譲信が立っていた。

 

 

霊夢「はぁ!?あんた何でここにいるのよ!?」

 

 

本当なら居るはずの無い、予想外な人物の登場に霊夢も魔理沙も驚きを隠せない。

 

 

譲信「なに…難しい話しじゃあ無い。俺はただ…八雲紫の依頼を受け…お前達の手助けをしに来ただけに過ぎん………何も不思議に思う事は無いのだ」

 

 

霊夢「紫の……?またアイツは…一体何を考えているんだか………」

 

 

魔理沙「…それよりもよ、譲信お前…何か雰囲気とか変わってないか…?あと何か喋り方も…」

 

 

譲信「当然だ。訳あって今から約12時間の間、俺の体と精神は吸血鬼となっている。そりゃあ多少雰囲気は変わるさ」

 

 

霊夢「は?吸血鬼!?どういうことよ!?」

 

 

譲信「……能力だ」

 

 

霊夢「あ………うん。理解。」

 

 

この時、霊夢は譲信の持つ能力のいずれかで、自身の体を改造したんだ…と悟った。

 

 

譲信「さて…それで、あそこにいる駄目門番を無視して…中へ侵入しよう…というつもりだったようだが…」

 

 

譲信は手に、ナイフを一本出現させる。

 

 

 

譲信「残念ながらその作戦は無駄…無駄だ……無駄無駄無駄無駄無駄ァァ!!

 

 

ヒュンッ!!

 

 

譲信はそのナイフを、眠っている門番に目掛けて投げた。

吸血鬼の体で投げられたナイフはかなりの速度で飛んでいく。

しかし!!そのナイフを門番は、素手でつかみ取ってみせた。

 

 

霊夢&魔理沙「なにっ!?」

 

 

譲信「フン…やはりな。寝たフリをしていたな貴様…そうやって二人のように油断して門に近付いた敵を、我がナイフを掴んだ時のような素早いスピードで瞬時に撃退する………ハッ!味な真似を…しかしどうやらこのJOJOの目を誤魔化すことは出来んかったようだなぁ?」

 

 

門番は、ゆっくりと顔を上げた。

 

 

???「ありゃりゃ…バレていましたか~…結構自信があったんですけどねぇー…」

 

 

譲信「…まぁ確かに人間くらいなら簡単に騙されるだろうなぁ…しかし!生憎このJOJOは今晩は人間を超越した存在だ……!そんなまるでネズミが虎を演じるような大根芝居で…このJOJOの目を欺くことはできんッ!!」

 

 

???「いやぁ…これは手厳しい。結構な事を言ってくれるじゃないですか」

 

 

魔理沙(ま、まじかぁー…迂闊に近付いてたらエライメにあってたんだぜ……)

 

 

魔理沙は冷や汗を掻いていた。

もし、あのまま近付いていたら絶対にマズイことになっていたと。

譲信の投げたあんな速い投げナイフを、ノールックで、しかも片手で掴むようなヤツに不意を付かれては、人間である魔理沙にそれを防ぐことは出来ない。

やられないにしても、相当な怪我を負うこと間違い無しだった。

 

 

譲信「おい霊夢、それとマリちゃん」

 

 

その時、門番と対峙しながら譲信が口を開いた。

 

 

霊夢「何よ?」

 

 

魔理沙「何だぜ?てか、いつから私のことマリちゃん呼びになったんだぜ?」

 

 

魔理沙のツッコミを譲信は無視しながら、言葉を続ける。

 

 

譲信「この門番の相手はこの空条譲信が引き受ける…お前達はさっさと中に入って親玉を叩け」

 

 

霊夢「…………任せても大丈夫なのね?」

 

 

譲信「女に気遣われる程ヤワな人生を送ってなどいない…さっさと行け。二度は言わせるなよ…」

 

 

霊夢「そのデカい態度は気に入らないけど…分かったわ。任せるわね!」

 

 

魔理沙「早く追いついてこいよ!譲信!!」

 

 

霊夢と魔理沙は、譲信の言葉を受け浮かび上がるとそのまま洋館の中へと入っていった。

残された譲信と門番は、互いに相手を見据え合ったまま微動だにしていなかった。

 

 

???「あちゃー…これじゃ後で咲夜さんに怒られちゃいますねぇ………」

 

 

譲信「フン…だったら必死になってあの二人を止めれば良かったじゃあないか…」

 

 

???「冗談言わないでくださいよ…」

 

 

門番は、半笑いしながら首を横に振る。

 

 

???「それが出来たらとっくにやっています…あなた何者なんですか?……さっきから私の中で…警報が鳴り止まないんですよ…あなたから少しでも意識を逸らしてしまうと…マズイことになると…」

 

 

譲信は軽くフン…と鼻を鳴らした。

 

 

譲信「…人に何かを尋ねる時は…まずは自分から名乗るのが礼儀じゃあ無いのかね?私はそう言いたい…」

 

 

美鈴「私としたことが…これは失礼しました。私の名前は紅 美鈴見ての通り、この紅魔館で門番をしています」

 

 

そう名乗って美鈴は、礼儀正しくお辞儀をした。

 

 

譲信「紅魔館……フム。……俺の名前は空条譲信だ。人里で“JOJOの何でも屋”を経営している社長だ。そして全てのスタンドを操るスタンド使いでもある…まぁ、それはどうでも言い事だったな…言っても分からんからなぁ…」

 

 

譲信はニヤリと笑って、尖った犬歯を覗かせた。

 

 

美鈴「驚きましたよ…!!あなた吸血鬼だったんですか…実は私の仕える主も吸血鬼なんですよ……成る程…道理で強い気を感じる訳ですね」

 

 

譲信「ほう…。ここの主は吸血鬼なのか…フフフ。なら丁度良い…この空条譲信の吸血鬼としての力と、どっちが優れているのか…試せる楽しみがあると言うもの…」

 

 

美鈴「それはお嬢様の方ですね。あなたでは残念ながらお嬢様の足元にも及びませんよ。なぜなら、あなたはここで私に負けるからです」

 

 

瞬間、譲信からは笑みが消え鋭く何処までも冷えた目で美鈴を威圧する。

しかし、そんな威圧を受けても美鈴は震え一つ起こしてはいなかった。

 

 

譲信「フン……フフフフッ……大した忠誠心だな紅美鈴とやら…そういう芯の通っている奴にはコケにされた所で、そこまで不快な気分にはならないから不思議だ…。しかし、俺は結構今の自分には自信があってなぁ…」

 

 

譲信はユラリ…と少し揺れたかと思うと、静かに歩み始める。

美鈴はすぐに身構えた。

 

 

譲信「よぅし決めた…!美鈴、お前今このJOJOをここで倒すとか言ったよなぁ?言ったからにはそれなりに腕は確かだと期待しても良いんだよなぁ?折角だ…オタクの吸血鬼のお嬢様とやらと殺り遭う前に…お前でウォーミングアップでもさせて貰うぞぉッ!!」

 

 

美鈴「受けて立ちますよ!!紅美鈴、その慢心へし折らさせて頂きます!!」

 

 

譲信は美鈴に向かって猛スピードで一気に接近し、あっという間に距離を詰めた。

 

 

美鈴(は、速い!!)

 

 

譲信「やれるものなら…それを見せて貰おうでは無いかッ!!WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!

 

 

譲信は右パンチを美鈴の脇腹目掛けて打ち込む。

 

 

美鈴(確かに…速いのはそうですが…!!)

 

 

しかし次の瞬間、美鈴は譲信の攻撃を躱し、強力な掌底を譲信の胸に打ち込んだ!!

そして一気に距離をとる。

 

 

譲信「むぐっ…!?ブフッ…!!」

 

 

美鈴「動きがまるで素人ですね。これならいくら速くても余裕で対応できますし、このようにカウンターを打ちこむことさえ容易です」

 

 

譲信「ふぅむ…やはり接近戦闘の達人……侮れんなぁ」

 

 

美鈴「どうしました?もう良いんですか?期待外れも良いところですよ?」

 

 

美鈴は譲信に対し、掛かってこいよ…と言わんばかりに人差し指をクイクイとして挑発する。

 

 

譲信「フフッ…フフフフフフ……フハハハハッ!!」

 

 

ところが、譲信は挑発に乗るでも逆上するでもなく、愉快に笑い出した。

 

 

美鈴「……何が可笑しいんですか?」

 

 

美鈴は少し不快に感じ、譲信をキッ!と睨んだ。

譲信は尚も、ニヤニヤしながら口を開いた。

 

 

譲信「ククク…なぁ美鈴……貴様、焦っているなぁ?どうやら本当に…このJOJOの事が怖くて怖くて仕方ないらしいなぁ?」

 

 

美鈴「っ!!…何を言ってるんですか?」

 

 

譲信「何を言ってるか……だと?オイオイオイ…それは俺の言う台詞じゃあないか……まだほんの小手調べ…貴様の「その程度ですか?」という台詞は…野球で例えるなら、試合前に軽くキャッチボールをしている投手に向かって、「もう全力なんですか?」…と、言ってるようなもの……同様にこのJOJOがこれっぽっちも実力を出してない事くらい…貴様程に腕の立つ武闘家ならすぐに気付く筈だがなぁ?………まぁ尤も…貴様が平常心であったなら…の話しだがな…」

 

 

美鈴「…………っ」

 

 

譲信「貴様は焦っているのだ…予想外なパワーとスピードを見せたこのJOJOに対して、コイツを早くここで倒さねばと、焦ってしまっているのだ」

 

 

美鈴「……っ適当な事を言わないで貰えますか!?あまり適当な事を仰るなら…本気で怒りますよ?」

 

 

美鈴は、譲信の放つ妖しい色気と、心を直接握ってくるような妖しい言葉に抗うように、声を荒げ自信に活を入れた。

しかし、譲信はさらに妖しい笑みを浮かべる。

 

 

譲信「どうした…動揺しているぞ紅美鈴?動揺する…それはつまり恐怖しているという事ではないのかね?」

 

 

美鈴「そんな事は…万が一にも有り得ません!!紅魔館の誇り高き門番であるこの私が!!あなた如きに恐怖するなど有り得ません!!」

 

 

譲信の言葉に惑わされてはいけない!!…と、美鈴は心を強く保つように自信に言い聞かせた。

 

 

譲信「ならば、今から俺は実力を出し始めるから…遠慮無く掛かって来るが良い……どうした?ん?恐れ一つ無いのだろう?それなら遠慮する必要は無いよなぁ?」

 

 

 

ドドドドドドドドドドドド…

 

 

 

美鈴「良いでしょう…!!後悔した所で…知りませんからね!!」

 

 

美鈴は力強く地面を蹴り、譲信に向かって凄い速さで近付いて行く。

 

 

譲信「フッ……俺に後悔させなければ…後悔するのは貴様自身じゃあないか…尤も俺に後悔させられるなら…させてみろという話しだがなぁ?」

 

 

美鈴「笑止!!」

 

 

パァァァンッ!!

 

 

美鈴の鋭く強烈な拳が炸裂し、譲信はその一撃を右手で受け止めた。

中々に重い一撃で、少し地面を抉って譲信は後ろに下がる。

 

 

美鈴「かかりましたね!!このままその腕を貰い…」

 

 

美鈴は譲信の腕をそのままへし折ろうとするが、その前に譲信の動きの方が速かった。

 

 

譲信「フン!かかったのは貴様だ…!やはり心理戦はド素人ぉ…貧弱貧弱ゥ…少し心を揺さぶれば簡単に釣れてくれたなぁッ!!WRYYYYYYYYYYY!!

 

 

パッキィィィィーーーーーン…

 

 

美鈴「なっ!?そんな!?」

 

 

何と譲信に掴まれてる美鈴の腕の部分が、凍結して固まってしまった。

 

 

譲信「“気化冷凍法”…惜しかったなぁ~紅美鈴!も~っ少し冷静な状態で仕掛けられていたら、この程度の罠は防げたかもしれないのになぁ~?」

 

 

美鈴「く………うっ!!」

 

 

譲信に蹴り飛ばされて、美鈴はまた大きく譲信から離れてしまった。

凍ってしまった左腕はしばらく使い物になりそうに無かった。

 

 

美鈴「ふぅ…………どうやら…私はあなたをみくびっていた様ですね…始めから本気を出しておけばこうはならなかった……感謝しますよ…お陰で自分の弱さを知ることが出来たんですから…そして、そんなあなたに敬意を表して…ここからは私の本気であなたを…倒させて頂きます!!」

 

 

美鈴の纏う気配が変わった。

美鈴の言うようにここからは本気の闘いになる。

 

 

譲信「良いぞ…そうでなくっちゃあつまらんよなぁ?ここからが…第二ラウンドだ…!!」

 

 

赤い月夜に照らされて、二人の姿が夜の闇に浮き上がる。

凄まじい闘気を放っている武闘家と…そして、不気味で妖しい気配を放っている吸血鬼の、それぞれ二人の瞳が静かに火花を散らしているようだった…。

 

 

TO BE CONTINUE…………

 

 

 




答え キング・クリムゾン


皆大好きボスのスタンドです。
辛いときは、今日もディアボロは何処かで死んでいる…と思いましょう!
元気をくれます!!
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