ノリの良いスタンド使いの奇妙な幻想入り   作:仁堂六華

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スタンドパラメータ(譲信使用時)

キング・クリムゾン

能力 十数秒先の未来を予知し、時を25秒までの間消し飛ばす事が出来る

パワー A (Aよりちょっと上かもしれない)
スピード A
成長性 C
精密動作性B
持続力A
射程距離E



⑬狂気!!フランドール・スカーレット

???「あなたはだ~れ?」

 

暗闇の部屋の中で、突如譲信の背後から声をかけてきた者は、その部屋には似つかわしくない年頃の幼女だった。

しかし、その容姿は少し異様だった。

赤石瞳。宝石のような物がついた翼。尖った犬歯。

そしてまさにその幼女から放たれる気配こそ、譲信がずっと感じていた不気味さの正体だった。

 

 

譲信「…ッ!!」

 

 

譲信はサッとマントを翻す。

すると、部屋の中に置かれていた蝋燭の全てに灯がともり、部屋の中は保安球のように少し明るくなった。

お陰である程度、部屋の様子を確認する事が出来た。

シングルベッド。

棚と収納。そして本棚。

千切れた縫いぐるみや、まだ新しい綺麗な縫いぐるみ。

割れた何かの破片、千切れた鎖。

赤黒い何かの塊。飛び散った血の跡のような物。

人骨にしか見えない生き物の頭蓋骨。

人一人分の生活色のある部屋の中に、散らばる不気味な物の数々。

 

 

???「ねぇ無視しないでよ?」

 

 

譲信は自分に話し掛けてくる幼女に目をやる。

明らかに異常だった。

見た目こそ可愛らしい姿だが、こんな頑丈に施錠された不気味な部屋に、灯りも点けずに居たとなると、絶対に普通じゃあない。

間違いなく…何かがヤバイ。

譲信は一刻も早くここから退出すべく、適当に幼女と刺激しないように話を合わせて出て行こうと考えた。

 

 

譲信「……空条譲信だ…。君の名前は?」

 

 

フラン「私フラン!フランドール・スカーレットよ。フランって呼んで♪」

 

 

そういってフランと名乗った少女はニコリと笑った。

しかしそんな事で譲信の気が抜ける事は無い。

絶えず警戒したまま、話を続ける。

 

 

譲信「フム…ではフラン。君はこんな所で何をしていたのかな?…もしや、ここの門番が言っていたお嬢様とやらは…君の事かね?見た所…君も吸血鬼のようだが?」

 

 

フラン「門番?あ、めーりんの事か!ううん、お嬢様はフランの事じゃないよ。皆がお嬢様って呼ぶのはフランのお姉様の事だよ!」

 

 

譲信「ほう…姉がいるのか。そしてその姉がお嬢様…成る程。つまり君も吸血鬼である事には変わりなしと…」

 

 

譲信は考えていた。

もしやその姉が妹のフランを自分達侵入者に襲われる事を心配して、わざわざこんな地下の鍵の掛かった部屋へ閉じ込めていたのではないか…と。

しかし、それには幾つか腑に落ちない点も多い。

まずは、異常な程に鍵を掛けた理由について。

そして、何故こんな不気味な部屋に従者の一人も付けずにたったの一人だけにしたのか…。

何より、何故このフランと名乗る幼女はこうも不気味なのか…と。

 

 

譲信「しかし、どうしてこんな不気味な部屋にたったの一人でいるのだ?フランよ…君の姉が君をここへやっているのかね?」

 

 

譲信がそう尋ねると、フランの様子が僅かに変化した。

さらに、異様な雰囲気が立ち込める。

 

 

フラン「そうだよ。お姉様がフランをずっと…ここへ閉じ込めているの…500年もの間ずっとね…」

 

 

譲信「500年…!?何故だ?」

 

 

フラン「フランはね、なんでもかんでも壊しちゃう力を持ってるの。だからお姉様や皆はフランの事を恐れて、外へ出さないようにずっとここへ閉じ込めてるの。でも毎日食事は出して貰えるし、たまにだけど“玩具”も持ってきてくれるんだよ!」

 

 

玩具…その単語が出て来た瞬間、何故か譲信の背筋に冷たい感覚が走った。

よく分からないが結構ヤバイ。

そう判断した譲信はすぐに引き返そうとするが、その時何故かドアが独りでにバタン…!!と閉まってしまった。

 

 

譲信「…………ッ!!(オイオイ…これは死亡フラグぽくねぇ~かぁ~?)」

 

 

フラン「フフフ…お兄さんはフランの新しい玩具なんでしょ?今までの玩具は壊れやすくてすぐ駄目になっちゃってたけど……お兄さんは丈夫そうだからダイジョウブだよね!?」

 

 

譲信は慌てて再び、フランの方へと振り向く。

フランはついさっきまでと比べて完全に凶変していた。

 

 

譲信「何の話だ…?理解できるように…」

 

 

フラン「アハハハ♪簡単ニハコワレナイデネ!?」

 

 

譲信が言い終わる前に、フランは物凄いスピードで飛びかかってきた。

しかし、美鈴戦ですっかり速い動きには慣れていた譲信は難なくその突進を躱す。

 

 

ドゴォン!!

 

 

フランはそのまま壁へと突っ込んでいった。

 

 

譲信「チィ…いくらこの体でも…当たっていたら少々重そうだな…全く、いきなり何をしてくれるのだ…!!」

 

 

フラン「アハハハハハハ!!ヤッパリ避ケタ!!コレナラマダマダ楽シメルヨネ!?」

 

 

フランはすぐに壁から出て来た。

頭から壁に突っ込んだというのに全くのケロッとした状態だった。

 

 

譲信「ハッ!…中華女の次はロリ吸血鬼の子守でも俺にしろと言う訳か…!!こっちはさっさと霊夢らの手助けに行かねばならんというのに…面倒事ばかり起こりおって……!!WRYYYYYYYYYYY!!」

 

 

フラン「アハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」

 

 

譲信の拳と、フランの拳がぶつかり合った。

 

 

ドゴォォッ!!

 

 

譲信「何ィィ!?パワーが互角だとッ!?」

 

 

フラン「アハハハ!!今ノデ潰レナカッタ玩具ハ初メテダヨ!?モットモットフランヲ楽シマセテネ!!」

 

 

譲信「ぬぅぅッ!!」

 

 

信じられないことに譲信とフランのパワーは互角だった。

そして、スピードも互角。

譲信は素早く次の一撃を繰り出すも、フランも同時に次の一撃を繰り出し、また拳同士がぶつかり合う。

そして、気化冷凍法でフランを凍結させる暇の無いくらいの速度のラッシュの打ち合いなった。

 

 

譲信「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァァッ!!WRYYYYYYY!!」

 

 

フラン「アハハハハハハ!!モット♪モットダヨ!!」

 

 

しかしこれではいつまで経っても勝負は付かない。

譲信は近くにあった木片をフランに向かって蹴り飛ばすと、素早くフランから距離を取った。

 

 

フラン「モウ辞メチャウノ!?ツマンナイヨ!!」

 

 

譲信「やかましいッ!!こっちは貴様と違って暇じゃあ無いのだ!!なるべく速く、このJOJOは楽をして決着を付けたいと言うのが分からんのかぁッ!!」

 

 

譲信は遠距離戦闘に切り替えた。

近くに落ちてる物や砕いた壁の欠片、とにかくそこらにある物を手当たり次第手に取っては、全力でフランに向かって投げつける。

 

しかし、そんな物は当然フランには何のダメージにもならない。

適当に腕で弾かれるだけでこれでは勝負が付かない。

 

 

譲信「チィ……しかし…ここまで移動できれば問題ない…!!」

 

 

フラン「何言ッテルノ!?早クコッチニキテ遊ボウヨ!?」

 

 

譲信「普通に断るッ!!

 

 

譲信は扉の近くまで移動しており、言い終わると同時に扉を蹴破った。

そしてそのまま、部屋の外へと全速力で逃げ出す。

 

 

譲信「フハハハ!!間抜けがぁ~ッ!!これがジョセフの血を吸うための我が逃走経路だッ!!フランッ!!お前はこのJOJOとの知恵比べに負けたのだぁぁーッ!!」

 

 

フラン「キャハハハハハハ!!次ハ鬼ゴッコナンダネ!?絶対ニ逃ガサナイヨ!!」

 

 

逃げる譲信をまたフランも、全速力で追いかける。

しかし、地の利は当然フランにあるわけで、元々迷子になっている譲信には逃げ切る事の出来る可能性は限りなく低い。

だが、譲信の目的は逃げ切る事では無かった。

 

 

譲信(ケッ!!ハナからお嬢ちゃん…お前から逃げ切れるなんざ思っちゃあいねーよ!!それにこの空条譲信…売られた喧嘩は絶対に買うスタイルなんでな…しかし、あの部屋でやり合うにはフィールドが狭すぎる…だからある程度開けた場所に出るまでは鬼ごっこに付き合って貰うぜッ!!)

 

 

フラン「何処マデ逃ゲラレルカナ!?アハハ!!何処ニ行ッテモ無駄ダヨ!!」

 

 

譲信「少しは落ち着いたらどうかね?マドモアゼル…安心しろよ…貴様の望み通り、この空条譲信が直々に貴様を再起不能にまで叩きのめしてやるのだからなぁ~ッ!!」

 

 

 

 

やがて、譲信はある程度開けた通路にまで出てくることが出来た。

広さにしては一暴れするのに申し分ない。

譲信はここを決闘の場に決めた。

そして、後からすぐにフランも追いついた。

 

 

フラン「モウ諦メチャッタノ!?ジャアソロソロ遊ボ!!」

 

 

譲信「あぁそうだな。しかし、楽しむのはこの空条譲信一人だけで充分だ!!貴様は精々、ハナの垂れたクソガキ共に蹴られるサッカーボールの気持ちでも味わうんだなッ!!」

 

 

譲信はフランに向かって、駆け出す。

 

 

フラン「ソレハモウフラン飽キチャッタ!!ダカラ今度ハ、コレデ遊ボウヨ!!」

 

 

譲信「………ん?」

 

 

フランが何かを仕掛けようとしている事を勘付いた譲信は、警戒してその場にピタリ…と立ち止まってしまった。

 

 

フラン「禁忌“クランベリートラップ”!!

 

 

譲信(んんんん!?)

 

 

フランが唱えると、突如広場の両脇に魔法陣が現れた。

そして、そこから無数の弾幕が放たれ、それらは譲信に向かって襲いかかる。

 

 

譲信「ほう……(げええええええええええー!?なんじゃこりゃあぁぁぁ!?ふっざけんなよぉ!!)…面白い…」

 

 

とにかく、躱すしかない。

譲信は、吸血鬼の胴体視力を駆使してひたすら回避しまくる。

中々に面倒だが、躱せないほど難しい作業では無かった。

 

 

譲信「フン!弾の数こそ中々だが、まだまだ隙だらけだ…これなら汗を掻くことも無いな」

 

 

フラン「ソウナノ?ジャア次ノイクヨ!!禁忌“レーヴァティン”!!

 

 

すると、今度はフランの片手に炎で出来た剣のような物が現れた。

かなりの温度を持ってるらしく、剣先と接している地面がチリチリと焦げている。

 

 

フラン「アハハハ!!マダ壊レナイヨネ!?」

 

 

そしてフランはその剣で譲信を切り裂かんと、譲信に向かって突っ込んでくる。

 

 

譲信「どいつもこいつも人に向かって弾を投げつけおって…!!おい!!貴様ばかり調子に乗って技を使ってるんじゃあないぞッ!!」

 

 

まともに喰らえば譲信の吸血鬼の体といえど、再生が困難になるほどのダメージとなるだろう。

しかし、譲信は迷わずにフランに向かって迫っていく。

 

 

譲信「マジシャンズ・レッド!!シルバー・チャリオッツ!!…チャリオッツの剣先にマジ赤の炎を纏う!!」

 

 

ギィィィィィィィン!!

 

 

フランのレーヴァティンと、譲信の操るチャリオッツの炎の剣が、ぶつかり合う音が響き渡る。

 

 

フラン「ナァニソレ?ソンナコトモデキルンダネ!!」

 

 

譲信「流石にそんな物とスタンド無しでもやり合えると思うほど、この俺は自惚れてはいない…!!」

 

 

チャリオッツとフランの剣の打ち合いが始まる。

何回もの激しい金属音が、不気味な地下空間に五月蝿く響き渡る。

 

 

フラン「アハハハ!!アハハハハハハ!!壊レチャエ!!壊レチャエ!!」

 

 

譲信「おいおい…屋敷暮らしの金持ちのお嬢さんなら…そんなに楽しそうに暴れるんじゃあない。お里が知れるとはこの事を言うのだッ間抜けが!!」

 

 

フラン「ドウシテソンナイジワル言ウノ!?」

 

 

譲信「それくらい貴様の少ない脳みそでじっくり考えてみろッ!!長生きするだけしか能の無いクソガキには無理難題かも知れんがなぁッ!!」

 

 

フラン「酷イ…酷イヨ!!ソンナコト言ウ奴ナンカ…壊レチャエ!!ミンナミンナ、オ姉様モ壊レチャエバ良インダ!!」

 

 

半ギレ状態の譲信の意地の悪い煽りを受けて、突如狂気さが増したフラン。

重みの増したレーヴァティンの一振りに、チャリオッツと譲信は軽く後方へ吹っ飛ぶ。

 

 

譲信「ぬぅぅぅ!?コイツ…いきなり強くなったぞ!?チィ…チャリオッツのパワーでは限界という訳かッ!!」

 

 

チャリオッツの剣先をよく見ると、僅かに曲がっており凄まじい力が加わっていた事がよく分かる。

ちょっとヤバイな…と譲信は少し焦り始めていた。

 

 

フラン「モウ壊レチャエ!!禁忌“フォーオブアカインド”!!

 

 

譲信「…………ッ!?」

 

 

瞬間、譲信はさらに焦ることになった。

何と、フランが4人に分身したのだ。

1:1でもかなりキツいと言うのに1:4になってしまっては相当ヤバイ。

しかし、フランはそんな譲信の事など元からお構いなしだった。

 

 

フラン1「アハハ!!アナタガ悪インダヨ?」

 

 

フラン2「フランノコトヲイジメルカラ!!」

 

 

フラン3「ダカラ壊レテ!!」

 

 

フラン4「居ナクナッチャエ!!」

 

 

フラン達「アハハハハハハハハハ!!!」

 

 

譲信「……ヤバイぞコレ…」

 

 

フラン達は、譲信に向かって攻撃を仕掛けていく。

譲信には策を考える暇など与えられはしなかった。

 

 

フラン1「禁忌“レーヴァティン”!!

 

 

フラン2「禁忌“カゴメカゴメ”!!

 

 

フラン3「禁忌“クランベリートラップ”!!

 

 

フラン4「禁弾“カタディオプトリック”!!

 

 

フラン達は一斉に別々に技を発動する。

譲信を取り囲んで、完全に袋叩きにするつもりだ。

 

 

譲信「フン!…こんな小細工…世界(ザ・ワールド)の前では無力…ッ!?」

 

 

フラン1「ナニモサセナイヨ!?アハハハ!!」

 

 

譲信「ちょ!?タンマタンマ!!」

 

 

時を止めようとした譲信だったが、レーヴァティンを振り回す一人のフランに接近され、止めている暇が無かった。

チャリオッツとマジ赤を発現させたままの状態だったので、世界(ザ・ワールド)を発動させるには、一旦スタンドを引っ込めなくてはならない。

しかしそれをしてしまっては、確実にフランのレーヴァティンの一撃を受けることになる。

それだけは避けなくてはならなかった。

 

 

ドドドドドドォ!!

 

 

譲信「ぬぅぐぅぅぅ!?」

 

 

目の前のフランに意識を取られすぎたせいで、譲信は数十発もの被弾をしてしまう。

 

 

ジュァァッ!!

 

 

そしてさらにフランのレーヴァティンに左腕を切り飛ばされてしまった。

 

 

譲信「ぐっ…!!」

 

 

フラン1「アハハハ!!イイ顔スルネ!!モットシテアゲルネ!!」

 

 

フラン2、3「コッチノフラン達モ忘レチャ駄目ダヨ!!」

 

 

バギィ!!

 

 

譲信「がっは………ッ!!」

 

 

そして背後から強烈な二人のフランの打撃をまともに受けてしまう譲信。

数本の骨が一度に砕ける嫌な感触があった。

 

 

譲信「ゼェー…ゼェー…ゴフッ…舐めるなよ………数の暴力にこの俺がッ…空条譲信がくたばると思うなよクソカス共がぁぁーッWRYYYYYYYYYYYY!!

 

 

倒れそうになった体を譲信は片足で無理矢理支える。

意地でもここでやられるつもりなど譲信には無かった。

 

 

フラン1「アハハハ!!ナニソレ!?モウ壊レチャッテモイインダヨ!!」

 

 

フラン1はレーヴァティンを譲信の腹に突き刺す。

しかし!譲信はそのままレーヴァティンをさらに腹に食い込ませることで、一気にフラン1との距離を詰めた。

 

 

フラン1「アッ……ガ!?」

 

 

そしてフラン1の口を無理矢理手で開け、顎の骨を砕く。

 

 

ボキッ!!

 

 

フラン1「ァァァァァァァ!!イガァイィヨ!!」

 

 

譲信「ゴッハ……ガフッ…ゼェー…まずはゼェー…貴様からだ!!空裂眼刺驚(スペースリパー・スティンギーアイズ)!!

 

 

譲信の両目から発射された光線は、フランの口内へと放たれそしてそのまま、脳天を貫通して突き破る。

 

 

譲信「グッフ……後3…!!」

 

 

フラン2「ガッ!?」

 

 

続けてすぐに、譲信は腹部に刺さっていたレーヴァティンの柄の部分を全力で叩き、そのまま自身の後方へとレーヴァティンを吹き飛ばし、フラン2の脳天を貫かせた。

そしてフラン2を天井へと蹴り上げ、レーヴァティンごと上へと突き刺した。

 

 

譲信「あと2ィ……!!星の白金(スタープラチナ)!!

 

 

フラン3「ッ!?」

 

 

フラン3は咄嗟に頭をガードした。

しかし、スタープラチナのパワーの前にそれは意味を成さない。

譲信は遠慮の無い一撃で、ガードの上からフランの頭をスタープラチナのパンチで粉々に砕き割った。

 

 

フラン「アハハ!!倒シチャッタノ!?頑張ルンダネ!!」

 

 

譲信「ハァ…ハァ…残るは本体…か…!!(いやだ~…もう…身体中のあちこちが痛いんだけどぉー?…てか、腕一本ねーし!!な~にが『遊ぼ!』だよこの大バカタレがッ!!)」

 

 

譲信は最後に残ったフランを睨んだ。

 

 

譲信「……………ぁぁ?」

 

 

譲信がフランを睨んだ時、既にフランは何故か譲信に向けて手を開いていた。

手のひらをこちらに向けて今度は何を仕掛けていくるつもりなのか…と、譲信は身構えた。

 

 

フラン「モウ飽キチャッタ。コレ以上ヤッテモツマンナイカラ…壊レロ!!キュットシテー…」

 

 

譲信「……ッ!!」

 

 

何かとんでもない事が起こる、と感覚で分かった譲信は残った片腕でガードの体制をとった。

 

 

フラン「ドカ~ン!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブチャアッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………フランが何かを握りつぶしたその瞬間、譲信の体は粉々の肉片になって飛び散った。

あたり一面、譲信の肉塊と血の海で真っ赤に染まる。

それはまるで、床に大きな赤いバラが咲いたようであった。

 

 

譲信(バ………カ………な…………俺は…………………死………………ぬ……のか……ここ……で………?……)

 

 

フラン「アハハハハハハハハハハハハ!!!」

 

 

フランの狂気に満ちた笑い声が地下に響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢

 

 

 

 

 

 

パリン…………!!

 

 

つい先日、買ったばかりだった皿が突然割れてしまった。

幽香は忌々しそうに、割れた皿の片付けを始める。

 

 

幽香「まだ買ったばかりなのに割れるなんて…ナマクラでも掴まされたのかしら……?あの店主…今度あったらただじゃおかないわよ……」

 

 

割れた皿の破片を集めていた幽香はふと、何かに気付いた。

 

 

幽香「そういえばこのお皿の模様…あの子供…そう、確か譲信がやけに気に入ってたわね…」

 

 

繊細に美しく描かれた赤いバラの模様。

あの日の朝食の時に、譲信がこの皿を気に入って譲ってくれないか…と交渉を持ちかけてきた事があった。

当然、幽香はそれを断った。

そんな一部始終を幽香は思い出していた。

 

 

幽香「………………。」

 

 

その時、何故か幽香の中で嫌な予感がした。

そもそも、幽香が購入している店の皿は丈夫で長持ちする事で人気がある皿なのだ。

そんな皿が、購入して僅か1年もしてない内に突然割れるなんておかしい事なのだ。

 

 

幽香「胸騒ぎがするわね……まさか譲信…あの子……今回の異変に関わっているんじゃないでしょうね…!!」

 

 

寄りにもよって譲信が気に入っていた皿…それが割れるなんて不吉その物。

何か譲信に良からぬ事でも起こっているのではないか…と、幽香はついついそう考えてしまっていた。

 

 

幽香「………どうしてこの私が、わざわざあの子を心配しなくちゃいけないのよ…あんなヘンテコで…好き勝手やって…その場のノリだけで生きてるような…お子ちゃまなのに…バカらしくなってきたわ…」

 

 

幽香はため息をつくと、割れた皿の破片を袋に一纏めにして部屋の隅に置く。

そして、飲みかけだった紅茶を人啜りした。

 

 

幽香(尤も、あの子なら例え何があっても…そう簡単にはくたばらないでしょうね。なんなら…殺しても死なないような気がするわ…それくらい何か力に溢れた瞳をしていたもの…)

 

 

好きな物を熱弁する時、強敵である自分と戦った時、笑った時、常に譲信はパワフルだった。

あそこまで生を謳歌してるような人間には、中々お目にはかかれない。

そして、そういう人間ほどしぶとく生き残るのだと幽香は長い人生の中でそれを知っていたのだ。

 

それよりも今度会った時、起業の祝いに役に立つ品でも何か渡してやろうか…と幽香は考えることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フラン「アハハハハハハ!!!」

 

 

譲信(…………ヤベェな…意識があるのは…頭の約四分の一程度じゃあねぇか………しかも……数秒もすれば意識が飛んじまいそうだぜ……)

 

 

譲信は片目と頭の四分の一くらいの塊になってもまだ、かろうじて意識を保っていた。

吸血鬼化してるなら、生首だけになっても生存していることが可能なくらいに生命力は高くなるので、ある程度は生き長らえることは出来る。

しかし、それでも流石に今の状態にまでなると、もはや数秒の命だった。

 

 

譲信(何か…考えろ…ッ!!何か…何か……ッ!!)

 

 

その時、譲信は視界の先に落ちている自身の切り飛ばされた左腕を見つけた。

距離にして10mちょっと。

そしてその左腕には、腕時計がしっかりと巻かれていた。

 

譲信は考えていた。

なんとかして、あそこにある時計のつまみを逆回転させる事が出来たなら…時を巻き戻す事ができるのでは無いか…と。

しかし、今の譲信には手足どころか、喋る事も聞くことも出来ない、肉の塊だ。

精々、見ることと考えることしか出来ない。

 

 

譲信(マ…マズイ……いよいよ…意識が……ッ!!)

 

 

そうしてる内にとうとう、意識の限界にまで譲信は来てしまっていた。

眼から自然と血が流れ出てくる。

 

 

譲信(く…くそ………眼から…血が………………血?…………液体……………ッ!!そうか……!!その手があったか………!!…確かにこの方法なら…つまみを回す分くらいの力は出せる!!あの位置に腕があるのは本当に奇跡だ…しかし…この距離だと…結構、博打になっちまうな……)

 

 

譲信は一瞬だけ迷った。

しかし他に方法もなく、ほっとけばどうせ死ぬ身だ。

それなら博打でも何でも試すには充分だった。

覚悟を決めた譲信は、ゆっくりとその瞳を開いた。

 

 

譲信(最後の一撃になるか…逆転の一撃になるか……そいつは運命の女神様次第ってやつだぜ……やってやるよ……運命の女神様くらい…俺の女にしてやるよ!!この空条譲信ならそれは……出来るッ!!……いくぜ………空裂眼刺驚(スペースリパー・スティンギーアイズ)…!!

 

 

ドギューーン!!

 

 

譲信の眼から最後の絞り出すような、体液の光線が発射された。

 

 

譲信(あ……た……れぇ!!!!)

 

 

 

ガキィィーーン!!

 

 

 

フラン「アハハハハハハ!!」

 

 

………ところが、その一撃はフランに弾かれて大きく外れてしまった。

光線はつまみに当たる事はなく、弾き飛ばされ天井にヒビを入れただけだった。

 

 

フラン「アハハハ!!何モサセテアゲナイヨ!?デモヨク生キテキタヨネ!?コンナニナッテモ生キテタ玩具ナンテ始メテダヨ!!デモフランネ、シツコイノモ好キジャナイノ!!…ダカラ……今度コソ壊レチャエ!!」

 

 

狂気に満ちた笑みを浮かべながら、フランは手のひらを肉塊となった譲信に向けた。

もう既に、譲信にはもう一発光線を放つ力は残されていなかった。

…もう何もする事なんて出来なかった。

………………だが、それで良かったのだ。

 

 

譲信(………依然問題無し……やれやれ…間に合ったな…)

 

 

天井に空いたヒビは、さっき譲信がフラン2を蹴り上げた時に同時に天井に突き刺していたレーヴァティンが刺さっていた箇所に隙間を開けた。

 

隙間が開いて固定が緩んだそのレーヴァティンはゆっくりと落下していく。

そして、そのレーヴァティンの先端が腕時計のつまみを擦り、逆回転させたのだッ!!

 

 

譲信(…本当にあの位置に左腕が落ちてたのは…幸運だったぜ…!!やれやれ…マンダム!!時は10秒キッチリ…巻き戻される…!!)

 

 

 

 

 

ドォーーーーーーーーーン!!

 

 

 

 

……………………

 

 

 

 

 

……………………

 

 

 

 

 

 

……………………

 

 

 

 

 

 

フラン「アレ!?何ガ起コッタノ!?アレ!?アレ!?」

 

 

気が付けば、フランは先程立っていた場所とは全く違う位置に立っていた。

そして、あたり一面に立ちこめていた譲信の血の臭いは、すっかりと消えていた。

 

 

そして状況が読み込めず混乱しているフランに、背後から声が掛かった…。

 

 

 

譲信「運試し…に勝ったのは俺の方だったな…。お前が俺の行動に気付いてくれるという方に賭けたお陰で…無事にこの通り、時を巻き戻せた…間抜けが……お前は知恵比べの次に、運勝負でもこのJOJOに負けたのだ…!!」

 

 

譲信はニヤリと笑いながら、拾った左腕を元通りにくっつけ、フランに近寄っていく。

 

 

フラン「オカシイナ~?確カニ壊シタノニ……ジャア…モウイチド壊レチャエ!!」

 

 

フランは、レーヴァティンを発現させると譲信に向かって迫っていく。

対する譲信も、臆することなく迫るフランに向かって迫っていく。

 

 

譲信「大間抜けがぁッ!!二度もこの空条譲信が油断してやるとは思うなよッ!!その気になった空条譲信の恐ろしさを…真の闘争とやらを見せてやるッ!!」

 

 

 

 

狂気の吸血鬼 VS 不死身の吸血鬼

 

誰にも知られることの無い二人だけの死闘。

その第2ラウンドが今…始まった……!!

 

 

TO BE CONTINUE………

 

 




スタンドパラメータ(譲信使用時)

キラークイーン(バイツァダスト含)

能力 ①触れた物何でも爆弾に変える
   ②温度の高い物から標的にしていく自動追尾型の
    爆弾戦車を放つ。(最大射出可能数6)
   ③譲信がどうしようもなく絶望した時、人に取り憑かせて発動。譲信の正体を知った者を爆殺して時を一時間巻き戻し、更には能力を解除しない限り、何もしなくても一度爆殺された者はその運命からは逃れられない。

パワー A (B)
スピード B (B)
成長性 A (A)
精密動作B (B)
持続力 A (A)
射程距離 E (A)

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