ノリの良いスタンド使いの奇妙な幻想入り   作:仁堂六華

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GREAT DAYS編もいよいよ終盤です!


26人里バトルロワイヤル…その⑥グレートな漢比べ

紫が西側で飛山と戦闘を行っている時、譲信は東側にて矢を捜索していた。

 

 

ドォーーーーーーン!!

 

 

譲信「THE WORLD(ザ・ワールド)!!俺だけの時間だ!!」

 

 

五秒前。

譲信は“THE WORLD”の能力を使い、時たま五秒間だけ時間を止め移動していた。

これは万が一、行き先に敵が潜伏していた場合や敵の奇襲を警戒しての行動である。

 

“THE WORLD”は“世界”と違い、5秒間だけしか時を止められないがその分、再発動までの時間がとても短い。

クールタイムはおよそ3秒。

3秒の間を空ければいくらでも時は止められるのだ。

 

ちなみにスタープラチナ・ザ・ワールドは停止時間は5秒が限界でクールタイムも同じく5秒。

 

“世界”は現在停止時間17秒まで実は成長しており、クールタイムは7秒。

ただし“世界”は特殊で、クールタイムは5秒にも縮める事が出来るが、それを繰り返すと1秒ずつ停止時間が短くなる為、やはり7秒が限界という訳だ。

 

 

譲信「さて…今晩は宴会があるからなぁ。酒やらご馳走やらたっぷり堪能してぇし、さっさと矢を見つけてズラかりたい所だが……」

 

 

譲信は部屋の中にあった木箱を開けてみる。

だが残念ながらそう簡単に矢は見つからない。

中に入っていたのは何かのシリーズ物の書物数冊だった。

 

 

譲信「チッ…ま、そうだよな。……時は動きだす

 

 

そこで丁度5秒が経過し、止まっていた時は動き出した。

 

 

譲信「いきなり見つかるようなら、わざわざ俺が来る事は無いんだ。やれやれだぜ…こりゃ骨が折れそうだ」

 

 

そして譲信は隣の部屋へと繋がっている襖を開け、隣の部屋へと移動する。

今度の部屋は何かの鎧や刀や日本人形などが置いてある部屋だった。

少し奥を見ると、金ピカの巨大な観音像まで置いてあり譲信は苦笑いする。

 

 

譲信「いや観音像て……趣味悪すぎだろ!インテリアでこんなの買う奴ぁただの馬鹿じゃあないか」

 

 

特に箱やら押し入れやらは見当たらない部屋だったので、譲信はまた別の襖を開け、隣の部屋へと移動する。

 

 

譲信「………これまた何も無ぇな…」

 

 

しかし、譲信が目にしたのは何も置かれてないただ広いだけの空間だった。

 

 

譲信「この家の主は部屋を持て余してんのか~?だったらここまで広くする必要も無かったろうに…。やれやれ…金持ちはどいつもこいつも無駄が好きだなぁ~」

 

 

呆れたように文句をぶつくさと言いながら譲信は部屋を徘徊する。

念の為、隠し部屋みたいな物でも無いか確認する為だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、その時譲信の背後の襖が開き何者かが室内に入ってきた。

 

 

???「決して無駄が好きなんじゃあない。単に先代の時は大所帯だっただけのことだ」

 

 

譲信「……あン?」

 

 

突然入ってきた刈り上げの男は、譲信の呟いた文句に対して返答を返した。

家の中に見知らぬ者がいる事に関しては、特に何も感じてないようなそんな態度だった。

 

 

譲信「へぇ……そうかい。そりゃあ決めつけたこと言って悪かったなぁ。……んで?テメーは何モンだ?」

 

 

???「この家の主だよ。と、言ってもこの家の主は俺と姉上の二人になるんだがな」

 

 

譲信「………出やがったか」

 

 

六道「俺の名前は“美山六道(みやまろくどう)”だ。…まぁそう言うことでヨロシク。……ま、そんなことは置いておいて……。お前の目的は“矢”だろ?お前…何て名前なんだ?」

 

 

六道は襖を閉めると、譲信の元までゆっくりと歩いて近付いてくる。

 

 

譲信「俺ァ空条譲信て言うモンだ。テメーの言うとおり、矢を探しに不法侵入させて貰ったモンよ。さて、それが分かってんなら話は早え~な。矢を渡してくれねーか?」

 

 

譲信はよこせと言うように、手を前に出した。

そこで、六道はその場で立ち止まる。

 

 

六道「ん。駄目に決まってるだろ?悪いことは言わん…死にたくないなら帰ってくれ。まだ姉上に見つかってない内にだけ選べる選択肢だぞ?後悔を残さない方を選んでくれ」   

 

 

譲信「ちゃんと選んでるから俺ァ逃げずにテメーと呑気に駄弁ってるんだろーがよ…。悪いな、帰れと言われて帰れるほど俺は身軽じゃあないんだぜ。……俺だって本心は帰りてーよ?でもそうはいかねぇ~んだわ」

 

 

譲信は全く困ったという表情を浮かべて、後ろ頭を軽くかいた。

 

 

六道「……そりゃあご愁傷様ってやつだな。さぞ災難だろう…心中お察しするよ。……が、同情はするが俺のする事が変わることは無い。俺の警告を無視したお前には………悪いが今から死んで貰う。恨むなら俺以外を好きなだけ恨んでくれ」

 

 

六道が指を『パチン!』と鳴らすと、部屋の左、右、後方の襖が開き、そこから一人ずつ屋敷の人間が現れる。

 

 

譲信「……!」

 

 

いずれも目が常人のそれとは異なり、何かしらの覇気が感じられ、只者ではないことが譲信には感じ取れた。

そして計4人に囲まれた譲信は、身動きが取るに取れない。

 

 

譲信「……こりゃあ酷いな。4:1じゃあねぇかよ」

 

 

六道「うちの使用人兼、戦闘員達だ。悪いが………侵入者は確実に仕留めさせて貰う」

 

 

ドッギュウゥゥゥーーン!!

 

 

瞬間に、譲信と六道と六道の部下3人は、ほぼ同じタイミングでスタンドを発現させ、戦闘態勢に入った。

 

 

 

 

譲信「“スタープラチナ”!!

 

 

六道「“チューチュートレイン”!!

 

 

使用人A「“クリエイションパール”!!

 

 

使用人B「“7・デッドリーシンズ”!!

 

 

使用人C「“スターライトパレード”!!

 

 

 

 

 

六道「かかれッ!!」

 

 

使用人ABC「了解!!」

 

 

六道の命令で使用人達は一斉に譲信に向かって襲いかかる!!

 

 

譲信(やれやれ…!!こいつぁマズイぜ)

 

 

使用人A「これでもくらいやがれッ!!」

 

 

譲信「ッ!!」

 

 

一番最初に攻撃を仕掛けたのはAだった。

巨大なモーニングスターの刺鉄球を何処からか生み出すと、それを譲信に向けて投げつける。

 

譲信は迫る刺鉄球の前にスタープラチナを移動させ、スタープラチナの拳で対処を試みる。

 

 

スタプラ「オラオラオラ!!」

 

 

スタープラチナのパンチに刺鉄球は『バキィン!!』という音を立てて粉々に割れた。

だが、一息吐く間も譲信には与えられない。

 

 

使用人C「“流星弾”!!

 

 

次にCのスタンドの手のひらから幾つもの星礫が発射され、それが譲信に迫っていた。

 

 

譲信「アァ?エメスプと似たような事しやがるな!!」

 

 

スタプラ「オラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!」

 

 

だが、依然問題なく譲信はスタープラチナのラッシュでその攻撃を全て弾いた。

 

 

使用人C「な…!?弾きやがった!!こいつ…強いぞ!!」

 

 

使用人B「狼狽えるな!!連携を取れば問題ない!!」

 

 

譲信(まずはこいつらの能力の把握だな。それまでは守りに専念するぜ)

 

 

六道「A!B!お前達で潰しにかかれ!!」

 

 

使用人AB「は!!」

 

 

六道の指示により、AとBの二人が同時に譲信に攻撃を仕掛ける。

 

 

使用人A「ふんっ!!」

 

 

Aは“クリエイションパール”の能力を使い、手榴弾を生み出し譲信に投げ付けた。

その間にBは追撃の準備をする。

 

 

譲信「はぁ!?手榴弾!?……やれやれだぜ……“スタープラチナ・ザ・ワールド”!!

 

 

ドォーーーーーーン!!

 

 

手榴弾が爆発する直前に、譲信は時を止めた。

 

 

譲信「……はぁ。こんな能力を手に入れて改めて考えた結果…いつも思うんだ。時が止まっているのに5秒と数えるのは実に矛盾しているじゃあないかとな。…別にセリフをパクりたいとかそんなんじゃあねぇ…本心から、実に奇妙に思うよ………てことで、さぁ“5秒前”だぜ」

 

 

譲信は爆発寸前の手榴弾を手に取ると、それをCに向かって投げ付ける。

手榴弾はCの肌に一度触れてから、ピタリと空中に静止した。

 

 

譲信「敵の攻撃や自分のミスってのは時に、前向きに利用しなくっちゃあな。こーやって簡単な作業一つでアッという間にチェックメイトをかけられるんだからよ。…時が動き出すと、間違いなくテメーは死ぬが……罪悪感は少ししかねぇ。……だってやらなきゃあ俺が死ぬんだからなぁ………仕方ねぇっちゃあ仕方ねぇわけよ」

 

譲信「俺は何も分からねぇ。なんでスタンド能力を得たのか、なんで俺は期待されてんのか…一切分からねぇ。でもまぁ、持ってしまったモンは仕方が無い。これもまた試練だ。今克服すべきは“命を賭けて戦う覚悟”を決めることだ。……命を賭けられん奴に命を奪う資格はねぇ……時が動き出した時、それはもう止められん……。俺も覚悟を決めなくっちゃあな……」

 

 

譲信はスタープラチナを見る。

スタープラチナの瞳は気のせいか、譲信に向かって肯定し頷いているような……そんな感じがした。

 

 

譲信「ありがとうよ………時は動き出す…!!

 

 

時間は正常に動き出した。

全ての停止していた動きが再び、開始される。

 

 

使用人C「は!?…バ…バカなぁぁぁぁぁぁぁッ!?」

 

 

当然、Cの元へと投げ付けられた手榴弾も活動を始める……。

 

 

 

ドッグォォォーーーン!!

 

 

 

激しい爆発音と共に、Cは吹っ飛ばされ部屋も滅茶苦茶になった。

 

 

譲信「WRYYYYYYYYYY!!

 

 

そして追撃の準備をしていたBに向かってパンチを一発放ち、後方へと吹っ飛ばす。

 

 

使用人B「うぐぅぅぅ!?」

 

 

使用人A「B!!」

 

 

六道「今……何が起こった…!!」

 

 

AとBは一旦六道の元まで後退した。

 

 

使用人A「弟様!!今何が起こったか見えましたかッ!?」

 

 

六道「いいや……理解出来なかった。しかし、理解できないならこれから理解すれば良い。その為の俺の能力なのだからな」

 

 

六道はチューチュートレインの能力を発動させる。

 

 

譲信「!!」

 

 

そして譲信は驚きの光景を目にした。

なんと、六道のチューチュートレインが変形を始め、譲信のスタープラチナと同じ姿に変身したのだ。

そして、更に驚きは連続する…

 

 

 

六道「スタープラチナ・ザ・ワールド!!

 

 

譲信「!?」

 

 

ドォーーーーーーン!!

 

 

何と、譲信と同じように時を停止させたのだ。

停止能力を発動させていなかった譲信は、止まった時の認識は出来るが、動く事は叶わない……。

 

 

六道「これは………そうか成る程。“時を止めた”のか……」

 

 

譲信(や……野郎…!!マジかよ……コイツ……俺の能力を…“コピー”しやがった!!)

 

 

六道「ふぅむ。恐ろしい能力だな……。まともにやり合っては…対抗する術は無かったろう……。本当に運が良かったと言うべきだな」

 

 

そして六道が譲信の能力を把握した所で、時は再び動き始めた。

 

 

六道「5秒……停止時間は5秒か。せいぜい一人仕留めるのが限界といった時間だな」

 

 

使用人A「奴の能力は分かりましたか!?」

 

 

六道「あぁ分かったぞ。奴の能力は“時を5秒程止める”という能力だ。だから迂闊には近付くなよ」

 

 

使用人B「時を止める!?そんな馬鹿げた能力が……了解です」

 

 

譲信「…チッ。こりゃあ厄介だな。俺もふんどしを締め直さなきゃあ…ってやつだぜ」

 

 

予想外の方法で能力を暴かれた譲信は気を引き締める。

本来であれば、気付かれる筈も無い能力。

しかし、今はその正体と停止時間が短いという欠点までバレてしまった。

もはや迂闊に使用する事は出来なくなったのだ。

 

 

譲信「だが…時を止めずともいくらでもやりようはあるんだぜ!?」

 

 

使用人B「受けて立とう!!」

 

 

スタープラチナを構え迫る譲信に、Bが立ちはだかった。

 

 

使用人B「“7・デッドリーシンズ”!!

 

 

譲信&スタプラ「オラァァァァァァ!!」

 

 

スタープラチナのパンチと、7・デッドリーシンズの細い腕のパンチがぶつかり合う。

そして

 

 

バッチュィィーーーン!!

 

 

譲信「ぬぅ!?」

 

 

スタープラチナのパンチは弾かれて、その反動が譲信の腕にも伝わってきた。

軽く痺れるような感覚が走る。

 

 

使用人B「7・デッドリーシンズの能力は“反撃”だ。物理、能力、そのどちらかを任意で相手にはじき返す事が出来る。そして、その威力は倍以上になる」

 

 

譲信「つまり…要は“カウンター”って訳か…!!テメーもまたメンドクセー野郎だなッ!!」

 

 

使用人A「近付きすぎるなよ!!時を止められて攻撃されたらカウンターもヘッタクレもないからな!!“クリエイションパール”!!

 

 

Aのスタンド“クリエイションパール”の手から創造された硝酸が譲信の頭上にまで広がる。

 

 

譲信「うぉぉッ!?」

 

 

間一髪、譲信の体に降り注ぐ前に、譲信は硝酸の雨を回避する事が出来た。

 

 

使用人A「俺の能力は“万物創造”!!0から1を生み出すことの出来る能力だ。限界はないぞ」

 

 

譲信「テメーのは何となく察しが付いてたぜ!!」

 

 

AとBは後退して譲信のスタープラチナの射程距離外へと移動した。

 

 

譲信(さて…どうすっかなぁ。六道って奴は動く気配が無いな……今はこの二人のアタッカーを何とか倒さねーといけね~訳だ…。まともに殴り合うにしても、奴らのスタンドのパワーがもし近距離パワー型だったとしたら怪我するかもだしな……ここは、トリッキーな戦法を使うか!!)

 

 

譲信の準備が整ったのと同時に、どうやらAとBも準備が整ったようで、再び攻撃に出る。

…そして、譲信はスタープラチナを引っ込めて別のスタンドを発現させた。

 

 

譲信「“ソフト&ウェット”!!

 

 

使用人A「別のが出てきた!?」

 

 

使用人B「大丈夫だ!!なんであろうと俺が全てをはじき返す!!」

 

 

六道(複数所持……か!?……コイツ俺達と少し違うぽいぞ…!!)

 

 

ソフト&ウェットから放たれた複数のしゃぼん玉がAとBにどんどん近付いてくる。

当然、AとBがそれに触れるというような失態は犯さない。

 

 

使用人A「遅いなぁ。躱すのに苦労はしないぞ!!」

 

 

使用人B「さぁ能力を見せてみろよ?これで終わりじゃあないのだろ?」

 

 

Bが先頭に立ち、譲信に攻撃を仕掛けようもスタンドの拳を振り下ろす。

その時、しゃぼん玉の一つが地面に触れてそして割れた。

 

 

譲信「気を付けろ?今、地面から摩擦を“奪った”」

 

 

使用人AB「ッ!?」

 

 

次の瞬間、AとBは思いっきし足を滑らせ盛大に転けた。

『ドシン!!』という音と共に、床をつるつる滑り二人は壁に激突する。

『ゴン…!!』という鈍い音がした。

『う…!?』という二人の呻き声が続けて聞こえる。

 

 

使用人A「うぬぁぁぁぁ!!クリエイションパール!!」

 

 

Aはクリエイションパールで生み出した幾つもの針をスタンドに投げさせて、部屋に漂う全てのしゃぼん玉を割った。

 

 

パパパパパァァァン!!

 

 

その隙に、譲信は二人の少し近くまで移動していた。

 

 

譲信「悪いが…もう俺はテメーらには手加減してねーぜ!!“メタリカ”!!

 

 

譲信はメタリカでトドメの能力を発動させる。

その瞬間

 

 

ブシャァァッ!!

 

 

使用人AB「うあぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 

二人の体中から大量のカミソリやはさみが飛び出し、大量の血が飛び散る。

一瞬の大量出血により、二人の意識はアッという間に途切れた…。

 

 

譲信「…はぁ…ラストはテメーだな。六道さんよ」

 

 

六道「………」

 

 

そして譲信はすぐさま、六道の方へ視線を向け、構える。

その間も六道はただ、使用人達が殺されていくサマを黙って観察していた。

 

 

譲信「……本当は殺りたく無かったぜ……。だが……もうそんな甘っちょろいことは言ってらんねー運命に巻き込まれたと…俺はそう考え、覚悟を決めた。悪いな…大事なお仲間を殺っちまってよ」

 

 

六道「そうか……だがな、別にお前を恨んではないさ。殺そうとしたなら、逆に殺されたって文句は言えまいよ。それにそいつらは戦闘経験なんて全く無かった…負けて当然…一々驚くほどのことでも無い」

 

 

譲信「…!仲間に対して言う台詞かよ…!?」

 

 

六道「仲間……?…違う。そいつらはただの使用人。プライベートで会話すらロクにしたこともないな。名前も忘れたし、年さえ分からん。俺がこの世で信頼するのは姉上だけだ…それ以外に仲間意識なんて無い」

 

 

譲信「そうかよ。まぁ別に…他人の事だからどうとでも良いことだが…まぁ…ちょっとだけ納得し難いだけだからな」

 

 

六道「勝手にしろ…それより駄弁る余裕なんてあるのか?」

 

 

譲信「ねぇな…!!」

 

 

言い終えると同時に譲信は六道に向かって突撃する。

譲信はスタープラチナを発現させ、六道を殴りつけようとした。

ところが

 

 

六道「“ソフト&ウェット”!!

 

 

何と六道のチューチュートレインが今度はソフト&ウェットに姿を変えた。

そして

 

 

ツルッ!!

 

 

譲信の足元の地面の摩擦が、急に消えて譲信は足を滑らせた。

 

 

譲信「な…何ィィィィィィィィィ!?」

 

 

そのまま譲信はツルツル滑って壁に激突した。

 

 

ドンッ!!

 

 

譲信「か……はっ…!?」

 

 

六道「俺の能力“チューチュートレイン”は、射程距離内で現在から5分以内前に誰かが取った行動を完璧にコピーする能力。敵の能力を理解できるし、対抗も出来る」

 

 

譲信「ッ!!」

 

 

次に譲信の体に異変が起きる。

右手の甲が破け、そこからカミソリの先端が顔を覗かせていた。

 

 

譲信「まさか“メタリカ”まで!?マズイ!!スタープラチナ・ザ・ワールド!!

 

 

ドォーーーーーーン!!

 

 

全身からカミソリが吹き出す前に譲信は時を止める。

そして這いずりながらも、何とかメタリカの射程距離外へと抜けることに成功した。

 

 

譲信「時は…動き出すッ!!」

 

 

そして時は再び刻み始める……。

 

 

六道「ム!逃げられたか…しかし時を止めたな?フン…これで俺の手札には再び、時止めが入ったな」

 

 

譲信「チッ…!!野郎……(下手に能力を使えば野郎の手数を増やすことになる……やり辛ぇったらありゃしねぇぜ…!!)」

 

 

譲信は、これから考えながら能力を使っていかなくてはならなくなった。

なるべく最小限の能力で、六道には挑まなくてはならない。

 

 

譲信(もしくは……野郎が認識出来ないように能力を使う………か、野郎がコピーしても意味ないような使い方をするか…)

 

 

六道「さぁどうした?掛かってこないのか?」

 

 

譲信「シャラップ!!今からそっち行ってぶちのめしてやんよ!!」

 

 

譲信は六道の挑発に敢えて乗り、スタープラチナを構えて走って向かっていく。

チマチマ駆け引きをやって長引かせては不利だと判断し、尚かつ良い名案も浮かばなかった譲信はゴリ押すことにした。

 

 

譲信&スタプラ「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァァァッ!!」

 

 

六道「バカめ!!俺の話を聞いていたのか?“チューチュートレイン・スタープラチナ”!!

 

 

六道&チタプラ「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァァァッ!!」

 

 

 

 

バゴォッバゴバゴガンガァン!!

 

 

 

 

スタープラチナ同士のラッシュのぶつかり合い。

全く同じパワーでのぶつかり合いに、凄まじい風圧が起こり、周りの襖を軽く吹き飛ばしてしまう。

 

 

六道「そんなんで決着が着くわけないだろう!?無駄な時間だけが過ぎていくじゃあないかッ!!」

 

 

譲信「あぁん?本当にそう思ってんのか!?」

 

 

六道「……何ッ!?」

 

 

ここで六道は気付いた。

譲信の目には何かの覚悟が宿っているように見え、何かを仕掛けてくるつもりだという事に……。

 

 

 

譲信「テメーの言うように、俺はこーいう所じゃあバカだからなッ!!ゴリ押すしか脳は無ぇッ!!しかしな!!それはテメーも覚悟を決めなきゃあなんねぇって事だぜ!?」

 

 

六道「覚悟……だと……?」

 

 

譲信「行くぜ…ここからは……漢比べだ!!

 

 

スタプラ「オラァァァァッ!!」

 

 

譲信のスタープラチナはラッシュの打ち合いを中断し、ガードを捨て、六道のスタープラチナの腹部に拳を叩き込んだ。

 

 

ボッゴォォン!!

 

 

六道「ぐぶぁぁぁぁッ!?」

 

 

そんな物をくらった六道は当然、激しく吐血するがチューチュートレインのコピー能力によりその場に固定されている為、吹っ飛ぶことは無い。

そして、チューチュートレイン・スタープラチナに攻撃がヒットしたという事は、その攻撃がコピーされると当然…。

 

 

ボッゴォォン!!

 

 

譲信のスタープラチナの腹部にも拳がめり込む…。

 

 

譲信「がっ………はぁ……!!!!」

 

 

譲信もまた激しく吐血する。

だが、後方へは決して気合で吹き飛ばない。

 

 

六道「がっ…ふ…!?ハァー……ハァー……お前まさか……どちらかがくたばるまで…!?」

 

 

譲信「ハァー……ハァー……ハァー……ゴボッ…!!効いたぜ…ペッ!!テメーの思ってる通り…いや少し違うな……。テメーがぶっ倒れるまで俺は拳を叩き込むぜッ!!」

 

 

六道の顔は瞬間青ざめる。

これから始まる戦いは、想像を絶する苦痛を伴う物と悟った。

 

 

六道「よ……よせ……!!」

 

 

だがもはや譲信は止まらない。

 

 

譲信&スタプラ「オラララオラオラオラァァッ!!」

 

 

チタプラ「オラララオラオラオラァァッ!!」

 

 

数十発ものラッシュが譲信と六道の互いの全身に叩き込まれる。

 

 

ボゴボゴボゴホゴボッシャァァ!!

 

 

骨と肉が潰れるような音が聞こえる。

 

 

譲信「ぐ………あぁぁぁぁぁぁッ!!」

 

 

六道「ぎゃぃあぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 

 

今まで味わったことの無い激痛が互いの全身に駆け巡り、どちらも意識が吹っ飛びそうになった。

 

 

譲信「グ…グレート…!!」

 

 

六道「や……やめ……ろ……」

 

 

だが、まだ二人は意識を保っている。

そして、スタンドも互いにまだ動かせていた…。

 

 

譲信「行く……ぞ……」

 

 

スタプラ「オラァァァァッ!!」

 

 

チタプラ「オラァァァァッ!!」

 

 

互いのスタープラチナの拳が交差し、双方の顔面に真横から強烈な一撃が叩き込まれる。

 

 

バキィィィィッ!!

 

 

顎の骨にヒビが入り、奥歯が砕け、目玉が飛び出るような衝撃が二人に同じように襲いかかった。

 

 

譲信「………ッ!!!!」

 

 

六道「………ッ!!!!」

 

 

まさかこんな破られ方でチューチュートレインを攻略されるとは……と、六道は痛みに耐えながら思う。

……こんなイカれた奴なんかと戦わなければ良かったと、六道の心はへし折られた。

 

弱りきった精神ではもはやスタンド能力を維持させることは出来ない。

六道のチューチュートレインの能力は解除された。

 

 

譲信「WRYYYYYYYYYYYYYY!!」

 

 

霞む六道の視界には自分に向かって直接拳を叩き込もうと、腕を振りかぶる譲信の姿が映った。

 

 

六道(成る程…本体が直接本体を殴りに来る分に関しては…コピー出来ないな……。すまない姉上…俺はここまでです…)

 

 

バキィィィィッ!!

 

 

譲信の拳が顔面に叩き込まれ、意識を失った六道は後ろへ吹っ飛んでピクリとも動かなくなった。

 

 

譲信「ハァー……ハァー……ハァー……ハァー……ハァー…………まだ2,3発耐えられていたら……俺がくたばってた所だった…やれやれだぜ……!!」

 

 

足元は互いの血で濡れて赤く染まっており、紅魔館の床みたいだなと譲信は思った。

そして、立っているのも限界に感じた譲信は体を休める為にそのまま床に、仰向けになって倒れた。

 

 

譲信「あぁー…!!しんど…。紫さんがこっち来るまで休憩だよ…全く!!」

 

 

???「私の弟をあんな風に倒すなんて…やるわね坊や」

 

 

仰向けになって譲信が瞳を開くと、会った事の無い女性が譲信の顔を覗き込んでいた。

そしてその女性は優しくほほ笑みながらも、どこか冷酷な冷たい瞳をしていた…。

 

 

譲信「……ッ!?」

 

 

驚いた譲信は慌てて起き上がろうとするが、思ったよりダメージが重く、素早く体を動かすことが出来なかった。

女性はそんな譲信の両目の中に、微笑みながら左右の指を突っ込む。

 

 

譲信「うぐぅぅぉぉぉぉぉ!?」

 

 

譲信は急いで女性の手を引き剥がそうとするが、まるで人間とは思えないような凄まじい力でびくともしない。

そうしている内に、女性の指は譲信の両眼球をしっかりと掴んだ。

……そして

 

 

 

メリメリメリメリ……

 

 

 

譲信の両眼球を引っ張り始め、嫌な音が鳴り始める。

『ブチブチ…』と筋肉が引き剥がされていく音が譲信の耳元で聞こえ、血が溢れてくるのが分かる。

そして、これまでに味わった事の無い地獄の苦痛に譲信は気が狂いそうになっていた。

 

 

譲信「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉらぁぁぁッ!!」

 

 

譲信はすぐにスタープラチナを発現させ、女性を殴り飛ばしてでも引き剥がそうとするが、時は既に遅かった。

 

 

ブチンッ!!

 

 

完全に両目をくり抜かれ、視界が真っ暗になった譲信はその痛みに思わず悲鳴を上げた…。

 

 

譲信「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!」

 

 

???「フフ…♡嬉しそうねぇ…」

 

 

余りの痛みに血の涙を流しながら、譲信は両目を抑えながらのたうち回る。

そんな譲信の苦痛に悶える姿を笑いながら見ている女性はまさに異常そのものだった。

 

 

譲信「ァァ………ッッぐ……………ゥゥゥ…!!」

 

 

そして譲信はその場にうずくまり、もはや声にならない呻き声を上げながら、痛みと恐怖に必死に耐えていた…。

 

 

???「早朝から人様の家に無断で忍び込むような…坊やみたいな非行少年には…お・し・お・きが必要ね♪」

 

 

譲信からくり抜いた眼球の一つを舌先でコロコロと転がしながら女性はそう言った。

譲信にはその光景は見えていなかったが、見えていたら間違いなく恐怖で体が硬直してしまっていただろう…。

 

 

紫「譲信!」

 

 

???「あらぁ……?」

 

 

譲信「!!」

 

 

その時、部屋の片隅にスキマが開きそこから譲信の悲鳴を聞いて駆けつけた紫が現れた。

 

 

紫「……ッ!」

 

 

地獄のような有様を見て、何が起こっているのか紫は一瞬で理解した。

 

 

???「これはこれは幻想郷の賢者様まで…。事前に言ってくださればおもてなしが出来たでしょうに…」

 

 

そして紫は女性の胸ポケットに、矢が仕舞われているのに気付いた。

…ということは、この女性がこの屋敷の姉方の主だと紫は推察する。

 

 

紫「……思ってたよりもマズイ事態ね…」

 

 

女性は矢を紫に見せびらかすようにして手に取った。

 

 

???「この矢が欲しいのでしょう…?でも残念ながら、これはお渡し出来ないのよ……それでも欲しいなら……私に殺されてから諦めてくださいまし?」

 

 

紫「随分と舐めた態度ね貴女……。別に無理してその矢は渡して貰う必要は無いのよ?…貴女を始末してから回収するだけですもの……」

 

 

女性から放たれる異様な殺気を感じた紫はすぐに戦闘態勢に入るが、内心は別のことを考えていた。

 

 

紫(何とかして譲信をここから逃がさないと……あの出血はマズイわね……数分以内に止血しないと……死ぬ…!!)

 

 

譲信「………………………ッ!!」

 

 

紫は譲信を守るようにして譲信の正面に立つ。

女性はただ、不気味な笑みを浮かべながら譲信からくり抜いた二つの眼球を握りつぶした………。

 

 

 

TO BE CONTINUE………

 

 

 

 

 




スタンドパラメータ

①チューチュートレイン

能力:射程距離内で起こったスタンドや能力によるどんな行動も5分以内であれば完璧にコピーする能力。

パワー C
スピード E
成長性 E
精密動作性E
持続力A
射程距離B


②7・デッドリーシンズ

能力:自身に向けられた有りと有らゆる物理攻撃や能力攻撃のどちらかを任意で、倍以上にして相手に弾き返すカウンター能力。

パワー A
スピード B
成長性 E
精密動作性 C
持続力 B
射程距離 E


③スターライトパレード

能力:まるで流星のような小型の星屑を手のひらから発射する能力。

パワー B
スピード C
成長性 B
精密動作性 B
持続力 B
射程距離 B

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