ヒント①20世紀少年
ヒント②体に被ると、すべてのどんな攻撃エネルギーでも地表に逃がしてやりすごす事ができる。
ヒント③第7部
↑《空条 譲信》
ここは…………。
どのくらい時間が経ったのだろうか。
気が付けば目は覚め、辺りはもう少しで完全に日が沈むだろうと思われるくらい、薄暗くなっていた。
紫「うっ……」
紫は起き上がろうとしたが、身体中に広がるあまりの痛みに、上手く体を動かす事が出来なかった。
腕や足が変な方向に曲がり、あちこちの骨は砕け、片方の目は見えなくなり、内蔵もいくつか破れているのかもしれない。
それでも辛うじて生きていられたのは、流石は大妖怪…並々ならぬ生命力の持ち主であった。
妖怪1「グルルルルルル…」
紫「………っ!!」
そんな虫の息となった自分を野良の妖怪が見下ろしていた。
紫(うご……けない………マズいわね………このままじゃコイツに食われてしまう……!)
急いで身を守ろうとしても、スタープラチナのラッシュをくらった体のダメージは凄まじく、紫はもはや指一本とて動かせなかった。
紫(こんな所で……大妖怪である私が…こんな低級妖怪に………!!)
紫はギリリ…と奥歯を噛み締める。
こんな屈辱的な最後を迎えることになろうとは…自分を喰らおうと口を開き、顔を寄せてくる妖怪を睨みつけていた。
このまま喰われるのか……そう思っていた。
ところが次の瞬間、その妖怪の顔は目の前で歪んだかと思うと、物凄い勢いで横に吹っ飛んでいった。
譲信「ちょいとでも囓れると思ったかぁ?マヌケがーッ!!貧弱ゥ貧弱ゥ…モンキーが人間に追いつけるかーッお前はこのJOJOにとっての…モンキーなんだよ野良妖怪がぁ~!!URYYYYYYYYYYY!!」
空条譲信!!
何と信じられないことにこの空条譲信は、自分の命を奪おうとした相手を守っていたのだ!!
譲信の操る“クレイジーダイヤモンド”の拳を妖怪はくらったのだ!!
何を考えれば命を奪おうとした相手を守ろうと思えるのか…譲信の行動の意味を理解できない紫は絞るように声を出す。
紫「な……ぜ?」
紫の声が耳に入った譲信は、紫の方を振り向く。
譲信「もう目が覚めたんスか?丸々一晩は覚悟してたんスけどね……いやー早く済んで良かったぜ~」
良かった良かった…と譲信は帽子を被り直しながら呟く。
紫「質問に…答えなさい……!何故私を……守っている……!?」
痛みに耐えながら、紫は口調を強くした。
譲信「何故守ってたか……だと?……ん~…そこんとこだがな、俺にも良く分かんねぇんだわ…」
紫「………は?」
譲信「マジで分かんねぇんだよ…まぁ強いて言うなら…だ。“何も死ぬこたぁねぇ”…ってやつだぜ!俺のせいで動けなくなってる所を狙われて死なれちゃあ、こっちも寝覚めが悪ィ訳だしな~」
紫「あなた………バカなのかしら……?」
譲信「WRYY!?そりゃヒデェよ!!……ま確かにバカだけども…ストレートに言うこたぁ無ぇでしょ!!」
譲信は少しだけ怒った顔つきになり、拗ねたように怒る。
そんな譲信の様子を見て、何だかバカらしくなってきたとばかりに、紫は思わずクスリと笑ってしまった。
紫「痛たた……」
そのせいで痛みに響き、紫は顔を歪める。
譲信「……痛ぇのは承知の上で悪ィんだがよぉ~ちょいと無理して俺の質問に答えてくれ………紫さん、今も俺を殺そうと思うかい……?」
紫「……………いいえ……負けた上に…借りまで作ってしまって今更殺すなんて……そんなことは出来ないわよ………」
譲信「そーかい、じゃ問題は無ぇな…クレイジーダイヤモンド!!」
譲信はクレイジーダイヤモンドで紫の額に手をかざす。
すると、みるみるうちに紫の傷は塞がり、ダメージも完全に消え、痛みも何処かへと消え去った。
紫「え……?これは…!あれだけの傷が一瞬で!?」
譲信「正直言って焦ったぜ…スタープラチナの加減がもう少しヘタクソだったら、確実に御陀仏だったもんなぁ~…俺のクレイジーダイヤモンドは生きてさえいればいくらでも治せるが、死なれちゃあどーしようも無ぇんだ」
譲信は結構焦っていたのだ。
感情の爆発で咄嗟にスタープラチナでラッシュを叩き込んでしまった為、死なれたんじゃあないかと不安を抱いていたのだった。
紫「………あなた…怒ってないの?」
譲信「怒る?何のことだ?」
そんな譲信に対し、紫はまだ拭えない疑問をぶつける。
紫「私は…あなたを殺そうとしたし、能力も勝手に改変したのよ?」
譲信「あぁー…」
譲信は、他人にも見えるようになった自分のスタンドをまじまじと眺めた。
譲信「まぁ動悸が動悸な訳だからな、正義に乗っ取ってやった行動だから仕方ねぇよ。それに、スタンドがスタンド使い以外にも見えたり干渉されたりすんのも、それはそれで面白ぇかもだしな。」
それに結局生きてる訳だ。
この譲信、結果さえ良ければ何でも良いというくらいに、お気楽な思考をしている。
何より、紫の方が自分よりずっと賢く、多くの物事を考え、そして思い物を背負っている。
絶対自分よりも立派だから…そんな理由もあったする。
紫「……あなたに対する考えを…改める必要があるわね……。良いでしょう…空条譲信!八雲 紫の名の元に、幻想郷は…あなたを受け入れますわ…」
譲信はイレギュラーな存在ではあるが、自分が考えていた程、害悪な存在では無い…と紫は考えを改めていた。
持ってる力こそ危険かもしれないが、それを正しく扱うだけの器でもある。
ならばたった1年くらいなら、受け入れても問題は無いだろうと、紫はそう判断を下した。
譲信「や…や…やったぁぁぁぁぁぁ!!マジ!?マジ!?しゃぁぁぁぁぁぁ!!これで1年安泰だぜぇぇ!!」
監禁でもされるかと覚悟していた譲信は思わぬ展開に、歓喜しガッツポーズを決めたり飛び跳ねたりしていた。
紫「それと…あなたに借りを作った手前…この幻想郷にいる間はいつでもあなたの力になりますわ」
譲信「おぉー!!それは心強い!じゃ、何かあったら遠慮無く言わせてもらうぜ!」
やはり、この空条譲信は幸運で守られている。
ピンチからチャンスを掴んでみせた!
譲信は無事にこのハードな状況を乗り越えることができたのだ。
譲信「うげぇ!?痛てて…はしゃぎすぎて傷が…!!」
その時譲信は脇腹を押さえて、少し前屈みになった。
紫「傷?私にしたみたいに、治せば良いんじゃなくて?」
譲信を見ると幾つかの出血が見られた為、早く治せば良いのに…と紫は意見を述べる。
しかし
譲信「そうしたいのは山々なんだがよぉ…俺のクレイジーダイヤモンドは…自分の傷は治せねーんだ…」
紫「…………!!」
そう…クレイジーダイヤモンドは自分の傷だけは治すことが出来ないのだ。
それがルール…スタンドは必ずしも万能では無いのだ。
譲信「ま、これぐらいの傷ならすぐ治るだろ。それよりも時間がそろそろヤベーから俺ァ行くぜ?」
日没までもう残り僅か、譲信は急いで幽香の家へ向かおうとする。
紫「待ちなさい」
譲信「?」
そんな譲信を紫は引き止める。
まだ何か用があるのだろうか?
だが紫は何も喋らずに、ただスキマを開いて何処かへと繋げようとしていた。
譲信「あのォー…紫さん?」
紫「出来たわ。“太陽の花畑”へと繋いでおいたから、ここを通ればあっという間よ。」
今からではいくら急いでも、太陽の花畑へ辿り着く前に日が暮れてしまう。
いくら譲信といえど、まだ幻想郷に慣れていない者では夜の森は危険だ。
自分のせいで時間を取らせた…という思いもあって紫は気を利かせて、スキマを開いたのだ。
譲信「そんなことも出来るんすか!?……凄ぇなぁ~…わざわざありがとうございますホント………でも俺、なんつーかこの目玉だらけの空間が…トラウマってぇ言うんすかね?あの落下しながら目玉に見つめられてるってぇ感覚がちと恐ろしくて…………抵抗あるなぁ…」
指先はスキマの中に入れたり出したりするが、それ以上は足を前に出すことが出来ず、譲信は躊躇っていた。
そんな譲信を見て紫は、やれやれ…とため息をついた。
紫「ハァ…譲信、ちょっとあそこにあるアレを御覧なさい」
譲信「んぇ?どれっス?」
紫が何処かへと指を指しているので、その方向をジーッと見つめる譲信。
見るだけじゃ分からないので、紫の視線と同じになる位置へと移動していく。
紫「そこじゃない…もう少し……そう!そこよ」
譲信「うぇ!?」
そして突如、背中をドン!と紫に押され譲信は前によろける。
驚いて後ろを向くと紫が妖しく微笑んでいた。
紫「一名様ご案内~♪」
譲信「え………うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
そのままの勢いで、譲信はスキマの中へと転がるようにして入っていく。
譲信「WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!」
まだ心の準備が出来ていなかった譲信は、悲鳴を上げながらスキマの中へと消えていった…
紫「ホホホホ…さて、それじゃ私も帰ろうかしらね」
最後に満足した紫は、別のスキマを開くとそこから何処かへと消えていった。
コンコンコンコン………
室内用の観葉植物を見ながら、お茶をすすり一息を吐いていた時、少しうるさめのノックが玄関から聞こえてきた。
うるさいわね…一体誰なのかしら?死にたいの?…と少し不快感を抱きながらも、「待ってなさい」と言ってから幽香は玄関に向かう。
ガチャリ…
譲信「あー…ども!!へへへ」
ドアを開けるとそこには昼間出会ったお気に入りの人間…空条 譲信が立っていた。
昼間と比べて服もボロボロ、体からも幾らか血を流していた。
幽香「あら譲信じゃないの!フフフフフ♪…すっかり素敵な姿になっちゃって…何があったのかしら?」
譲信「素敵ィ…?いや、まぁ色々あって……」
幽香「ふぅん………まぁ後で事情は聞くとして……そんな様子でここに来たって事はどうやら、帰れなかったみたいね?」
幽香は譲信を足元から頭の先まで、興味深げに眺める。
譲信「そっす……行く当てが無いんで迷惑じゃ無ければ、一晩だけで良いんで泊めて貰えないでしょうかね……?」
両手を前で合わせて、譲信は幽香に頼み込む。
幽香「良いわよ。歓迎するわあがりなさい。面白い話が聞けそうだしね…フフフ♪」
譲信「あ、ありがとうございますッ!!」
あなたは神だ!!と心の底から感謝しながら譲信は幽香の家へ「お邪魔しま~す」と上がる。
昼間もそうだったが幽香の家はなんだか花畑のような良い香りがしていた。
幽香「まぁ座りなさいよ。色々聞かせて貰おうじゃない?」
譲信が恭しくしていると、幽香から声がかかったので、昼間と同じく机をはさみ、正面向かい合うように座る。
譲信「ふぃーやっと一息つけるっすよ~…」
幽香「それは良かった…で?どんな面白い事があったのかしら?」
前のめりになり、机に肘をつき、組んだ手の甲に顎を乗せ、薄らと微笑みながら幽香は譲信の目を見つめる。
譲信「それがなぁ?聞いてくれよぉー!今日はエラい目にあったぜ!!」
幻想郷で出来た最初の友達?である幽香にこれまでの愚痴をかねて数時間の内にあったことを、譲信は語り出した。
妖怪共に滅茶苦茶絡まれた事、
人里でカモられた事、
魔理沙と喧嘩になった事、
程度の能力に目覚めた事、
紫に殺されかけた事、
スタンドが見えるようになった事、
語り上手な譲信は、時々ユーモアを含ませながら話すため、長い話でも幽香は時々微笑したり、相槌を打ったりしながら楽しそうに聞いていた。
譲信「とまぁ、こんな事があったんだぜ」
幽香「随分とお楽しみだったようねぇ…それにしてもあのスキマ妖怪が……ふぅん」
想像通り…いやそれ以上に面白い話を聞けて、幽香はご機嫌だった。
譲信「お楽しみじゃあ無いぜぇ!こっちは必死だったぞ~冗談抜きで!不良でもオタクメインな俺にとっては恐怖モンよ!!」
幽香「ちょっと待って…オタク?」
突如として出てきた予想外な言葉に、幽香は譲信に聞き直す。
幽香「オタクってあの気持ちの悪い種族の?」
譲信「種族じゃねーよ!?それと!気持ち悪いってのも偏見だー!!人間は人間!それ以上は種族に分かれたりしねーよ!!」
幽香「へぇ……?」
人里の人間を見てみればオタクなんて皆似たような者だ。
幽香は知らず知らずの内にそういう考えを持っていた。
だが譲信はどう見ても不良…といような分かりやすい見た目をしている。
多少うるさいが、幽香の知るオタク共のような根暗だったり陰気だったりした気持ち悪い人種には見えない。
譲信「良いか!?俺は確かに不良のレッテルを貼られちゃあいるが、自他共に認めるジョジョオタだ!!ジョジョこそ俺の全て!!この服もリスペクトして改造してあるのだ!!」
幽香「ジョジョが何かは知らないけど…服まで影響を受けるなんて重症ねこれ」
特徴的だが、イカしてる帽子とイカす服を着ていると思っていたら、よく分からないそれに影響を受けているのだと来た。
あーこりゃオタクだ…と幽香は納得する。
譲信「何ィ!?」
そんな幽香の言葉を聞いて、譲信は信じられないと言った表情になる。
譲信「“ジョジョの奇妙な冒険”を知らないだとぉ!?そりゃヤベーよ!!人生8割損してるぜ!?」
人生8割がジョジョで出来ている譲信からしてみれば、信じられない事だった。
幽香「8割って…大袈裟すぎじゃ無い?口を開けばジョジョしか出てこないわねあなた……呆れた。そんなくだらない事に没頭するくらいなら、花の世話をしてみたらどう?結構充実するわよ?」
もっと実用性のあることをしたらどうだ、と言わんばかりに幽香は意見を述べる。
だが
譲信「あんた……今………何つった……?」
幽香「何よ……?」
突如として譲信の纏う雰囲気がガラリと変わる。
一瞬だけ髪の毛が逆立っているようにさえ見えた。
譲信「あんた…今くだらねーって言ったのか!!あぁッ!?俺ァ1%も何も知らないってぇのにその物を貶すやつぁ許さねぇ!!ましてやジョジョを!!てめーのやったことはそれだ…アァーッ!?」
ガタリと音を立てて譲信は立ち上がる。
幽香「えぇー……」
いつもなら、人間のくせに生意気な…と不快感を抱く筈なのだが、いきなりの展開もあるし、気迫だとか勢いだとか、キレてる理由も理由なので思わず譲信に押されてしまう。
普段の幽香を知る者からしてみれば、レアな光景だった。
譲信「てめーのやったことは法律にも触れねぇし、社会的にも圧倒的無罪だぜ…しかしな!!この空条譲信の前では有罪だ!!だから…俺が裁く!!ザ・ワールド・オーバーヘブン!!」
譲信はかなりぷっつんきていた。
爆発的な精神パワー状態で、ザ・ワールド・オーバーヘブンを発現させる。
その為、現れるだけで圧倒的な威圧感が放たれる。
幽香「フフフ…フフフフフフ♪やろうって言うのね!?良いわよ!!もう…我慢出来るわけ無いもの!!楽しませて!?」
そんな威圧感を身に受けて、すっかり興奮してしまった幽香もガタリと音を立てて立ち上がる。
まさに、一子即発しそうな状況だった。
譲信「WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!」
そして譲信が叫ぶと、ザ・ワールド・オーバーヘブンは両腕を高く上に上げた。
構えなのだろうか、だが何かを仕掛けてくる!
そう思った幽香も身構える。
ついに、最高の戦いが始まる!!
…かのように思われた。
だがしかし!
ドサリ……
幽香「あら…?」
突如としてザ・ワールド・オーバーヘブンの手から机に、何かが落ちる。
一体何なのか…気になって幽香がそれを見てみるとなんと…
幽香「“ジョジョの奇妙な冒険”?」
何と、“ジョジョの奇妙な冒険”第一巻がそこにはあった。
続けて続けて、さらに漫画が机の上に積み上げられていく。
そして、あっという間に机の上は“ジョジョの奇妙な冒険”シリーズで一杯になった。
予想外な展開に幽香が目をパチパチさせていると、譲信が口を開く。
譲信「“第一部・ファントムブラッド”、“第二部・戦闘潮流”、“第三部・スターダストクルセイダーズ”、第四部・ダイヤモンドは砕けない”、“第五部・黄金の風”、“第六部・ストーンオーシャン”、“第七部・スティールボールラン”、“第八部・ジョジョリオン連載途中”!!ジョジョを貶すならばこれを全て読んでからにするんだなッ!!」
幽香「はぁ?何で私がそんな…」
人間の書いた書物…しかも子供が読むような漫画…幽香は自分が読むに値する程でも無いものだと断ろうとした。
しかし、そんな幽香の目に入ってきたのは、独特なポーズをとる魅力的なキャラクターの表紙。
引きつけられるようなデザインのスタンド。
読みたい!何だこれは!?この感覚は!?凄く読みたいぞ!?
幽香は思わず「一冊くらいなら…」と積み重なる漫画の山から適当に一つ取り上げる。
それは、“ジョジョの奇妙な冒険”の第三部にあたる27巻だった。
譲信「ほう…いきなり伝説の戦いを手に取るか…お目が高いぜ…!」
幽香「つまらなかったら破り捨ててやるわよ」
どうせお子様向けのくだらないお話しだろう…と軽い気持ちで幽香はページをめくり始めた。
ペラ…ペラ…ペラ…
最初はふーん…と言ったげなどうでもよさそうな表情で読み進める。
しかし、読んでいくに連れ幽香は食い入るように漫画を読み出す。
花京院の死亡…
瀕死のジョセフ…
何処ぞへと消えているポルナレフ…
承太郎とDIOの圧倒的精神力のぶつかり合い…
スタープラチナとザ・ワールドのラッシュ比べ…
そして時は止まる…
幽香は27巻を最後まで読み終える。
そして
幽香「28巻はッ!?」
譲信「ここだぜ」
幽香「よこしなさい!!」
譲信の手から引ったくるように奪い取ると、28巻をさっきよりも食い入るように読み始める。
幽香(面白い……これが外の世界の…漫画…!!こいつがオタクになる理由も…分からなくは無いわね!)
三部のラストの最終決戦。
脳に焼き付くような強烈なセリフが飛び交い、衝撃の決着が!
28巻を読み終えた幽香は、第一部の第一巻から手に取り、読み出す。
譲信「…気に入ったみたいっすね~」
幽香「!!……そ、そんな事無いわよ!!あんたが全部読めと言ったから読んでるだけで……別に気に入ってなんか無いわよ!!」
幽香は慌てたように顔を真っ赤にして怒鳴る。
繰り返し言うが、普段の幽香なら絶対に有り得ない光景なのである。
そんな幽香に譲信は静かに告げる。
譲信「それが…“ジョジョの奇妙な冒険”…俺の程度の能力でもあり、スタンド能力の全てでもあり……荒木マジックだ…!!」
幽香「……ッ!!」
荒木飛呂彦がどういった人間かは風見幽香は知らない。
しかし、これ程の漫画を描くなんてただ者ではない!
もう人間越えてるんじゃないか…とまで思えてくる程の衝撃があった。
譲信「ようこそ…ジョジョの世界へ」
譲信はニヤリと笑った。
幽香「ふぅ…今日中には読めそうにないからしばらく借りておいて良いかしら?」
譲信「いや上げますよそれ。プレゼントです」
幽香「……じゃあ遠慮なく…」
実は欲しいと思っていたので、願ったりだったりする。
面白い以外にもこれを読めば、譲信の能力を理解する事が出来るのでは無いか…とまで考えられるからだ。
幽香「それよりそろそろ晩御飯の準備よ。譲信、あなたは私が作ってる間に体を洗ってきなさい。汚れすぎよ」
譲信「りょーかいっす!」
明日の暇なときに読もう…と幽香は漫画を片付けてから料理に入る。
思えば誰かの為に作るなんて初めてかもしれない。
この自分がまさかこんな事をするとは……
まぁそれも悪くは無いか…と幽香はクスリと笑った。
その間に幽香に言われた通りに、譲信は体を浴室で奇麗に洗う。
スタンドを使って背中も丁寧にゴシゴシと。
譲信「思えば女の人の家に泊まるなんて初めてだぜ…いや妖怪かぁ…」
風呂から上がれば、美味しそうな料理が並べられていた。
良い匂いに、思わず腹が鳴ってしまう。
そんな譲信を見て、面白そうに幽香は笑っていた。
譲信「ぅ…ぅンマァァァァァァァァァァァァァイ!?」
幽香の作った料理は絶品だった。
腹ぺこと相まって、譲信はあっという間にペロリとたいらげてしまう。
食後は、幽香から幻想郷についてのあれやこれやら聞いたり、譲信が自分の世界でのあれやこれやらを話したりと、賑やかな時間が過ぎていく。
だが問題は就寝時に起きた。
譲信「ベッドが一つしか無いぃぃ!?」
幽香「えぇ。私は一人暮らしだから」
幽香は何てこと無いように答える。
譲信「俺…床で良いっすわ」
幽香「駄目よ。客人を床で寝かせる訳にいかないでしょ?」
譲信「だ…だからって幽香さんが床で寝るなんてもっと駄目だろぉ!?」
幽香「当たり前よ。私を床で寝かせようなんて言うなら殺すわよ?」
譲信「じゃあどうしろと……」
幽香「隣で寝れば良いじゃない」
譲信「あぁー…その手があったか……って、えぇ!?」
そこまで話しが進んだところで、譲信はビックリして声を上げる。
今……何と言った!?
隣で寝ろだと!?
なんか色々とマズいんじゃあ無いのか!?…と譲信は一瞬そこまで考える。
が、しかし
譲信(あ…幽香は妖怪だから問題ねーわな…)
人間の女性ならこれはアウトだっただろう。
しかし、幽香は妖怪。
見た目こそ人間の女性と変わらないが、生物としては全く違う別物だ……と考えて良いだろう…多分。
幽香を見てみれば本人も気にしてないようだし、全然セーフだ!と思った譲信はそうすることにした。
幽香「そうそう…変な所触ったら…分かってるわね?」
譲信「な…何にもしないっすよ……!!」
布団に入る前、幽香にそう言ってギロリと睨まれ、譲信は思わず震え上がる。
果たしてこれは妖怪としての恐ろしさなのか…女としての恐ろしさなのか…譲信には分からない。
何なら間にスタンドでも出そうかと提案しようと思ったが、流石にスタンドまで入れるスペースが無かった為、却下となった。
それに今日は滅茶苦茶疲れた。
おまけに明日から色々と忙しくなる。
譲信「幽香さん、おやすみなさいッス」
幽香「えぇおやすみ…」
直後、すぐに睡魔に襲われ眠りの世界へと入っていく。
今日は本当に色々あって疲れた。
でも久しぶりに楽しい一日だった。
俺もいよいよ奇妙な冒険をする事になりそうだ…
薄れ行く意識の中で、譲信は静かにニヤリと笑った。
TO BE CONTINUE…………
正解は “20th センチュリー・ボーイ”でした。
分かった人は、ちゃんと読んでますね。
このシリーズやってこうと思います