Silver Lining ~ BanG Dream Story~ 作:おたか丸
新たにお気に入り登録をしてくださった皆様、そして☆9評価をしてくださったセレウスローサ様、ありがとうございます! モチベ爆上がりです……!
タイトルの通り、Afterglow編ラストです。今朝から超特急で書いたので多分クオリティーガタガタですが、楽しんでいただけると嬉しいです。
それではどうぞ!
楽器屋さんで蘭とばったり会った次の日、俺は駅前に新しくできたアクセサリーショップに来ていた。近々母さんの誕生日なので、そのプレゼントを買いにきたのだ。
「(……色々あるなあ。母さんが気に入りそうなのといえばどれやろか?)」
別に母さんに誕生日プレゼントをあげるのは初めてじゃない。というか毎年何かしらあげている。だから母さんの好みなんてある程度分かっていると高を括っていたのだが、アクセサリーとなると急に難易度が上がった。
意外にもネックレスやブレスレットといったアクセ類を母さんにプレゼントしたことは今まで一度も無かった。多分母さんは「貴嗣がくれたものなら何でも嬉しいよ」って言ってくれるとは思うが……なんだかそれだと甘えみたいな気がしてしまう。
店の商品を1つ1つ見ながら、あーでもないこーでもないと考えて唸っていると、後ろからちょんちょんと肩をつつかれた。
「あっ! やっぱり貴嗣君だー!」
「……ひまりちゃん?」
俺の後ろにいたのは、この前遊びに行った時に買った服を着たひまりちゃんだった。
「この間ぶりだね。ひまりちゃんもアクセ買いにきたの?」
「うん! 最近オープンしたってことで、記念に何か買おうかなーって思って! 貴嗣くんも?」
「ああ。まあ俺は自分用じゃなくて、母さん用にだけどね」
「お母さん?」
ひまりちゃんは可愛らしく首をコテンと傾げる。
「もうすぐ母さんの誕生日なんだ。だから何かあげたいんだけど、俺母さんにアクセ買ってあげたことなくてさ。母さんの好みがイマイチ分からなくて、ちょいと悩んでたところ」
「そうなんだ!? いいね、お母さんへのプレゼント! なんだか貴嗣君らしいね」
「あははっ、サンキュー。……肝心のプレゼントは決まってないんだけどな……」
「選ぶのって難しいよねー……あっ! そうだ!」
ひまりちゃんは何か思いついたみたいだ。
「私も一緒に選ぶよ!」
「いいのか?」
「うん! ずーっと貴嗣君にはお世話になってるし、そのお礼ってことでどうかな?」
優しく笑ってそう言ってくれるひまりちゃん。そのあったかい笑顔を見て、俺も嬉しい気持ちになった。
「それじゃあ……お願いしようかな」
「はーい! まっかせて~! お母さんにピッタリなアクセ、バッチリ選ぶからね!」
ガッツポーズでやる気満々。そんなひまりちゃんにつられて、俺も笑いながら小さくガッツポーズをした。
ひまりちゃんという心強い味方を得て、俺は再度プレゼント選びに勤しむことにした。
「ちなみに貴嗣君のお母さんってどんな人なの? よかったら写真見させてもらってもいい?」
「もちろん。その方がイメージしやすいもんね。はい、どうぞ」
「……えっ……!?」
「ん? どうかした?」
「……この人、お母さん?」
「おう。つい最近撮った写真だよ」
「……お姉さんじゃなくて?」
「あー……まあ……若く見えるとしか言いようがないな……」
◇◆◇◆
それから十数分、俺はひまりちゃんと一緒に店の中を回り、色々なアクセサリーを見ていった。
シンプルな単色のブレスレットから、カラフルな宝石が散りばめられたネックレス、スマホに付けられるストラップ――ひまりちゃん監修の元、俺はプレゼント候補を少しずつ絞っていった。
そして――
「……やっと2つまで絞れた……」
「うん……でもここまで来ると……」
「「もう選べないよね(よな)」」
二者択一とはこれほどまでに難しいものなのか。
俺の手元には、ひまりちゃんが選んでくれたネックレスが2つ。左手には桃色、薄ピンクの宝石が入ったネックレス。右手にはキラキラと輝く、金色のネックレス。
ここまで絞れたのはいいものの、どっちでも母さんには似合いそうということで、俺達2人は唸っていた。
「こうなったらもう感覚に頼るか。頭で考えてても仕方ないし。……ひまりちゃんはどっちが好きとかある?」
「うーんそうだなー……どっちも好きだけど、個人的には左の桃色のネックレスかな~」
ひまりちゃんは俺の左手を指差してそう言った。
俺は手を近づけて、そのネックレスを色んな角度から見てみる。母さんの優しい雰囲気に合っているし、母さんの私服コーデにも組み込みやすいのでは? と色々考える。
「ふーむ……」
「(す、すごい真剣に考えてる……!)」
ひまりちゃんに勧められたというのもあるのかもしれないが、俺の気持ちはどちらかと言うともう桃色のネックレスに傾いていた。金色も悪くないが、優しい雰囲気を5重くらいに纏っている母さんには、あまり似合わないかも……と思っている自分がいた。
「決めた。こっちにするよ」
「えっ……? そんなすぐに決めちゃっていいの?」
「ああ。こっちのほうが母さんに合いそうだし、それに……」
「それに……?」
右手に持っていた金のネックレスを棚に戻した後、俺はひまりちゃんの目を見て言葉を続けた。
「ひまりちゃんが選んでくれたほうだから」
「……!」
「真剣に選んでくれたひまりちゃんがこっちのほうが良いっていうのなら、絶対に間違いない」
「……そ、そんなに言われたら照れちゃうよ……えへへ……///」
ひまりちゃんは顔を赤らめながら、ニコッと笑ってくれた。
「だからこっちにするよ。ひまりちゃんが好きって言ってくれた、このピンクのほうにする」
「うん……! ありがとね……!」
「こちらこそありがとう。それじゃあ、会計してくるよ」
「はーい! いってらっしゃーい!」
満面の笑みのひまりちゃんに見送られて、俺はネックレスを持ってレジへと向かった。
◇◆◇◆
「ありがとうな、ひまりちゃん。おかげで最高のプレゼントを選べたよ」
「さ、最高……!? そんなー大袈裟だよ~!」
「そんなことないよ。本当に感謝してる。一生懸命選んでくれてありがとう」
「うん……!///」
私の隣を歩いてくれている貴嗣君からの言葉で、また顔が熱くなる。
駅前のアクセショップで貴嗣君のお母さんへのプレゼントを選んだ後(ちなみに私の分もしっかりと買った)、私は貴嗣君と一緒につぐのお店に向かっていた。
元々アクセショップに行った後、いつものようにAfterglowの皆でつぐのお店に集まろうって約束をしていた。そこでたまたま貴嗣君会ったから、「貴嗣君も誘ってもいい?」ってグループで言ったら、皆快くOKしてくれた。
だから今私達は羽沢珈琲店に向かっている。皆はもうお店で待ってくれてるみたいだ。
「それにしても、お店で貴嗣君を見つけた時はびっくりしたよ~。まさかアクセショップにいるなんて思わなかった」
「それは間違いないな……でもよく俺だって分かったな」
「そりゃあもちろん! その服で分かったよ!」
「服……ああ、そういうことか」
そう。今日の貴嗣君の私服は、この間一緒に遊びに行った時に私が選んだもの。白のVネックに黒のワイドパンツ、そしてオレンジ色の開襟シャツだ。
「折角ひまりちゃんに選んでもらった服だし、これ着て出かけようと思ってさ。……そんな日にまさかひまりちゃんに会うなんて、ある意味運命かもな」
「う、運命……!?!?」
「わおっ……ちょ、驚きすぎだよ」
「あっ……ごめんなさい……」
“運命”って言葉に反応しちゃった……なんかその……「運命の人」的なニュアンスって勝手に想像しちゃって……///
「(私何勝手に妄想して……は、恥ずかしい……///)」
「……ふふっ」
「……貴嗣君?」
頭の中で色々考えていると、貴嗣君から笑みがこぼれた。
「さっきなんかグイグイ俺を引っ張ってくれてたのに、今は顔赤くして……ほんとひまりちゃんって表情豊かだなーって思って」
貴嗣君はニッコリと笑ってそう言ってから、その綺麗な銀色の目で私をジーッと見つめてきた。
「一緒にいて楽しいよ。いつも元気をくれてサンキューな」
「……!?!?///」
い、イケボでそんなこと言ってくれるなんて……ふ、不意打ちすぎるよぉ……///
「多分皆、ひまりちゃんのそういうところが好きなんだろな」
「……えっ? Afterglowの皆ってこと……?」
「そう。この前のリーダーの話、覚えてる? 俺もあの日の後、自分で色々考えたりしたんだけど……1つ気付いたことがあるんだ」
貴嗣君は優しい声でゆっくりと話し始めた。
「ひまりちゃんとこうやって一緒にいると、すごい楽しいんだ。それはひまりちゃんの明るい性格もあるけど……それ以上に、ひまりちゃんの『本質』がそうやって、人を自然と喜ばせるものなんだろなーって」
「私の……本質……?」
「そう。性格とか才能なんかよりもさらに深い、その人が生まれ持った『その人をその人たらしめる性質』のこと。これは誰にもあって、でも誰一人同じものが無い、特別なもの。そしてひまりちゃんの『本質』は、『関わる人を喜ばせる』ことなんだと思う」
その言葉を聞いて、嬉しい気持ちが湧き上がってくる。
「それ、絶対にリーダーに必要なものだと思う。だから自信もってな」
「……! うん……!」
またこうやって、私が嬉しくなる言葉を掛けてくれる。
こういうところ、本当にすごいしカッコいいなーって思う。
「……おっ、着いたな」
「ほんとだ……! あっと言う間だったね」
知らない間に、私達はつぐのお店の近くに来ていた。
楽しい時間はすぐに過ぎ去るものだけど、貴嗣君と一緒にいる時間は、まるで光みたいに素早く過ぎ去っていく。
もっと2人きりでお話ししたかったけど……それはまた今度。別の機会まで、ちょっと我慢。
「じゃあ行こうか」
「うん! ……ねえ貴嗣君」
「ん?」
「学校とかバンドは違うけど、私達の仲良くしてくれてありがとう。……これからも仲良くしてくれると嬉しいな」
「もちろん。俺達もひまりちゃん達が仲良くしてくれて嬉しいよ。これからもよろしくな」
「うん! じゃあ……お互いリーダー同士、これからもよろしくお願いします!」
初めて貴嗣君と会ったとき、貴嗣君はつぐのお店の中で、私に手を差し出してくれた。
だから今度は私の番。私はつぐのお店の外で、貴嗣君に手を差し出した。
「――ああ。これからもリーダー同士、よろしくな」
そして初めて会ったときと同じように、ギュッと握手をした。今度はあの時みたいにアタフタせずに、貴嗣君の銀色の瞳を真っ直ぐ見ながら笑顔で握手。
「えへへ……えいっ♪」
「……ひまりちゃん?」
私は握手したまま、貴嗣君の手をグイッと引っ張った。
「じゃあ行こっ! 中で皆が待ってるよ!」
「――ああ。行こうか」
嬉しい気持ちに包まれながら、私は貴嗣君と一緒に羽沢珈琲店の扉を開いた。
読んでいただき、ありがとうございました。
皆様のおかげで、無事Chapter 2 Afterglowを終わらせることができました。本当にありがとうございました!
さて、ここから大切なお知らせです。
次回からは第3章……ではなく、2.5章という形で、サイドストーリー的なものを5話投稿させていただきます。実は第3章がまだ下書きが終わっておらず、そのために少し時間を頂きたいのです……(今回後書きに次のバンドのヒントが無いのはそのため)。
ストーリーとしては停滞してしまうので、続きを楽しみにしてくださっている読者様には申し訳ない気持ちでいっぱいです……。ですが今まで通り、第3章も連日更新、悪くても2~3日に更新というテンポを維持し、一番良い形で皆様に楽しみを提供したいと思い、このような形を取らせていただくことになりました。ご理解いただけますと幸いです。
現在下書きを進めている第3章から、雰囲気が変わり、一気に物語が加速します。クオリティを維持させつつ、より話を深くしていくというコンセプトの元下書きを進めております。もうしばらくお待ちください。
長文失礼しました。次回もよろしくお願いいたします。
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