Silver Lining ~ BanG Dream Story~ 作:おたか丸
お気に入り登録をしてくださった皆様、ありがとうございます。
今回はあこちゃんのお話です。今回ほんと短い&展開が適当になってます……あこ推しの皆様申し訳ないです(土下座)。あんまり深く考えずに読んでくださると幸いです。
【注意】今回の話を読まれる前に、第30話と第31話を軽く読まれることを推奨いたします。
今のゲームは、こんなにキャラクターを作る自由度が高いのか。目の前の光景を見ながら、俺は心の中でそう呟いた。
「わおっ、猫耳まで付けられるんだ! かわいいー!」
「凄いでしょー! 穂乃花さんが作りたいキャラを作れるから、他にも色々試してみて」
「ありがとーあこちゃん! よし、それじゃああたしの美的センスを発揮しちゃおうかな~♪」
今俺達がいるのは宇田川家、あこちゃんの部屋だ。
先日穂乃花があこちゃんとSNSでやり取りしていたのだが、そこでお互いの趣味の話になったそう。あこちゃんの趣味であるゲームに穂乃花は興味を持ち、「一度あたしもあこちゃんが好きなゲームをやってみたい」というメッセージを送信。あこちゃんが「じゃあ今度うちに来て、一緒にNFOしようよ!」となったそうだ。
「うわーっ、穂乃花さんのキャラ超可愛い! この可愛さならキャラデザコンテストに応募できるぐらいだよー!」
「ふっふっふー、美術部によって磨かれたあたしのセンス、舐めてもらっては困るな~。それで、キャラを作ったら次は……クラス選択?」
「そうだよ! クラスっていうのは、職業みたいなものだよ。剣士とか槍使いとか、魔法使いとか。どんなロールプレイをしたいかで変わるんだけど、穂乃花さんはどれにしたい?」
「うーん、じゃあこの
「ほほう……高い俊敏性とクリティカル率を持つシーフを選ぶとは、穂乃花さんはお目が高い……」
茶髪のポニテと紫のツインテが、パソコンの前で楽しそうに揺れている。ゲームにそこまで詳しくないと言っていた穂乃花だけど、あこちゃんのおかげで楽しめてるみたいだ。
ちなみに誘われたのは穂乃花だけじゃない。あこちゃんは俺と大河、花蓮も誘ってくれたのだが、大河はバイトで花蓮はピアノ教室の予定が入っており、来られなかった。以前一緒にNFOをしようと約束していたのもあって、俺は宇田川家にお邪魔させてもらうことになった。
「今のゲームって画質も凄いんだね~。なんかこう、光の反射とか色の強弱とかが本当に綺麗で感動しちゃうよ」
「でしょでしょ~! じゃあ今日はお試しってことで、一番近くにあるダンジョンを攻略してみよっか。あこがサポートするから安心してね」
「ありがとね! ボスを倒したら貴嗣に交代するから、ちょっと待っててね」
「おうよ。急がなくていいから、ゆっくり楽しんで。俺はここで観戦しとくよ」
こうして穂乃花のNFO初挑戦が始まった。
*
1時間後。初プレイということもあって、ボス戦で苦戦する穂乃花。だが何度かのリトライを経てついに……。
「やったー! ボスとーばつー!」
「おめでとー穂乃花さん! 段々キャラの特性を掴んで、必殺技でバシューン! ってやってボス討伐! すごかったよー!」
「これも隣であこちゃんが色々教えてくれたおかげだよ~。ありがとね!」
あこちゃんに感謝を伝えた後、穂乃花はうんとストレッチをしてからゲーミングチェアを立った。
「おっまたせー♪。さあ、次は貴嗣の番だよ」
「オッケー。じゃああこちゃん、よろしくお願いします」
「うむ! 漆黒の堕天使なる我に任せたまえ、さすれば絶対なる勝利の加護を授けような!」
「「(あっ、今回はちゃんと言えた)」」
いつもは白金さんのフォローが無いと、こういう難しくてカッコいい(?)言葉を最後まで言い切れないのだが、今回は可愛らしいドヤ顔のまま言い切った。あこちゃんもめちゃくちゃ嬉しそう。ドヤ顔なんだけどニヤニヤが隠せていない。
「よーし、いっちょやってみるか」
「うん! じゃあたか兄もキャラクリからする?」
「あー……いや、この穂乃花のデータを使わせてもらおうかな。穂乃花、いいか?」
「えっ? うん、いいけど……キャラクリ楽しかったよ? 貴嗣もやってみれば?」
「いや、これ俺の悪い癖みたいなものなんだけどさ……」
「「?」」
穂乃花とあこちゃんが首を傾げる。?マークを浮かべている2人に、俺は苦い顔をして理由を話した。
「……こういう自由度が高すぎるキャラクリ、俺キャラ作るのに1日かかるんだよ。作り込み過ぎちゃうっていうかさ……あはは……」
「い、一日!?」
「あはは……貴嗣、とことんやり込まないと気が済まない性格だもんね~」
しょうもない理由だが2人は理解してくれた。そんなやり取りをした後、俺は穂乃花が先程作ったデータで遊ばせてもらうことにした。
◇◆◇◆
「ふうー、やっぱりこのチョコチップクッキー美味しいね~。コンビニとかで見かけちゃうとつい買っちゃうよ」
「あこもこのお菓子好きだよ。おねーちゃんが買ってきてくれたんだー」
「流石は巴だね~。そういえば、今日巴は?」
「Afterglowの皆で遊びに行ってるよー。確かボウリングって言ってたはず」
「あの5人はほんと仲良しだよなー。見ていてほっこりする」
ゲームを十分に楽しんだ俺達は、ミニテーブルに広げたお菓子を食べながら雑談をしていた。あこちゃんにプレイさせてもらったNFOもかなり楽しかったが、こうやってのんびりお菓子を食べながらの雑談も楽しいものだ。
「あこちゃんは巴の影響でドラムを始めたんだよね。やっぱりあこちゃんから見たら、巴ってカッコいい?」
「もちろん! 世界で一番カッコいいドラマーだよ! おねーちゃんは、世界一尊敬してる人!」
「「わーお」」
満面の笑みで巴のことを話すあこちゃん。本当に巴のことが好きで尊敬しているのだと伝わってくる。
「ふふっ、あこちゃんは巴のこと大好きだね~。何だかあこちゃんを見てると、あたしの妹を思い出すよ」
「えっ? 穂乃花さんって妹さんいるの?」
「うん。天使みたいに可愛いんだよ! ちょっと待っててねー……ほら!」
「どれどれ……!? す、すっごい可愛い!」
穂乃花はあこちゃんに妹さんの写真を見せた。何度か俺も会ったことがあるのだが、穂乃花には10歳の妹さんがいる。今の穂乃花をそのまま小さくしたのか? ってくらいそっくりさんだが、性格は姉と反対で大人しい。
「というか子の写真、妹さんが穂乃花さんのドラム叩いてるの!?」
「そう! ついこの間の話なんだけどね、ドラム叩いてるあたしを見て、自分もやりたくなったんだって。しかもめっちゃ上手いの」
「それって、穂乃花の演奏を見ただけで演奏法を学んでたってことか?」
「かな~。見るだけでラーニングって、もしかしたらあたしの妹は天才なのかも……!」
この後、穂乃花は実際に妹さんがドラムを叩いている動画を見せてくれた。初めて演奏したとは思えないくらい上手に叩けていて驚いた。もし毎日の穂乃花の練習を見ていてドラムの叩き方を学んだというのなら……ホンモノの天才だろう。
「穂乃花、すっごい嬉しそうな顔してるな」
「ありゃ、ほんとに?」
「たか兄の言う通りだよ。今の穂乃花さん、ちょー笑顔だよ!」
「あははっ、そりゃあ嬉しいからねー。ドラムを演奏してるあたしに憧れてるんだって。何だかもう……それ聞いてすっごい嬉しくなっちゃってさ♪」
満面の笑みで穂乃花がそう答える。
「あこ、妹さんに気持ち分かるかも。お姉ちゃんのカッコいい姿を見たら、やっぱり憧れちゃうよー」
「そっかそっか。あたし、別にいい姉であろうとか特に考えずに毎日過ごしてるけど、それでも『大好き』とか『憧れだよ』って言ってくれるのは、すっごい幸せなことだよね。……あっ、お姉ちゃんと言えば……」
「ん? どしたー穂乃花?」
穂乃花は何かを思いついたのか、お菓子をパクパクと食べながら今度はこちらを向いた。
「貴嗣はどうなの? お姉さんいるし、お姉さんに憧れるとかあった?」
「えっ!? たか兄お姉さんいるの!?」
「あははっ、実はそうなんだよ。関西の大学に通ってて1人暮らししてるんだ。こっちで出会うことはないから、知らない人の方が多いかもだな」
「すっごい美人さんなんだよー! 優しくてフレンドリー、ノリがいいお姉さんであたしは大好きだよ♪」
「はは……ノリが良いっていうか、ハイテンション過ぎてついていくのがやっとっていうか……」
「た、たか兄のお姉さん……全然想像できないかも……」
ポピパメンバーと初めて出会ってからも、姉ちゃんはちょくちょくこちらに遊びにきてたりする。穂乃花達とも何回か出会ったのだが、案の定姉ちゃんのテンションが高すぎて、最初は「本当に貴嗣のお姉さんなのか……?」と本気で疑われたりした。
「ねえねえたか兄、たか兄のお姉さんってどんな人なの? あこ知りたいかも」
「そうだなぁー、姉ちゃんは……一言で表すなら『天才』だな。大学も主席で入るくらい勉強が出来て、楽器とかスポーツもすぐにマスターしちゃう、それが俺の姉ちゃんだよ」
「す、すごい……!」
「そんな正真正銘の天才さんだけど、テンションがめちゃくちゃ高いんだよ。嵐みたいな人でさ、姉ちゃんをほっとくと周りに迷惑が掛かるから、いつも俺とか真優貴が止めようとしてヘトヘトになるってのがオチなんだ」
あこちゃんは驚いた顔で話を聞いている。自分で言うのも変だけど、俺と真優貴は比較的おとなしい性格だ。そんな俺達の姉が怪物クラスのテンションの持ち主だとは、想像できないだろう。あこちゃんの反応が普通だと思う。
「まあでも、俺は姉ちゃんのこと、物凄く尊敬してるかな。あこちゃんと同じ」
「えっ? たか兄もあこと同じ?」
「そう。皆の事巻き込むし、人前で抱き着いてくるし、からかい癖あるトラブルメーカーなんだけどさ……絶対に人の嫌がることはしないんだよな。やりたい放題してるんだけど、実は物凄く周りの事を観察してて、本当に困ってる人にはさり気なく手を差し伸べられる人。自分が楽しむことを忘れない、でもそれ以上に周りの人達を大切にしてる、それが俺の姉ちゃんなんだ」
そう言いながら、今も大学で勉強に励んでいるであろう姉ちゃんのことを考える。天才でかつ努力家、破天荒だけど他人を思いやる心を持ってる、俺の姉ちゃん。
「そんな姉ちゃんのこと、俺は大好きだし尊敬してる。あこちゃんが巴に憧れているように、俺も姉ちゃんに憧れてるよ」
◇◆◇◆
「それでね、りんりんの炎魔法に続いて、あこの闇属性の斬撃がバシューン! 見事ボスを倒したんだー!」
「凄いじゃんあこちゃん! そんな強いボスを倒しちゃうなんて、やっぱり強いんだねー」
お菓子を食べながら、あこは2人の先輩にゲームの話をする。穂乃花さんとたか兄は、ニコニコと笑ってあこの話をずっと聞いてくれている。
お姉ちゃんやRoseliaの皆が1番なのは変わらないけれど、たか兄達のことも凄い人達だって思う。演奏が上手ってのもあるけれど、なんかこう、皆優しくていい人だなって。
ゲームにそこまで詳しくないのに、穂乃花さんは今日遊びに来てくれた。急なお誘いだったけれど、たか兄も来てくれた。2人ともあこと沢山遊んでくれて、いっぱいお話してくれて、凄く楽しかった。
「(この安心する雰囲気、おねーちゃんとかりんりんとそっくりだなぁ)」
たか兄と穂乃花さんは、家族のことをすごく大切にしている。2人の話を聞いて、あこはそう思った。大切にしているのは家族だけじゃない、今日あこと一緒に遊んでくれたみたいに、周りの人達のことを大切に想っている。そんなところが、りんりんとかおねーちゃんに似てる。
そうやって他の人のことを考えられるの、あこはカッコいいなって思う。
「ねえねえたか兄、穂乃花さん!」
「ん?」
「どしたの、あこちゃん?」
「あこね、また今日みたいに遊びたいんだ。今度は須賀兄と花蓮さんも一緒に……だめ、かな?」
「ダメなことあるもんか。俺達からもお願いするよ。皆でゲーム大会でもしよう」
「それいいね貴嗣! 大河と花蓮にもNFO教えてあげて、皆で遊ぼっか!」
「うんっ! ありがとう2人とも!」
たか兄、穂乃花さん。今日はありがとうね! あこ、すっごく楽しかった!
たか兄達みたいに皆を幸せにできるような、そんなカッコいい人になれるようになって、Roseliaのドラマーとして活躍してみせるから! あこなりに頑張ってみるから、これからも仲良くしてね!
読んでいただき、ありがとうございました。もっとあこちゃんを上手に書きたかった……またいつかリベンジしたい。
次回は猫が大好きなあの先輩のお話になる予定です。よろしくお願いします。
ハロハピでのあなたの推しは?
-
弦巻こころ
-
瀬田薫
-
北沢はぐみ
-
松原花音
-
奥沢美咲