Silver Lining ~ BanG Dream Story~   作:おたか丸

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 今回の話なのですが、バンドリのキャラクターは出てきません&オリキャラが出てきます……ですが重要な話なので、読んでいただけると幸いです。


第3話 新しいことを始めるのに、早いも遅いもない

 

 

 

 リビングが朝食のいい匂いで満たされている。1日の始まりという感じで、やっぱり俺は朝食の雰囲気が好きだ。

 

 妹の真優貴と一緒に朝ごはんを食べながらテレビを見ていると、俺達のお楽しみの時間である星座占い始まった。

 

 

「今日の1位はてんびん座のあなた! 今日は新しいことを始めるチャンス! 何を始めてもうまく行きそう! 新しいことを始めるのに、早いも遅いもない!」

 

 

 そうテレビの中のアナウンサーさんが話す。今日のてんびん座の運勢は良さそうだ。こういう占いって科学的根拠はないけど、ついつい見てしまう。

 

 

「ねえねえお兄ちゃん! 今日私たち1位やで!」

「やね。なかなか良さげやな」

「よな~! いいスタートダッシュ!」

 

 

 双子故に誕生日が一緒な俺達は、小さい頃からこうやって星座占いを見ることが習慣となっている。そして運勢がいいと、こうやって2人で喜ぶのだ。

 

 

「新しいことを、私も何かやってみようかな~?」

「ええやん。折り紙とかは? すぐに始めれるし、家でできるし」

「あっ、それええかも! 家で出来るっていうたら、アクセ作りとか!」

 

 

 真優貴はやる気満々の様子。俺も何か始めてみようかと思いながら、2人でゆったりとした朝を過ごした。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

「なあ貴嗣、今日の放課後空いてるか?」

 

 

 昼休憩、一緒にご飯を持って食堂に向かっている時に、大河がそう聞いてきた。どうやら大河が友達と食堂で食べるらしく、「折角だから貴嗣もどうだ?」ということで誘ってもらったのだ。

 

 

「ああ。特に用事は無いけど、どうした?」

「今日カラオケ行かね? 久しぶりにさ」

 

 

 大河とは入学式以来カラオケに行っていない。カラオケは大好きだし、もちろんオッケーだ。

 

 

「いいね。行こうぜ。他に誰か来る感じ?」

「あーそれなんだが…………ってうわ、やっぱり混んでるなあ~」

 

 

 2人で話している内に食堂の前まで来たのだが、昼休み恒例の行列が目に入った。

 

 

「大河の友達は中で待ってるんだよな?」

「そのはず。……しかたない、ちょっと無理やりにでも入るか」

「だな」

 

 

 食堂の出入り口にまで人が並んでいる。こうなると入るのでやっとだ。

 

 2人で人混みを分けながら進み入ると、誰かがこちらに手を振っているのが見えた。どうやら席を取ってくれていたみたいだ。

 

 色んな人とぶつかりそうになりながらも、なんとか席にたどり着いた。

 

 

「お疲れ~2人とも! 入るの大変だったでしょ。とりあえず座んなよ!」

「席ありがとな。……そういや貴嗣、2人と話すのは初めてか?」

「そうだな。……初めまして。山城貴嗣です。今日は誘ってくれてありがとう」

 

 

 俺はそう言って、先に俺達の席を取ってくれていた2人に挨拶をする。

 

 

「いいよいいよ~! そういえば同じクラスだけど話したことなかったっけ。私は松田(まつだ) 穂乃花(ほのか)! そしてこの子が幼馴染の花蓮(かれん)!」

「初めまして。B組の高野(たかの) 花蓮(かれん)だよ。よろしくね、山城君」

 

 

 左の活発そうな茶髪ポニーテールの子が松田さん、右の大人しそうな黒髪三つ編みの子が高野さんだな。

 

 

「よし、顔合わせが終わったことだし、昼飯食べようぜ」

 

 

 大河の言葉を皮切りに、俺達は4人で昼ご飯を食べ始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 松田さんと高野さんとは初対面ということもあり、お互いの経歴や趣味等の自己紹介を踏まえた雑談をしながら、4人で弁当を食べていた。

 

 初対面とは言ったものの、この4人の波長が合うのか、結構話は盛り上がっていた。そのおかげで、松田さんと高野さんについて、色んな事が分かった。

 

 

 まず、この2人は小学校の頃から学校が一緒らしい。幼馴染というやつだ。

 

 そして驚いたのが、松田さんはドラム、高野さんはキーボードを演奏できるということ。高野さんは小学生の頃からピアノをやっているらしく、コンクールで金賞(!?)を取ったこともあるそうな。

 

 

「――それでね、大河はベースとギター弾けるんだって! いつから始めたの?」

「中1の秋から。お母さんが昔やってたらしくて、試しに教えてもらったらこれがまた面白くってさ~。ドハマりしちまった」

「へえ~なんかいいね、そういうの。私もお父さんの影響なんだ。ドラム」

 

 

 クラスの席が隣同士ということで、大河と松田さんはよく喋る。ふと松田さんの手を見ると、確かにドラムの練習の痕跡(肉刺の跡)がある。

 

 

「山城君は大河がベースとギター弾けるの知ってた?」

「うん。もちろん」

「……あれ? 俺貴嗣にベース弾けるって言ったっけ?」

「いや。でも分かる。左手の指の皮が分厚くなってるだろ? それに、左手の指のほうが良く広がってる気がする」

「す、すげえ……観察力ヤバくねえか……?」

 

 

 他の2人もおおーといった様子で驚いている。経験者の人なら、この手の話はよく分かるんじゃないだろうか。

 

 

「そういえば大河、今日のカラオケに来る人って誰なんだ?」

「ああ、それは……」

 

 

 大河はこの方々です、というように手を前に向ける。

 

 

 ……ああ、そういうことね。だから今日このメンバーでご飯食べたってことか。

 

 

「山城君すっごい歌うまいって大河から聞いてるよ~? 楽しみにしてるね!」

「うん。私も楽しみ」

 

 

 やっぱり仲良くなるには一緒にご飯食べるのが1番だ。さて、カラオケという楽しみも出来たし、午後からの授業頑張ろう。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

 時間は進んで現在カラオケボックスの中。松田さん→高野さん→大河→俺の順で歌うことになり、次は俺の番だ。

 

 

「(うーん、どの曲歌おうかな)」

 

 

 この曲を選んでいる時間も結構好きだ。あれもいいしこれもいいし……って考えていると、知らない間に自分の番が来ていることが多いが。

 

 

「よっしゃああああ92点!! きたぜ90点越え!!」

「いいねえ乗ってきたねー! やっぱカラオケ楽しー!」

 

 

 大河が歓喜の雄叫びをあげる。大河のパワフルな歌声は聞いていてすごく気持ちいい。ギターとベースの腕前は見たことがないので分からないが、歌唱力は高い。

 

 

 ……ってか、皆90点越えやないか。

 

 

「さてさて……次は今日の主役!! 山城貴嗣だー!!」

「「イェーーーイ!!」」

 

 

 どんどん皆のテンションが上がっていく。この盛り上がっている雰囲気が心地よい。

 

 そんな皆の期待に応えるために、俺も曲を選んで機械に送信する。

 

 

「ん? なになに……Heartbreak Heard Around the W〇rld……?」

「山城君、もしかしてこれ洋楽?」

「うん。そうだよ。すっごいいい曲」

 

 

 留学していた時に友達から教えてもらった、俺の大好きな曲。

 

 すごく優しくて切ない恋愛ソングを、俺はマイクを持って歌い始めた。

 

 

 

 

~♪♪~

 

                                         

 

 

 ……ふう……っ。よし、歌い切った。

 

 さて、点数の方はいかに……?

 

 

「きゅ……95.1点!?」

「す、すげえ!! 貴嗣すげえ!! お前前より点数出てんじゃん!!」

「すごい……! 綺麗な歌声……山城君、本当に歌上手なんだね」

 

 

 スクリーンに大きく表示されている“95.1”という数字と、大河達からの賞賛の声。

 

 俺は自然と笑顔になりながら、その場でガッツポーズをした。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

「皆今日は誘ってくれてありがとう。すっごい楽しかった」

 

 

 カラオケが終わり、今は帰り道。そろそろ俺の家なので、今日の感謝の言葉を皆に伝える。

 

 

「おう! こちらこそだぜ!」

「だね! ほんとにびっくりしたよ~歌うますぎだって。ねー花蓮?」

「ふふ、そうだね穂乃花ちゃん。感動しちゃった」

 

 

 今日は本当に楽しかった。

  少し変かもしれないが……3人とは波長が合うというかなんというか。会って間もないけど、変に気を使うこともなく、心の底から楽しめた。皆も同じ気持ちだったら、嬉しい。

 

 

 

 

 

 ところでさっきから、3人がお互いに目配せしてる。どうしたんだろ?

 

 

「……なあ貴嗣。ちょっと話あるんだけどいいか?」

「ああ。別に大丈夫だけど……どした? なんか、さっきから様子が変だぞ?」

 

 

 そうなのだ。なんかさっきから、言いたいことが言えなくてソワソワしてるって感じなのだ。

 

 

「……ああもう! いい誘い文句思い浮かばねえ!」

「うおっ」

「単刀直入に言うぜ、貴嗣!」

 

 

 大河はクワッと目を開いて、その力強い声でこう言った。

 

 

 

 

 

 

 

「俺たちとバンド組まねえか……!!」

 

 

 

 

 

 へ???

 

 

「バ、バンド?」

 

 

 予想外すぎるワードに、気の抜けた声で復唱してしまった。

 

 

「そう、バンド! ほら、俺ギターとベース、穂乃花ドラム、高野さんキーボード弾けるじゃん? もともと俺たち、バンド組みたいなって話してたんだ。で、ボーカルどうするよって皆で話し合ってる時にお前が現れたんだよ。あの歌唱力に加えてギター経験者だ。お前と組めたらぜってえ楽しいだろうなって思ったんだよ!」

 

 

 確かに俺がギターとボーカルを担当すれば、大河はベース、松田さんがドラム、高野さんがキーボードでバンドを組める。

 

 

 この4人で、この波長の合う4人で、音楽を楽しむ……。

 

 

 楽しい。絶対楽しい。

 

 4人で楽器もって登校して。

 

 一緒にご飯食べて。

 

 放課後は一生懸命練習して。

 

 練習終わりは皆でこうやってワイワイしながら帰る。

 

 ついでに写真とかも撮ってSNSに載せてみたり。

 

 

 

 

 

「いいぜ。組もう」

「そりゃあ、貴嗣も忙しいだろうから無理にとは……って、えっ、今なんて……?」

「ボーカルとギターが俺でいいんなら……俺も皆と一緒にバンドやらせてくれ」

 

 

 断る理由なんてない。

 

 

「やっ……」

「や?」

「やったぜええええ!!! ありがとな!! 貴嗣!!」

「うおっ……!」

「マジで感謝しきれねえよ! ほんとサンキューベリベリセンキュー!」

 

 

 突然大河は俺を抱きしめた。嬉しさが溢れてのハグなんだろうけど、大河はムキムキだ、中々に強い力で締め付けられる。

 

 そんな様子を見て、松田さんと高野さんは爆笑してる。俺もそれにつられて笑う……締め付けられながら、だが。

 

 

「こ、これからよろしくね……松田さん、高野さん……」

「穂乃花でいいよ! これからは同じバンドのメンバーなんだからさ! よろしくね、貴嗣!」

「私も花蓮でいいよ。こちらこそよろしくね、貴嗣君」

「あ、ありがと穂乃花、花蓮……って大河……マジで力強いって……ギブギブ……」

「あっ、失礼」(超絶冷静)

「急にまともになるなよおもろいやないか」

「アッハハ! ちょ、ちょっと今の面白い……アハハ!」

「……フフッ……! 2人とも……面白いね……!」

 

 

 急にボケる大河と思わずツッコミを入れてしまった俺を見て、穂乃花と花蓮はまた笑う。そしてそんな2人を見て、俺と大河も笑う。

 

 

 

 そうだよな。“新しいことを始めるのに、早いも遅いもない”だもんな。

 

 

 

 占いの神様が微笑んでくれたような、そんなスピリチュアルな体験をした日だった。

 

 

 

 

 

【おまけ】

 

 

 

 同日夜。山城家1Fリビング。お風呂上り。

 

 

「そういや真優貴は、何か新しいこと始めるん?」

「ヨガ! 健康にええし、体柔らかなるし!」

 

 

 真優貴、マットの上で所謂“魚のポーズ”をとる。

 

 スタイル抜群な真優貴、出るところがはっきりと出ているので、貴嗣目のやり場に困る。

 

 

「お兄ちゃんもやってみる?」

「…………ああ、そやな。折角やし俺もやるわ」

「あれえ~? 今ちょっと反応遅れたでしょ~? なんでなのかな~?」

「……知っててやってるやろ?」

「ふふ~ん♪ お兄ちゃんも男の子だもんね~♪」

「……やっぱもう寝よかなー」

「あ~んごめんってお兄ちゃん! ほら、一緒にしよっ」

 

 

 その後なんだかんだ一緒に、動画を見ながら2人でヨガをしたとさ。

 




 読んでいただき、ありがとうございました。

 結構オリキャラ出てきてるので、キリがいいところで設定等を公開しようと思っています。

 バンドを組んだ主人公が、仲間達と今後どのように活動していくか、楽しみにしていただけると嬉しいです。

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