私が貴女を守るから……(本編完結)   作:タク-F

126 / 177
原作の時系列とは逆にプレラーティ撃退後に月神社へと2人は向かう。そこで調は再度己と向き合う事になる。しかしそこには確かな理解者が存在する。


月神社

 プレラーティを退けた翼・調はその足で呼ばれた月神社へと向かっていた。

 

「勇さん……流石に生きてますよね?」

 

「アレ……ワザと飛び込む人間の眼をしていたわ。明らかにプレラーティを捕らえる為にね?」

 

『しかも自分ごと氷結させて海中へと姿を消したのは完全にヴァイスハウプトへの罠だな。まぁ……それを見破れたところで奴の捕捉をするのは不可能だろうな……』

 

 フィーネの予想通り勇は()()()()()()()()()()()()()行動していた。そして現在は先んじて保護したカリオストロも含めて交渉を行っている最中だったりしている。

 

「さて……もうすぐ目的地の月神社よ?」

 

「私を知る人物……一体どんな……」

 

 それぞれの不安を抱えながら目的地へと差し掛かろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 そして2人は神社へと到着をし、宮司が出迎えていた。しかし現在は夜……戦闘の後と言う事もあり既に2人は疲れている。

 

「お待ちしておりました。貴女が月読調さんですね?」

 

『この男の雰囲気……なるけどな。喜べ調。ここは間違いなく()()()()()()()

 

「ここが……私の?」

 

 困惑する調だったが、宮司は客間へと2人を案内した。

 

「積もる話は明日にでもしましょう……まずは客間へとお上がりください」

 

 そうして案内されるまま2人は客間で荷物を降ろし、用意された食事を食べた。

 

「宮司さんのキッシュ……美味しかった……」

 

「まさかここでキッシュが出るとは思わなかったわ……」

 

 しかし2人も既に疲労が溜まっており、布団に入るとすぐに夢の世界へと旅立った。

 

「やはり調さんは……娘夫婦の面影が……」

 

 宮司もまた……その面影を感じていた。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 翌朝目が覚めた2人は今回の本題である調の情報を聞く事とした。

 

「調さん……貴女はどれほど昔の事を覚えていますか?」

 

「……正直ほとんど覚えていません。でも……この神社はどこか()()()()()()を感じます。思い出せない程に遠い……何処かの記憶でもしかしたら……」

 

「嘗て私達の聞いた話では調は孤児だと聞いていました……。そしてとある施設で過ごした後に私達と行動を共にしています」

 

「そうですか……。貴女を見ていると事故で亡くした娘夫婦の子供……つまりは孫を思い出させるのです……」

 

「私も……宮司さんとは、()()()()()()()ような気がします。だから……」

 

 調はその先の言葉を告げ無かったが、宮司は優しく調を抱きしめた。そしてこう語りかける……

 

「もしよろしければ……貴女のお話を聞かせて貰えますか? どのような事でも構いませんので……」

 

「それなら……私の後悔している話と、1つの変わるきっかけになった話を……」

 

 調の中で最も後悔している記憶……それはフロンティア事変初期の二課と対立していた頃の出来事だ。

 

「私は嘗て翼さんを含めた先輩達と対立する立場にありました。そこでの私達は譲れない信念の為に行動していましたが……」

 

「同時に私達も貴女達を見逃す事はできなかったわね……。そしてあのライブの日に……」

 

「私は……響さんの言った

 

話し合えばわかり合える。私達は同じ人間だから! 

 

 という言葉を偽善にしか聞こえませんでした……」

 

「なる程……互いの信念と立場故に折り合う事ができなかった訳ですか。しかしその後……何がありましたか?」

 

 宮司の言葉に、当時最もトラウマとなるエピソードに差し掛かろうとした調は覚悟を決めてその続きを語る。

 

「私は響さんを偽善者と言い、()()()()()()()()()()()()()とまで言ってしまいました。人は誰だって……抱える痛みがあるのに……」

 

「調……貴女はあの時の事をまだ……」

 

痛みを識らない……ですか。確かに人の痛みは他人には見えない事が多いでしょう。そして立場が違えばより見えにくくなる事も珍しくはありません。それはある意味では仕方が無い事なのかもしれませんね……」

 

 宮司も調の懺悔を聞いてその心情を察していた。しかし調が()()()()()()()()()()()()()

 

「その後であの人……鏡香さんが私達へと怒りをぶつけて来ました。妹の信念を踏みにじる私達へ……怒りを込めて。私達は為す術もなく叩きのめされ……この時初めて()()()()()()をしました……」

 

「あの時の鏡香は相当頭に血が昇っていたわね……。今でもあの時を思い出せるわ……」

 

「そうですか。それが調さんの後悔に……つながる訳ですか……」

 

 宮司もその後悔した当時の様子をなんとなく察していた。そして言葉をこう続けた。

 

「しかし……()()()()()()()()()()()()のかもしれませんね。でも……調()()()()()()()()()()()()。ならばその失敗は必ず未来で活かされるでしょう。痛みを識ったのならば尚更です。それに……和解できているのならば……調さんは立派に成長しています。胸を張ってください……」

 

 そう言って抱きしめた宮司の腕の中で……調は涙を流した。

 

「人は誰でも過ちを犯す事があります。しかし……()()()()()()()()()()()()()()。その過去があるからこそ……未来で活かす事ができます。もしそれでも自分を赦せないならその時は……貴女が止めるのです。その人物とて万能では無い筈ですから……」

 

「私が止める……ですか。でも……確かに何故かそれができる気がします。貴方の言葉が……とても胸に刺さります」  

 

「ええ。鏡香は堂々とした振る舞いも多いけど……()()()()()のもまた鏡香だもの……。その時が来るなら……調も鏡香を止める為に手を貸してくれたら助かるわ……」

 

 翼の言葉もまた……嘗ての実体験に基づくモノだった。

 

「また遊びに来てください。今度は()()()()私と語りましょう」

 

「っ……! はい! その時は是非! 

 

 こうして調は新たに帰る場所を得る事ができた。そしてこれから始まる【神降ろし】にて……さっそく宮司の言葉を思い出す事になるとは……この時の調は思いもしなかった。

 

「それとこの地のレイラインに関連する書物があります。よろしければご活用ください……」

 

「思いもしなかった収穫ね。櫻井女史が同行していて良かったわ……」

 

 すると調は本部へと連絡を始めた。

 

「司令……【神降ろし】に関連する情報をこの場所にて掴めるかもしれません。応援をお願いします」

 

『了解した…………ん? なる程な。キャロル君の提案で自動人形(オートスコアラー)の4人がそこに転移するそうだ。存外早く情報が纏まるかもな!』

 

「助かります叔父様。それでは本部で……」

 

 そして思いもしなかった収穫が……後の展開に大きく関わると……この時は誰も気付かなかった。

 




実は1周目キャロルはこの時は放浪をしていたので詳細の把握まではしていません。なので奏・勇君の情報とこの世界での擦り合せは今から行ってたりします。

まぁ……ほぼ対策済なのであまり関係ないですけど……

よろしければ感想・高評価・お気に入り登録・メッセージ等よろしくお願いします!アンケートの回答もしていただくと嬉しいデェス!

鏡香ちゃんのメインヒロイン(恋人)誰にしよう……

  • キャロル
  • クリス
  • マリア
  • きりしら
  • 未来
  • パヴァリア
  • シェム・ハ
  • 緒川さん
  • 弦十郎司令
  • あおいさん
  • 藤崇さん
  • エルフナイン
  • ノブレ
  • 自動人形
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。