私が貴女を守るから……(本編完結)   作:タク-F

127 / 177
2人の大幹部を退けた勇は拠点へと移動する。そしてそこで語る事とは?


表舞台から姿を隠した者達

 翼・調のユニゾンとイグナイトの力により相当根深いダメージを受けたプレラーティと勇は海(・)底(・)に(・)て(・)移動をしていた。正確にはプレラーティは気絶しており、氷(・)塊(・)に(・)包(・)ま(・)れ(・)た(・)状(・)態(・)で運ばれていた。

 

「ここまで来ればアダムも僕達を補足出来ない筈だ。後は奏さんへコンタクトを……」

 

 勇はシェム・ハへと思(・)念(・)を(・)飛(・)ば(・)し(・)た(・)。

 

『計画通りプレラーティ師匠を保護しました。約束の拠点で落ち合いましょう』

 

『了解した。先に寝かさせたカリオストロと共に待つ』

 

 シェム・ハも勇からの連絡を受けて拠点へと姿を消した。そしてその拠点とは……

 

『月遺跡のチフォージュ・シャトー……キャロルより預けられし最(・)高(・)峰(・)の(・)拠(・)点(・)な(・)り(・)』

 

 この世で最も堅牢な場所に最強の神が鎮座している。それだけでカリオストロの命は確実に保障されていた。そして程なくして勇が氷(・)結(・)し(・)て(・)い(・)る(・)プ(・)レ(・)ラ(・)ー(・)テ(・)ィ(・)をベッドへと安置して術式を展開した。

 

「申し訳ありませんプレラーティ師匠。仮(・)死(・)状(・)態(・)に(・)し(・)た(・)事(・)はお許し下さい……」

 

 勇は【氷結傀儡】(ザドキエル)の力を以てプレラーティに凍結の力をかけていた。しかし安(・)全(・)な(・)領(・)域(・)を(・)得(・)た(・)事でその状態を解除する事が可能になった。

 

「【灼爛殲鬼】(カマエル)……その力を以てプレラーティ師匠の身体を戻してくれ……」

 

 すると氷結されていたプレラーティの身体がみるみると体温を取り戻した。そして次第に目を覚まし……

 

「ここは……どこな……ワケダ……」

 

 起き抜けの身体で自身に起きた出来事を想い出そうとするも、記憶がうまく纏まら無かった。

 

「すみませんプレラーティ師匠……。貴(・)女(・)を(・)保(・)護(・)す(・)る(・)方(・)法(・)を(・)……僕はこれしか思いつきませんでした。その為に乱暴な手段になった事を深くお詫びします。その対価をお受け取り下さい……」

 

 勇はプレラーティへ高純度の【霊結晶】(セフィラ)を手渡した。

 

「何のつもりなワケダ?」

 

「僕達の話(・)を(・)聞(・)い(・)て(・)下(・)さ(・)い(・)。今ならばどの勢力にも感知されずに語る事ができます。貴(・)女(・)の(・)想(・)い(・)を(・)教(・)え(・)て(・)下(・)さ(・)い(・)!(・)」

 

 勇は純粋に……ただ真っ直ぐな瞳でプレラーティを見据えた。そして彼女も、その瞳を見て諦める事となった。

 

「アダムの目的が私達に語られたワケダ。その結果私達は……奴(・)の(・)計(・)画(・)の(・)為(・)に(・)切(・)る(・)捨(・)て(・)ら(・)れ(・)る(・)事を聞かされたワケダ……。これ以上に胸くそ悪い事は無いワケダ……!」

 

人類の救済を掲げるサンジェルマンに対するアダムの行為は明らかに目論見から外れている。それどころかサ(・)ン(・)ジ(・)ェ(・)ル(・)マ(・)ン(・)の(・)行(・)動(・)自(・)体(・)は(・)アダムに利するが、逆は存在しない。故にプレラーティはアダムへと問い詰め……その結果が今に至る。

 

「カリオストロ師匠を呼んで来ます。まずはお2人の話をお願いします……」

 

 勇はそれだけ告げて退室をした。

 

「戦闘での傷口が……治っているワケダ。少なくとも奴の力は本物なワケダ……」

 

 そして程なくしてカリオストロが合流した。

 

「プレラーティ……貴女も装者達に敗れて彼等に……」

 

「あぁ……命(・)を(・)救(・)わ(・)れ(・)た(・)ワケダ。ひとまず私がアダムに詰めよって得た情報を共有するワケダ……」

 

 プレラーティとカリオストロは互いの情報を交換しあい、勇はそれを見届けた後に姿を現した。

 

「僕が師匠達を保護した目的は1つです。僕自身が師匠達を助けたかった……それだけなんですよ。世界は違えど僕にとってはかけがえのない人達なんですから……」

 

「みたいね。でも……これでアダムの追跡を躱す事には成功したわね。それで……こ(・)こ(・)か(・)ら(・)何(・)を(・)企(・)む(・)つ(・)も(・)り(・)な(・)の(・)か(・)し(・)ら(・)?(・)」

 

「私達の弟子を語るならば策略の1つや2つは拵えているワケダな……」

 

「これは手厳しい事で……」

 

 勇は頭が上がらないと言わんばかりに頬を掻いたが、その瞳は先(・)を(・)見(・)据(・)え(・)て(・)い(・)た(・)。

 

「まずは鏡香さん・キャロルとの協議も必要です。僕(・)の(・)識(・)る(・)未(・)来(・)を回避する為にもここまででできる事は続けてきました。後は最後の詰めだけなんです。師匠達のお力を貸してください! 」

 

 勇は2人へと土下座で頼み込む。少なくとも圧倒的実力差のある人間にできる事ではないが……

 

「その気になれば何時でもあーし達を殺せたのに……頑なにそれをしなかった。あーし達に頼み事をするつもりだったのが良くわかるわね……」

 

「自分ごと私と海へ飛び込む辺り並の覚悟では無いワケダ……。その言葉に偽りが無いのはわかっているワケダ……」

 

 2人の大幹部は勇(・)の(・)言(・)葉(・)に(・)偽(・)り(・)が(・)無(・)い(・)と確信し、計画の詳細の説明を求める。

 

「近くアダムがサンジェルマン師匠を利用して神の力をティキへと降臨させます。そ(・)れ(・)を(・)響(・)が(・)壊(・)し(・)た(・)時……アメリカが最終兵器を用いて響の殺害を試みるでしょう。しかしサンジェルマン師匠は響(・)を(・)守(・)る(・)為(・)に(・)攻撃を防ぐべく身体を張ります。この時に正史ではお2人も師匠を助ける為に運命を共にしました」

 

「あり得ない……とはもう言わないわ。続きをお願い……」

 

「僕の目的は1つです。そ(・)の(・)役(・)目(・)を(・)譲(・)っ(・)て(・)く(・)だ(・)さ(・)い(・)。そして願わくば……崩壊する結社を纏めてください」

 

「止められる保障はあるワケか?」

 

「止めます。響が神の力をコントロールするその時まで確実に!」

 

 勇の力強い言葉に2人は覚悟を決めた。

 

「そこまで言うなら取り引きよ。必(・)ず(・)サ(・)ン(・)ジ(・)ェ(・)ル(・)マ(・)ン(・)を(・)助(・)け(・)な(・)さ(・)い(・)!(・)もしもしくじればあーし達は結社総力を上げて貴方達を殺すわ。文句はあるかしら?」

 

「ありませんよ! 絶対に失敗しませんから!」

 

「ならば見せてみるワケダ。成功した暁には……結社を纏めあげると約束してやるワケダ!」

 

「もちろんです! そして倒(・)す(・)べ(・)き(・)本(・)当(・)の(・)敵(・)を退けるその日まで……僕は協力します!」

 

 勇の告げた本(・)当(・)の(・)敵(・)のニュアンスがアダムを指していないのは明白だった。しかし……言葉は続けられた。

 

「風鳴訃堂……二課の前司令にして【国防の鬼】。手段と目的が入れ替わった典型的な末路です。彼が命(・)を(・)握(・)る(・)3(・)人(・)を助けたいのも僕の願いですから……」

 

 勇が最後に救うつもりなのは【ヴァネッサ・ジオダディ】・【エルザ・ベート】・【ミラアルク・クランシュトウン】通所ノーブルレッドと言われた3人だ。

 

「彼女達も……師匠達も助けたい。それが僕の……せめてもの願いだから……」

 

 嘗てキャロル(想い人)を救えなかった精霊は、【今度こそ】とその手を伸ばす。2度と大切な人達の命を……失わない為に……。

 




勇が本当に見据えた敵は風鳴訃堂。しかし現在は証拠が無い。彼と対峙するのは少し先の未来だ……

よろしければ感想・高評価・お気に入り登録・メッセージ等よろしくお願いします!アンケートの回答もしていただくと嬉しいデェス!

鏡香ちゃんのメインヒロイン(恋人)誰にしよう……

  • キャロル
  • クリス
  • 響
  • 翼
  • マリア
  • きりしら
  • 未来
  • パヴァリア
  • シェム・ハ
  • 緒川さん
  • 弦十郎司令
  • あおいさん
  • 藤崇さん
  • エルフナイン
  • ノブレ
  • 自動人形
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。