エルフナインにより分断されたノーブルレッドと装者達。ミラアルクと対峙していたのはマリアと翼だった。
「ウチらの苦痛を理解できる奴なんて誰もいないんだぜ! お前達にもわかる筈は無いんだぜ!」
苛烈な剛腕による攻撃が2人へと降り注ぐ。その勢いに気圧される翼とマリアは……
「クッ……! コレが貴女達の……!」
「痛み……悲しみ……孤独……それでも! 私達はぁ!」
マリアはアガートラームを、翼は天羽々斬を構えて応戦するもミラアルクの勢いに対応するのは困難を極めていた。
「この速度で……この重さ……私達が攻めに転じれ無いなんて!」
「貴女は……何処まで!」
翼の蒼ノ一閃も逆羅刹も悉くが空を切る。翼の生えたミラアルクの機動力には天羽々斬さえも翻弄される速度であり……
「この……離れなさいよ!」
マリアのアガートラームですら攻撃を受け止めるのは困難を極めていた。
「吸血鬼には銀が効くとかそんな弱点なんて克服済なんだぜ! そもそもそんな隙なんかやらねぇがなぁ!」
更に身体を細分化して蝙蝠へとその姿を変える事で攻撃を当てる事さえも2人は困難を極める。
「へぇ〜……それならコレはどうかしら?」
「ッ!? 何者なんだぜ!」
ミラアルクは声のした方角へと蝙蝠を飛ばすが、その人影は
「はぁ……マスターの願いじゃないなら
その人影が次第に色を帯びていくも、その姿に3人は驚愕を隠せなかった。
「サーヴァント ジャンヌ・ダルク……マスターの祈りに応じて貴女方に助太刀します。そしてミラアルク……貴女を無力化してマスターの元へと連れて行きます!」
邪ンヌはマリア・翼の前に立つと旗を掲げて黒炎を巻き上げる。
「コイツは……呪いの!?」
「そうよ? 貴女が吸血鬼を語る以上、
邪ンヌの炎によって攻めを止めさせられたミラアルクは3人から距離を取った。
「とんだ邪魔者が現れたんだぜ! でも……ウチだって退けない理由があるんだぜ!」
しかしミラアルクも吸血鬼の権能を以て自らの分身を生成した。
「マリア……聞いて欲しい事があるの……」
「奇遇ね。私も翼に言いたい事が山ほどあるわよ?」
「なら生き延びなさい! 私達のマスターは
本来ならば使う筈の無い
は2人へと激励と勝利の約束を訴える。
「呪いの魔女が神聖な結界とかどんな皮肉なんだぜ!?」
動揺を隠せ無いミラアルクに邪ンヌは胸を張って言い切る。
「私の愛しいマスターはアンタ達の事を救いたがっているのよ! その為に私はアンタ達を退けると決めたのよ! 」
剣を振り上げミラアルクと切り結ぶ邪ンヌの姿を見て2人も覚悟を決める。
「マリア……彼女の姿は
「みたいじゃないわよ? 彼女は本当に鏡香を愛しているのよ。だから私達に力を貸してくれるんでしょうね……」
「お前にウチらの何がわかる! 怪物と蔑まれるウチらの孤独が! 不安が!
「
「ッ! ならどうしてウチらを!」
邪ンヌの見せる悲哀の表情に一瞬の動揺を見せるミラアルク。しかし邪ンヌにはその一瞬で充分だった。
「覚悟を決めたかしら? そもそもアイツは
「そうね……助太刀に感謝を。この恩は
「行くわよ翼! 見せてみなさい……戦場に立つ抜き身の貴女を!」
翼とマリアが並び立ち……唄を歌う。そしてこの掛け合いはいつかの再現と言えるのだろう。
「しゃらくせえ! さっきまで防戦一方のお前達に何ができると!」
「打開策なら講じて来たわ! それに私達は応えるだけよ!」
アマルガムを顕現させた2人は対応できなかったミラアルクの蹴りや翼のブーメランにも反応を始める。これがシンフォギアとファウストローヴの融合であり、決戦機能なのだ。
「翼の蒼炎と私の銀腕……それで拓けない道なんて無いのよ!」
アガートラームを細分化してミラアルクの蝙蝠化と撃ち合いを始めるマリアと、純粋な火力を以て斬り合いに臨む翼。その気迫は先程までと一線を画す。
「私は響を業に巻き込んだ! その罪滅ぼしを未だに果たしていない! 私は響に謝るの! あの日……私を想って連れ出してくれた手を払ったあの日の行いを!」
「響は私のライバルである鏡香の妹! そして何よりも私達と肩を並べる大切な仲間! 救う理由なんてそれだけで充分なのよ!」
マリアもその勢いを取り戻していく。次第に形勢は2人の歌姫へと傾き始めた。
「まだだ……まだウチ等は終われねぇ! 孤独も! 苦痛も! 屈辱も未だに注げてはいない! だから諦めるわけには!」
ミラアルクにも退けないだけの理由と意地が存在した。しかし迷いの無い2人の1撃を彼女が凌ぐ事は不可能だ。
「行くわよ翼!」
「合わせるぞマリア!」
至高善・薔薇X字!
2人のユニゾンによる1撃がミラアルクを捉え……更にダメ押しの1撃が追加される。
「これは憎悪によって磨かれた我が魂の咆哮……
邪ンヌの宝具がミラアルクの身体を包み……完全に意識を刈り取った。
「貴女まさか……彼女を……」
「笑えない冗談ね。もちろん加減してるわよ。さぁ……マスターの元へ急ぐわよ。ナビゲートしてあげるから着いて来なさい?」
邪ンヌはミラアルクを背負うと2人の先導を始めた。装者全員が合流できる時は……そう遠く無い。
流石邪ンヌ!エグい火力!圧倒的優位!
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