さて……第3戦の前のささやかな平和の時間で彼女達は何を考えるのか……
風鳴翼は……絶唱の反動で静養を余儀なくされていた。
「覚悟していたとはいえ……かなり負担が強いわね……」
そして脳裏に浮かぶのは……新米の装者たる響の存在だった。
「櫻井女史と共にデュランダルの護送任務……間違い無くあのネフシュタンの少女が再び襲撃する筈なのに……」
しかし……ICUこそ入らなかったとはいえ……絶唱の反動は甚大だった。
「奏はあの日……コレ以上の覚悟をして詠ったのね……」
翼は嘗ての相方が絶唱を放った2年前のライブの日を追憶した。しかし……同時に狂い始めた運命にも注目していた。
「ネフシュタンの鎧が何者かの手で奪われ……響が死にかけ……奏が命を落とした。その全ては本当に偶然なのかしら?」
翼は先日ネフシュタンを少女がソロモンの杖を使ってノイズを召喚するところを目撃していた。
「もしも……ライブ会場でノイズを呼んだのが彼女……もしくは彼女に
翼の懸念は正に当たっており、この移送任務でネフシュタンの少女は響へと2度目の接触を試みていた。
「頼むわよ鏡香……ノイズとの戦闘は無理でも……肉弾戦ならあるいは……」
翼は響の姉であり……自分の目を覚まさせてくれた親友へと……後を託した。
「広木防衛大臣の繰り上げ法要……終わりましたか?」
「あぁ……なんとか……な。しかし……」
「司令の懸念が的中しましたね。早速と言わんばかりに……」
本部では
〈了子さん……司令の指示の前から妙にソワソワしていたんです。まるで……ノイズが出るのを待っていたかのように……〉
「鏡香ちゃんの報告……気になりますか?」
「あぁ……調査部に話を通して内内に探らせているが……」
「信じたい気持ちはわかりますよ? でも……明らかに了子さん……デュランダルの護送の後から……」
了子はデュランダルが〈アビス〉に戻されてから特に急いで本部の改修案の可決を求めていた。確かにデュランダルが移送中に狙われた事に不安はあるがしかし……
「何故そこまで危険な聖遺物にこだわる? 寧ろ〈アビス〉にある事こそが重要とでも言うのか?」
「わかりません。しかし……広木防衛大臣が亡くなるのを待っていたかのように……また掛け合っていたみたいです……」
「なら……調査部を信じるしか無いのかもしれないですね。それでシロなら……良いんですが……」
本部では言いようの無い不安が漂っていたが、もう1つの問題も相当な案件だった。
「ネフシュタンの少女……やはり響君を狙っているのか……」
「そう言えば了子さん……響ちゃんの検査を覚醒させた初日からお願いしていましたね。確かあの日を堺に……」
「もしもその件すら無関係じゃないなら……」
「俺達の方でも注意せねばな……」
弦十郎はネフシュタンの少女とその背後にいる人物への警戒をより一層強める事となった。
「さて……私達の検査も終わったし……翼のお見舞いにでも行こう?」
「ええ!? 翼さんのお見舞い!? 」
「……というより……緒川さんに頼まれてるの。定期的に様子を見て欲しいってね?」
響と鏡香は静養と検査が終わると未来と合流した。そして……鏡香は翼のお見舞いを提案していた。
「定期的にって……どのくらいなの?」
「週一かなぁ……。翼のアレは酷いから……」
「何があるの……?」
響と未来は鏡香が翼を傷以外の要因で心配しているのは察したが、それがどんな内容なのかは検討がつかなかった。
「まぁ……行けばわかるよ……」
心無しか鏡香は少し気が重い雰囲気をしていた。そして……鏡香の不安はお見舞いに行く時に的中する事となる。
「え……? 翼さん……?」
「コレは……酷い……」
「あ〜……やっぱり手遅れかぁ……」
翼の面会に来た3人は病室の惨状を目の当たりにした。しかし……当の翼は病室にはいなかった。
「お姉ちゃん……翼さんはどこに……? ッ! もしかして私みたいに!? ゴツン! あいたぁ!」
動揺する響だが、鏡香は直ぐに響に拳を降り下ろした。
「落ち着きなさい。多分院内にいるから。それと……コレが行きたく無かった理由よ……」
「…………もしかして翼さんの仕業?」
「え〜……そんな事あるの〜〜?」
信じる事が出来ないような惨状だが……響でさえ疑わざるを得なかった。そして……そんな時に当人が戻って来た。
「まったく……今日は面会はやめてと言ったのに……」
「残念だけど緒川さんからの言伝だよ? この惨状が容易に想像出来るって事よね?」
「あうぅ…………」
鏡香の言葉で翼は赤面してしまい……大人しく鏡香達3人に病室の片付けをされる事となった。
「あ……響は翼の監視ね? ベッドから動こうとしたら拘束して構わないよ?」
「鏡香……許して……」
「普段は誰が片付けを……?」
未来が禁断の質問をしてしまった。
「緒川さんだよ? あっ……でも下着関連は私かあおいさんだね。流石に男性にさせる訳にはいかないから……」
「もう……言わないで……」
翼の私生活が後輩に暴かれた瞬間であった。
「…………報告書には目を通しているわ。鏡香……貴女恐ろしい程の事をしてのけたのね……」
「まさか私が対抗できたとは……ね?」
「そりゃあそうですよ! なんたって自慢のお姉ちゃんですから! ゴツン! 痛い! ポカポカ殴らないでよぉ! 」
「もちろん響の報告も聞いているわよ? デュランダルを……良く守り抜いたわね?」
翼は愛おしい表情で響を撫でた。しかし……
「むぅ〜……響はそう言って直ぐに人と打ち解けてぇ……」
ギュムリ!
「痛ぁい! 未来ぅ……痛いよおぉ!! 」
「未来……響が痛がっているよ? 手を離したら?」
「いえいえ鏡香さん。
「貴女達……仲が良いのか悪いのかわからないわね……?」
そうして少し騒がしい面会は終了する事になった。
嫁……動きます。後に鏡香さんへ不遇の日が訪れ……後に悲しみの涙を流します……。
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鏡香ちゃんのメインヒロイン(恋人)誰にしよう……
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キャロル
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クリス
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響
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翼
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マリア
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きりしら
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未来
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パヴァリア
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シェム・ハ
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緒川さん
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弦十郎司令
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あおいさん
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藤崇さん
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エルフナイン
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ノブレ
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自動人形