私が貴女を守るから……(本編完結)   作:タク-F

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カ・ディンギルの砲撃を身を挺して防いだクリスは……森へと堕ちていった。しかし……カ・ディンギルは再稼働を始めていた。




フィーネの悲願

「クリスちゃんを……どうして……」

 

 響はクリスがカ・ディンギルの砲撃に飲まれ……そして地上に墜落するところを目撃してしまった。

 

「私に……言いたい……事が……あるって…………言ってた……じゃん……なのに……どうして……」

 

「ふん……所詮は無駄死にだな。クリスめ……最後まで浅はかだとはな……」

 

笑ウナ。…………オオッ! 前! ガァァ! クゥウ! リイィ! スチ! ャ! ンヲオォ! 笑ウゥ! ナァ! 

 

 響は涙を流しながら身体を震わせていた。そして……その身体が()()()()()()()()()()

 

「響……何が起こって……」

 

「ほう? ガングニールの意思か? 暴走状態とは恐れいったぞ? 研究者としては些か興味をそそられるが……果たして…… ……」

 

 フィーネはネフシュタンの鞭を響へと振り抜いた。しかし……響はあっさりとその鞭を受け止めた。

 

ガ……! アアァァ……ァァ…………アァアアァ!! 

 

「……っ! 中々の動きのキレだが…………それだけだな!」

 

 しかし……獣の如く破壊衝動に塗りつぶされた響の動きは……響のデータを収集していたフィーネには然程の驚異では無かった。それどころか単調な動き故に一挙一動に至るまで動きが見切られていた。

 

響! あの娘は敵討ちなんて望んでいない! 鏡香だって同じ筈よ! 

 

 腕を振るい……脚を振り上げ……掴みかかかるも……フィーネはその全てを躱し……いなし……受け止めた。

 

「無駄だ! 今の立花響には声は届いていないだろう! ガングニールの逸話にある神殺しそのものになろうとしているのだからなぁ!」

 

 フィーネは響の変化を高らかに説明していた。それを聞いて翼は……響に寄り添う事を決めた。

 

「響……奏の力を受け継いだ貴女が何を目指すのか……私はまだあまりにもその姿を見ていない。だから……憎しみに……囚われないで……」

 

「ほう? 天羽奏の死を最も悼んだのはお前だと思っていたが……いつの間に乗り越えたのか? しかし……そんなお前の苦労すらも泡沫のようになるだろうな……」

 

 フィーネは尚も2人の様子を茶番でも見るかのように観察していた。しかし……響は次のターゲットを翼へと移していた。

 

許サ……ァ……ナイ……私…………ハア…………絶対……! ニ……イィ許……サアアナァアイイィ! 

 

「最早対象の区別すらつかない……か。哀れなものだな。それがお前の末路とは……」

 

 フィーネは尚も憐れんだ視線を響へと向ける。

 

「響……もう……やめなさい……」

 

 響の暴走を止める為に……翼は()()()()()()響の拳を受け止めた。しかしその代償に……翼の腹部には()()()()()()()()

 

「奏…………の……力……を…………そん……な……ふ……うに……使…………わな……いで……」

 

 受け止めた翼は既に肩で呼吸をしていた。しかし……その瞳の奥には確かな力強さがあった。

 

「…………身を挺して立花響の動きを止めた……か。しかし……無駄な事をしたな。私へと誘導するなり……カ・ディンギルを狙わせるなりすれば……まだ勝機はあっただろうに……」

 

影縫い

 

「そう……かも……し……れな……い……。だけど……それ……でも……私が……導……く……と奏……に誓……った……からな……」

 

「翼……サン……どう……し……てそこ……まで……私……に……」

 

 しかし……翼は響を正気に戻すと……倒れ伏してしまった。

 

ふはははは!! 共倒れか! 実に滑稽だな! クリスは無駄に足掻き! そのクリスが倒れた事で激情し! 果てには最も勝機のあった翼が足で纏といであるお前の為にその身を張った! その結果がこのザマだ! よく見るが良い立花響! お前の眼の前で! お前のせいで月は穿たれる! 何もかも……お前のせいでなぁ! 

 

 フィーネは声高らかに響へと悪意をぶつけて来た。しかし……眼の前で世界を救う為に命懸けの覚悟を見せたクリスがカ・ディンギルの砲撃に飲まれた。そして便りにしていた翼は暴走した自分を止める為にその身を呈して倒れ伏した。

 

「私のせ……いでク……リスちゃん……が翼……さんが……」

 

「そうだな。ネフシュタンの鎧も含めてお前のせいだな……」

 

 響の瞳は涙が溢れ……膝の力が抜けていた。そしてとうとう……ギアを維持する事すら出来ない程に精神を追い詰められていた。

 

「だが……それもしばしの出来事だ。シェルターへの避難誘導をしている鏡香や小日向未来も……私の目的を邪魔になるのは明白なのでな。直ぐお前達の後を追わせてやるさ……」

 

「未来に……お姉ちゃんまで……」

 

「さて……カ・ディンギルのリチャージが完了したようだな。せっかくの機会だ……お前も見届けるが良い。人類がバラルの呪詛から開放される瞬間をな……。エンキ……私は……ようやく……貴方に……

 

ピシッ、……ミシミシ……ガラガラガラ……ズズズず……グシャアァン!! 

 

 フィーネは光が放たれる瞬間を……恋する乙女の表情で焦がれていた。しかし光が放たれた瞬間……カ・ディンギルは()()()()()()()()()()()

 

「何が……起きている……? 何故……カ・ディンギルが……崩れて……?」

 

「何が……起こって……いるの?」

 

「許さん……許さんぞ貴様等! 私の悲願を目前で良くも泡沫としてくれたな! 絶対に許さん! 貴様等のその身を八つ裂きにしてくれるわぁ! 

 

 フィーネはカ・ディンギルの突然の崩壊に驚愕し……響は眼の前の事態を未だに飲み込めずにいた。しかし……フィーネの怒りの矛先はその場の響へと向かう事になる。

 

貴様等は所詮私があの方に会うための礎に過ぎなかったのだ! なのに……なのに良くもぉ! 出来損ないの分際でえぇぇ!! 

 

 フィーネは響をネフシュタンの鞭で切り刻み、拳を握っては腹部を……頬を……殴り……その身体を蹴り飛ばした。しかし…………響は一切抵抗する素振りを見せなかった。その結果頬は内出血でうっすらと青黒い痣を作り……体内の酸素を吐き出す度に激痛を催す。当然骨も数本は折れているだろう。

 

はぁ……はぁこ……れ……では……計……画……を……練……り……直さ……ね……ばなら……な……い……。……次……はい……っ……た……い……ど……れ……ほ……ど……の……年……月を……要……す……ると……い……う……の……か……

 

NIRVANA GEDON! 

 

なんだと!? まさか……ここに辿り着いたのか鏡香!? 

 

 自身の呼吸が荒れる程に響を痛みつけたフィーネだが……倒れ伏した響の腹部を再度踏みつけ、蹴り飛ばそうとした時……見慣れたエネルギー弾が彼女へと向かって来た。

 

「お姉……ちゃん……?」

 

「………………私の友達に砲撃を浴びせて……親友の心を弄び……果てには最愛の妹への暴行……ね? そんなの……私が許す訳無いでしょ? フィーネって言ったよね? 私はお前を絶対に許さないから! 

 

「許さない……だと? それはこちらの台詞だ! 貴様と言うイレギュラーのせいで私の計画は頓挫したようだな! 私こそ貴様を許さんぞ! 故に貴様の妹……この場で殺してくれるわぁ! 

 

 フィーネが響の頭へ足を振り下ろそうとした。しかし……()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「…………何故だ! 何故邪魔をする! 

 

「そんなの1つしか理由はないよ? 私がお前を許さない。それだけだから! 

 

 鏡香はエレクライトをその身に纏い……憤怒の形相をしていた。




鏡香到着!カ・ディンギル倒壊!翼がダウン!
フィーネ激おこ!鏡香も激おこ!

はい!カ・ディンギルが勝手に壊れたので翼さんは響の暴走を止めて倒れてしまいました。そして主人公鏡香はようやく到着しましたね!次回フィーネとの激闘が始まります!

よろしければ感想・高評価・メッセージ・お気に入り登録等もお待ちしています!アンケートの回答もしていただければ嬉しいデェス!

鏡香ちゃんのメインヒロイン(恋人)誰にしよう……

  • キャロル
  • クリス
  • マリア
  • きりしら
  • 未来
  • パヴァリア
  • シェム・ハ
  • 緒川さん
  • 弦十郎司令
  • あおいさん
  • 藤崇さん
  • エルフナイン
  • ノブレ
  • 自動人形
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