実質的にG編のプロローグを兼ねていますが、一応今話までを無印編とします。
ルナアタックが収束して凡そ2ヶ月が経過した9月……1人の少女がリディアンの2年生として編入して来た。まだ……リディアンの敷地は嘗ての場所から変更となり、現在は新天地での再スタートとなっている。
「雪音……クリス……だ。……よろしく……頼む……」
震えた小声で自己紹介をしたクリスだが、クラスメイトには聞こえていなかった。しかし……立花鏡香は席を立ち、クリスの元へと駆け寄った。
「みんなごめんね! この娘恥ずかしがりやなの! 名前は雪音クリスって言うからさ! みんな新しいクラスメイトを受け入れてくれる? 」
「あ……鏡香……」
するとクラスが少しだけざわつき出した。
「立花さんの知り合いなんだ……」
「可愛い娘だよね!」
「恥ずかしがりやなんだ……」
「綺麗な髪をしてるよね……」
「ていうかネコみたい……」
そして当のクリスはというと……
「う……あぅ……」
今にも倒れてしまいそうな程に赤面させていた。しかし……その様子を見たクラスメイトも、無理に距離を詰めようとはしなかった。しかし……本心ではクリスと話してみたい人間はそう少なくは無かった。
「それじゃあ先生の授業の邪魔にならないように質問は休み時間にしてあげてね!」
鏡香はクリスの手を引くと席へ案内した。そしてクリスの席は二課が手を回しただけに鏡香の後ろの席となっていた。
「ありがとうな……鏡香……」
「気にしなくても良いよ。一応私は1年歳上なんだから……」
「そっか。そういえばそうだったな……」
そして2人の雰囲気を見たクラスメイトは、クリスへの質問を鏡香を通して行っていった。もちろんプライベートに関するモノの無い当たり障りない質問だった。
「雪音さんは綺麗だけどもしかしてハーフなのかな?」
「好きな楽器とかあるのかな?」
「雪音さんの歌を聞いてみたい!」
「立花さんとの関係は?」
そんな質問が鏡香を通じて行われた。
「あ〜……私とクリスの関係性だけど、私にリディアンへの入学を進言してくれた人がクリスの編入を後押ししたの。だから私とクリスはその人を通じた知り合いなんだよ」
唯一クリスとの関係性は濁す必要があったが、それ以外はクリス自身がしどろもどろになりながらも答えていた。
「お? 愛されてるねぇクリスは……」
「うるせぇ。こちとら気恥ずかしくてやってられねぇよ……」
「とは言っても満更でもない……そんな顔をしてるよ?」
鏡香はクリスのペースでクラスに打ち解けられるように色々してあげようとしていた。何せ鏡香は響に世話を焼いているのだから……
「雪音さん! お昼ご飯を一緒に食べない? もちろん鏡香さんも同席でね?」
「あ〜私は構わないけど……クリスはどうする?」
「…………鏡香がいるなら……」
少しだけクリスが自分に素直になれた瞬間だった。
「クリス……もし良かったらご家族の……ソネットさん達の事を話しても良いかな? 」
「鏡香が言葉を選ぶなら……」
クリスは少しだけ両親との思い出を振り返る事にした。
「クリスの苗字で気づいたとは思うけど、彼女のお母さんは声楽家のソネット・M・ユキネさん。お父さんは雪音雅律さん。だから音楽界のサラブレッドなんて言われたけど……彼女自身それはコンプレックスでもあるから。だからそこから先は踏み込まないであげてね?」
「あ……鏡香……」
すると少しだけクラスがざわついた。
「やっぱり天才ヴァイオリニストの雪音さんの……」
「声楽家のソネットさんって……あの綺麗な歌声の……」
そんなクラスのざわつきを見てクリスは少しだけ両親の偉大さを思い出した。
「そっか……パパとママ……有名人だったんだもんな……」
「まっ……フィーネに拉致されていなければ……テロで命を落とさなければ……クリスはどんな道を選んだんだろうね?」
「声楽家か……ヴァイオリニストか……はたまた違う分野だったのか……確かにあたしはどうなっていたんだろうな……」
そんな慌ただしくも……充実した日々がリディアンで幕をあげた!
そして月日が少し流れて10月となり……
「そう言えば雪音さん……もうすぐリディアンでは学祭があるんだけど……雪音さんはステージに出て貰えないかな?」
「……そう言えば11月には学祭だったね。確かにステージもあったような……」
「……鏡香は出るのか?」
「まあね。去年は響と2人でツヴァイウィングの
〈逆光のフリューゲル〉
を歌ったよ。もちろん中等部の生徒を連れ出した事で注目を浴びたけど、それでも悪くない思い出だったよ?」
「そっか……悪くない思い出なんだな……」
クリスはそう告げると悩ましい表情をしていた。そこで鏡香は1つ考えた事があった。
「ならさ……クリスもステージに上がって私達と勝負する?」
「ん? 勝負だと? そりゃまた急にどうした?」
「理由は2つあるよ。1つは私が響とステージに出るし、クリスと張り合ってみたいから」
「なるほどな。確かに鏡香と張り合った事はそんなに無かったな……」
「それともう一つは……クリスに学祭を楽しんで欲しいから……かな?」
するとクラスメイトもその話を聞いてやって来た。
「雪音さんの歌……授業で聞いたけど歌が好きなんだって良くわかるよ!」
「ヴァイオリンの演奏も凄かった! また聞かせて欲しいくらいだよ!」
「ふふっ……クリスの事……みんな良く見てるよね……」
「…………気恥ずかしいじゃねぇか……」
クリスは赤面した事を隠す為に俯いてしまった。
「まっ……楽しみ方は1つじゃないし、私と響の歌を聞いてくれるだけでも多分違うと思うよ?」
「それはそれで聞いてみたい……」
「いや……私の後ろに隠れながら言わないでよ……」
「本当に雪音さんってネコみたいで可愛いよね〜。鏡香さんに甘える仕草なんて本当にネコのソレだから……」
「ッ〜〜!」
クリスは思わず鏡香の腕を強く握ってしまった。
「あはは……そろそろ限界みたいだから次の機会で良いかな?」
「もっちろん! でも楽しみにしてるよ!」
そう言うとクラスメイトは離れてくれた。
「鏡香は……あたしのステージが楽しみか?」
「そりゃあね。ヴァイオリンでも……歌でも……クリスのステージってだけでね。響なら飛びつくと思うよ?」
「アイツのスキンシップは本当に過激なんだけど……」
「ん……その辺は私が〆るから遠慮なく言って良いよ?」
「ありがとうな鏡香……」
この日……クリスはリディアンの学祭で歌う事を決心した。そして〈歌姫マリア〉と〈風鳴翼〉の合同ライブまで……残り1週間を切っていた……。
実際クリスの素性をクラスメイトが知っているならばもっと注目されてたと思うんですよね……。という訳でクラス内で堂々と素性を明かして貰いました!
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鏡香ちゃんのメインヒロイン(恋人)誰にしよう……
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キャロル
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クリス
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響
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翼
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マリア
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きりしら
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未来
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パヴァリア
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シェム・ハ
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緒川さん
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弦十郎司令
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あおいさん
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藤崇さん
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エルフナイン
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ノブレ
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自動人形