私が貴女を守るから……(本編完結)   作:タク-F

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刻まれたトラウマと……彼女を捕えた組織。そして彼女達の思惑は……語るべき相手に告げられる……


予期せぬサイカイ

〜〜フィーネside〜〜

 

「さて……そろそろ弦十郎の奴が接触してくる頃だろうな……」

 

 私は調の身体を借りて現世へと舞い戻る事が出来たが……よもや古巣に戻る事になるとはな……

 

「失礼するぞ月読調君。俺はこの施設の司令をしている者だ」

 

 ふむ。やはり捕虜も丁重に扱う……か。

 

「相変わらずだな弦十郎。まぁ……それがお前の美点であり欠点でもあるのだがな……」

 

「その雰囲気……何故君がその娘の中にいるんだ……()()()……」

 

 やはり気づいたか。しかし調と私を同一視されるのは些か面倒だな。安直だが瞳の色を変えておくか。

 

「あの時……櫻井 了子を依り代にしていた私は確かに消滅したさ。そして次の転生先がこのシャルシュガナのシンフォギアを扱う少女の〈月読 調〉だった。それだけの事だが……念の為に瞳が金色の時は私の意識がある時だ。覚えておけ……」

 

「わかったぞ了子君。しかし……ならばこそいくつか質問がしたい。まず最初に()()()()()()()()()()()()んだ?」

 

 やはり最初に言及するならばソコだろうな。まぁ……ソコを話せなければ先に進まないがな……。

 

「弦十郎……お前はこの調についてどれほどの話を聞いている? もちろんライブ会場以降の話だぞ?」

 

「鏡香君が捕えた武装組織〈フィーネ〉の一員でシンフォギア装者。そしてその娘の名前までだな」

 

 やれやれ……予想通り過ぎて呆れるな。

 

「はぁ……想像通りだな。では最たる理由のみ掻い摘んで伝えるぞ? まず現在の調の精神は酷く摩耗している。何せ恐怖を深層意識にまで刻まれた程だ。故に防衛本能がこの肉体に宿った私の意識を引き上げた。ここまでは良いな?」

 

「調君が……恐怖だと? どういう意味だ?」

 

「察しが悪いぞ弦十郎……お前は報告書に目を通したのか?」

 

「あぁ……〈フィーネ〉を撃退して彼女を拘束した。そうでは無いのか?」

 

「40点だな。まず調達は()()()()()()()()()。お前はあの時の鏡香を目で追えたか?」

 

「…………記録映像をスロー再生でなら……な。それほどまでにあの時の鏡香君は速かった。間違い無いだろう?」

 

「そしてその速さで調を力づくで抑え込み、切歌を撃退。続くマリアは戦意喪失だ。故にマリアは武装解除してまで2人の返還を申し出た。しかし現にこうなっているだろう? 無論その時の調は意識を残された状態だ。その状態で仲間が瞬時に無力化され、果てには自分の解放の為に自らの身を差し出そうとしていた……」

 

「そんな……やり取りがあったのか……」

 

 なるほど、詳細の報告前に休養させた……という事か。道理で理解していない訳だな。

 

「続けるぞ? 鏡香は躊躇う事無く調の目の前でこの行為を行っている。お前が奴らの立場であれば鏡香はどう見える?」

 

「……恐ろしい程に強大な敵だ。それこそ勝機を見出す事さえ絶望的だろうな……」

 

「そうだ。鏡香は()()()()()()()やってのけた。鏡香自身迫害の被害者だ。恐怖への墜とし方等身を以って識っているだろうからな……」

 

「正直……何故そこまでしなければならなかった? 嘗ての自分のトラウマを……人に植え付けずとも……」

 

 やはり……私の口から言うべき……か。

 

「引き金は立花響への侮辱だ。奴を()()()と宣った上に追い打ちをかけて精神を攻め立てた。鏡香はその意趣返しとして純粋なまでの恐怖を刻んだのだろうな……」

 

「しかし……温厚なあの鏡香君が……そこまでするのか?」

 

「鏡香は響の事になれば遠慮等しないぞ? この私とてあれ程装備を整えて尚倒せない。それがどういう事かわからないお前では無いだろう?」

 

 鏡香は異常だ。特に妹への並々ならぬ執着はライブでの悲劇、父親の失踪、予期せぬ危険……それら全てが鏡香をここまで追い詰めたのは言うまでもないだろうな。

 

「であれば……鏡香君が調君と会えば……」

 

「良くてトラウマを刺激する。悪ければ精神崩壊もあり得ない話では無い。故に私が表舞台へと戻って来た訳だ。全く……不確かな転生故にこういったリスクは体験していた筈なんだがな……」

 

「ならば……了子君から教えて貰えるのか? 彼女達〈フィーネ〉が……何を求めて立ち上がったのか……」

 

「良いだろう。些か非現実的な話をするが信じるか否かはお前次第だ。それは私の感知する場所ではないのでな……」

 

「十分さ……。それに今の了子君を信じられない程俺は非情では無いだろう?」

 

「はぁ……やれやれ……」

 

 私は溜息を付きつつも武装組織〈フィーネ〉の目的を語る事にした。私自身も今の地球が滅びるのは快く無いからな……

 

 


 

 

 

 

「済まなかったな了子君……また君に手をかけさせて……」

 

「全くだ。私を巻き込んだ以上はしくじるなよ?」

 

 弦十郎は話を纏めると重い足取りで司令室へと向かって行った。さて……トラウマに苦しむ調の様子は……

 

『ひ……ぃ……………………怖…………い………………バ…………ケモノ…………マ……リ……ア……切ち……ゃん助……け……て逃…………げ……て……』

 

「やはり鏡香の名前に怯えていたな。そこまでのトラウマをお前自身刻まれたが、そもそもお前が奴の逆さ鱗へ安易に触れた事が発端だ。コレがお前の罪だ。わかったな調?」

 

「う……はい……」

 

 今にも消え入りそうな声……か。やれやれ……手間を取らせてくれるな……

 

『フィーネは……私に……どうさせたいの?』

 

「和解しろ。最低でも鏡香の怒りを鎮めねばお前自身フロンティアを機動させた後に生きる事は困難だろうな……」

 

『切ちゃん達を……悲しませてしまいますね……』

 

「何を今更……そもそもお前達のやり方では良くてテロリストだぞ? 事が終わった後に望む生活など夢のまた夢だ。しかし……幸いにもここはお人好しの巣窟だ。立ち回りを考えれば結果も自ずと変わるだろうな……」

 

『そんな簡単に人が変わるわけ……』

 

 やはり根底にあるモノはそう変わらない。故に動き方を変えねばな……

 

「仲間を本当に守りたいならば、己のプライド等邪魔以外の何でも無いだろう。しかし……()()()()()()()()()()()()()()。無論善人ばかりでも無い。つまらん固定観念で身を滅ぼす人間は腐る程いるがな……」

 

『私は……私は……』

 

「よく悩む事だな。連中がお前の奪還をするにしても考える時間はまだあるだろう」

 

 私はそう言って意識を手放した。

 

〜〜フィーネsideout〜〜




二課への伝達完了!これで二課はひとまず後手を取ることはありません。しかし……追い詰められた相手は時に思いもよらない反撃に転じます。

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鏡香ちゃんのメインヒロイン(恋人)誰にしよう……

  • キャロル
  • クリス
  • マリア
  • きりしら
  • 未来
  • パヴァリア
  • シェム・ハ
  • 緒川さん
  • 弦十郎司令
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  • 藤崇さん
  • エルフナイン
  • ノブレ
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