未来はフィーネ達の言葉に耐えきれず……本部のモニタールームを飛び出した。しかし……未来に響を救う算段は持ち合わせていなかった。
「私が……皆と戦えたら……」
そんな未来の元に鏡香が現れた。
「ごめんね……未来。私が……ついていながら……」
「いいえ……鏡香さんだけのせいじゃないです。私……聞いたんですよ。マリアさん達……ステルスを使いこなしているんですよね……」
「うん……フィーネさんも神獣鏡で本気の逃げをされたら捉えるのは難しいって……」
神獣鏡のステルス……その精度は折り紙付きであり、〈F.I.S〉の持ち得る最強に近い手札だった。そして足取りを完全に掴めないのが現状だった。
「未来……頼みがあるの。未来にしか頼めない……どうしても……駄目だから……」
「歯切れが悪いですよ? どうしてそんなに言いよどむんですか?」
「迷っているの。今のままで駄目なのはわかっているけど……それでも危険な可能性が高いから……」
「何が言いたいんですか?」
鏡香は観念したように重い口を開いた。
「
「わかってます。でも……
「うん……だから……言い難いんだけど……」
「なら……
「もちろん前者だよ。私1人で向こうに乗り込む手段も段取りも無いんだから……」
鏡香は未来に響の事を任せるつもりだが……それ程までに自分自身も追い詰められていた。
「それに……私だって……憎しみを振りまいたから……」
ライブ会場で調を回収したこと……それが〈F.I.S〉にどう映るかを……考えていなかった鏡香の失敗とも言えた。
「どちらの言い分が正しいのか……それを決めるのは私達じゃないですからね……」
未来も鏡香の言いたい事を薄々察していた。
「私……司令達と話して来るよ。どうするべきなのか……迷いそうだから……」
「鏡香さん……
「うん……ありがとうね未来。私も……やれる事をやってみるよ……」
鏡香は尚も重い足取りだが……ひとまずはやる事を見据えて動き出した。
「司令……私と八紘さんを……再び会わせていただけませんか? いえ……ナスターシャ教授・フィーネさん・司令も同席していただきたいです。私達が起こしてしまった過ちや……その想い……それら全てを……どうしても……」
「わかっている。今回の1件はお互いにとってどこでどう拗れたのか……改めて振り返る必要があるだろうな。それには八紘の兄貴に知恵を借りるのも悪く無いだろう。よし……明日にでも兄貴を呼ぶとするさ!」
「…………鏡香は自身がした事をようやく認識したか? 結果としてファインプレーをした事にはなるだろう。しかし……それ以前の問題でもある。自身を見つめ直すのも悪く無いだろうな……」
そして鏡香は未来が響を連れ出してデートをするあの日に二課の本部で話し合いの日程を組んだ。この時はまだ、響に……そして未来の身に起こる運命を……知らずに過ごす事となる。
「さて……それでは私達の協議を始めるとしよう。翼……お前も同席して構わないのだな?」
「はい。これは二課の問題であると同時に、私の親友の苦悩でもあります。ならば私は……
翼は友を心配する1人の少女としてこの話し合いに望んだ。弦十郎が鏡香の状態……そして八紘が話し合いへの参加を表明した為に翼も参加の意を示した。
「翼……これは職務ではあるが国防では無い。故にありのままの想いを語ってくれ。その為に弦はお前に声をかけた。そして……私自身も
八紘も改めて翼へと優しさの一端を垣間見せた。そして翼も……その事実を認識した。
「ありがとうございます……お父様。では私から言わせていただきます。鏡香は……やり過ぎました。これは私達が話し合いをしていた時には気づかない事でしたが……マリアを始め先の装者達は私達に怒りを抱いています。嘗ての私や……迫害を受けた鏡香達同様……私達自身も憎しみや怒りを振り撒きました……」
「そうだな。テロリストを捕えた事に目を向けがちであり、尚且つそれが大きな功績を残したのは紛れも無い事実だ。そこは俺達も評価しているし、何よりも了子君と再会出来たのは大きいだろう……」
「ならば……私が調の視点で語るとしよう」
翼が本心を語り……弦十郎も補足を入れた。するとフィーネが次は語りだした。
「調はマリアが私の意思に塗り潰される事を何よりも恐れていた。そんな中で私と死闘の後に世界を守り……あたかもそれが日常であると見えた響の事が……たまらなく偽善者に見えた。無論二課の全員を示す言葉ではあるが……響の理念である
困っている人を救いたい
という言葉は……身体を張っても行動を理解されない自分達にはたまらなく
「
鏡香はフィーネの放った言葉のニュアンスに混惑していた。
『先日の学祭です。鏡香さん達の歌を私は観客席で聞いていました。歌われた二曲は……鏡香さん達の信念を感じました。レセプターチルドレンである私達は……明日の保証もありませんでした。成果がでなければば……命を落とす事は……珍しくありません……』
調は自身の境遇を自らの意思で語った。すると呼吸を整えて再度語り出した。
『でも……そもそも鏡香さん達はそんな事に縁が無かった筈の人達です。なら……識らない方が当たり前なのに……私は響さんが伸ばした手を叩き落としました。それが鏡香さんの逆鱗に触れた事を……フィーネが教えてくれました。そしてマムが……切ちゃんが……マリアが私を助けようとしてくれていました』
「ええ……。その通りです。しかし……結果として……」
「ナスターシャは投降、切歌は退却したのが学祭の日までの話だな……」
「では……次は私が語ります。あの娘達を……そしてウェルをどう導きたかったのかを……」
ナスターシャは子供を案じる母親としての顔をしていた。
【正しい行動】が【正しい結果】をもたらすとは限らない。だからこそ鏡香はナスターシャの……そして八紘の言葉をしかと受けとめなければならなかった。
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