私が貴女を守るから……(本編完結)   作:タク-F

53 / 177
ナスターシャはマリア達を率いて何を為すつもりだったのか……(僕の想像を多少含みますが)しっかりと語っていただきます!


最悪の予想

「調の気持ちを含む私達の総意は……月の落下を食い止める事です。しかし……今のままではただの世迷い言で終わります。ならば私達はそれをどう実現するかを考えました」

 

「その結果私の遺産を活用して月遺跡の再稼働という結論に至る訳だ。そしてそれを行使できるだけの()()()あった。そう……神獣鏡の存在だな……」

 

「櫻井女史……その神獣鏡の能力とは……一体……?」

 

 ここで唯一神獣鏡を識らない翼が質問を挟んだが、コレ自身は翼も関連する話でもあった。

 

「平たく言えば異端技術のステルスだ。ウェルの放ったネフェリムが直前まで感知され無かった事、切歌がレーダーで感知されない場所から現れた事……そして連中の艦を守護している事……全てはこの聖遺物の力だ」

 

「雪音と響が襲われた……あの瞬間まで……その神獣鏡の力が……」

 

「はい。私達はその神獣鏡の力の()()()()()()を使う予定です。あくまでもステルスは副産物ですので……」

 

「あれで……副産物? なら……本命の能力とは?」

 

聖遺物殺しだろうな。現状のフロンティアは先史文明の結界に覆われている。しかし……神獣鏡ならばその封印を打ち破る事は可能だ。しかし……あれは適合者がいなければ破れ無いだろうがな……」

 

「やはりそうでしたか。私の仮説は誤りではありませんでしたか。となれば私達は尚更二課との交渉の必要があったのですね……」

 

 ナスターシャとフィーネから語られた神獣鏡の能力とフロンティアの封印……そのどちらもが関係者の……いや、専門家以外の理解が1()()()()()()追いついてはいなかった。

 

「……解放しないといけないフロンティアは、神獣鏡の力を使わないと解放出来ない。でもその神獣鏡の力を引き出すには適合者を見つけ無いといけないんですよね? アテは……あったんですか?」

 

「正直に言えばありません。しかし……ウェルはもう手段を選ば無いと思います。恐らくリディアンの生徒に近く目を付けるでしょう。人柱として……」

 

なんだとぉ!? それは本当なのですか!?」

 

「……やるだろうな。いや……1()()()()()()()がいるだろう? 追い詰められたあの男なら……それこそ遅かれ早かれだろうがな?」

 

 ナスターシャとフィーネは次にウェルが目を付けるのはリディアンの生徒だと断言した。そして鏡香はそのニュアンスから最悪の予測をしてしまった。

 

「まさか……未来を!?」

 

「恐らくだがな……。しかし今の話のニュアンスでは間違い無いだろうな……」

 

「お父様……どういう意味ですか? 何故……未来まで……?」

 

「私達に()()()()()()()()()()()を並行して与える為だろうな。それは翼達にはとても応えるだろう?」

 

 八紘の言葉で室内は静まりかえってしまった。そして……その意味をこの場の全員が理解してしまった。

 

「最早ドクターは自分の存在を誇示する事しか考えていないでしょう。そうなれば残されたマリアと切歌を含め強行策に出てもおかしくありません。急がねば……ドオォォン!! なんですか!? この轟音は!?」

 

「爆発の……音? でもかなり近い!」

 

 そこに慎次が現れて報告を始めた。

 

すみません! スカイタワーで爆発です! そして響さんの報告から未来さんがタワーに取り残されたと報告が! それと会場の付近でノイズの反応を検知しました! 現在クリスさんが応戦しています! 

 

「嘘でしょ!? 今日未来は響をスカイタワーに連れて行った! そういうデートをするって!」

 

「ノイズの出現が確認されたならば奴らは付近にいる筈だが……何故今になって……」

 

「恐らくアメリカの追っ手だろうな。スカイタワーで鉢合わせたか……あるいは……」

 

私が現場へと向かいます! 後はよろしくお願いします! 翼! 今回は私達が何とかする! だから翼は! 

 

 鏡香はそう告げて一目散にスカイタワーへと向かった。

 

「翼……行かなくも良いのか?」

 

「私は……お父様と話す機会を鏡香が設けてくれた事に報いなければなりません。私達に()()()()()()()()()……お父様の思うところを教えてくださいませんか?」

 

「そうか。ならば……心して聞いて行け。友を救う為に……お前に欠けている事と私が感じた事をな……」

 

 翼は10年振りの父親との再会を、八紘は翼と父娘としての再会を噛み締めていた。素直になれない2人だが、他者を通してそれぞれの本音を語る貴重な時間をこの時に得ていた。

 

「他者の痛みがわからない……それが人類の呪いだ。このような悲劇も……起こり得るのだ……」

 

「了子君が呪詛を解いた時……それは変化したのだろうか……?」

 

「さぁな。だが……今よりも意思疎通は可能だったとは……思うがな……」

 

 二課の本部内では……相互理解が遅れた為の悲劇を……どう回避するべきなのかが悩みの種となった。

 

 

 


 

 

 

「未来……必ず……必ず助けに行くから!」

 

 マリア達の戦闘の余波から発生した爆発により……響はスカイタワーから投げ出されていた。その結果再びギアを纏う事になる。

 

「響! 大丈夫か!? 怪我は……お前! ギアを纏ったら!?」

 

「私は……大丈夫。自衛できるから。クリスちゃん……未来が……まだスカイタワーに……」

 

「なんだと!? わかった! 直ぐにあたしが救出に行く! 響は早くシェルターへ行け!」

 

 響に避難を促したクリスはミサイルの機動力で上階を目指した。しかし……その道中でクリスは目撃した。

 

「なんでアイツ等が……未来を!」

 

 クリスの視線の先には……()()()()()()()()()()()()()()()()()()がいた。

 

 

 

 


 

 

 

「私を……どうするつもりですか?」

 

「答える義務は無いわ。貴女には私達と来て貰うのよ? それがどんな待遇になるかは……貴女の態度次第なのだけどね?」

 

「僕達は時間が残されていません。よって手段は選びませんが……()()()()()()()()()()対価はお支払いしますよ? 我々は人手が足りないのでね?」

 

 未来を取り囲むマリアとウェルだが、その眼に余裕は無い。それは先程迎撃した米国工作員との戦闘の影響故だ。

 

「早くフロンティアを起動させませんとね……。ところで小日向未来さん。()()()()()()()()()()()親友の命を救えるかもしれない……魔法の力を……」

 

「私達の指示通りに動けば融合症例の立花響を救えるわよ? ドクターの見立てでは後1月と経たずにガングニールに殺されるわ。だけど……()()()()()()()使()()()()()()()救う事は可能よ? なんなら戦闘員ですら無くなるわ……」

 

「響を……救える? そんな……事が……本当に……あるんですか?」

 

 この極度の緊張状態でのその甘言は……()()()()()()となって未来の心を蝕んでいった。しかもこの時……ウェル達は嘘をついてはいない。真実のみで……未来の洗脳を始めていた。




この時の未来は〈正気8割〉〈洗脳2割〉の状態です。少しだけ思考を誘導すれば未来は【響を救う為に】その身を躊躇い無く捧げるでしょう。

よろしければ感想・高評価・メッセージ・お気に入り登録等もお待ちしています!アンケートの回答もしていただければ嬉しいデェス!

鏡香ちゃんのメインヒロイン(恋人)誰にしよう……

  • キャロル
  • クリス
  • マリア
  • きりしら
  • 未来
  • パヴァリア
  • シェム・ハ
  • 緒川さん
  • 弦十郎司令
  • あおいさん
  • 藤崇さん
  • エルフナイン
  • ノブレ
  • 自動人形
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。