私が貴女を守るから……(本編完結)   作:タク-F

74 / 177
2人のキャロルが出会います!つまり……

【キャロルVSキャロル】です!その結末とは?

※今回は話の都合上月のキャロルを【カナ】と呼称します。


地上のキャロル……その真意とは……

 並行世界より現れたキャロル・マールス・ディーンハイムは嘗て……地上に片割れがいる事を告げていた。そしてそのキャロルの現在の胸中は……反発しながらも確かに渦巻く想いを感じていた。

 

「並行世界のオレの記憶が眠る度に流れて来る。その中には確かに磔にされ……炎へと包まれるパパの記憶も存在すれば……遙か先の未来で暖かな感情を識った日も。果てには世界を超えてでも愛を告げる覚悟を決めた日の想い出さえも……流れて来る。【キャロル・マールス・ディーンハイムは奇跡の殺戮者】だ。妬ましい筈なのに……何故こうも……暖(・)か(・)な(・)想(・)い(・)出(・)がオレを包むのか……」

 

 地上のキャロルにとって月のキャロルの想い出は……否(・)定(・)し(・)な(・)け(・)れ(・)ば(・)な(・)ら(・)な(・)い(・)想(・)い(・)出(・)だ(・)っ(・)た(・)

 

「ならばオレ達自らが語り合うか?」

 

 そんな時……存(・)在(・)し(・)な(・)い(・)筈(・)の(・)も(・)う(・)一(・)人(・)の(・)自(・)分(・)が(・)シャトーに転移をしてキャロルの前に現れた。

 

「……なるほどな。直接ここへと転移してきた訳か。流石は未来のオレと言う事か……」

 

「まぁ……否定はしない。しかし……2人も同じ名前を名乗るのは由紀にも鏡香にも混乱を招くのでな。今後はオレの事をカナ・マールス・ディーンハイムとでも呼べ」

 

「お前は……オレだろう? なのに……何故そうもパパがつけてくれた名前を捨てられる!」

 

 キャロルはカナへと怒りを顕にした。父から受けた数少ない贈り物である名前を……捨てられるカナへと……

 

「忘(・)れ(・)て(・)も(・)捨(・)て(・)て(・)も(・)い(・)な(・)い(・)。確かにパパから貰った大切な名前を名乗らないのは不愉快な事だろう。だがな……オレはパパが本(・)当(・)に(・)託(・)し(・)た(・)か(・)っ(・)た(・)命(・)題(・)へ(・)と(・)行(・)き(・)着(・)い(・)た(・)。そうすればパパの真意を識る事にも繋がり……とても暖かな想い出を残せた。本当ならばオレだって花嫁である由紀をパパと引き合わせたかったさ……」  

 

 カナはイザークと会えない現実に涙を流していた。そしてキャロルへと向き直る。

 

「……失言は詫びよう。オ(・)レ(・)の(・)為(・)に(・)自らの想いを抑えた事は理解した。済まなかったな……」

 

 そしてカナはよ(・)う(・)や(・)く(・)本(・)題(・)を(・)切(・)り(・)出(・)し(・)た(・)。

 

「キャロル・マールス・ディーンハイムよ……オレと戦え。お前は迷(・)っ(・)て(・)い(・)る(・)。だからこそ自動人形(オートスコアラー)を作る事なくシャトーのみ製作するコトに留めたのだろう? ならばその怒りを……悲しみを……憎しみを受け止めるのは姉たるオレの役割だ。もちろんオレも全力で相手になろう!」

 

 カナはキャロルへと宣戦布告をした。するとキャロルも好戦的な笑みを浮かべた。

 

「面白いな。未来のオレの実力……我が身で受け止めよう! 」

 

 キャロルはダブルダヴラを、カナはエレメンタル・ユニオンを纏う。

 

「ラフィスの力を纏いしオレ……か。相手にとって不足は無いな! 」

 

「来るが良い! 愛(・)を(・)否(・)定(・)す(・)る(・)錬(・)金(・)術(・)師(・)よ! このオレ自らが目を覚まさせてやる!」

 

 キャロルは風の力を扱い竜巻を発生させた。

 

「ほう? トルネード・パイレを発動させた。本来は配下の自動人形であるファラの技だが、それを主であるこのオレが扱えない道理は存在しないな!」

 

「当然だ! 寧ろ奴らに回す出力すらも兼ね備えていると思え! 未来のオレよ!」

 

 すかさずカナは魔法陣からコインを取り出して術式を展開した。

 

「エクスプロージョン・コインでの相殺だと!? お前は一体何処までの余裕を見せていると言うのだ!」

 

 するとカナは嘆くようにその質問に答えた。

 

「お前がキャロルである以上、このシャトーを建造するのにどれほどの熱意を込めたかわからんオレでは無い。故に場(・)所(・)を(・)変(・)え(・)よ(・)う(・)か!」

 

 カナはキャロルへと飛びかかり羽交い締めにした。そして足元にテレポート・ジェムを落として2人を魔法陣の内側へと抑え込む。

 

「なぁに……オレ達のなす事は変わらん。存分に楽しむぞ?」

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「ここは……荒野か? なるほど……オレ達の全力での戦いには誂え向きと言う事か……」

 

 キャロルはダヴルダヴラを再度展開すると結晶を鞭のように撓らせてカナへと振りかぶる! 

 

「なるほどな! ミカの如き攻撃だ! しかも結晶の加工とは恐れいったぞ!」

 

「そういうお前は錬金術の出力を向上させているな! 良いぞ……派手に楽しくなってきた! 」

 

 カナは氷の結晶を錬成すると周囲を霧に包む。

 

「目眩ましか!? いや……受けて立つぞ! 」

 

 キャロルは四元素のエネルギーを集約させた1撃である

 

エレメンタル・ノヴァ! 

 

 をカナに向けて放ち……

 

「オレの行き着いた命題の答え……それがこの錬金術だ! 」

 

 カナもラフィスの輝きを心から信じ、由紀との出会いの暖かさを嘗ての自分に伝える為に全力で迎え撃つと決めた。

 

エレメンタル・ユニオン! 

 

「これほどの力を……想い出を込めただと!? その愚行……すぐにオレが止めてやる! 」

 

「認め無い……認められない! パパを殺した世界をオレが認める訳にはいかないのだぁ! 」

 

「もうやめろキャロル! このような事をしても! パ(・)パ(・)は(・)喜(・)ば(・)な(・)い(・)!(・)例え世界の分解を果たしたとして……そ(・)こ(・)に(・)は(・)虚(・)し(・)さ(・)し(・)か(・)残(・)ら(・)な(・)い(・)!(・)」

 

 カナは嘗ての己が犯した過ちをこの時代でも繰り返そうとしている現実に胸を痛めていた。そしてその伴侶たる由紀もあまり乗り気では無い。

 

「ならばこの憤りはどうする! パパを殺した世界を赦せと言うのか! 」

 

「そうだ! だが1(・)人(・)で(・)抱(・)え(・)る(・)な(・)! オレも嘗て同じ過ちをした! しかし……その時に由紀がオレを救(・)っ(・)て(・)く(・)れ(・)た(・)! ならばオレも手を伸ばす! 過ちを犯す前に助けを求める手を掴む!」

 

 カナはそう叫ぶとキャロルを押し倒して唇(・)を(・)奪(・)う(・)。

 

「ん……ん……あ……む…………んん……」

 

 そして直接想(・)い(・)出(・)を(・)供(・)給(・)し(・)て(・)強く抱きしめた。

 

「あ……あぁ……ふあ……ぁあぁ……」

 

「済まないな。だが……こ(・)れ(・)が(・)オ(・)レ(・)だ(・)。そしてコレがオレと由紀の育んだ愛だ。だからこそ……お前も育むんだ……」

 

「う……うぅ……あ……ぁぁ……あぁ……」

 

 抱きしめられたキャロルは……カナの腕の中で涙を流した。そして……カ(・)ナ(・)の(・)身(・)体(・)が(・)光(・)輝(・)き(・)出(・)し(・)た(・)。

 

「何が……起こって……?」

 

「1(・)つ(・)に(・)戻(・)る(・)の(・)さ(・)。仮初めの器だったオレの精神と魂が……本来の器であるお前の中へ……な?」

 

 するとカナの身体が粒子となってキャロルと1つになった。

 

「暖かい……」

 

【キャロル・マールス・ディーンハイム】は……こ(・)の(・)時(・)を(・)以(・)て(・)再誕した。そしてその表情は……憑き物の落ちた笑顔だった。

 

「お帰りキャロル。さて……それじゃあ私も……」

 

「本当のデートを始めようか!」

 

 2人の表情はとても純粋な笑顔だった。




キ ャ ロ ル 完 全 復 活 !

ようやく戻って来ました!(絶望的なパワーアップ)

ちなみに由紀と鏡香も同じ原理なので、由紀が鏡香の中に還る形となります。そのときが来るまで長いけど……

よろしければ感想・高評価・メッセージ・お気に入り登録等もお待ちしています!アンケートの回答もしていただければ嬉しいデェス

鏡香ちゃんのメインヒロイン(恋人)誰にしよう……

  • キャロル
  • クリス
  • 響
  • 翼
  • マリア
  • きりしら
  • 未来
  • パヴァリア
  • シェム・ハ
  • 緒川さん
  • 弦十郎司令
  • あおいさん
  • 藤崇さん
  • エルフナイン
  • ノブレ
  • 自動人形
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。