由紀を退けた鏡香の前に、切歌と調を担いだミカが現れた。
「流石だゾ花嫁サマ! 由紀ちゃんを倒すとはびっくりしたゾ!」
興奮が抑えきれないミカだが……
「ちょっと……待って……」
「めの前が……グルグルする……デース……」
揺られに揺られた2人はとうとう気絶してしまった。そしてそれに合わせて……
『…………調達の為に何も言うまいと決めていたが……些か不憫なので言わせて貰おう。連れ回している人間の事を考えろこの大馬鹿者! 』
「う〜む……これはミカの大失敗だゾ……。ごめんなさいだゾ……」
ミカは心底申し訳無さそうに俯いた。そしてフィーネもそれ以上の追及をする事はできなった。
「え〜と……フィーネさん。何がどんな状態なのか教えていただけますか?」
『……そうだな。まずは2人の激闘から話すとしよう……』
そうしてフィーネはミカとザババの戦い及び、それに際した工夫等を客観的に解説を交えて伝えた。もちろん当事者たるミカの発言も大きな印象を残す。
「えぇ……〜っと……ミカちゃんの力はキャロルの力の一端で、2人はソレを引き摺り出したものの敗北してしまった。そしてギアが破壊された為に衣服の換装ができないからこんなにも可愛い服を着てる。だけどさっきの運搬で2人共完全に乗り物酔いを起こしてしまった。……そう言う事ですか?」
「ごめんなさいだゾ……」
『概ねその通りだな。今回は私が静観していたのもあるが、2人は勇敢に戦い抜いたぞ? 少なくとも強化前の時限式ギアでは到底考えられない程の大金星だ。……小娘共が調子に乗らないように今の内に言っておくがな?』
フィーネの発言は完全に【過保護な母親】の発言だが、その表情には確かに慈しみが存在していた。
「じゃあ……ミカちゃんの今回の任務は終わりなの?」
「そうだゾ……。楽しかったけどやっぱり残念だゾ……。でも! 花嫁サマの戦いは凄かったゾ! この記録はマスターもすっごく喜んでくれるんだゾ!」
「あはは……ありがとうね。そこまで凄かったの?」
『まぁ……な。少なくとも神獣鏡の使い方を更に発展させるとはな……。流石は名前に【鏡】の名を冠するだけの戦士だな』
鏡香は相当な評価をされていたが……とうとう本命が現れた。
「良くやったな……ミカ。お前のおかげで計画をまた1つ進める事に成功した。もうすぐ果たせるぞ?」
「凄かったゾ! 由紀ちゃんを退けた花嫁サマの戦いの記録が凄かったゾ! マスターも見て欲しいゾ! 」
「あぁ……。既に由紀から話は聞いた。後で映像を見るとしよう。そして……
「もうすぐ……来る? どういう事?」
キャロルの言葉に鏡香は首を傾げたが、フィーネはすぐに結論に行き着いた。
『そうか。
「ッ! フィーネさん! もしかして!」
『あぁ! 新生シンフォギアの登場だ!』
フィーネの声が聞こえた直後……戦場に
「ガングニール! 立花響!」
「天羽々斬! 風鳴翼!」
「イチイバル! 雪音クリス!」
「「「戦線復帰だ(です)! 」」」
3人の復帰に鏡香はようやく安堵した。そして……
「新しい力は……
「そうだな。確かに鏡香の言う通り大きな不安要素だ。故に……オレがいる。暴走の負荷・反動に関してはすぐに修整する事を約束しよう。ただ……」
「制御できるかは
鏡香はキャロルの言葉のニュアンスから暴走のリスクに関する改造を全く行っていない事を察した。それと同時に……
「過去を乗り越えるのは
「お姉ちゃん……」
「鏡香……」
「お前……」
「流石は鏡香だ。ならば……見せて貰おう!」
3人はイグナイトが搭載されていない神獣鏡に施すパワーアップの瞬間……つまりモジュール搭載の瞬間を見守った。
「私だって……強くなりたい。だけど……私は1人で過ごしてる訳じゃない! イグナイトモジュール……抜剣! 」
ダイン=スレイヴ
鏡香は搭載されたばかりのモジュールを使用して呪いの力を纏った。そして……
「疫病神……」
頭の中に……嘗ての迫害の記憶が響き鏡香を襲った。しかし……
「
鏡香がそう告げた時には……闇が晴れてイグナイトの鎧を纏っていた。
「呪いの力は……確かに怖い力なのかもしれない。だけど……私達は
「お姉ちゃん……うん! 私だってやってみせるから! 」
「あの日の鏡香は1人で抱え込んでいた。そして私達は……鏡香が立ち直る過程を見てきた。ならば雪音!」
「おうよ先輩! 鏡香が出来た事をあたし達が努力しねぇ訳にはいかねぇぞ!」
「「「イグナイトモジュール! ……抜剣!! 」」」
ダイン=スレイヴ
3人に搭載されたモジュールが胸を貫く時……身体を闇が覆って嘗てのトラウマが襲い来る。しかし……
「これは確かに私とお姉ちゃんの辛かったあの日の記憶……だけど
「私とお父様の関係……それは本当に歪な関係だった。しかし……そんな私でも向き合う事が出来た! 今更その時の記憶の紛い物に屈してなるものか!」
「パパとママを失ったあたしに手を差し伸べてくれたのは確かにフィーネだった。だけど……あの時のあたしは縋るだけの弱虫だった。でもそれは悪いだけの想い出じゃねぇ! あの時のあたしがあるから今のあたしがある! 鏡香と出会えた事に繋がるからこそ……無くても良い過去なんて言わねぇ!」
3人にとって眼の前で鏡香が闇を克服した姿は良い印象を残していた。それは……
「流石だな。義妹は気付くとは思っていたが……風鳴翼と雪音クリスも同じ境地に至るとは……な。これほどの成長をここで見せて貰った礼だ! オレ自らが試練として立ちはだからろう! 」
キャロルはダヴルダヴラを取り出して弦をなぞる。すると魅惑の音が鳴り響き……
「キャロルの姿が……」
「まるで大人みてぇに……」
「お姉ちゃんよりも大きく……」
呆然とする3人に対してキャロルは胸を張ってこう告げた。
「これがオレだ! 」
「……カッコ良い……」
鏡香はその凛々しさに……心を奪われていた。
神獣鏡のイグナイトがぶっつけ本番で成功した背景には、直近の暴走回でのやり取りが生きています。あの回で人に頼れたから……鏡香はイグナイトを制御出来たと言えるでしょう。
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鏡香ちゃんのメインヒロイン(恋人)誰にしよう……
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