少し長いですが翼さんとの邂逅までを描きます!ある意味この原作前におけるボスである翼さん……その結末とは?
本編へどうぞ!
「じゃあ……行ってくるね?」
「お姉ちゃん……行って来ます!」
「うん! 行ってらっしゃい!」
2人と話し合いをした翌日……弦十郎に呼び出された鏡香は、リディアンへの編入を打診された。先んじて響と未来はリディアンの中等部の
「さて……私もそろそろ出向くとしようかな……」
鏡香は少し浮かない顔をしながらもリディアンの地下にある本部へと足を運んだ。
「こんにちは……呼ばれてやって来た立花鏡香です……」
本部への出入りには持たされた端末を使う事でできたので、時間を作って到着する事となった。
「ごめんなさいね……貴女自身のリハビリもあるのに……」
「いいえ。響を守る為なら私は頑張れますから……」
「…………強い娘なのね……」
鏡香が到着して直ぐに対応した職員……〈友里 あおい〉は直ぐに鏡香の歪さに気がついた。しかし……その核心を得るのは直ぐには出來ず、口にして確認する事ははばかられてしまった。
「もうすぐ司令が来るわ。それまであったかいものでもどうぞ?」
「ありがとうございます。あれ? ……思ったより……熱く……ない?」
差し出された紅茶を飲んだ鏡香は適度に冷められた紅茶に驚いた。
「あら? もしかして淹れたての方が良かったかしら? 退院直後だから少しだけ冷まそうと思ったんだけど……」
その気遣いであおいがどのような人物か理解した鏡香は、この二課という組織自体はまだ理解ができていないものの、所属する人間は少なくとも偏見を持たない人間だと実感していた。
「いえ、私……猫舌なのでありがたいんです……」
そして一息ついているところに弦十郎が到着した。
「待たせたかな? いや……少し早めに来ようとは思ったのだがな……」
弦十郎が到着したのは10時45分……2人が約束していたのは本来は11時だったので、鏡香は明らかに早く到着した事になる。
「緊張して部屋で過ごせ無かっただけです。まぁ……早く来すぎてご迷惑をおかけしましたか?」
するとあおいは弦十郎へと耳打ちをした。
「司令……彼女は
「わかった。それとなく確認しよう……」
「お願いします……」
そう伝えてあおいは退室した。
「引き継ぎですか? 大人は大変ですね……」
「中々聡いんだな。ならば単刀直入に言わせて欲しい。リディアンの高等部に編入するつもりは無いか? もちろん……鏡香君が所属する予定だったクラスにな?」
「ありがたいお話ですが断らせて貰えますか? 私自身今の学力に不安がありますし、そもそもここに来たのは……」
「そうか。やはり……気付いていたか……」
弦十郎は鏡香がシンフォギアに関してナニカの秘密がある事……そして響からの話だけでは不安を感じている事を見抜いた。そして極め付けの編入の拒否だ。
「理由を聞いても構わないか? もちろん……機密にかかわる事は言えないがな……」
「では……響は
「あぁ……検査数値はまだ把握しきれていないが、反応を見る限りは低いと判断している。そもそも俺達でさえ把握しきれていないんだけどな……」
「わかりました。弦十郎さんの言葉を信じます。では私にとっての
「もう1つの本題……? 確かに結果を聞くだけならば出向く必要は無いが……何をするつもりだ?」
弦十郎の反応に対して今の鏡香は、響の
「私の目的ですが、実は先程のリディアンへの編入を見送った件とも関係します」
「どういう意味だ?」
「単純な事なんですけど、
「しかし……それでは君自身を……」
「いいえ。事故とはいえ私は既に入学に失敗しました。ならば1年を棒に振るよりはそうしたいんですよ。だって……
「ならば……尚更編入を……」
「時間が足りません! 私自身のコンディションを戻して……あの時の兵器の事を知るには……時間が……」
「そうか。やはり……シンフォギアを……」
弦十郎は鏡香の圧力に負け……
「シンフォギア……それがあの兵器の正体なんですね? それが……奏さんや……翼さんの……」
「あぁ……現状ノイズに対抗できる唯一の兵器だ。当然機密なんだが……君達は事情が事情だからな……」
ここで鏡香が嘗て弦十郎から名刺を貰った事が活きた。通常ならば
「でも……もしその
「そうか。やはり……そこまで……」
弦十郎はあおいが感じた歪さに仮説を立てた。故にこう告げた。
「認める事はできんな」
「何故ですか?」
当然の疑問だろう。今の会話の流れならば所属する可能性は低い流れでは無かった。しかし……弦十郎が拒否した事に疑問が隠せなかった。
「それはな……今の鏡香君の話では、
「それ……は……」
いない。今の鏡香は響達を支えると言ったが、
「故にこう言おう。
「ッ! それ……じゃあ……」
鏡香は……ライブの時から心を張り詰めて生活していた。時折緊張の糸を緩める事はあったが、今日初めて
「それにな? 子供を支えるのは大人の役割だろう?」
そう告げて鏡香は弦十郎に抱きしめられた。
「うっ……うぅ……ウアァァァァァ!!! 」
「あぁ……しっかりと泣けば良いさ。その為に俺達がいるんだからな?」
抱きしめられた鏡香は凡そ1時間程泣き続けた。溜まった感情を……吐き出すように……。弦十郎もやっと鏡香が感情を吐き出した事で、
鏡香はその1週間後……小日向未来が後に獲得する民間協力者の地位を手に入れた。そして……本部のスタッフが受ける戦闘訓練にも……参加を始めた。
「それでは翼と走り込みに行くか? そろそろ……接触したいんだろう?」
「はい。あの時のお礼が……言いたいですから……」
弦十郎は合同訓練……そして翼のオーバーワーク防止の為に鏡香を同行させる事にした。
「はじめまして……立花鏡香です。よろしくお願いしますね?」
「ええ……本来クラスメイトに
翼はいきなり本題を切り出した。そして……緊張が周囲を包んだ。
「響が仮に覚醒しても……
「直接的ですね? 響が聞いたら悲しみますよ?」
翼の険悪な雰囲気に対して、鏡香は負けじと言い返す。そして……弦十郎も驚きの言葉を続けた。
「弦十郎さん……木刀と訓練場の手配をお願いします。翼……同い年だからタメで話すけど……私と勝負しましょう?」
「ッ! 民間協力者が私になんのつもりかしら? それも……私に対して剣を手配するなんて……」
「翼! 鏡香君! なんのつもりだ! 」
「弦十郎さん……きっと翼は響と奏さんを重ねています。会話をしていた私よりも響に対した言葉が出るのがその証拠じゃあ……ありませんか?」
鏡香は翼が響に奏の姿を重ねている事を見抜いた。それは原作知識ではなく、彼女が生存者狩りを見てきたが故の……人を疑う視線に晒されていた為だ。
「私達……特に響は
「…………緒川……手配してやれ……」
「ッ!? 司令! 良いんですか!? 」
「あの日からの翼は見るに耐えん。そして……俺達が背負うべき罪がここにある。悪い言い方をすればその末路が今の翼かもしれないんだ……」
弦十郎は奏を失った翼がぶつけようの無い感情に囚われてから……そっとしておく事しか出来無かった。〈まだ時期が早い〉〈いつか機会が来る〉……そう願って……
「それに……翼もやりすぎたら気付くだろうさ。もちろん……シンフォギアは使わせ無いがな……」
そして弦十郎は鏡香から頼まれた木刀を手配し、周囲の人払いも並行して済ませた。
「現在この場には俺達以外の人はいない。だから全力ですれば良い。だが翼……天羽々斬は預かるぞ?」
そう言うと慎次がギアペンダントを回収し、代わりに木刀を手渡した。そして鏡香にも手渡そうとしたが、鏡香はこれを拒否した。
「必要ありませんよ? だって……私自身は素手の方が楽なので……」
「それは挑発のつもりかしら? 私を侮辱しているの?」
翼は鏡香の言動1つ1つに怒りを隠せなくなっていた。しかし……鏡香は本音しか語っていなかった。
「事実ですよ? じゃあ弦十郎さん……合図をお願いします……」
「…………あぁ。始めてくれ……」
「推して参る!」
翼は居合の要領で木刀を構えて鏡香へと接近した。しかし……鏡香は避ける素振りを見せ無かった。それどころか振り抜いた翼の木刀は、鏡香の左の脇腹を捉えて吹き飛ばした
「があぁ!! 」
「鏡香さん!? 」
「鏡香君! 」
悲鳴を上げた鏡香は受け身こそ取ったものの、その表情は悪く……1合で額から脂汗を流していた。
「あら? 威勢の割に酷い有様ね? 防人の……いえ、シンフォギア装者を舐めすぎじゃあ無いかしら?」
「翼お前! 何をしている! 相手は民間協力者だぞ! 限度があるだろう! 」
「翼さん! いくらなんでもやりすぎです! 少しは冷静になってください!」
弦十郎達は翼のあまりの容赦なさに声を荒げたが、当の鏡香は驚きの言葉を放ってきた。
「流石は奏さんと一緒に世界を守ってきた人の力です。しかし……これは
「なら……貴女はなんの為に私に挑んだのかしら?」
「わかりませんか? 素人が貴女に挑んだ……本当の意味が……貴女は本当に……
鏡香は避け無かったが、正しくは翼の動きに
「貴女……まさか!? 」
「どうしましたか翼さん?
「鏡香君……やはり……」
弦十郎は鏡香の本当の状態を先日のやり取りで把握していた。彼女自身の優しさは確かなモノであり理解はできたが、その言葉を表すならばコレがふさわしいだろう。
「サバイバーズ・ギルト……ですか。しかし……司令に咎められた筈では……」
そして渦中の鏡香が震える足で立ち上がり、再び翼へと言葉を告げた。
「でも……
「あ……あぁ……」
ガラン!
翼は目の前で感情のままに叩きのめした相手に言われて……木刀を落とした。そして……
「奏……かなでええぇぇ!! 寂しいよおぉぉ! 私を……置いていかないでよおぉぉ!! 1人にしないでよおぉぉ!! 」
とうとうその感情を吐き出してしまった。
「良かった……コレで……きっと……」
ドサリ
翼の涙を見て……鏡香は意識を手放した。これで響を……
エレクライトを使えば勝てた可能性は低くありませんが、鏡香自身は〈身体が成熟する〉か〈適切なトレーニングを重ねる〉まで使わないつもりでいます。その結果鏡香がエレクライトを纏うのは原作開始後を予定しています。
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鏡香ちゃんのメインヒロイン(恋人)誰にしよう……
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キャロル
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翼
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マリア
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きりしら
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未来
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パヴァリア
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シェム・ハ
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緒川さん
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弦十郎司令
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あおいさん
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藤崇さん
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エルフナイン
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ノブレ
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自動人形