東方万事屋録 The Fantasm of Silver soul   作:曙光

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序訓 異世界物といえば召喚

「ちくしょう。全く出やしねぇ。これC設定ってくらい釘うちしてねぇか?それなら夜中に忍び込んで、徐々に玉でかくしてやろうか?」

「単に運が無いだけじゃねぇの?ビル傾けて当たるならいくらでもしてやるよ」

 

ここはかぶき町のとあるパチンコ屋。

日夜汚れた錬金術師達が対価以上の成果を得るために錬成を繰り返す実験場。

だが成果は芳しくない。

望む黄金が手に入らないと嘆くのは、銀髪の侍、坂田銀時。

そして知人の長谷川泰三。

 

「本当に当たるのかってくらい出ねぇよ。長谷川さん。ガセネタ掴まされたんじゃね?」

「ここは倍率が低いって有名だけど、当たれば一年は遊んで暮らせる位出るってアゴの鋭い兄ちゃんがいってたし」

「まったく信用できねぇな。もう帰ろうかな~。金もなくなってきたし、うちの駄眼鏡と酢昆布娘にどやされちまうよ....」

 

しばらくジャラジャラと玉を落としていく。

すると、長谷川がふと思ったことを聞いてきた。

 

「そういや、銀さんて結婚しないの?」

 

予期してなかった質問に思わず「ハ?」という顔をする。

 

「いきなり何いってんだよ」

「だって銀さんもいい年じゃん?そろそろ結婚してもおかしくないんじゃねぇかと思って」

「そうはいっても俺の周りの女どもはどいつもこいつも我が強くて恋愛対象としてはきついぞ」

 

ここかぶき町では弱肉強食が常である。

故に男も女も、等しく強くあるのでガサツといって差し支えない。

 

「確かに無双シリーズに出ても違和感なさすぎだけど、いいもんだぜ結婚は。家に愛する妻が待ってくれるってことは、それだけ頑張れるもんだしよ」

「嫁さんに逃げられたら人に言われてもな....」

「ハツのことは言うなああああああ!!」

 

その時、長谷川の台からけたたましい音が鳴り響く。

見てみると後一つで絵柄が揃いそうだ。

つまり....

 

「リーチだああああ!リーチきたぞおい!これを当てりゃ億万長者だ!!マダオ脱却の第一歩たぜ!頼む!当たってくれ!」

「あー良かったね。ハズれるかもしんねぇけど頑張れ」

 

自分に来なかったので不吉なことを言っておく銀時。

 

「不吉なこと言うなや!これが外れたら残金ゼロ!もう出家するしかねぇよ!いいの!?俺悟り開いちゃうよ!?」

「開いたら開いたでお布施もらえんじゃね?ちょっと厠行ってくるわ」

 

よっこらしょと席を立つ。後ろで天国か地獄かの綱渡りをしている長谷川の雄叫びを聞きながら銀時は厠に向かっていった。

 

 

 

 

 

用を済ませ手を洗う。

もう帰るかと思案していると、長谷川の雄叫びがここまで聞こえてくる。

まだリーチらしい。

 

「どんだけ長いリーチだよ....」

 

つぶやき外に出ようとした瞬間、異変が起こった。

 

「……は?」

 

まず起こったのは極光。

目を覆いたくなるほど強い光が足元から発生した。

至近距離でライトを突きつけられたように目を瞑る。

なんとか光源を見ようと凝らしながら下を向くと、

ゲームでよく見る魔法陣が現れる。

血のように紅い魔法陣が銀時を包みこむ。

 

「えっ?」

 

声を上げる間もなくどんどん光が強くなっていき、銀時を完全に飲み込んだ。

 

「ああああああああああああ!!」 

「だああああ!外したああああああ!!断食決定だちくしょおおおおおお!!」

 

銀時の悲鳴と長谷川の嘆きが交差する。

長谷川がどうやって悟りを開くか思案する頃、坂田銀時は江戸かぶき町から完全に姿を消した。

 

 

 

 

 

「ぐはっ!」

 

背中に鈍い衝撃を受けて覚醒する。

急いで起き上がり周りを見渡すと、そこは全く違う場所だった。

さっきまでパチンコ屋の厠に居たんだが、今いる場所はどこだかの屋敷の室内だ。

突然光と魔法陣が現れたと思ったら別の場所にいた。

何いってんだかわかんねぇとおもうが俺もわからん。

つうかここどこ?

 

立ち上がって周りを見渡す。

赤い絨毯と壁紙に覆われた室内、壁には重そうなハルバードってやつが掛かっている。

後はクローゼットと机、ベッド。

その上に....棺桶?

 

「何でベッドの上に棺桶?」

 

よくわからんがあれは後にしよう。

俺は状況把握の為に探索を開始した。

ゲーム然り、動かなきゃ始まんねえし。

 

そう思い最初に机の上の本を手に取る。

書かれてる言語は.....わからん。何これナメック語?

本を戻して次にクローゼットを開ける。

中には子供用の衣服が数点、下の引き出しには下着が入っていた。

子供部屋か?結構いい生地使ってるようだし、

裕福な家柄みたいだ。

 

さて次はと仕舞おうとすると、ここに向かってくる足音が聞こえてくる。

一人じゃない、二人くらいか?

 

「お嬢様、今の音は何ですか?」

「暇潰しにパチェの所から英霊召喚の本を使ったのよ!本当に成功するとは思わなかったけど!」

 

どちらも女の声。

恐らくこの部屋に向かってくるだろう。

そこでふと自分の今の状況を思い出す。

今手には子供の下着。

多分この部屋の主のもの。

………いや、やばいだろ!

もしかしなくても変質者じゃん!

ぜってー誤解される!早く戻さねぇと!

だが俺の焦りより早く扉が開かれる。

 

「さあ誰が召喚された!セイバーかアーチャーか、それともランサー!?ランサーならヴラド三世(EXTRA)がいいわね!」

 

バンと開かれた扉から現れたのは10歳位の幼女。

白を貴重としたワンピース、

ドアノブカバーみてぇな帽子。

それ以上に奇異なのは、背中に生えたコウモリを思わせる翼。

天人かと思ったが、明らかに人外の気配を纏わせている。

 

「..............」

 

沈黙が流れる。

そりゃそうだ。

部屋の中にいきなり知らん奴がいて、自分の下着を持っていれば誰だって固まるだろうさ。

 

「曲者ぉぉぉぉ!」

 

我に帰った幼女が壁に掛けてあったハルバードを手にこちらに突っ込んで来る。

えっ?マジかこれ?

 

「危ねぇぇぇぇぇぇ!!」

 

すぐに懐に入り込み、柄の部分を押さえつけようとするが、この幼女は見た目以上に力が強い。

気を抜けば押し返されそうだ。

 

「貴様ぁぁぁ!何者だぁぁぁ!紅魔館に忍び込むとはいい度胸してるわねぇ!この私が直々に地獄に送ってあげるわ!」

「いきなり知らんとこ来たら探索は基本だろうが!つうかここどこ?!俺さっきまでパチンコ屋に居たんだけど!」

 

すると幼女は「ん?」と言わんばかりに顔をしかめる。

 

「気づいたらここにいた?ねぇあなた。もしかして私が召喚したサーヴァント?」

 

いやサーヴァントとか聞かれてもしらねぇし……

 

「お嬢様。とりあえず彼の話を聞いてみましょう。あなたもお嬢様の下着を返して欲しいのだけど」

 

すると後ろの方からまた一人現れる。

二人めの女は綺麗な銀髪をしたメイド服の姉ちゃんだ。すげー美人。

メイドさんに言われてまだパンツ持ってたことに気づいて放って渡す。

 

「ええと、あなたの名前は?」

「坂田銀時だよ。江戸かぶき町の侍さ」

 

名乗るとメイドさんは少し考えた素振りを見せる。

なに?俺おかしなこと言った?

 

「あなたふざけてるの?江戸っていえば昔の日本の首都じゃない。あなた過去から来たって言うの?」

 

昔の首都?何いってんのかねこの幼女は。

天人が来てから江戸は地球一の国際都市として発展したし、どんな田舎者でも江戸の名前くらい知ってるもんだぞ。

 

「お嬢様。この男は外来人なのは間違いありませんが、私達の歴史とはズレがあるようです。ねぇあなた。あなたの世界の歴史を教えたくれないかしら?」

 

仕方がねえなぁ。

歴史は得意じゃねえが概要位ならいけるだろう。

取りあえず天人がやってきた頃から話すか。

 

 

 

 

 

 

私が召喚した男はサーヴァントではなく人間の男だった。

銀髪の天然パーマ。

波の模様の着物。

腰に小汚い木刀を差し、死んだ魚の目をした怪しさ満点のこの男の話は予想の上を行っていた。

 

曰わく、天人と呼ばれる宇宙人が日本に開国を迫ってきた。

それに抗うように侍たちが一斉蜂起し、20年近く泥沼の戦争をしてきた。

 

それに併用して国際都市として急速に発展していく江戸。

どれも私が知っている歴史とは食い違っている。

 

面白いわ。

ただの変質者ならすぐ殺していたが興味が湧いた。

生かしてもいいだろう。

 

「で?ここはどこなんだよ?」

 

腕を組みながら問いを投げかける銀髪の男、名は坂田銀時。

よろしい。

高貴な者として答えましょう。

この世界、幻想郷についてを。

 

 

幻想郷は東の国、日本の山奥にある結界の中の世界である。

元は妖怪とそれを退治する人間たちが共存する隠れ里だったが、時代が進み科学が進歩すると共に、それまで自然現象の解釈として使われた妖怪や神の存在が否定されはじめる。

 

畏れや信仰が少なくなれば、それは完全な消滅を意味する。

そこで妖怪の賢者が結界を張り、この世界から隔離することに成功した。

外との決別。

いや、完全に決別はしていない。

外の世界がなければ存在出来ない箱庭。

それが幻想郷。

そんな幻想郷にやってくるのは歴史や文化から必要とされなくなった物、居場所を無くした妖怪や人間。

 

何かの偶然でここにやってくる人間がいるが、それはいわゆる外来人と呼ばれる者達。

ここの妖怪達に食われるか、無事に帰ることができるか分からない、言ってしまえば餌候補だ。

 

「自己紹介が遅れたわね。私は十六夜咲夜。ここ紅魔館のメイド長を勤めてるわ」

 

切りのいいとこで咲夜が自己紹介をする。

いいわ。ならばこの私も名乗らなければいけないわね。

 

「私が紅魔館の主、レミリア・スカーレット。500年の時を生きる吸血鬼よ」

 

決まった。さすが私。

カリスマ溢れる自己紹介だわ。

そんな銀時の顔を見るが.....冷ややかな目?

 

「さっき暇潰しって聞こえたけど、なに?俺はお前の暇潰しに召喚されたの?」

 

あれ?なんか声が冷たいぞ。

あの顔は知ってるわ。

嫌いな野菜を残した時に見せる咲夜の怒った顔と同じだわ。

すると銀時はつかつかと近づいてきて.....

 

「お前ふざけんじゃねぇぞぉぉぉぉぉぉ!!」

 

そのままほっぺを掴んできたぁぁぁぁぁぁ!

痛い!物凄く痛い!

爪立ててるから食い込む食い込む!

 

「いきなり人を口寄せしておいて、なにドヤ顔で自己紹介してんだよ!帰せ!俺を元の世界に帰せぇぇぇぇぇ!!」

「おひひゅけ!ひゃんともほにもひょすほうほうはあるきゃら!!」

 

すると銀時はようやく離してくれた。

まだ痛い......初対面の吸血鬼にいきなりびろーんしてくるとかいい度胸してるわね…。

咲夜も止めに入ろうとはせずにちょっとニヤニヤしてるし。

後で説教しとこう。

 

「で?方法てなんだよ?」

 

銀時が口を開く。

そうねまずは、私の家族達を紹介するとこから始めますか。

 

 

 

 

 




銀八「ども~。作者代行の銀八で~す。この度は東方万事屋録をご覧くださいましてありがとうございます。銀魂と東方のクロスオーバーは前からやってみたくて遂に実行しましたが作者の弁だ。奴も色々シャイだからね、作者直々とかはずいしイタいよだってさ。それはさて置き、感想などで質問等を募集します。ある程度溜まったら銀八先生のコーナーするから。主に世界観などに関する質問を多くとるつもりです。
それでは皆さん、東方万事屋録 The Fantasm of Silver soul をお楽しみください。
なるべく更新できるようがんばりま~す」
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