色んな艦娘達は提督が好きなようです   作:綾凪九尾

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秋月の恋(15話)

「いや…そんなの…いや…司令…みんな…いやぁぁぁぁ!」

 

「オ前モ…沈メ」

 

「いや…やめて…死にたく…えっ?なにこれ…」

 

私の脇腹からドクドクと赤いものが溢れて海を紅く染める。私はその液体を掬うと、私から出た血だった。遅れて、激痛が脇腹に来る。みんなは死んだように動かない。私は助けも来ないのを理解し絶望して、相手を…深海棲艦を睨んだ。しかし、深海棲艦は私に目もくれず海の中に消えていった。私は暗い海の上で1人。みんなの艤装…提督の帽子が海に浮かんでいる。私は今の状況を理解すると恐ろしくなり、叫ぶ。そして、海に倒れ込み目の前が暗くなって行った時…

 

「…さん!…姉さん!秋月姉さん!」

 

「どうしたの涼月…」

 

「秋月姉さんが魘されてたから起こそうとしても起きなかったから…」

 

「そう…ありがとう涼月。少し外の空気吸ってくるわ。」

 

「わかりました秋月姉さん。気をつけてください。」

 

「もちろんよ…」

 

私は秋月型の私室から寮の玄関まで暗い廊下を歩いて行く。私たち艦娘の寮から鎮守府が見てるのだが…

 

「あれ?司令まだ執務室にいてるのかしら?」

 

たまたま外を見ると、執務室の電気が付いているのが見えた。私は、執務室を覗きに行くことにした。

寮から鎮守府まで歩いて5分。暗い道を私は歩いていく。街灯があるのがありがたいと思う。そういえば、川内さんが叫んでないとなると…執務室にいるのかしら?そうだったら、提督が大変…早く行かなきゃ!私は提督を助けるため夜道を走った。鎮守府の裏口はグラウンドの前を通って行くので正面玄関より遠い。スリッパで走りずらいけど、ぺたぺた走っていく。

 

「はぁ…はぁ…もうちょっと走り込みの訓練した方が良かったかも…はぁ…鍵開いてるよね?」

 

私はドアノブに手をかける。しまっていたら、それはそれで救出任務失敗を意味するが…司令が居る時点で鍵は開いている。私は勢いよく裏口のドアを開ける。

 

「誰も…いない?電気は全て消されていて、今日は当直も休み。非常用ランプ光ってるよ…赤い光ってある意味怖い…ですね…。」

 

私は独り言をいいながら、ゆっくり執務室の方へ歩き出した。そういえば響さんは「あの作戦…成功したんだけど。ガングートに呼ばれてしまった。ちょっと秘書艦任せてもいいかな?」と言われた。私よりも天津風さんとか…あっでも天津風さんも「あら?秋月じゃない。えっ?秘書艦?今はそんな気分じゃないの。秋月に任せるわ。」と言っていた。今更、胃がキリキリしてくる。ちょくちょく秘書艦はしていたのだけど…本格的な秘書艦はしてなかった。涼月も「秋月姉さん…そろそろ1人でできるようになってくださいね?執務室も広くないんですから。」と言われる始末。私は1人でできるのか…と思いつつ階段を上る。

 

「執務室は…3階だから…あと1階上がればいいはず。」

 

階段の方を見てまた歩く。誰もいないはずの暗闇から話しかけられた。

 

「何してるのかな〜?」

 

「ひぃ!?誰ですか!」

 

「私だよ。川内型の川内だよ。こんな真夜中にどうしたの?あっ!もしかして夜戦!?」

 

「違います。そんなことではなくて…司令を…」

 

「そっかそっか。私さっき出てきたばっかりだからね。お茶持って行った方がいいかも。見た感じ、新しく着任した人達の書類読んでるみたいだし。私もさっき夜戦って言いに行ったら追い返されたよ。今日は仕方なく寝ようかな。じゃ、あとは楽しくね。」

 

「あっはい。この秋月必ず、司令を守ります!」

 

「パジャマなのに?にしし。じゃ、おやすみ〜。」

 

「おやすみなさい…嵐のような人だった…。」

 

私は執務室に向かってまた歩き出した。執務室にお茶あったかな?と思いつつ、薄暗い廊下を進む。執務室のドアから電気が漏れ出ている。司令がまだ仕事している証拠だ。私はドアの前に立って「司令?秋月です。失礼してもよろしいでしょうか?」と言う。中から「秋月か?構わないがこんな時間に?とりあえず入れ」と言われ中に入る。

司令の机の上には山積みの書類が目に入る。

 

「司令…それがもしかして新しく着任する人達の書類ですか?」

 

「横須賀から60数人、イギリスから2人、アメリカから3人…ほとんど横須賀からだな。あと、信濃の修理費の領収書とか…もう無理。今日中に終わる気がしない。あと明日のスピーチのセリフだったり…顔合わせだったり…あれ?提督職ってこんなブラックだったっけ?」

 

「多分ブラックなのはここだけですよ…司令」

 

「え?マジで?」

 

「本当です。これ落ちてますよ。」

 

「んっ…あー横須賀の子のやつか。」

 

「この方って…」

 

「ああ。横須賀の副司令の立ち位置に居た艦娘【北上】だよ。」

 

「北上さんって…ここにも居るのでは?」

 

「今、あいつは出張中。来月に呉に向かいに行くんだけど…その時の秘書艦誰にすっかなー。」

 

「秋月が行きましょうか?」

 

「それも考えたけど…遠征と重なってるんだよ…」

 

「あっ…そういえばそうですね。」

 

「仕方ない、叢雲に頼むか。」

 

「叢雲さんって…確か出張の時に秘書艦になった方ですよね?」

 

「ああ。あの時響は反抗期だからな。」

 

「反抗期で済ませれるんですか…」

 

「一応はね。さて、秋月こんな時間に外に出るとは何事かな?パジャマのままみたいだけど。」

 

「あっ…これは…その…」

 

司令の声のトーンがわかった。今までは気軽に話せる司令だったが今の言葉は1つの艦隊の司令としてのトーンだった。私は変わりように驚き…後ずさりをしてしまった。

 

「秋月。海軍では後ずさりは宜しくないと習わなかったか?もう一度聞く、どうしてこんな時間に出ている?川内はわかるがお前はどうしてきた?寮から見えるとしてもお前らの部屋からは見えないはずだぞ?」

 

「それは…」

 

司令の容赦ない質問に泣きそうになる。司令は私に睨みつける。あの時の夢に出てきた深海棲艦のような目で。

 

「少し待ってろ。」

 

「…はい。わかりました。」

 

司令は立ち上がり、執務室から出ていった。私は何か罰せられると思い正座して待っていた。やっぱり気軽に執務室へ来るべきじゃなかった。私はどうして本音を言えなかったんだろう…司令の威厳のせい?でも…司令を納得させる説明が思いつかないのも本音。どうしたらいいのだろう。と考えていたら、廊下から司令の足音が聞こえてきた。

コツコツと私の罰が近づいていると思ってしまう。私が悪かったのだと。最終的にはそんなことを考えていた。司令が中に入ってきた。

 

「秋月。これを飲め。」

 

「あっありがとうございます。熱っ」

 

「ホットミルクだ。悪夢でも見たんだろ?どんな話だ。話してみなさい。」

 

司令は気づいてたみたいでした。私の口から聞こうしたらしいですが、聞けなく…そして、怖がらせたと思いホットミルクを待ってきたらしいです。私は司令に夢の一つ一つを説明しました。司令やみんなが死んでいて私も死ぬ話を。司令は静かに私の目を見て聞いてくれました。

 

「ってことがあったんです。」

 

「そうか。提督職に着いてからよくその相談が来る。悪夢を見た、深海棲艦に殺される夢などな。長門ぐらいか?違うかったのは。」

 

「言いにくかったらいいんですが…長門さんのを聞いてもよろしいですか?」

 

「ああ。構わないぞ。」

 

司令は長門さんの悪夢を話してくれました。

 

「長門はな。確か、光だったかな。」

 

「光ですか?」

 

「ああ。まるで目に光線を浴びたように見えなくなって、すぐに人が蒸発するぐらいの熱風が来たって言ってたな。」

 

「それって…訓練生の時に歴史で聞いた…」

 

「ああ。ビキニ環礁の話だろうな。」

 

「ですよね。」

 

「長門はその資料をよく要求してきてた。俺はそれをコピーして長門に渡した。」

 

「じゃあ、長門さんは…?」

 

「『そうか。これだったか。他にも同じように悩んでるやつがいるかもしれないな。』って言ってた。」

 

「そうですか。」

 

「秋月。すまないがタバコくれないか?」

 

「司令!ここは禁煙ですよ!」

 

「まあまあ。秘書艦机の引き出しに入ってるから。」

 

「全く。窓開けてくださいね」

 

「え?何言ってんの?」

 

「はい?」

 

私は司令がタバコを吸う人でないと思っていましたがどうやら違うかったらしいです。私はため息を吐きながら引き出しを開けると箱が出てきました。

 

「これですか?」

 

「それだ。」

 

「全くですよ。」

 

「何か勘違いしてるみたいだが…これシガレットココアだぞ?」

 

「へ?」

 

「だからシガレットココアだ。響に没収されてたんだ。」

 

「それはどうして?」

 

「どうしてって、舐めすぎで」

 

「ええ....(困惑)」

 

司令は「何かおかしいですか?」みたいな顔で私を見る。あっこの人純粋だと思いつつ、シガレットココアを手渡した。そして、時間を見て秘書艦の仕事を思い出した。

 

「司令!マルサンマルマルです!静かな夜ですね。星が綺麗ですよ。」

 

「この鎮守府に天体望遠鏡ないからな。明石に作ってもらうか。」

 

「司令。明石さんはここ所属では無いですよ?」

 

「ん?この紙みてみ」

 

「はい。えっと…『本日をもって横鎮賀鎮守府所属の艦娘は紀伊鎮守府所属となる。』ですか!?」

 

「だから…この書類を量なんだよ…」

 

「なるほど…」

 

「にしても、意外と可愛らしいパジャマなんだな秋月。」

 

「えっ!?いえ、これは…えっと…そうですか?」

 

司令は私のパジャマを褒めてくれました。可愛らしいと、私よりも涼月の方が可愛いと言おうと思いましたが、司令に褒めてもらうために私は黙っておきました。この人と居たら、心が落ち着きます。もっと褒めて欲しいとなってしまう。どうし司令の顔が見れなくなった。どうしてだろ…涼月にでも聞いてみようかな。

 

「司令!そろそろ失礼します!」

 

「えっ?あー。そうだな。しっかり寝なさい。」

 

「はい!おやすみなさい。」

 

私は司令に一礼して執務室から出ていきました。さっきの考え出したら司令の顔が見れなくなった。理由を涼月に聞いてみようと思って私は早歩きで鎮守府を後にしました。

寮に入って自分の部屋に音が鳴らないように歩いて向かった。すると、後ろから話しかけられた。

 

「おい!何をしている。」

 

「えっ…あっ長門さん」

 

パジャマ姿の長門さんに呼び止められた。

 

「秋月か。こんな時間に部屋から出ているのだ?」

 

「えっと…悪夢を見てしまって…」

 

「む?悪夢だと?」

 

「はい。」

 

「そうか。秋月…お前も見たのか。」

 

「長門さんも悪夢にうなされると聞きました。どうすればいいですか?」

 

「提督に聞いたな?まあいい、ゆっくり話そう。ついて来い。」

 

長門さんは私を接待室に通された。寮の接待室は鎮守府の中に入っている接待室より家庭向きな家具が置かれてる。長門さんが座ったので私は向かいに座った。

 

「秋月。悪夢を見ないようにすると言うのは無理なのだ。」

 

「そうですか…」

 

「お前はどんな悪夢を見たのか話しては貰えないか?」

 

「はい。」

 

私は長門さんに見た悪夢を提督に説明したように説明した。長門さんは静かに聞いてくれた。

 

「なるほど。深海棲艦か。」

 

「はい。そうなんです…。」

 

「私とはまた違う種類の悪夢…と言うことか。明石から聞いた話ではなぜ艦娘だけが深海棲艦の悪夢を見るのかは不明らしい。しかし、人に打ち明けれるのもまた1つの方法だ。さっき、執務室でお前がしたようにだ。」

 

「私が執務室に行ってたのわかったんですか。」

 

「もちろんだ。秋月、提督に打ち明けるのはいい方法だ。だからこそ、お前には気をつけて欲しいことがある。提督はお前一人のものじゃない。」

 

「もちろんだわかっています。」

 

「それならいいんだ。もう遅い。寝ることも艦娘の仕事だ。」

 

「はい。おやすみなさい。」

 

私に忠告?をした長門さんは笑って談話室から出ていった。私は談話室のソファに倒れ込み長門さんの話を思い出す。

 

「提督はお前一人のものじゃない。」

 

あれはどういう意味なのだろうか。まるで私が司令を好いているような言い方だった。でも、私には恋と言うものが分からない。人を好きと言う感情が分からない。私はソファに座り直して顎に手を当てる。

 

「んー…私が司令を好きになる?確かにもっと褒められたいとか横に居たいとか思ったけど…これが恋なのかしら?」

 

私がソファで唸っていると談話室のドアをノックされた。

ドアを開けると涼月が立っていた。

 

「秋月姉さんが帰ってこないから心配して探しに行ったら長門さんにばったり会って、秋月姉さんのことを聞いたからここと聞き…大丈夫ですか?」

 

「ええ…大丈夫よ。涼月、少しいい?」

 

「はい。大丈夫です。どうしましたか?」

 

「いや、相談なの。」

 

「秋月姉さんが相談?対空関係ですか?」

 

「違うの。恋って何かわからないの。」

 

「恋…ですか?」

 

「そう。恋。この秋月…生きてきた中で1番の問題だわ!」

 

「ふふふ。秋月姉さん、もしかして提督のこと好きになっちゃいました?」

 

「その好きが分からないの。」

 

「わかりました。では、どのようなものなのかを教えますので座ってください。」

 

「ええ。」

 

涼月はニッコリ笑って嫌な顔せずに説明してくれた。

 

「いいですか?恋と言うのものは相手を好きになるってことです。まあ…この辺はさすがに分かりますね。秋月姉さんが1番悩んでいるのは好きの基準だと思います。」

 

「そうなのよ。どこからが好きなのか分からないの。」

 

「そうですね…例えば、『一緒にいて楽しい』や『この人と一生を共にしたい』などが挙げられます。」

 

「もっと褒められたいとかは…?」

 

「正しく、それも入るでしょう。」

 

「横に居たいとかも?」

 

「はい。入りますね。」

 

「そう…じゃあ私は司令のことが好きなのかしら?」

 

「そうなりますね。メガネクイッ」

 

「涼月はメガネかけてないでしょう…」

 

涼月は私の答えを出してメガネを上げる真似をした。私はそれをツッコミつつ思っている感情を理解した。「これが恋。これが好きになることか」と。私は涼月に笑ってお礼を言った。

 

「ありがとう。涼月、肩の重さが無くなったわ。」

 

「それは良かったです。私も応援してますし、ライバルですね。」

 

「ええ。絶対に涼月より先にケッコンカッコカリをするわ

。」

 

「私だって秋月姉さんより先にします!」

 

私達は談話室で誓いとライバル宣言をして秋月型の部屋に戻る。朝焼けが綺麗で私達を照らした。

赤く染まる海に鎮守府…とても綺麗で司令に見せたかった光景でした。

そして、私の顔は赤く染まる海と同じぐらい赤くなっていたと思います。




とてもとてもお久しぶりです。忘れている方…居ますか?
綾凪です。綾凪九尾です。
今回とても遅れた理由を説明させていただきます。
まず、1つ目。
体調不良から始まりました。ウマ娘の方でも書かさせて貰いましたが、胃腸風邪により、downしておりました。
2つ目。
艦これACによる心装甲の破壊です。
夏頃に「発令!艦隊作戦第三法」があったと思います。
私の艦隊はまだ弱いので丙でクリアさせていただきましたが、最後の深海海月姫に心を壊されました。
大和改、長門、陸奥改、比叡改二の一斉射撃でダメージ数は10ダメージ。装甲ゲージもあまり減らせないと言うことがあり、被害は増える一方で心を破壊されました。それによりこの小説を書く気になれませんでした。すみません。
3つ目。
就職試験です。
毎日のように就職のために学校に行っていたので、ウマ娘と艦これを両立するのが難しかったです。そのため、まだ人気のあるウマ娘を優先させて頂きました。
私の小説では艦これの方が人気があり、今でも1日5〜8人の方が読んでいる状況でしたが、ウマ娘を5月3日から始めたこともありウマ娘を優先しました。
本当に申し訳ありません。
しかし、こうして投稿出来ることを嬉しく思っています。
タラタラと書いていると「いつまで言い訳を書いてるんだこの狐は」と思われるので、そろそろ次回予告に行かしていただきます。
次回ですが、普通なら新しく着任した人達の紹介だけして次の話に入ろうと思います。
この後にでも着任した艦娘たちの一覧を投稿していただきます。
次の話は、呉に出張です。
ソ連艦達はその時横須賀で秋月涼月天津風は遠征に行っており、誰を秘書艦にするかで悩んでいるとある艦娘を思いつきました。結構前に出た艦娘ですので、話し方などをもう一度勉強し直すと言うところで今回はここまでです。
また次回も読んでくださると嬉しいです。
そして、長くお待ちになっていた皆様。申し訳ありませんでした。
次からは、早い目に書きますのでどうかお待ちください。
それでは失礼します。
凪の中に言葉の綾あり綾凪九尾でした。
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