「Hey!テイトクゥ!入口は邪魔デース!そこどけデース!」
「金剛さん?何を言っておられるんですか…?」
「とりあえずどけデース!」
「わ…わかりました?」
俺は急な要求を呑んだ。これが合っていたのかは分からないがとりあえず避けてみた。すると金剛は本棚の前に立って「確かこの海域は…この敵が出たはずデス。」とボソボソと海域資料に目を通していた。俺はその金剛を見ながら書類を片付ける。そして金剛は俺の方を見て話しかけて来た。
「テイトクゥ。これ少し不備ありますヨ?」
「あれ?それ本部から送られてきたやつだけど?」
「多分前のテイトクが間違えた方を送っちゃったやつネ。あの人お茶目デスカラ。」
「あー…。うーん…そうかなぁ。大将が…?」
「YES!さて、そろそろお茶会の時間ネ!テイトクも来てもいいんだヨ?」
「一応聞いておこう。誰が来る?」
「まず私デース!あとはウォースパイトに陸奥デス。あっ!それから私の妹たちデース!」
「ほう。なるほど。行かせてもらおうか。」
俺はガタッと椅子から立ち上がると大淀が般若の面みたいな顔をしてドアを蹴り開けた。
「あっ。ちょっと!ドア!壊すな!」
「提督…ドアの件はお任せ下さい。しかし、忘れてませんか?帰ってきて直ぐに発令された作戦を…。」
俺は顎に手を当てた。わかっているのだが、あえて分からないふりをする。すると金剛が助け舟を出した。
「確か…横須賀近海の探索…デシタっけ?」
「あっ!あー…ハイハイ。大湊の方も合同だったっけ?」
大淀は金剛が答えたことによって少しため息をついてから返事した。
「はぁ…。そうです。大湊の方は宮城県沖で待ちぼうけ中です。急げって伝令も来てます。」
「今から向かっても着くのは明日の昼ぐらいだぞ?」
「行くしかありません。」
「でも護衛艦も決めてないし…?」
「大丈夫です。こちらで用意してます。」
「つい最近鎮守府空けてたし…ほら、提督があんまり出かけてると…さ?」
「問題ないので、早く戦艦信濃を動かしてください。」
「いやいや、乗組員も休暇出したよ?」
「その辺はご安心を。横須賀に着き次第、2日の休暇と伝えてありますので。」
「うーん。大変有能。」
「ありがとうございます。」
俺と大淀が話していると金剛はプクーと頬をふくらませていた。
「テイトクとOh!よどはずるいデス!」
「何言ってるんですか!金剛さんは!」
「Oh!よどはずるい艦娘ネ!」
「ふざけるのも大概にしてください!全く!」
「わかったネ。」
「金剛さん。今回の信濃護衛艦旗艦お願いしますね。」
「What?私に任せるのデスカ?」
「そうです。横須賀近辺わかってるの金剛さん達じゃないですか。」
「YES!私たちに任せるネ!」
大淀と金剛で話が進んでしまい俺は蚊帳の外になっていた。とりあえず、執務室から信濃が鎮座してるドックへ向かった。
廊下では色んな艦娘に会うがみんな遠征などで疲れているからあまり話しかけられない。面倒事にも巻き込まれず普通に地下ドックに来れた。
地下ドックでは明石が誰かと話していた。
「そうですね。そろそろ51cm砲に載せ替えですかね?」
「しかし、それでは排水量などが大変なことになるのではないだろうか?」
「さすが、大和型ですね。その通りです。」
よく見たら明石と武蔵が話していた。俺は明石に話さなければならないが話しかけてもいいのか戸惑っていると武蔵がこっちを向いた。
「どうやら我らの相棒が来たらしい。じゃあ明石また何かあったら報告してくれ。」
「わかりました〜。」
武蔵はどこかへ行き、明石が信濃を見ていた。俺は明石に近づき話しかけた。
「やぁ、明石。」
「お疲れ様です。今日はどんな用事で…は聞くのは失礼ですかね?」
「わかってるのなら聞かないでいいんじゃないかな…?」
「そうですね。いつでも動けますよ。」
「そうか。乗組員は?」
「もう乗り込んでいますよ。お休み勝ち取ったから張り切ってます。」
「でしょうね…。とりあえず俺が乗ったらドック上げてくれる?」
「分かりました。じゃあ用意してきます。」
俺は明石と別れ、信濃に乗船する。
信濃に入ると副艦長が待っていた。
「艦長お疲れ様です。」
「ん。お疲れ様。」
「今回の行先は横須賀で宜しいでしょうか?」
「構わない。深海棲艦に気をつけながら第四戦速だな。」
「わかりました。」
「それと多分艦娘たちの乗船もある。君たちはあまり関わることがないと思うが。」
「その辺大丈夫かと。おや?警報機が鳴っているってことはそろそろ上昇ですね。さぁ、中へ。」
「ああ。」
副艦長に促されて俺は信濃の艦橋内に入った。方位測定機室内はレーダーなどの最終確認をしていたりと忙しなく動いている感じだった。それに対して戦闘艦橋は全員落ち着いていた。
「艦長、帽子を。」
「ありがとう。ドックに貯水が出来次第出航。」
「了解。行先は?」
「横須賀へ。」
「わかりました。」
「機関室に電話掛けてくれ。」
「わかりました。」
副艦長は電話を使うかと思ったが機関が動いていないから発電もできてないので伝声管で機関室へ話しかけた。
「機関長。艦長がお話です。」
「はいはい。どうされました?艦長。」
「上がりきったら機関直ぐに始動させて。」
「わかりました。」
艦橋が外の光を浴び出した。艦橋ないがどんどん明るくなっていく。
「ん。眩しい…機関始動!注水開始!」
ドック内に海水が注水され始めた。それと同時に機関も始動させた。
水路ではブザーが鳴り響き、危険を知らせている。
「まさか、また動かすことになるとは…」
副艦長も呆れ気味に俺の隣に立つ。
数分後ドックに注水が終わり、信濃はゆっくり動き出した。紀伊沖に護衛艦隊が待機しているらしいのでそこに向かった。船笛を鳴らし、地域の人達に見送ってもらった。
「地域の人たちって優しいですね。」
砲撃長がボソッと呟いたのを俺は聞き逃さなかった。
「じゃあ、地域の人たちを守ってるのは誰だ?」
「それは艦長ですよ。」
「違う。紀伊鎮守府で働いてる全員だよ。」
「それはなぜですか?」
「それは…自分で考えてみるのもいいだろう。」
「そうですか。 」
そんな話をしていると無線が飛んできた。
「Hey!テイトクゥ!」
「金剛か。護衛艦隊のメンツを教えてくれ。」
「OKネ!まず、私ネ。次に利根。そして、荒潮デス。あとは時雨、球磨ネ。」
「んー…火力偏ってない?大丈夫?」
「テイトクは何言ってるのか分からないデスが、その戦艦の主砲も入ってると思いマース!」
「あっなるほど。」
「じゃあ、信濃に乗船しますヨ?」
「構わん。ハッチ開いて。」
信濃の後方が開き艦娘達はそこから入る。この大和型何故か揚陸艦のようにハッチが用意されている。艦娘のために付けられたらしい。
俺は艦橋から信濃後方部に向かった。
「Hey!テイトク!そこどけデース!」
「えっ…また?」
「いいからどけデース!」
「えっと…どうぞ?」
「アリガトウネ!この大和の中狭いですネ。」
「そりゃ、ほとんど同じに作られてる…らしいからな。」
「らしい?What?どうゆうことデース?」
「この大和型の開発に俺は関わってない。横須賀鎮守府独自の造船だったからな。」
「なるほどネ。今理解なら出来マース!」
「まあ、その横須賀に行くんだけどな。」
「もしかして、ドックの方に人が集まってた理由ってこれ…デスが?」
「俺は空襲あとの横須賀を知らないからなんとも言えないが多分そうだろう。」
「書類で見たこれが大和型4隻の生き残りデスか?」
「あれ?4隻目大破じゃなかった?」
「自沈させたらしいデス。私もあまり知らないことデスから。」
「横須賀の艦娘も知らないのか?」
「うーむ。どう答えるべきか悩みますネ。」
「理解力低くて悪い。」
「責めてるわけじゃないネ。あっ!でも1つ言えマース!」
「それは?」
「実は大和型4隻は私たち…横須賀鎮守府の艦娘でも1部の者しか知らないってことぐらいネ。」
「金剛は知ってたのか?」
「事後処理の書類で知ってる程度ネ。横須賀鎮守府で1番この大和型について知ってるのは白露ネ。前のテイトクの結婚相手で唯一前のテイトクのことをなんでも知ってる子ネ。まあ、口止めされてるからほとんど話さないと思うネ。」
金剛と大和型について話していると球磨が近づいてきた。
「この大和型について球磨は少し知ってるクマ。」
「え?マジ?」
球磨から突然の発表に俺と金剛は口を開けた。そして、教えてくれるように頼み込む。球磨は後で俺に甘えれる権利と与えることが条件とし、話し出した。
「まず、この大和型についてだクマ。この大和型はあの時の大和型よりも少し装甲を増やしてるクマ。そして、速度も上がってるクマ。」
「あの時の大和型以上の装甲ってことか?」
「言えばそう言うことだクマ。そして、次にこの大和型に使われてる46cm三連砲についてだクマ。」
「そういえば…深海棲艦にダメージ与えれるな…この戦艦。」
「それが一番の強みってことだクマ。横須賀鎮守府は演習時にこの戦艦を出して演習して、いつか来たる深海棲艦との最終対決に向けて用意していた主砲クマ。」
「それを取り付けたのが大和型4隻?」
「んー。まあ、そうなるクマ。いや、一言に言えば違うクマ。」
「えっ?どうゆうこと?」
「まず、大和型って言うのが間違ってるクマ。」
「えっ?何?」
「実はこの大和型の1隻目は別名『吾妻』と呼ばれてたクマ。」
「吾妻って?金剛聞いたことあるか?」
「うーむ。Sorry、私も1回も聞いた事ありまセン。」
「それもそうクマ。戦時中の計画艦だクマ。知らなくて当たり前クマ。」
「そうなのか…。」
「元々、吾妻を元に作ろうとしたのが1隻目2隻目だったクマ。」
「それで…結果的には?」
「大和型のような見た目は仕方なかったクマ。でも、大和型以上の火力を出そうとするとやっぱり大和型の大きさが必要になってくるから大和型と同じ大きさになったクマ。」
「んじゃ、3隻目4隻目は?」
「まあ、待つクマ。1隻目2隻目の本当の名前気にならないかクマ?」
「そりゃまぁ…。」
「まず、1隻目の名前は『吾妻』クマ。やっぱり元から名前を取ったクマ。2隻目の名前は『吉野』クマ。『吉野』の方は魚雷が付けられてたクマ。あっそうそう1つ言い忘れてたクマ。この吾妻と吉野は巡洋艦クマ。」
「は?巡洋艦?」
「超甲型巡洋艦クマ。横須賀鎮守府の図書館にあった本には超甲型巡洋艦のことも書いてたクマ。まあ、それも全て燃えたクマ。」
「それで…3隻目4隻目は?」
「3隻目からは大和型を主に理想としてきたクマ。だから3隻目からは大和ではなく『出雲』クマ。」
「出雲って…大和型のもう一個の案の名前だよな?」
「そうクマ。全主砲が前に付いている形クマ。ネルソン配置だクマ。4隻目の名前が『紀伊』だクマ。」
「なるほど…。」
「一応言っとくクマ。この戦艦未完成だクマ。」
「えっ?未完成?どこが?」
「タービンだったり主砲だったりと轟沈した船から引っ張り出して使ってるクマ。」
「そうだったのか…。」
「まあ、1つ言えるとしたら…近々この戦艦の近代化改修が行われることになってるクマ。その場所が横須賀鎮守府だったはずが空襲で復旧が遅れてるらしいから、設備も揃ってる紀伊鎮守府でするらしいクマ。」
「なるほど…んで、その近代化改修って何するんだ?」
「そうクマね。球磨も理解してるわけじゃないから難しいクマ。でも、主砲についてはわかってるクマ。」
「主砲は全部前になるのか?」
「違うクマ。主砲を51cm二連砲に変えるクマ。」
「51cm…?デカすぎじゃないか?」
「実際デカすぎて載せれるかどうかも分からないクマ。でも、元々それを視野に入れて作られてた戦艦クマ。どこかに余分の所があるんだと思うクマ。」
「なるほど…それを知ってるのは…?」
「まずはテイトククマね。次に白露だクマ。最後にドック全てを仕切っていた裏の仕事人『明石』だクマ。」
「明石が知ってる…?」
「大和型4隻の建造する時、全指揮を取ってたのは誰だと思うクマ?」
「そりゃ…大将だろ?」
「んー。半分当たりで半分間違いクマ。」
「じゃあ正解は?」
「提督が現場監督で明石が指示役だったクマ。そして、この戦艦を作ったのは明石だクマ。もちろん、色んな人の力があって作られたクマ。でも、一番知ってるのは明石だクマ。どこかに何かをしているのか確定だクマ。」
「よくわかるな…そんな情報。」
「球磨は色んな子から相談を受けたことがあるクマ。だから、何もしてなくても情報が入るクマ。球磨が知ってるのはこれ以外にはないクマ。」
「ん。ありがとう。」
球磨の難しい上に長い説明から解放されると俺はぐったりしてしまった。艦橋に戻らないと行けないがその気力もない。どうしたものかと考えていると金剛が肩を貸してくれた。
「テイトク?大丈夫デスか?」
「あ、ああ。少し難しい話を聞いてしまってな。」
「私もWhat?状態でしたヨ。よく、最後まで話を聞こうと思ったネ。私なら聞きたくないからそそくさと逃げ出すネ。」
「さすがに、この戦艦についてなら気になってしまうだろ…。とりあえず、艦橋に戻らないと…。」
「テイトクは働きすぎネ!伝声管で伝えておくからマイルームに行ってゆっくりティータイムでもしててくだサイ!」
金剛は怒っているのに艦長室まで送ってくれた。金剛は俺を椅子に座れて「紅茶入れてくるネ。ゆっくりしててくだサイ。」と言って艦長室から出ていった。艦長室のベットが少し膨らんでいるのはあえて無視しよう。今は一つ一つのことに構ってられないからだ。もうすぐ、横須賀近辺に着く。大湊の方にも連絡を取らなければならならないとわかりつつ、机に倒れ込む。どうやら、最近の不摂生が祟ったらしい。そうして俺は夢の世界に引きずり込まれた。
(金剛視点)
球磨の話的にかなり面白い感じネ。でも、テイトクは理解出来てるか心配デース。やっぱり、私は悪い子ネ。テイトクも助けずに話を聞いていた私を許してくだサーイ。とりあえず、紅茶でほっこりすることが一番ネ。
「Hey!テイトクゥ!ティータイムダヨー?あれ?」
どうやらテイトクはお疲れのようだったネ。私は紅茶を静かに机の上に置いてブランケットでもかけた方がいいネ!と思い、艦長室にある物を見ても何も無い。布団は膨らんでおり、球磨か時雨が寝ているのが確定しているからこそ何かしてあげたいとやばいと思ってしまうネ。私は1回艦長室から出て艦娘達のために用意されている部屋に向かってブランケットを取ってくることにしたネ。
信濃艦内は狭いようで広い。伊達にも史上最大の戦艦だって舌が抜かれそうになるネ。そんなことを脳内で思っているとドアに「艦娘休憩所。男性の入室は厳禁!」と書かれていて男性乗組員は一切近づこうとしまセーン。とりあえず、中にあったブランケットを持って直ぐに艦長室まで戻る。私は「高速戦艦よろしく」の並に走った。艦長室の前で念の為にノックをした。返事は返ってこないと思いドアを開けてると数分前の状態で少し安心…したかったのに出来なかったネ。なぜなら、クローゼットは勝手に空いてる上に紅茶が減っていて誰かが居るのは確定だったからデース。でも、めんどくさい事には関わりたくないのだテイトクにブランケットをかけてそそくさと艦長室をあとした。
(金剛視点終わり)
俺はある夢を見る。金剛達とティータイムをする夢。金剛に比叡、榛名、霧島。そしてウォー様。まるでイギリスにいる気分だった。そして、俺は伝声管に呼ばれて起きるのだった。
はい!綾凪九尾です。
お久しぶりです!早めの投稿です。前に比べればの話ですけどね?
とりあえず、今回は金剛さんの話ですかね?なんか…わかんないけど金剛さんの話にしておきましょう。
今回は紀伊鎮守府にある『戦艦信濃』についてわかった回なります。(これはほとんど作者の妄想なので楽しんで貰えたらと思います。)
艦これの世界に大和型があったら面白そうと言うのが今回や前回に出てる戦艦を出しているのです。
あっ!あと!金剛さんの話し方変だと思います。その理由説明しときますと、ウマ娘のエルコンドルパサーとちょいちょい被るんです。なるべく被らないようにウマ娘の方では「デェェェェス!」としてるんですけど何故か似てしまうのはこれは運命なのか?と思いつつ書いておりました。
今回も前半後半に分かれてしまい申し訳ないです。
大和型の話をぶち込んだ結果、やる気が落ちてしまったのが原因です。
とりあえず、次の話の前にもしかしたら投稿せずに大晦日〜正月の小説を出すかもしれません。
まあ、どちらかなので楽しみにしててください。
次回もよろしくお願いします。
凪の中に言葉の綾あり綾凪九尾でした。