色んな艦娘達は提督が好きなようです   作:綾凪九尾

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前回のあらすじ…?
え?なんだっけ?とりあえず楽しんで?


次は佐世保へ出張 前編(第22話)

「提督。これが大本営からの手紙になります。読み上げますか?」

 

「お願いする。それでいいな?叢雲。」

 

「もちろん構わないわ。続けて大淀。」

 

「はい。手紙の内容は『明後日より、佐世保にて新着任艦娘の雷撃訓練をする。』だそうです。」

 

「ふーん。なら、大井さん連れていけば?」

 

「どっちの?」

 

「紀伊の方。」

 

「最近話してないんだが?」

 

「だからこそじゃない?そうよね北上さん。」

 

「まあ、いいんじゃなーい。はい、演習結果だよー。大井っちの雷撃は凄いからねぇ〜。」

 

「そう言われてもまじで話してないからな…。」

 

「なら、私に任せてよ。提督」

 

「任せてみるけど…変なことしないようにな?」

 

「わかってますって。」

 

◆◆◆◆◆◆(北上視点)

「さてさて、どうやって大井っちを誘うかな〜」

 

大井っちは呉からここに戻ってきてから提督と話してないのは知ってるからどう誘えばいいか私にも少し難しい。だけど、私のお願いなら聞いてくれるし優しい子なんだよね。

 

「ただいま〜大井っち。」

 

「おかえりなさい北上さん。」

 

「いやぁ、さすがだね。演習MVPだったね。」

 

「北上さんのために頑張りましたから!」

 

「そっかぁ。ところで佐世保でなんかやるらしいんだけど提督が大井を呼ぼうか悩んでたよ〜。」

 

「はい?私をですか?まさか…あの人それを餌に私を…。」

 

「大井っちで提督のことどう思ってるのさ〜。」

 

「どう思ってる…って言われても…。あの人…をどうって…。」

 

「何かやましいことでもあるの〜?」

 

「ありませんよ!北上さん今日は提督についてよく聞いてきますね。佐世保の件本当だったりします?」

 

「その通りに決まってるじゃん。はいこれ。宿泊チケットね。用意はこっちでしといたし、勝負下着も入れといたよ〜。」

 

「なんてことしてくれたんですか!北上さん!」

 

私と大井っちが話していると、提督がノックして入ってきた。

 

「おっ。北上よく大井を説得したな。」

 

「ふふふ。北上様だからなのだ〜。」

 

「ちょっと北上さん!」

 

「さすが北上だな!」

 

「ちょっと!提督も話を聞いてください!」

 

大井っちはあえて逃げれる道を作っていたみたいだけど、私はそれを埋めるのが得意だからね。何事も周りからって言うし。佐世保で仲良くしてきてね大井っち♪

 

◆◆◆◆◆(大井視点)

「(北上さんにやられた…。あの人とはあんまり話してないのに…。)」

 

「大丈夫か?大井。二式飛行艇は初めてか?」

 

「当たり前じゃないですか!こんな鉄の塊が飛ぶんですか?」

 

私はその辺にある紐に捕まってビビり散らかす。前に呉から帰る時に信濃で帰還した。だから、二式飛行艇へ乗るのは初めてだった。叢雲は私の肩を持って「大丈夫よ。うん。」と言って執務室に帰って行ったが…本当に大丈夫だろうか?

 

「大井さん?本当に大丈夫ですか?顔色悪いっすよ?」

 

「うるさい!今慣れようとしてるから黙ってなさい!」

 

「ウッス…。」

 

私の中の提督に対する好感度はマイナスへ1度振り切った。どうしてこんな奴と佐世保に行かなければならないとか…このまま飛び降りて1人だけで帰ってやろうかとも思ったが、今回は紀伊鎮守府代表として参加する艦娘だったことを思い出し、自分を鼓舞する。

 

「(大丈夫…大丈夫。私は雷巡大井よ…。すぅー…あっ提督の匂い…。)」

 

ここで私は何を考えているのだろうか。好感度がマイナスに行ったとさっき自分でも言っていたのに本当に何を考えているのか。頭を抱えてしまう。

 

「大井?頭抱えて頭痛いのか?耳抜き出来るかー?」

 

「うっさいわね。耳抜きぐらい簡単に出来るわよ。」

 

「あっごめんなさい。」

 

提督にきつく当たるのは全てこの人が悪いので私は謝らない。そう…謝らないのだ。だって、私が悪いのではなくこの人が変に絡んでくるのが悪いのだ。でも、心配してくれるところはいい所なのだけど…。ほんと…に…もう…。

 

◆◆◆◆◆(提督へ戻る。)

どうやら、大井は俺と佐世保に行きたくなかったようだ。すごく不機嫌だ。そこまで北上と一緒に居たかったのか。それなら、叢雲とか時雨を連れてきたら良かったと後悔する。響は未だに横須賀鎮守府の復旧で時間が掛かっているそうでそろそろ援軍を送るべきだろうか。いや、もうすぐできるって聞いてるから送った方が迷惑になるな。などと考えていると、1時間ちょっとで佐世保の海に着水し佐世保に着いた。至る所には護衛艦が停泊していたり、ドックに護衛艦を修理していたりとちゃんとした海軍基地だった。

 

「すごい揺れたけど今の何よ…。」

 

「着水したな。」

 

「なに?じゃあ、私達はどこかの海の上に漂流してるわけ?どうゆうことよ。」

 

「いや…着いたんですよ。」

 

「え?そうなの?」

 

窓を覗き込む大井。窓の外には佐世保と長崎市の風景が見えたらしく、独り言で「北上さんにお土産何にしようかな〜。」と言っていた。今回の佐世保に来た理由、本当にわかってるかな…。二式飛行艇は接岸し、1時間ぶりに地上に立った。

 

「1時間座り続けるのはそろそろきついか…。んんん!」

 

背伸びをする。すると腰の方から「ゴギッ!」となる。歳は取りたくないものだと苦笑いをしていると、艦娘が歩いてきた。

 

「お待ちしてました!佐世保鎮守府所属及び秘書艦の阿賀野です。貴方が紀伊鎮守府の提督さんでよろしいでしょうか?」

 

「はい。紀伊鎮守府の司令官の奥巻です。」

 

「そして、そちらが大井さんですね。では、接待室にお連れします。こちらです。」

 

阿賀野はそう言って、先を歩いていく。俺らもそれについて行く。呉のように近くからは「ゴーン!ゴーン!」と低い鉄の音が聞こえてくる。至る所に妖精さんが走っていた。

 

「新造艦達は艦娘学校で戦闘方法をなどを習ってから、卒業をした方々です。現在は佐世保鎮守府にて、今回の演習方法と指導艦の説明が行われております。そういえば呉の提督さんと大将殿も来られるはずです。」

 

「大将殿も来ているんですか。かなり大事な演習じゃないですか。」

 

「いえば、新造艦達の移籍先が今回の演習で決まると言っても過言では無いですから。こちらが我らの司令部佐世保鎮守府になります。」

 

敷地内で1番存在感を出していたレンガ造りの佐世保鎮守府が目の前に居た。阿賀野はドアを開けて入るように促す。俺らはその通りに入っていく。阿賀野は受付に話しかけていた。

 

「この方々…そう。うん。提督さんに…そうそう。」

 

ここの提督とは実は話したことがなく、どんな人なのか気になっていた。噂では人当たりのいい人とは聞くが、悪い噂だとすごい厳しいとか聞いた。やだな…。

 

「おまたせしました。接待室は3階です。」

 

阿賀野がまた先を歩き出したので、俺らもその後ろについて行く。中は木の廊下で紀伊よりも古い感じがあった。それがまた、いい味を出していてどこか懐かしい感じがあった。階段を上り、3階に着くと駆逐艦の声が聞こえてきた。

 

「うむ。この子達の指導をわらわと今回来る大井?と言う奴とすれば良いのだな?」

 

この声は初春か?そして、その後に低い声が聞こえた。

 

「それでいい。それと初春。厳しくするなよ?」

 

厳しく?どうゆうことだ?俺は阿賀野に顔を見ると顔面蒼白になっていた。

 

「あはは…こちらです接待室。」

 

あからさまに何かトラウマがあるのだろう。いや、ない方がおかしいのでは無いだろうか?

 

「ちょっと、提督。」

 

「どうされた?大井」

 

「私完全に場違いな気がするのは気の所為かしら?」

 

「気の所為…だと思いたい。」

 

「それならいいのだけど…。さっきの初春って言う艦娘…どこかで聞いたことあるような…。」

 

俺らは2人で話していると、阿賀野が「こちらが接待室になります。お茶と提督さん呼んできますのでお待ちください。」と言って、俺らが中に入ると出ていった。とりあえず、椅子に座って黙り込む。俺は周りを見て、色んな勲章があるのが確認できた。その台座には「駆逐艦 初春」と書かれており、どうやら佐世保のエース艦は初春のようだ。

 

「やっぱり私とかよりも叢雲の方が良かったんじゃない?」

 

「でも、そうなると紀伊の運営誰がするの?ってなるわけで…。」

 

「秋月とか涼月もできるでしょ?」

 

「少しだけしかできない。長門と陸奥はお願いすれば出来るかもしれないが…最近もお願いしてたから申し訳ないからな。」

 

「だから、叢雲を置いてきたと言うわけね。ふーん。」

 

なんか納得してなさそうな顔をされてもその通りだからこれ以上説明もできないんですが…。またしても沈黙の時間が流れるとドアが開いた。

 

「待たせたね。奥巻少将。」

 

「いえ、今回の演習へご招待感謝致します。中将殿。」

 

「はっはっは。気にする事はないよ。ささ、君のことを知りたいから質問をしていこうと思うよ。」

 

本当に人当たりのいい人だ…。質問と言っていたがなんだろうか?

 

「まず、君は紀伊鎮守府の提督でいいんだよね?」

 

「はい。紀伊鎮守府の提督であります。」

 

「部下達はどれぐらいかな?」

 

「正確な数字はわかりませんが、紀伊40横須賀43の合計83ぐらいだと思われます。」

 

「ほー。横須賀の子達も預かって居たのは君なのかい。」

 

「はい。流れ的にこちらに来ることになっており、最近ではやっと書類が集まったので紀伊鎮守府所属へ変更の書類を発行中であります。」

 

「仕事が早いね。じゃあ、結婚艦は?」

 

「ベールヌイと叢雲です。」

 

「駆逐艦か。なるほど、君ロリコンなのかい?」

 

「いえ、私はロリコンではありません。」

 

「これは失礼した。質問は以上だ。だいたい君のことがわかった。」

 

「これでわかったんですか…。」

 

たったの数個の質問で人のことが分かるのだろうか?いや、まあ?わかる人も居るんじゃないかと思うが…。もしかして…この人凄い人?などと考えていると次は大井に質問をしていた。

 

「君は大井くんだったね。」

 

「はい。球磨型重雷巡洋艦4番艦の大井です。」

 

改めて、『球磨型重雷巡洋艦』と聞くと凄そうなのがわかる。でも、どうしてだろう…球磨型全員が雷巡みたいに聞こえてくる。違いますからね。球磨と多摩は普通の軽巡ですからね。北上、大井、木曾が雷巡なだけであって全員が雷巡じゃないですからね。

 

「今回はお招きありがとうございます。私、大井も新たな艦娘達の育成にお役に立てて嬉しいです。」

 

ここぞとばかりにいい子ぶる大井。さっきまで二式飛行艇内で叫び散らかしてたくせに。まあ、大井のは今更でもあるから何も言えないが…。

 

「奥巻くんはいい秘書艦を連れてきたね。じゃあ、明日から数日間は訓練だから、よろしく頼むよ。」

 

「はい。お任せ下さい。」

 

中将はそう言って、席を立ち接待室から出ていった。俺らも少ししてから接待室を出ていき、佐世保鎮守府の司令部から外に出る。

 

「…。」

 

「なんですか?その顔は。」

 

「なんか気の触る顔してました?」

 

「いつも通りだったわ。」

 

「酷い!」

 

こうして、俺らは互いに相手を貶しつつ…いや、ほぼ大井が俺の事を貶してた。




どうもどうも凪凪綾凪です。
お久しぶりですね。本当に
どうです?艦これの小説探してました?
失踪したと思いました?
失踪するわけないじゃないですかヤダー
今回の話は「佐世保に出張」となっております
今回のお供は大井。呉から帰ってきたばっかりの方ですね。え?なんで大井かって?そんなの…気分に決まってますよ!( °ᗜ°)ハハッ
とりあえず、4〜5ヶ月ぶりの艦これ!楽しんでくだせい!
お待ちになってた方お待たせしました!
初めての方はどうも!忘れた方ラリアット!
次回!甘い大井見れたらいいね!
以上綾凪でした

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