俺は今、緊急事態に巻き込まれている。まさかのこんなことになるなんて。ちゃんと報告すれば…こんなことにはならなかった。ああ、ならなかった。これは響とデートしに行った日まで遡る。
「今度、喫茶店に行きましょう?食べたいパンケーキがあるのよ。」
と言われたあの日まで。その日から1週間後。誰に言われたか…それは天津風だ。ツンデレで消極的な(あれ?放置ゲーでそんな同盟メンバー居たような?気のせいか。)響は遠征に行って今は居ない。紀伊鎮守府新聞(青葉が特集した物)でのランキング。「奥巻提督の嫁艦は誰が似合っているかランキング(記者の独断)」で第1位はやっぱり響。第2位は天津風だった。何故、天津風が2位なのかは理由がある。それは、響が遠征の時に秘書艦になることが多い。そして、何故か天津風が【俺のことが好き】と噂が流れている。誰が言ったのかも不明なのだが。よく分からない。まあ、そんなことよりも天津風との約束の日まで時間を進めよう。俺は朝の07:00に起き、顔洗い執務室に入った。その後、天津風が来た。いつもならツインテールだが、今日は髪の毛を下ろして、ロングセーターを着ていた。天津風と言えば連装砲くんにパーカーだが、見た目が変わっていた。髪の毛を下ろすだけで大人っぽさが出たりする。
「おはよう司令官。今日もいい風ね。喫茶店日和ってやつかしら?」
「喫茶店日和ってなんだよ。全く。」
こんな会話もランキング2位なのかもしれない。どうであろうと。響に喫茶店行くとバレた時は「司令官…私に秘密で天津風と喫茶店に行ったんだね。いいと思うよ?うん。そうだね。」なんて言って軽蔑な目をするぞ絶対!
天津風は何かモジモジしだした。
「し、司令官…服装変えたのだけど…どう…かしら?」
「あれだな。天津風って髪の毛を下ろすと印象変わるな」
「そ、そうかしら?まあ?あなたがこっちの方が…好きって言うのなら…?あなたの前だけこの姿になってあげてもいいわよ?」
「マジで?じゃあ頼むわ。」
俺は、響だけに目を向けていたが…何故か天津風のルートも作ってしまった。俺が悪いんじゃない。この世界が悪いのだ。神よ。お前を…あ、やめてください。神様。そこでエラー娘はダメです。え?あ、はい。しっかりと北方棲姫倒させていただきますんで。はい。
「司令官?汗かいてるけど大丈夫?なにか大変なことがあったの?」
「あ、いや…少し神の声が…」
神の声ってなんだよ…運営の声だよ。天津風に言える訳じゃない…そんなことを考えていると昼のチャイムが聞こえてきた。
「あ、もう昼なのね。そろそろ喫茶店に行こうかしら。少し遠いけど夜までには帰って来れるはずよ。」
そういえば場所を聞いていなかった。どこにあるのかも聞いていなかった。どこにあるのか天津風に聞いてみた。
「天津風。その喫茶店ってどこにあるんだ?」
「場所はこの辺の近くにある【カフェ ステラ】よ。カフェでケーキも美味しいんだって。吹雪達が美味しいって言ってたのよ。だから、気になってね?それに今なら響も居ないからあなたを独占…じゃなかった。休憩できるでしょ?」
今独占と聞こえた気がするが、あえて流すのか流さないのか…俺の中では脳内会議が行われた。結果は聞き直すことになった。
「天津風、今独占って言わなかったか?」
天津風はドキッとしてぎこちなく俺の顔を見た。
「き…き…気の所為じゃないかしら〜?おほほ…」
「声が裏返ってる。ってこんな時間か、そろそろ行くか。」
俺は、話を切り上げた。理由としては時間があれなのだ。やばいのだ。響が帰ってくる前に行かなければならなかったからだ。俺と天津風は仕事をキリのいい所までして、執務室を後にし【カフェ ステラ】に向かった。
「天津風、この辺なのか?」
「ええ…この辺のはずよ…ってここね。」
カフェ ステラと書いた黒板の看板。クラシック風のカフェだった。今の時代なかなか珍しいタイプだ。天津風は緊張してるのか借りてきた猫みたいに固まっていた。俺は、扉を開けた。ドアを開けるとカランカランとベルがなり、マスターが渋い声で「いらっしゃい」と言っていた。
俺たちはカウンター近くのテーブルに座った。天津風と隣で。
「おかしいだろ。普通に考えて天津風があっちだろ。」
「あ…間違えたわ。あなたに付いていったら同じところに座ってしまったわ。もし迷惑だったら謝るけど?」
本音を言えば悪くなかった。天津風は響とは違う匂いがした。シャンプーは同じのはず…じゃあ香水なのかもしれない。
「(匂いバレたかしら?どうよ、あの銀髪とは違うのよ。ふん。)」
「天津風?なに笑ってるんだ?」
「別に〜何も無いわよ。ふふふ」
不思議なやつだ。天津風は近くにいた白髪の店員さんに注文した。
「ストロベリーパンケーキと…あなたはコーヒーでいいよね?」
「ああ。」
「じゃあ、コーヒーで。」
店員さんは「わかりました。少々お待ちください。」といいキッチンへ行った。
俺らが頼んだものを言ったあと、可愛らしい返事が返ってきたのを俺は聞き逃さなかった。前に響に隠れてやった恋愛シュミレーションゲームにも似た声だった。まあ、見た目が似てるかは不明だが。そんなことを考えていたら、天津風のストロベリーパンケーキと俺のコーヒーが来た。
「お待たせ致しました。ストロベリーパンケーキとコーヒーでございます。」
「ありがとうございます。」
俺は店員さんにお礼をいいコーヒーを受け取った。すると店員さんが
「軍服ってことは鎮守府の人ですか?艦娘さんが来ることが多いのですけど。」
この辺では俺らは有名らしい。そりゃ、吹雪達が来ているのならば有名か。天津風はパンケーキを食べている。
「美味しいわ!こんなパンケーキ初めてよ!あなたも食べてみなさい!ほら!」
天津風は味に感動して、俺に感動を分け与えようと俺に「あーん」をしてきた。
自分では気づいてないのだろう。自分がしているが恥ずかしいことと言うに気づていないからこそできることなのだ。そして俺はそのパンケーキを食べた恥ずかしいながらに。そして、天津風は「どう?美味しいでしょう?」と言った後、どんどん赤面した。自分がしたことを思い出したのだろう。そして、後ろからの悪寒。ゆっくり振り返ると響が「何をしているんだい?司令官」と言っているような顔でこっちに走ってきた。
「司令官!何をしているんだい?私と言うものがありながら、浮気かい?」
「違う!これは単なる条件で…」
「ふーん。条件かい…ならわかった。天津風、司令官を賭けて勝負しよう。」
響は天津風に宣戦布告した。自分の旦那を守るために演習を申し込んだと思ったら実際は違った。
何故か料理対決をすることになった。俺は審査員として明日駆り出される。辛いのだけは苦手だから辛いのが来ないことを願い。2人を連れて鎮守府へ戻った。
そして、3人でぐっすりと寝た。
「気緩みすぎじゃないかしら?チュ。おやすみなさい」
天津風がそう言って布団を深く被った。