生き残れ、慎二くんっ!   作:佐月檀

3 / 6
 サブタイトル詐欺気味。


蟲ジジイは成敗よー!

「さて、これからどうするんだ? マスター」

 

 ライダーの問いに対して、慎二は顎に手を置き、考える。

 

「そうだなぁ……。まずはキャスターかアサシン辺りを脱落させておきたいところだけど……」

 

 特にキャスターはな、とつけ加える慎二。

 

「敢えてキャスターの首を獲りに行くのか?」

「ああ。正直、キャスターは今回の聖杯戦争の中で、かなりのトリックスターになると思ってる。たとえば、サーヴァントとマスターのパスを断ち切る宝具を持ってるとか、かな。もしそんな宝具を使用されて、セイバーかランサー辺りがキャスターの手駒になったら、こちらは目も当てられないからな」

 

 疑問を呈するライダーに、慎二はそれとなく今回のキャスターの情報を示す。

 ライダーはなるほど、と頷き、納得する。

 

「ま、とりあえず、今のが僕としての方針だ」

「了解した。ひとまずは、その方針に従おう」

 

 槍を霊体化させ、ライダーは応じる。

 それに慎二は安堵し、胸を撫で下ろし、息をつく。

 そのとき、会話に横槍を差すように小屋に冷たい風が入ってきて、慎二の背中を通り抜けていった。

 よほど冷たかったのか、慎二は腕を肩に交差させ、ガチガチと歯を鳴らす。

 

「……寒いから、そろそろ屋敷に入らないか?」

 

 こいつ、大丈夫か? というような表情を一瞬浮かべるも、ライダーは「おう」と答え、霊体化する。

 慎二は身を震わせ、ライダーと共に本邸へ戻ろうとする。

 

 いざ扉に手をかけた瞬間、慎二の背中を先ほどとは全く違う寒気が伝った。

 

「ク、ハハハハ! まさか貴様が、令呪を宿していようとはな! 予想もできんかったわい!」

 

 間桐臓硯が不気味な笑みを浮かべ、慎二の背後に立っていた。

 咄嗟に振り返る慎二だが、眼前にはすでに臓硯の使役する蟲が迫りきている。

 しかし、それらは瞬きもしないうちに殺されていた。

 

「――おっと。俺のマスターには手出しさせんぞ」

 

 ライダーがいつの間にか霊体化を解き、殺していたのだ。

 ライダーは槍を薙ぐように払い、臓硯に穂先を向ける。

 

「さて、と。俺のマスターを殺そうとしたってのは、俺に宣戦布告するって意味だ。この意味が――わかるな? 老魔術師」

 

 殺気がこの場の空気を、一瞬で支配する。

 しかし臓硯は、顔色ひとつ変えなかった。

 

「ハハ、ハハハハハ! そうかそうか! ワシを殺す、ということか!」

 

 臓硯の哄笑が小屋に響く。

 

「やれるものなら、やってみせるがいい! ライダー!」

 

 臓硯がそう言い放った刹那――ライダーの槍の如く鋭い蹴りが臓硯の頭蓋を穿った。

 いきなりの一撃に、臓硯は反応もできず壁に叩きつけられ、そのままもたれかかる。

 唸るような声を捻り出す臓硯の前に、ライダーが立ち塞がった。

 

「どうした、こんなものか? あっけないぞ」

 

 そう挑発しながらも、いつでも槍を突けるよう構える。

 

「……ジジイ」

 

 そんな中、慎二は憐れむような眼差しを臓硯に向けていた。

 ライダーはそれを察してか、慎二のほうを一瞥する。

 

「……いいんだ。殺ってくれ、ライダー」

 

 

 この瞬間、小屋の壁に深紅の花が描かれた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。