ラブライブ!EXTRAスター!!   作:naogran

21 / 32
前回のあらすじ。

千幸「2度目の春を迎えた結ヶ丘女子高等学校に新1年生が入学した。スクールアイドル部も入部希望者を増やす為に奔走するが、一向に現れなかった。実は1年生の間で、練習が厳しそうで入部したら着いて行けないじゃないかと言う誤解が生んだ噂で入部希望者は現れなかった。北海道から上京した桜小路きな子さんがLiella!のライブを見てスクールアイドル部に入部した。これでLiella!は6人になった。」




桜小路きな子が入部した翌日。

千幸「いらっしゃい。桜小路さん。」

可可「いつもこんな感じで集まってます。」

千砂都「お菓子もい~っぱいあるよ。あ、今度タコ焼きも持ってくるね!』

すみれ「チョコも~らい。」

可可「コラ!きなきなが先に取るですぅ~!」

千幸「きなきな?桜小路さんか。」

すみれ「堅い事言わないでよ。」

可可「きなきなが先です~!」

千幸「コラコラ。喧嘩するな。」

かのん「あ、お待たせ。きな子ちゃん。」

部室に漣、かのん、恋が遅れて来た。

きな子「どうもっす・・・」

漣「こうやって全員揃ったら練習開始だ。」

きな子「ラブライブに向けて?」

漣「そうだ。」

持って来た自前のノートパソコンを開く。

漣「スクールアイドルの頂点で夢のステージ。それがラブライブだ。」

ラブライブのステージの動画をきな子に見せた。

きな子「わぁ・・・!ここに私も・・・!」

かのん「うん!一緒に頑張ろ!」

きな子「かのん先輩・・・はいっす!!」






練習開始。だが。

きな子「はわわわ〜!」

いきなりバランスを崩し、かのんに支えられた。

かのん「大丈夫!?」

きな子「しゅいません・・・」

漣「まぁ初めは皆そう。少しずつ頑張ろう。」

きな子「はい!頑張ります!」




しかし腹筋やマラソンは無理だった。




そして極め付けは。

漣「ワンツースリーフォー!ファイブシックスセブンエイト!」

きな子「てやぁ〜〜〜!!」

漣「エイト!」

6人がポーズを決めた。だが。

かのん「あら?」

漣「桜小路さん?」

無茶苦茶前に出てポーズを取ってるきな子を発見。

きな子「あれ?」

かのん「あは・・・」

千幸「こりゃあ・・・」


第14話「2年生と1年生」

休憩を挟む。

 

きな子「やっぱりダメっす・・・」

 

かのん「まだ初日だよ?」

 

可可「そうですよ!」

 

漣「桜小路さんって、運動が?」

 

きな子「はい。昔から運動は苦手で・・・」

 

鬼ごっこの時、きな子が鬼になって友達を追い掛けるが、路肩に転ぶと言うありえない転び方をした。

 

きな子「いつも一人で置いてかれてたっす・・・」

 

漣「そうだったんだ。でも気にしないで?」

 

すみれ「そうそう。この子なんて入った時、腹筋一回も出来なかったんだから。」

 

可可「それはもう過去の事!可可も必死で・・・」

 

怒る可可だが、すみれが耳打ちで。

 

すみれ(この子を安心させる為でしょ!話し合わせなさいよ!)

 

可可「っ!そうです!きなきなの方が昔の可可よりもずっと凄いです!」

 

きな子「そうなんっすか?」

 

かのん「うん。だから前向きに。そうだ。センター立ってみて?」

 

きな子「きな子がっすか?」

 

かのん「うん。」

 

気乗りしないままセンターに立つと、かのん達が手を繋いだ。屋上に風が吹いた。

 

きな子「わぁ~!」

 

かのん「気持ち良いでしょ?」

 

きな子「はい!」

 

漣「今日も良い風だ。」

 

かんん「これがラブライブのステージになったら応援してくれる人が沢山集まってくれて、私達に力をくれるんだ。」

 

きな子「素敵っす!」

 

かのん「だから元気出して。」

 

きな子「頑張ります!」

 

 

 

 

練習が終わった後。

 

可可「どうぞ。」

 

きな子「強化メニュー?」

 

可可「可可が体力ゼロだった時の秘密のメニューです。きなきなにあげます。」

 

きな子「午前5時起床。柔軟の後ランニング3km・・・凄く事細かに!ありがとうっす!」

 

かのん「でも無理しなくていいよ。あくまでも自分のペースで。」

 

きな子「はい!」

 

千砂都「もう何人か1年生が入ってくれると良いんだけどね。」

 

漣「このままだと桜小路さんだけになるな。1年生。」

 

恋「えぇ。やはり1人では、どうしても自分だけ遅れてるように感じてしまいますよね。」

 

千幸「もう1人でもいいから、入部希望者来てくれないかな?」

 

千砂都「うん。」

 

 

 

 

廊下に貼られてるスクールアイドル部のポスターを、四季が見てる。謎のゴーグルを装着している。

 

きな子『お先で~す!』

 

四季「はっ!」

 

階段を駆け下りるきな子を発見し、セグウェイらしきユニットできな子を追う。

 

 

 

 

外を出て走るきな子に四季が近付く。

 

四季「ちょっと。」

 

きな子「ひえっ!」

 

後ろから声を掛けられたきな子が転んだ。

 

四季「時間ある?」

 

 

 

 

その近くでは。

 

奈々華「はい。はい。分かりました。来週から最終オーディションですね?はい。頑張ります。」

 

電話で映画のオーディションの知らせを聞いた奈々華が居た。

 

奈々華「さて、私も帰ろうかな?ん?」

 

横を見ると、きな子と四季が庭へ移動して行くのが見えた。

 

奈々華「あの子達は・・・」

 

 

 

 

中庭。

 

四季「座って。」

 

きな子「はい・・・」

 

四季の隣にきな子が座る。

 

奈々華「あなた達、1年生?」

 

きな子「え?あ、はい。」

 

奈々華「あ、急に声掛けしてごめんね?私は美作奈々華。2年生。あなた達は?」

 

きな子「あ、桜小路きな子っす。」

 

四季「若菜四季。」

 

奈々華「へぇ〜。きな子ちゃんって言うんだね。スクールアイドル部の新規入部者。」

 

きな子「知ってるんっすか?」

 

奈々華「うん。漣さんとかのんから聞いてる。あ、私は演劇部ね。」

 

四季「ねぇ。どんな感じ?」

 

きな子「と言いますと?」

 

四季「スクールアイドル部。」

 

きな子「もしかして興味あるんっすか?」

 

四季「うん。メイが。」

 

きな子「メイ?」

 

 

 

 

メイ『何見てんだ!』

 

 

 

 

きな子「・・・・」

 

あの時怒鳴られた時を思い出して苦笑いした。

 

奈々華「友達?」

 

四季「中学時代から一緒。それでスクールアイドル部は?怖い先輩とか顧問とかいない?」

 

きな子「先輩は皆優しいっすよ!練習は確かにちょっと厳しいっすけど、でもラブライブ目指すんなら仕方ないっす!」

 

四季「ラブライブ・・・お願いがある。」

 

 

 

 

 

 

翌朝5時。かのんのスマホの目覚ましが鳴り、かのんが起床した。

 

かのん「おはよう!」

 

かのんの母「いってらっしゃい。気を付けてね。」

 

かのん「うん。マンマルおはよう。」

 

千幸『頑張って!』

 

かのん「ん?」

 

外を見ると、千幸がきな子と一緒にランニングをしている。

 

 

 

 

きな子「ハァハァ・・・」

 

千幸「桜小路さん、大丈夫?」

 

きな子「大丈夫っす・・・」

 

かのん「きな子ちゃん!千幸さん!」

 

きな子「かのん先輩!」

 

千幸「ようかのん!見てたのか?」

 

かのん「えへへへ。見付けちゃった。一緒に走ろう。」

 

きな子「はいっす!」

 

3人でランニングする。

 

 

 

 

公園で休む。

 

きな子「はひぃ~!」

 

千幸「ふぅ〜。結構汗掻いたな。」

 

かのん「はい。ゆっくり飲んで。」

 

きな子「ありがとうっす・・・」

 

貰った水を飲む。

 

きな子「ぷはっ・・・」

 

千幸「少しオーバーペースしてるな。」

 

きな子「すいません。どうしても力んじゃって。」

 

かのん「自分のペースで。無理が一番良くないよ。」

 

きな子「でも、かのん先輩達優勝目指しているんっすよね?」

 

千幸「まぁ。」

 

きな子「きな子・・・きな子・・・足を引っ張りたくないです!」

 

かのん「・・・分かるよ。でもラブライブで優勝したい。それは大事な目標なんだ。それと同時に皆に"スクールアイドルは楽しい"って知ってもらいたい』

 

きな子「かのん先輩・・・」

 

かのん「きな子ちゃん以外の1年生にも楽しいなって思ってもらえて一緒にやれたら最高だなって。でもそれにはどうしたらいいんだろう・・・」

 

きな子「すいません・・・」

 

千幸「いやいや。桜小路さんを責めてる訳じゃないよかのんは。」

 

かのん「そうだよ。むしろ謝るのは私の方。負担かけちゃってごめんね。もうちょっと考えてみる。」

 

 

 

 

 

 

その日。学校にて。

 

きな子「他の1年生か・・・」

 

夏美「ナッツー!日経平均全面安!これは想定外ですの!このままでは今月の目標が・・・マニ~!マニ~!マニィ~!」

 

相変わらず配信してる夏美。

 

きな子「あ。」

 

こっちを見てる四季に気付いた。四季はメイを誘うようアイコンタクトした。

 

きな子「本当に行くんっすか・・・?」

 

 

 

 

 

 

昨日の中庭で。

 

四季『お願いがある。メイを誘ってほしい。スクールアイドルに。』

 

 

 

 

 

きな子「・・・・」

 

誘おうにも勇気が出ない。

 

四季「メイ。あの子話があるって。」

 

メイ「ん?」

 

きな子「え!?いや・・・その・・・」

 

メイ「ん?」

 

ギロリときな子を睨む。

 

きな子「スクールアイドル部の為・・・」

 

勇気を振り絞って、メイに近付く。

 

きな子「あ、あなたも・・・あなたもスクールアイドルやってみませんか!?」

 

手を伸ばして勧誘する。

 

生徒「え!?米女さんがスクールアイドル!?」

 

生徒「好きだったんだ!」

 

するとメイがきな子の手を握った。

 

きな子「米女さん!」

 

勧誘成功。と思いきや。

 

きな子「あれ?」

 

彼女はきな子を睨み続けてる。

 

メイ「ちょっと来い!」

 

 

 

 

 

 

体育館の裏。

 

きな子「ひぃぃ!命だけはお許しを~!お金は今ないんっす!仕送りで暮らしており~!あ!パン!パンならあるっすよ!カルボナーラパン!今マイブームで・・・」

 

メイ「何も取らねぇよ。四季に言われたのか?私の事スクールアイドル部に誘えって。」

 

きな子「はい・・・」

 

メイ「今後は無視しろ。後、皆でいる時にスクールアイドルの話を私にしてくるな。私はスクールアイドルなんか興味ねぇんだ。次体育だぞ。急げ。」

 

きな子「あ、はいっす!いてて・・・朝張り切り過ぎたっすかね・・・」

 

 

 

 

体育の時間。マラソン。

 

きな子「はひぃぃ~!」

 

先生「桜小路さん?桜小路さ〜ん?」

 

圧倒的最下位できな子がゴールした。

 

生徒「大丈夫かな?」

 

生徒「桜小路さん最近スクールアイドル部に入ったんだよね?」

 

きな子「ハァハァ・・・」

 

メイ「大丈夫かよ?」

 

きな子「申し訳ないっす。」

 

バテてるきな子を、メイが支えてあげた。

 

メイ「バテてんじゃねぇか。いきなり朝練とか無理するから。」

 

生徒「やっぱりスクールアイドル部って大変なのかな?」

 

生徒「だろうね。」

 

きな子「違うっすよ。練習が厳しいからじゃなくて、きな子が全然体力ないんっす!」

 

生徒「朝も走ってるきな子ちゃん見たよ?」

 

きな子「あれはきな子が自主的に・・・」

 

生徒「昨日も夕方遅くまで屋上で練習してたって。」

 

きな子「それは先輩たちにステップを習っていて・・・」

 

先生「は~い集合!」

 

メイ「行くぞ。」

 

きな子「何か、誤解されちゃってるんっすかね・・・」

 

メイ「気にすんなよ。皆何も知らないんだよ。って私もよく分かんねぇけど。」

 

 

 

 

 

 

放課後。

 

漣「あ、恋。どうだった?」

 

恋「1年生の入部状況を調べてみましたが、スクールアイドル部希望の生徒はいないみたいです。」

 

かのん「そっか・・・」

 

漣「何か、誤解が膨れ上がってる気がするな・・・」

 

生徒「吹奏楽部にしようかな?それとも演劇部とか。」

 

生徒「スクールアイドル部は?」

 

生徒「そんな。私なんかじゃついていけないよ。」

 

生徒「優勝目指してるんだもんね。」

 

生徒「凄いよ。あの先輩達。」

 

きな子「・・・・」

 

 

 

 

 

 

新入部員を待つが、誰も来ない。

 

可可「やはりすみれのせいで誰も来ません。」

 

すみれ「何で私?」

 

可可「それ以外考えられないです。」

 

すみれ「失礼な!」

 

きな子「どうもっす。」

 

可可「あ、きなきな!」

 

すみれ「どう?1年生声かけられた?」

 

きな子「すみません。何人か声はかけてみたんですけど、皆及び腰で。」

 

可可「やっぱりすみれのせいですか。」

 

すみれ「しつこい!」

 

きな子「多分きな子が悪いんです・・・」

 

可可・すみれ「え?」

 

きな子「きな子がいるからきっと・・・」

 

落ち込むきな子に、2人が慰める。

 

すみれ「何言い出すのったら言い出すの!私の責任だって言ってるでしょ!」

 

可可「そうですそうです!」

 

すみれ「そう!私にもっとオーラさえあれば・・・ってじゃかましい!」

 

ナイスノリツッコミ。

 

 

 

 

 

 

部室。

 

かのん「練習が?」

 

きな子「はい。クラスに練習中のきな子を見たって子が何人かいて それが凄い厳しそうに見えたらしくて。」

 

恋「そう言う事ですか・・・」

 

漣「ちょっと誤解してる感じがしてるな・・・」

 

きな子「先輩達と先生達が悪い訳じゃないんっす。それもこれもきな子が運動苦手なのがいけないんっす。だから余計・・・」

 

可可「平気ですよ。少し練習して慣れてくれば。」

 

すみれ「でもその頃に勧誘しても遅いでしょ?」

 

漣「これからどうするんだ?」

 

千砂都「練習メニュー、少し簡単にしてみる?」

 

漣「え!?」

 

きな子「そんな!それは違う気がするっす!」

 

恋「その方が得策かも知れません。」

 

かのん「恋ちゃん・・・」

 

恋「確かにラブライブで優勝したいという気持ちは私もあります。ただそれ以上にこの学校にスクールアイドルを根付かせたい。母が始めた想いを皆で繋いでいきたいのです。」

 

すみれ「お母さんが始めたんだものね。」

 

千幸「花さんの夢を無駄にしない為か。」

 

恋「沢山の1年生が入部出来る環境を我々が作り、この学校のスクールアイドル活動を広げていくべきではないかと。」

 

千砂都「どう思う?かのんちゃん。」

 

かのん「うん。実際何か変えていかなきゃだもんね。だったら・・・」

 

 

 

 

 

 

ポスターに書かれてる優勝の上に出場を貼った。

 

可可「これでいいですね?」

 

かのん「うん。」

 

漣「よし。練習メニューはこっちに貼っておいたぞ。」

 

すみれ「練習たったの1時間!?そんなのでラブライブ間に合うの!?」

 

可可「あーだこーだ言うなら自分で案を出すのです。」

 

すみれ「だってアンタ優勝しないと上海に・・・」

 

可可「すみれが気にする事ではないです。」

 

千砂都「更に1年生を集める為に・・・」

 

 

 

 

 

 

千砂都「たこ焼きだよー!」

 

かのん「スクールアイドル部は屋上で練習していま~す!」

 

恋「是非見学にいらして下さい!」

 

可可「新しい練習メニューも一緒にどうぞ~!」

 

すみれ「スクールアイドル部で~す!」

 

千砂都「誰でも始められるようになったよ~!」

 

漣「これで入部希望者入れるのか?」

 

千幸「分かんね。」

 

 

 

 

四季「美味しい。食べる?」

 

メイ「いらねぇよ。」

 

四季『はい練習メニューだって。いる?」

 

メイ「っ・・・!どっちもいらねぇ!」

 

 

 

 

夕方。

 

千砂都「ふぅ、大盛況。」

 

奈々華「結構食べてくれたね。」

 

千砂都「奈々華ちゃん!」

 

奈々華「相変わらず、千砂都のたこ焼きは美味しいね。」

 

千砂都「でしょでしょ?」

 

かのん「これで興味持ってくれる人が少しでも増えたらいいんだけど。」

 

漣「果報は寝て待て。きっと来るはずだよ。」

 

かのん「うん。」

 

 

 

 

きな子「・・・・」

 

 

 

 

 

 

翌朝の5時。

 

かのん「んん・・・やばっ!・・・そっか。練習・・・ないんだ。」

 

 

 

 

 

 

放課後。

 

漣「残り5秒!3、2、1・・・良く頑張った!」

 

かのん「ふぅ・・・」

 

漣「じゃあ今日はここまでだ!解散!」

 

全員「えっ!?」

 

可可「もう終わりですか?」

 

漣「ああ。この前決めた練習通りだ。」

 

すみれ「流石に歯応えないわね。」

 

恋「すみれさん!」

 

すみれ「はっ!」

 

バテてるきな子を見てすみれが理解した。

 

すみれ「いや~けど結構疲労溜まったかも~?」

 

恋「そうですよ。足りない人は各自家でレッスンしましょう。」

 

漣「慰めてるつもり?」

 

千幸「じゃあストレッチするぞー!」

 

かのん「気にしちゃダメだよ。」

 

漣「うんうん。」

 

きな子「かのん先輩・・・先生・・・」

 

漣「皆で決めた事だし、もう少し頑張って?」

 

きな子「はい!ん?」

 

ドアから手招きしてるメイを発見。

 

きな子「わっ!」

 

かのん「ん?」

 

漣「ん?1年生の子?」

 

 

 

 

 

 

夕方。

 

奈々華「ふぅ〜。稽古頑張った〜。ん?」

 

メイに連れられるきな子を見付けた。

 

奈々華「きな子ちゃん?それにあの子は・・・」

 

 

 

 

 

 

中庭のベンチ。

 

メイ「座れ。」

 

きな子「え?」

 

メイ「座れって言ってんだよ。」

 

きな子「は、はいっす!」

 

メイの隣にきな子が座る。

 

きな子「申し訳ないっす!パンは食べてしまったので今はこれしか~!」

 

飴玉で許して貰おうとする。

 

メイ「ちげぇよ。何勘違いしてんだ。」

 

奈々華「コラ!」

 

きな子・メイ「?」

 

奈々華「あなた、彼女に何しようとしてるの?」

 

きな子「奈々華先輩!!」

 

奈々華「まさかカツアゲ?それともパシリ?」

 

メイ「ち、違います!」

 

奈々華「なんて冗談よ。あなた、きな子ちゃんのクラスメート?」

 

メイ「あ、はい。米女メイ。」

 

奈々華「美作奈々華よ。演劇部所属。それで、あなたはきな子ちゃんをどうしようと?」

 

メイ「私は・・・」

 

四季「気にしちゃダメ。これがメイの普通。」

 

きな子・メイ・奈々華「うわっ!」

 

奈々華「四季ちゃん?」

 

メイ「何でお前がいるんだよ?」

 

四季「偶然。構わず話して。スクールアイドルの話。」

 

きな子「スクールアイドルの話?」

 

奈々華「メイちゃんスクールアイドルに興味あるの?」

 

メイ「べ、別に私はそんな事話すつもりは・・・」

 

四季「違うの?」

 

メイ「っ!はぁ・・・桜小路はさ、やってみたいって思ったんだろ?スクールアイドル。」

 

きな子「え?」

 

メイ「だから入ったんだろ?優勝目指してて練習も厳しいって知ってて入ったんだろ?」

 

きな子「それは・・・そうっすけど・・・」

 

メイ「だったらそのまま突き進んでくれよ。」

 

きな子「え?」

 

メイ「自分がやりたい、目指したいって思った事を信じてみろよ!周りの声なんて気にするな!」

 

きな子「・・・うん!」

 

奈々華「意外と優しいのね。メイちゃんって。」

 

メイ「え!?べ、別にそんな・・・」

 

奈々華「にしても、メイちゃんって結構可愛いね。」

 

メイ「え!?」

 

奈々華「ねぇ、もし良かったら演劇部に入らない?」

 

メイ「え、あの・・・考えときます・・・」

 

 

 

 

 

 

翌朝。5時にかのんが目を覚まし、しばらく考えて起きた。

 

かのん「よし!」

 

 

 

 

朝のランニング。

 

 

 

 

休憩して水を飲む。

 

かのん「よしもう1周!」

 

???「あ。」

 

かのん「ん?」

 

偶然きな子と出会った。

 

きな子「かのん先輩!」

 

かのん「きな子ちゃん・・・」

 

きな子「やっぱりきな子は練習しなきゃと思って。」

 

かのん「実は私も全然落ち着かなくて。」

 

恋「何故ここに?」

 

千砂都「あ、きな子ちゃんまで!」

 

すみれ「皆自分だけ練習しようなんてズルいわよ。」

 

可可「こんな所で鉢合わせるなんて。」

 

千砂都「しかも同じ時間に。」

 

かのん「皆!」

 

漣「おいおい。顧問の俺達を置き去りか?」

 

千幸「抜け駆けはいけませんぜ?お嬢さん方。」

 

スクールアイドル部全員が揃った。

 

きな子「・・・あの!やっぱり戻しませんか?」

 

かのん「えっ?」

 

漣「練習を?」

 

きな子「はい。きな子がこんな事言うのは失礼かもしれないっすけど・・・きな子もやっぱりLiella!さん達と優勝目指して頑張りたいんっす!きな子が憧れたのは、こんな風になりたいって思ったのは優勝目指して必死に頑張っている先輩達なんです!大変でも前向きに頑張っている先輩達なんです!」

 

恋「ですが・・・」

 

きな子「分かってます。でも・・・でも・・・」

 

涙を流すきな子。かのんがきな子を優しく抱いた。

 

かのん「私もずっと思ってた。これが本当にいい事なのかなって。」

 

きな子「先輩・・・」

 

かのん「メニューを戻したら1年生が入って来なくなっちゃうかもしれない。きな子ちゃん1人って事になってしまうかもしれない。それでも頑張ってくれる?」

 

きな子「はい!」

 

かのん「一緒に優勝目指してくれる?」

 

きな子「・・・はい!」

 

かのん「いい?」

 

千砂都「私は賛成。」

 

かのん「2人はどう?」

 

漣「ああ。いいと思うぞ?」

 

千幸「どうするかは、君達次第。」

 

きな子「きっと伝わると思うんです。大変でもやりたい事を続けていれば、その先にある楽しさは大きくなるって。皆が一緒にやってみたいって思うものが作れるんじゃないかってそう思うんっす!」

 

恋「・・・!」

 

きな子「すいません。出過ぎた真似を・・・」

 

恋「いえ・・・その通りだと思います!」

 

かのん「恋ちゃん・・・」

 

恋「信じましょう。スクールアイドルの力を。私たちの思いはきっと届きます。」

 

きな子「はい!」

 

千砂都「危うく目標を見失うところだったね。」

 

すみれ「不覚ったら不覚だわ。」

 

可可「目の前の事に気を取られすぎました。」

 

恋「目指すべきものは変わりません!」

 

漣「これがLiella!の原点。」

 

千幸「目指すのは、俺達も同じだ。」

 

かのん「うん!」

 

5人がピースで円陣を組む。

 

かのん「きな子ちゃん!」

 

そこに、きな子が加わった。

 

かのん「私達はLiella!!私達が目指すのは・・・」

 

きな子「ラブライブ!」

 

Liella!「優勝!」

 

漣「これが君達の再スタートだ!」

 

千幸「ラブライブに向けて行くぞ!!」

 

Liella!「はい!!」

 

 

 

 

 

 

この日。スクールアイドル部のポスターを元の優勝に戻した。

 

 

 

 

きな子「ひぃぃ~!」

 

かのん「じゃあもう1周行くよ!」

 

漣「頑張れきな子!君なら出来る!」

 

きな子「はいぃぃ〜〜!!」

 

 

 

 

 

 

ランニングする7人を、謎の少女が見ていた。

 

謎の少女「澁谷・・・かのん・・・」

 

かのんの名を呟くこの少女は一体・・・

 

『END』




         キャスト

       朝霧漣:荒井敦史

      城戸千幸:池岡亮介

     澁谷かのん:伊達さゆり
       唐可可:Liyuu
      嵐千砂都:岬なこ
    平安名すみれ:ペイトン尚未
       葉月恋:青山なぎさ
    桜小路きな子:鈴原希実
      米女メイ:藪島朱音
      若菜四季:大熊和奏
      鬼塚夏美:絵森彩

     美作奈々華:七瀬彩夏
      謎の少女:結那
     かのんの母:能登麻美子

       その他:藍本あみ
           小池理子
           鈴木杏奈
           廣瀬千夏
           藤寺美徳
           森なな子




奈々華「私美作奈々華は、結ヶ丘女子高等学校2年生。生徒の傍、実はアイドル事務所STAR RINGに所属してる女優なんだ。次回は私に新たなチャンスが舞い降りて来た。このチャンスを掴めるのか・・・」

次回「奈々色ハイスクール」

奈々華「学校と女優。そして、審査。」

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。