グレートゼオライマーとジュエルシードの力で過去のミットチルダに飛んだ俺の目の前にはプレシアさんの住居で見たアリシア嬢が倒れていた。
「大丈夫か!?」
俺は駆け寄り抱き上げGZに検査させた。検査の結果どうやら研究所の爆発の衝撃で気を失っているだけで命に別状は無いようだ。
「ふう、良かった。間に合ったようだな……」
アリシア嬢が死ぬ前に何とか間に合った俺は早速死んでいるアリシア嬢と生きているアリシア嬢を入れ替えその場を去ろうとした。
「そうだ、せっかく来たついでだし……」
俺はGZを使いこの研究所のデータベースに忍び込み全ての情報を根こそぎ奪ってから元の時代に移動した。
「プレシアさんただいま戻りました」
「アキラ、アリシア!!」
元の時代に戻った俺を見たプレシアさんはすぐさま駆け寄りその腕にアリシア嬢を強く抱きしめた。
「アリシア嬢は意識を失っているだけで体や命に別状はありません。すぐに目が覚めると思いますよ」
「あり、がとう。本当にありがとうアキラ」
ぽろぽろと涙をこぼしながらアリシア嬢を抱きしめそう言ってくるプレシアさん。
「さ、とりあえず場所を移してアリシア嬢を寝かせましょう。命に別状はないといってもそのままにしておくわけにもいかないでしょう」
「ええ、そうね。こっちよアキラ」
そうして宝物を扱うようにそっとアリシア嬢を持ち上げたプレシアさんの後ろについていき寝室と思わしき場所まで着いていく。
寝室のベットにゆっくりとアリシア嬢を寝かせその横で手を繋ぎながらベットに座るアリシアさん。そして眠っているアリシア嬢の頭をゆっくりと撫でていた。
「……しばらく俺は席を外しますね」
小声でそう言って俺は寝室を出た。
「さて、と。これでアリシア嬢の方はこれで良いか……時間もう少し掛かりそうだから今の内にしとくかな」
俺はそう言ってこのプレシアさんの住居の機械にGZを使用して進入してプレシアさんの世間の情報を集めた。
その結果以前話して貰った事と代わりが無かったので今回の時間転移で得た情報を元にいろいろと情報を流しておいた。さらにプレシアさんを貶めた馬鹿どもにはいろいろとお礼をしてやった。俺に目を付けられたことを後悔するんだな。
情報を流しを終ってもまだ時間が余っていたのでフェイトちゃんを迎えに行く事にした。
「こんにちはフェイトちゃん」
「ふぇ!?え、あ……アキラさん?」
人っ気が無い街中を歩いていたフェイトちゃんの後ろから声をかけるとビックリした表情でこちらを向くフェイトちゃん。
「そう、アキラです。また会ったね」
「えっと、はい。また会いましたね」
時間があまり無いから早速本題に入る。
「フェイトちゃん。君のお母さんの事なんだけど」
「母さんがどうかしたんですか?」
「そうプレシアさんが君の事を呼んでいるみたいでね、たまたま居合わせた俺に呼んでくるように頼まれたって事」
「母さんが呼んでる……でも私まだジュエルシードを殆ど集めていないのに……」
「ああ、ジュエルシードの事なら大丈夫。俺が残り全部集めてあるから」
「え?」
「とにかくプレシアさんのところにさくっと行くよ」
「え、ちょっとまって」
「だが断る」
そう言ってフェイトちゃんを連れてプレシアさんのところに転移した。
「プレシアさ~ん」
「ア、アキラ!?転移で急に現れないで!!貴方のは魔力反応が無いから察知できないんだから」
「そうでした。すみません」
「分かれば良いのよ。次回から気よつけてくれれば」
そこまで話したら横から服を引っ張られ振り向くとフェイトちゃんが困った顔で尋ねてきた。
「あ、あのアキラさん、この人は……」
「この人ってプレシアさんだよ?」
「え?」
プレシアさんを見て俺を見てまたプレシアさんを見る。ちなみにプレシアさんはフェイトちゃんを見た瞬間に固まっていた。
「母さんって、この人凄く若く見えるよ」
「綺麗なプレシアさんは嫌い?」
「う、ううん。嫌いじゃないけど、どうして若返っているの?」
「いいかいフェイトちゃん。大人には大人の事情っていうものがあってだねそういう事は気にしちゃいけないんだよ」
「え、いやでも……」
「まあ、詳しい事は本人から聞いたほうが早いだろうからね。プレシアさん!!」
俺が声をかけると再起動したプレシアさんだが凄く慌てだしていた。
「ちょっと、なんでここにフェイトが居るの!?」
「俺が連れてきたからですが」
「なんで連れてきたのよ」
「だってこうしないとプレシアさんフェイトから逃げ出しそうだったし」
「逃げる?母さんどういう事」
「え、あ、う……」
「では後の説明はがんばってください。ではおさらば」
「あ、ちょっと待ちなさい!!」
俺はプレシアさんが居た寝室にフェイトちゃんを置いて逃げ出した。切欠は作ったんだからがんばってプレシアさん。
しばらくしたらプレシアさんに呼ばれて寝室に入ると目を赤くしたプレシアさんとフェイトちゃんが居た。
「……二人とも和解できたみたいですね」
「ええ。フェイトはこんな私を母さんと受け入れてくれたわ」
「母さんはどんな風になったって私の母さんだよ」
「フェイト……」
「母さん……」
「良かった良かった」
泣きながら抱き合う二人。それを眺めていると
「う、うう~ん。母さん?」
寝室のベットで眠っていたアリシア嬢が起きた。
「アリシア!!」
「あ~お母さんだ~」
「アリシア!アリシア!!」
アリシア嬢に抱きつくプレシアさん。アリシア嬢も寝ぼけながらもプレシアさんに抱きつく。
「あのね、あのねお母さん。私お母さんの為にクッキー持ってきたんだ。後で一緒に食べよう」
「ええ、後でみんなで食べましょう」
「あ、あの……」
「?お母さんこの子だ~れ」
「フェイトこっちにいらっしゃい」
「う、うん」
「アリシア、この子は貴方の妹よ、フェイト自己紹介なさい」
「はい。あ、あの私はフェイトテスタロッサっていいます……そのあなたの妹です」
「妹……妹!!」
「きゃ」
フェイトちゃんの自己紹介を受けたアリシア嬢はフェイトちゃんに抱きついた。
「妹~!!お母さんありがとう!!これで私一人でお留守番してなくてすむね」
「アリシア……大丈夫よこれからは母さんもずっと一緒だから皆で一緒に暮らしましょう」
三人で抱き合う姿はとても綺麗だった。
さてその後の話をしよう。あの後フェイトちゃんとアリシア嬢に俺の事を話したら二人に「お父さん」と言われしかもプレシアさんも満更じゃない表情をしていて凄く慌てた。
その場はとりあえずごまかして今後の話をする事に。今の所プレシアさんは管理世界では評判が悪いのでこのまま地球に移り住んでもらう事にした。地球の日本なら治安や教育施設が充実しているからね。なのでGZを使い三人の戸籍を偽造しておいた。無論ばれる事はまず無いが……
住居と資金もGZを使ってちょっと違法なことすれすれをしながらも高級住宅地の一等地の一軒家を手に入れ資金も数億円ほど手に入れた。それを渡した時もらえないといわれたが無理やり渡した。自己満足かもしれないけど俺がしたいからしたので気にしない。
こうしていろいろとお節介を焼きながら一月がたち、遂にGZに任せておいた元の世界への転移計算が完了し元の世界に戻る時が来た。
「どうしてもいってしまうのねアキラ」
「……ええ。こればっかりは、ね」
「お父さん本当にいっちゃうの」
アリシアが目を潤ませながらそう聞いて来る。
「ごめんなアリシア。お父さんも帰らないといけない場所があるんだ」
「う、うう……泣かないもん私お姉さんだもん」
「えらいな、アリシアは」
泣きそうなのを堪えるアリシアの頭を優しく撫でる俺。
「フェイト、お母さんと姉さんをしっかりと支えてやってくれ」
「はい、父さん」
フェイトも泣くのをこらえ笑顔で見送ってくれた。
「じゃあ俺は行くよ。プレシア、アリシア、フェイト。会えてよかった」
そうして俺はGZに導かれ光に包まれる。
「アキラ!!」
「お父さん!!」
「父さん!!」
三人とも泣くのを堪えて笑顔で見送ってくれた。
「皆、また会おう」
こうしてこの世界での俺のお話は終わりを告げた。さて元の世界に戻ったらこの事を日記にでも書こう。忘れないように……
「残りのジュエルシードはどこだーーー!!っていうか僕のセリフこれだけ!?」