連合からの襲撃が恒例行事となってはや数年。今では魔法使い達の襲撃は陰陽師や呪術師の新人達の実戦訓練として活躍しています。定期的に数人から数十人単位で攻めてくる魔法使い達は新人達にとっていい実戦訓練になるので重宝しています。
魔法使い達も馬鹿ではないので毎回毎回手段を変えて侵攻してきますがこの国内で私の監視から逃れる事など不可能なので毎回毎回作戦は筒抜け状態なので万が一、という事はありえないのです。(今現在この国にはありとあらゆる場所に私の手足となる兵士級やら戦車級などが極小サイズで潜伏しているのです。しかも創造主様が齎した別世界の魔法技術によってこの世界の人間達には見つけることが出来ません)
そんな中、魔法世界で戦争が勃発した。主に「メガロメセンブリア」と言う魔法使い達の本拠地を主体とした「北の連合」と、獣人などを中心とした「ヘラス帝国」が主体の「南の帝国」との間での戦争が。
まあ、ハッキリ言って私達には関係のない事です。これが私達のいる現実世界で起こった事ならば考えますが戦争の場所は魔法世界。完全に無関係の場所での戦争です。ゆえに私達は傍観していたのですが、ここでも魔法使い達の常識を疑う行動を見せ付けられました。戦争が始まったと言う情報が入ってしばらくした後、魔法使い達が使者をよこしたのです。
今まで自分勝手な理由で侵攻してきながら今更何をしに来たのかと思っていましたが彼ら魔法使いと言う人種は本当に私達の常識が通用しないと思わされました。
なぜならば使者が来た理由が私達に連合の一員として戦争に参加するように言ってきたのです。
これには使者と会談に及んだ呪術師や陰陽師達はほとほとあきれ返っていました。しかも今までこの国の聖地に対して侵攻していたにも拘らずそのことに対して謝罪の一つもせずに、です。使者はあきれ返っている陰陽師達を見て何を勘違いしたのか「我ら連合の一員として参加すれば今までの事は水に流し~」等と上から目線で一方的に話し始めました。なので私達は使者に向かってこういってやりました。
「我らは貴様たちと同盟を結んでいるわけでもなく隷属化しているわけでもない。ましてや今まで我らが聖地に自分勝手な理由で侵攻してきた侵略者の下で働く義理も理由も意味も無い。ゆえに潔くこの国から出て行くがいい、狂信者どもが!!」
この言葉を聞いた使者は顔を真っ赤に染めて怒鳴り散らそうとしましたが即座に周りにいた護衛の者達に捕らえられて魔力封じの札を全身に貼ってから国外に叩き出しました。
本当に魔法使いと言う人種はどんな教育を受けているのか一度見てみたいものです。
そうそう、使者が来る少し前に魔法世界での戦争に関して少し揉め事が起きました。まあ起きたといっても神鳴流や陰陽師や呪術師の一部の新人達が自らの腕試しと称して戦争に参加しようとしたのです。無論止めましたが。若気の至りと言う奴でしょうか、侵攻して来る魔法使い達に連戦連勝したことで自分達は強いと意気込んでしまったようです。なのでそんな考えを持ち聖地の守護を疎かにした新人達には私が直々に指導をしてあげました。
内容はいたってシンプル。10の4乗の兵士級や戦車級を四方八方から攻め込ませるのを一定時間防ぐ、と言うい簡単な訓練です。最初こそ奮闘していましたが倒しても倒しても屍を乗り越えて攻めてくる敵に一人、また一人と倒れていき一時間とたたずに彼らは全滅しました。
が、たかだか一回で戦争に参加しようとした新人達の熱意がさめるわけも無く全員が倒れたら即座に回復させてまた同じ訓練をさせました。新人達は泣き叫びながら私に何か言っていましたが叫ぶだけの元気があるというならばまだまだ大丈夫でしょう。
結局、都合200回ほど強制的に訓練をさせた結果新人達の実力は熟練の陰陽師達に届くぐらいになっていました。特に青山詠春という新人は中でも一番実力を伸ばしていました。200回目の訓練では最終的に一人で半数近い数の兵士級達を殲滅していました。
これなら訓練における数の位を一つあげてもいいかな?と思えるぐらいになっていたのでそう聞いて見たら顔を真っ青に変えて土下座をして「それだけはお許しください!!」と必死になっていました。
こうして私直々に指導してあげた結果戦争に勝手に参加しようとしていた新人達はいなくなりました。むしろ聖地を守っていたい、いや守らせてください、と聖地を守る自覚が出てきたようで何よりです。
さて魔法使い達の使者を叩き出してからと言うもの魔法使い達の侵攻は無くなりました。これは侵攻を諦めたのではなく侵攻するだけの兵力すらも戦争に駆り出しているようなのです。戦争は今の所五分五分の膠着状態が続いているようです。そんな中今度は私達の所に帝国からの使者が来ました。面倒事の匂いかしますが帝国の使者は魔法使い達の使者と違い疎いながらもこの国の礼儀作法にのっとた訪問の仕方をして事前に連絡をしてから使者を送ってきました。
この国での正式な手順を踏んで使者を送り込んできた手前叩き出すわけにも行かずとりあえず話を聞いてみる事にしました。
内容としては魔法使い側と同じく戦争に参加して欲しいと言う事だったのですが魔法使い側とは違い内容には「ヘラス帝国と貴国の対等な立場での同盟の申請」「戦争中、戦争後の貿易や人員派遣などの交流」等具体的な内容を提示してきました。
彼らの態度に問題点は無く、使者が話した内容も悪い物ではありませんでした。ただ私が戦争に参加すると創造主様から与えられた使命「自衛手段以外の戦闘は極力しない」に反する事になりますしかといって大木を守らせている陰陽師や呪術師、神鳴流の剣士を派遣すればもう一つの使命である「いかなる手段を講じてもこの木を守る」に反してしまいます。
悩みに悩んだ結果、私は使者に条件を出しました。それは「帝国が戦争で勝利した場合、帝国の全力を持って魔法世界からのこの国に対する手出しを封じさせる」と言うものでした。
これは「自衛手段以外の戦闘は極力しない」に反する事ですが使命は“極力”であり“絶対”では無いのです。そして戦争を帝国側の勝利で収めさせ、戦争の勝利者である帝国軍の力を利用すれば「いかなる手段を講じてもこの木を守る」というもう一つの使命に通じる事となります。
つまり短期間で戦争を終了させ、かつ連合の力を削ぎ落とし帝国の力はそのままにすれば魔法使い達の進行を防げ、魔法世界一の大国となった帝国の力を利用できるという事です。
「……私が言った条件を呑まれるのならば私達は力を貸しましょう」
「本当ですか!ならば私の全霊を持ってその条件を呑ませて見せます!!」
「お願いします……それでは私達が貸し出す兵力なのですが」
「はい。どのぐらいなのでしょう」
この時、交渉に来た使者は現実世界で最大規模の組織であり連合の魔法使いの侵攻を何年も防いできたこの組織の人材ならばたとえ数百人程度しか送られなくてもきっと多大な成果を挙げてくれると信じていた。だが使者の思いは裏切られる事となる。違う意味で。
「あまり数は送り出せませんが、そうですね……。10の12乗でいいでしょうか?」
「え?10の……」
「ああ、分かり辛かったですか?分かりやすく言うなら兆、ですね」
「……兆?」
「はい。億の上の位の兆です」
こうして大木を守る私たちによる魔法世界の蹂躙劇が始ったのです。
かつてネギま物の二次創作でここまで物量で蹂躙しようとしている作品があっただろうか?
戦いは数だよ、兄貴!!